121109 (FRI)  【PANORAMA×42】 in 稚内総合文化センター

 彼らのライヴに通い始めて11年半。
 いよいよやってきた、これが最初で最後かもしれない、我が地元稚内公演。
 しかし、ポルノがやって来たからなのか(?)、悪天候も極まれり……
 普段から風速10m程度は珍しくない街なんですが、昨日今日とさらに強くて、
市内でも15〜18mほどあるという状況。プラス雨です。うん、さすが。

 席は2列36番。これ、2列ってなってるんだけど、稚内総合文化センターって
1列目は真ん中20〜30番の11席しかないのです。ってことは、2列36番には
前の列がない。つまり最前列〜(>w<)
 上手から3席目と端っこではありましたが、なんたって大した大きなハコでは
ないので(全部で1293席)、ちょうど真正面がナンちゃんな感じ。
 当日券が出ていて、少々席の埋まり具合が心配だったのですが、ライヴが
始まるちょっと前に後ろを振り返ってみた時は、後方数列が空いてるっぽくて。
 まあ、でもまずまずといったところかなーなんて思ったりしているうちに、5分ほど
押して開幕。

 うーわー、近いー(>_<)
 だってステージまで1mくらいしかないんだもん。多分今までのライヴ経験中、
いちばん近いかもしんない。
 『メリーゴーラウンド』なんか、照明明るいままだし、マジマジとステージ上の
彼らを眺めちゃいました。近すぎて、見上げる感じになっちゃうけどね。
 昭仁が「稚内!」ってあおってくれるのが、たまらなく幸せだわ、『2012Spark』、
『やがて哀しきロックンロール』、『ネオメロドラマティック』とノリのいい曲が続くわで、
あっという間にテンションアップ。
 今回の『ネオメロ』のチャッチャッチャラッラッていうアレンジ、好きだなー(って、
この表現でわかってもらえます?)。

 4曲終わって、MC前の暗転時……見事なまでの静寂(笑)
 私は元々、メンバー紹介時の例の時しか名前呼びってしないので、この時も
黙ってたんだけど、さすがにだーれも何も声を発しないってのは珍しいよね。
 地元の人ばかりじゃなく、あちこちからラバッパーも集まってるはずなのに。
 思わず、隣にいる母に、「すごいね、誰も名前も呼ばないね(^^;」なんて囁いて
たんだけど。そうしたらステージが明るくなって、昭仁曰く。
昭:「暗転してる時は、別に雑談とかしてもいいし、そないにシーンとせんでも
   ええんよ(^^;」
 ね、さすがに静かすぎたよね(笑)
 これ以降、暗転時の名前呼びが復活。ああ、これでこそライヴよね(って自分は
呼ばないくせに)。
 うーん、稚内で「わしらがポルノグラフィティじゃ!」を聴けるなんて……しみじみ。
 とにかく雨風が強い日だったもので、昭仁が「まあ、僕らはこういう運命なんです。
何かイベントがあると、雨だの嵐だの」と言ってました。ほんとにねぇ。
昭:「稚内は38年生きてきて初めてだし、ポルノグラフィティとしても14年目にして
   初めて来たわけじゃけど。人口37,000人っていうことで、今回のツアーで多分
   いちばん小さい所。でもわしらも人口27,000人の因島って島の出身なので、
   なんだか親近感があるっていうか、ふるさとに帰って来てライヴしてるって
   感じがするわね」
 なーんて嬉しいこと言ってくれるなぁ(ほろり)。
 恒例の、「初ポルノって人は?」の問いかけに、後ろを振り返ってみると、いつの
間にか結構後ろの方まで人が入ってたんだけど……会場の半分は手を上げてるん
じゃないかという状態。うっわ、こんなの初めて見た。
 基本的に、ファンクラブ先行予約でチケット取った人が前の方、後ろの方は一般
販売や当日券で入ってる地元の人たちって感じだったようで、半分より後ろにいる
人たちはほとんど手を上げていて。
 昭仁もびっくりして、「もう1回あげてもらってええ?」と、二度も手を上げてもらって
再確認してました(笑)
昭:「どうも初めまして、生ポルノでございますー。やっぱりね、最初くらいは、『生の
   方がカッコいい』って言ってもらいたいけぇ、頑張ります。どうせそのうちボロが
   出るんで」
 こらこら(^^;
 男の灰色の怒号と、女の黄色い歓声のくだりも、最近お決まりのパターンですね。
 稚内でもそこそこ男の人が来てくれてて嬉しい限り。
 さて、晴一くんですが……
晴:「今日、金曜日? この1週間、学校とか会社とか頑張って、このライヴを楽しみに
   来てくれたんだと思うのね。ここでタンクをいっぱいにして、これから来る長い冬を
   乗り切ってもらえるといいなと思います」
 さて、ここで今回のツアーのお約束。
晴:「では、ライヴも始まったばかりではありますが、ここでライヴの成功を祈って
   乾杯といきたいと思います」
 ジョッキを持ち上げる仕草をして晴一曰く。
晴:「ちゃんとジョッキ持ってる? 生中結構重いよ。私ウーロン茶なんていう、雰囲気
   読めない子ダメよ。オシャレなカクテル頼んで、乾杯待たせるのもなしね」
 会場には未成年もいるんじゃないのかなぁ……とかいう野暮なことは言いっこなし
ですかね(苦笑)

