「ゆっくり、おいしく」
 

 1年に1度の味噌の仕込が終わりました。去年の秋に落とした青大豆と今年はうちで食べている米で麹も作ってもらうことができました。塩は沖縄の塩、農家ならではのこだわり味噌です ここに嫁いで1キロの大豆から始めた味噌作りも今では14キロ。実家も楽しみにしてくれています。やはり手作り味噌はおいしいです。4年前から大豆の自給もできるようになり大変さと引き換えに大きな喜びを感じます。
 私は小さいときから大草原の小さな家というテレビ番組が大好きでした。そしてローラのお母さんにあこがれていました。あんな風に強くて、何でもできてやさしい人は本当にいるのかなと子供心に思っていました。私が農業をやりたかったのも心の奥にローラのお母さんがいたのかもしれません。
 ローラの時代ほどではありませんが、今でも農村には生活の知恵が盛りだくさんです。そんな知恵をひとつづつ身につけられたらいいと思いますが、今の時代便利だからとどんどん大切なものが失われている気がします。自然になじんだ暮らしをしていた農民にも効率第一主義が求められ農村の存在価値は認められなくなっています。
 しかし、考えてみてください。農村が荒廃していって、困るのは誰でしょうか?今はグローバル時代でどこからでも食べ物が輸入できるから困らないと思いますか?日本の商社が労働力の安い海外で生産させて日本に輸出しています。できることは何をやってもいいのでしょうか?今の日本がどっちの方向に向かっていくのかとても心配です。

ところで、樽に詰めた味噌は我が家のトイレの床下に収納され夏まで眠ります。トイレと聞いて味噌もなんとかも一緒じゃないと思われるかも知れません。しかし、我が家のトイレの床下には厚さ50センチ程炭が敷いてあるのです。炭のベットの上でゆっくりおいしくなるのです。

ゆのみ  NO.21   3月1日


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