「陽だまりの中で」

 ぽっかりとした陽だまりで、地面にぺったりとすわり無心で大豆をたたく。夢中でやっていると夫がなにやら笑っている。顔を上げると、どこのばあさんかと思ったと言う。まったく私の幸せな気分ぶちこわし。ああ、今年もたくさん大豆がとれそうだ。味噌を造ってあとは何にしようかな?とつい口元がゆるんでしまう。頭に手ぬぐいをまいてにやにやしている姿はちょっとぶきみかもしれないけど、大変だけどこの落とす瞬間が好きだ。ぱんぱんたたくとぱらりとまめが飛び出す。あっというまに、ざらんとたまってくる。これが笑わずにいられようか。 今年の作柄は私にとっては上々で、これから大根や人参を囲わなくてはなりません。ちょっと欲張って植えたので大仕事です。沢山あるので漬物にも挑戦しようかと思っています。山の実りはいまひとつで、動物達が心配です。家の横にある栗の木には鳥達や、りすが来てにぎやかです。やぎも先を争って栗を食べています。その横で大豆を落とし落ち葉を焼く私がいます。 感謝と共に今年最後の市場も終わりました。沢山のお客さんに来ていただき本当にうれしかったです。春からどうなることかと思いつつやってきた市場でしたが、メンバーの皆さんに教えてもらいながら野菜を育て、後半に向かって出せるものも増えました。いろいろ植えましたが、私には難しいものもわかったし、種の蒔き時期も教わりました。来年が楽しみです。毎回来て下さる常連さんもでき、そのやり取りも楽しいものでした。お客さんの厳しい目や意見も勉強になりました。 さあ、そろそろストーブが恋しくなってきました。まきを切らなくてはなりません。次の週末は家族でまき切りになりそうです。

ゆのみ NO.12 11月2日 
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