 晴一の音頭で乾杯した後は、もちろん『はなむけ』。
 これ、最後のサビんとこで、昭仁がセリフっぽく叫ぶ「誰か、飲んでくれ!」に続けて
皆で「かんぱーいっ!」って言うのが、めっちゃ楽しいんだよねぇ。
 『星球』でキラキラした後、『素敵すぎてしまった』でしっとりして。
 その後、セットの街灯が灯り、がやがやとしたパーティー会場みたいなSEが入った
曲が流れ、レンガ造りの英国風なバーが立ち並んでいるような街角の風景(アニメー
ション)がバックに映し出されて、しばしの間、ステージがバタバタと。
 再び明るくなった時、昭仁を囲むようにして、半円形に6人が座っていました。
 下手から、康兵くん、森男、真助さん、NAOTOさん、晴一、ナンちゃん。
 康兵くんはアコーディオン、NAOTOさんはヴァイオリン、晴一はギターでしたが、
野崎ブラザーズとナンちゃんは打楽器。そして中央の昭仁の前にも打楽器。
 このフォーメーションで演奏されるは『シスター』です。
 これ、武道館で聴いた時から、また稚内で聴くのすっごい楽しみにしてました。もう、
なんとも言えず良いのですよ。次のシングルのカップリングに入れてほしいなぁ……

 PANORAMA×42バージョンの『シスター』後、昭仁による楽器紹介コーナーが。
 まず、昭仁が叩いていた打楽器から。
昭:「僕が叩いてるのがキャノンタムといって、多分いちばん耳障りな音なんじゃ
   ないかなと思います。皆さんも腹のたつ嫌な相手がいる時なんか、これを買って
   相手の耳元で一発鳴らしてやるとすっきりすると思います。ぜひ一家に一台、
   ど・う・で・す・か!(タムを鳴らしつつ)。
   ……って、我ながらどういう楽器の説明の仕方してるんだと」
 真助さんがスネアドラム、森男がフロアタム。それぞれワンフレーズ鳴らしながら
紹介していったのですが、次の康兵くん、アコーディオン鳴らしてから「こんばんはー!」と
会場へご挨拶。
昭:「こんばんはと来たか(^^;」
 その後NAOTOさんもヴァイオリン弾いてから、「こんばんは」と言ったはいいけど、
いかにも照れくさそうで、昭仁から「そこ、(この流れを前もって)聞いてなかった的な
感じ、照れくさそうに言わない!」と突っ込まれてました。つまりここ、康兵くんの真似
する決まりですか?
 そうして、ナンちゃんはバスドラム(だっけ? 要は大太鼓って昭仁言ってたけど)を
ドン!と鳴らして、「こんばんは!」と言い切ってました。うん、さすが。
 ラストは晴一、手にしているのは12弦ギターです。
昭:「……と?」
 と?って何?と思う間もなく、晴一がスタンドマイクを口元へ寄せ、いきなりボイパ
的なものを始めたものだから大笑い。しかも途中で「ゲロッパ!」入り。
昭:「多分ですね、皆さんには聴こえてなかったと思うんですけど、彼は『シスター』の
   間も、ずーっとこれやってましたから」
 そこで『シスター』のイントロをつま弾きながら、さらにボイパを頑張る晴一くん。
 いやいや、さっき聴いた『シスター』と全然違いますがな(笑)

 PANORAMA×42バージョンで、もう1曲演奏しようと思うとのことで、そのためには、
昭:「準備!」
 が必要なのだそうな。彼のその一声でステージ暗転、ガタガタと楽器を入れ替えて
おります。しかし照明が灯った時、ステージ上にはキャノンタムを片付けかけている
スタッフさんがまだいまして。
昭:「えー、準備がね……ほとんど終わりました。このキャノンタムが片付いたらね」
 確か、森男はベースに持ち替えてて、真助さんがカホンで、ナンちゃんも何か鳴り物
持ってました。
 ここですぐに次の曲にいくのかと思いきや、MCタイムへ。
昭:「えー、昨日夕方に稚内に入りまして。もう暗かったけど、ちょっと街の中を歩いて
   みようと思って、ホテルから外に出たら、2秒でビニール傘がひっくり返ってしもうて」
 でしょうねぇ。
昭:「これは歩いて出かけるのは無理だと思って、車で出かけたんですけども。
   でももう暗くて、街の様子がようわからんくてね。で、お、明るいとこがあるぞと
   行った場所が【西條】」
 た、確かに明るいかもしれんが(^^;
 えー、【西條】というのは、今では市内唯一のデパートでございます(昔はもっと色々
あったんだけどね)。てか、いきなり【西條】?みたいな、場内からは笑いが起きてます。
昭:「店内ぶらぶらしてて、CDショップ……【よこおか】さん? 行ったら、まさかわしが
   来るって知ってたわけじゃないと思うんじゃけど、『カゲボウシ』がよく見えるように
   飾ってくれてて、ありがたいなと。
   で、さらに店の中ぶらついてたら、【サーティーワン】があって、トナカイの帽子を
   かぶってるお兄さんが商品の掲示とかしててね。なんか見ててもの哀しい感じが
   するというか」
 昭仁が【西條】の中をぶらついている景色を想像して、なんだか不思議な気分。
 だって普段自分が買い物行ってる所なのに、そこに昭仁がいるって……ねぇ?
昭:「それから、みんなでご飯食べに行こうって、【ペチカ】って店にロシア料理食べに
   行きました。おいしかったよねぇ」
 昭仁がステージ上の皆に同意を求めて、皆さん揃って「おいしかったね」とうなずいて
ました。そうなんだ、行ったことないや(^^;
 しかし、そこで晴一が一言。
晴:「なんか、あれよね。テンションあがって行きすぎちゃった感じ。稚内通り越して
   ロシア料理食べてるっていう(笑)」
昭:「確かに(笑)」
晴:「今日はこっち戻って来て、稚内で食べようと思ってます」
 さらに昭仁、今日は宗谷岬へ行って来たそうです。
 って、え、今日!? だって市内でこれなんだもん、宗谷岬行ったら確実に風速20mは
超えてますよ?
昭:「いや、もう、ものすごかったね。帽子は飛ぶわヅラは飛ぶわ。5分しかもたんかった。
   一応写真は撮ったし、上に上がって鐘もついたけどね」
 会場、ヅラで結構受けてました(笑)
 「上に上がって鐘」っていうのは、宗谷岬の最北端の碑がある場所の、国道を挟んだ
向かいに高台がありまして、そこの広場に、世界平和の鐘というのと子育て平和の鐘と
いう、ふたつの鐘があるのです。しかしこの風の中、よくあそこ上ったなぁ。
昭:「それにしても、これ、普段からこんなに風強いの?」
 この問いかけに、会場からの答えは二分。
 何故かって、「普段から強いけど、今日はさらに強い」と言いたい人は「違う」と言うし、
「今日は確かに強すぎるけど、普段から結構強い」と言いたい人は「そう」と言うわけで(^^;
 ステージ上では、どっちの意見を取るべきなのか若干迷っていたようだけど、最後には、
「でもまあ、今日のこれはさすがに特別よねぇ」と納得しておりました。
 ここで晴一が、今回学習したという話に。
晴:「あのね、さっき出た、【ペチカ】の横にある温泉、【港のゆ】? あそこ行ったんじゃけど」
 おお……さっきの昭仁の【西條】話じゃないけど、あそこに晴一行ったんか、っていう。
 NAOTOさんと康兵くんも一緒だったそうです。あ、そういえばTwitterで、この日ふたりが
行ったと言ってたスープカレー屋さんも、【ペチカ】や【港のゆ】と同じとこにあるし、じゃあ
今日はずっと3人一緒だったのね。
晴:「学習した。露天風呂入ってても、こう、首から下がお湯ん中でも、頭が寒いけぇ、
   全然あったまらんのよ」
 まあ、そもそも【港のゆ】は、どっちかっていうとぬるめだしなぁ。
晴:「で、平日の昼間じゃけ、まあ、いるのはおじさんとかなわけよ。そこに東京から来た
   ミュージシャンたちが入ったら浮くかなと思ったんだけど、あれじゃね。裸になったら
   一緒じゃね。
   ただ、NAOTOさんが金髪じゃけ目立つかなと思ったんだけど、ロシア人と思われた
   らしく、全然だったね」
昭:「色白じゃしね」
 これまた受けてました。いやぁ、実際にNAOTOさんみたいなタイプのロシア人が稚内に
いたら、うきうきしちゃうね。ロシアの方とは、街のあちこちで会いますが、稚内に来ている
方々は船員さんが多いからか、ちょっとNAOTOさん系統とは違うもんなー。
 すると晴一、ここでいきなり、
晴:「で、まあ、順番としては、1(晴一)、2(NAOTOさん)、3(康兵くん)だったね」
 そうやって、自分から順に指差しながら言うから、いきなり何の話かと一瞬きょとんと
したのですが。
昭:「ええ?」
晴:「1(晴一)、2(NAOTOさん)、3(康兵くん)、4(昭仁)。男の器的なね」
 ああ、そっちの話ね(苦笑)
 って、昭仁は温泉には一緒に行っていないはずなのに、何故か順番に、しかも最下位に
入れられてるし。
昭:「ちょっと待て。1(晴一)、2(NAOTOさん)、3(康兵くん)、4(昭仁)?」
晴:「そう、控えめな」
昭:「誰が控えめじゃ!」
 場内爆笑。特に下手側にいたお客さんってば、昭仁に「そこのお母さん、喜び過ぎ!」と
突っ込まれてました(笑)

 それと、確かこのMC枠でだったと思うんだけど、ここでも稚内は今回のツアーで
いちばん小さな所でっていう規模の話をしていて、昭仁が、
昭:「いや、でも因島にはファーストフードないけぇ。【サーティーワン】も【ロッテリア】も
   【マクドナルド】もないけぇ、稚内の勝ちー!」
 なんて言ってました。ええ、他に【ケンタ】と【モス】と【ミスド】もありますよ。
 しかしそれをもって稚内の「勝ち」って言っちゃうあたりが可愛らしくて、好きだわー。
 そしてそこで、急に昭仁、
昭:「っていうか、どうでもいい話かもしれんけど、いい?」
 と若干興奮気味に話し出しました。
昭:「ほんま、どうでもええ話であれなんじゃけど。【マクドナルド】にピエロがおってびっくり
   した。ピエロがベンチにでんと座っとって。あれ、夜とか見たら怖ない? 大丈夫?」
 よっしゃ来た! そこ絶対に、昭仁か晴一が食いついてくれると期待してたんだよねー♪
 稚内の【マクドナルド】は、実は2年前にできたばかりなのですが、駐車場の片隅に
日本最北端店舗の碑がありまして、記念写真撮影スポットとして、横にベンチに座った
ドナルドがいるのです。もちろん備え付けなので、24時間365日そこにいるの。
 あれは見慣れないと、確かになかなかシュールよね……
 ってか、昭仁、ピエロピエロって……せめてドナルドと名前を言ってあげて(^^;

 『EXIT』をPANORAMAバージョンで演奏した後、『Truly』。CDに収録されているものとは
違い、後半にダイナミックなフレーズが加わっていて、新鮮でした。
 私はギターのことは正直全然わからないんだけど、これは晴一すごいって、カッコいい
なって、純粋に惚れ惚れしちゃう。
 ここから、『カシオペヤの後悔』、『FLAG』、『電光石火』と私の好きな曲が立て続け。
 っていうか、昭仁すごいよ。『電光石火』で「気力体力もう限界」って歌うけど、そもそも
この曲でそうなるんじゃないかと思うようなアグレッシブさ。
 他の曲でもそうだったけど、大きなアンプに飛び乗ったりとかして、ぐらっと揺れる
そのアンプにドキドキしたりしてました。
 昭仁はもっぱら下手の方で弾けまくってて、そっちも見たいんだけど、こっちの上手の
方では晴一がステージ前方に出てきて、すぐ目の前でギター弾いてるんで、そうなると
こっち見なくちゃ!的な忙しさもあったしね(苦笑)
 昭仁が目の前来てくれる時って、ギター持ってないから(昭仁はギター弾く曲の時は
ほとんど動かないもんね)、顔を見ちゃうけど、晴一が近くに来てくれると、やっぱり
手元とかギターの塗装のはげ具合とか、めっちゃ凝視しちゃいます。
 そして、お次は『Century Lovers』。
昭:「初めてにしてはいいねぇ! でも、もっともっといける!」
 そう言ってあおってくれるから、初めての人たちも段々大きな声になっていって、本当に
ポルノってすごいなぁと。あの、ノセてくれる力は半端じゃないよね。
 しかも2番の時、昭仁の恒例のダンスを、超目の前で見ちゃいました(^^;
 いやぁ、あの時だけは遠慮なくマジマジとあの一点を見ちゃうよね(おい)。
 『ハネウマライダー』ではタオルぶんぶん振り回して盛り上がり、『ワンモアタイム』は
あの皆で歌う一体感を味わい。
 そうそう、この曲でパーンッとテープが飛び出したのですが……当然後ろの方へ(涙)
 武道館では2階席で届かなかったし、稚内じゃ前過ぎて後ろ行っちゃうし、札幌でも
1階のいちばん後ろだから届かないだろうしなぁ。ちょっと残念。
 そして、ここでさらに『サウダージ』が来るという、なんとも濃厚な流れ。イントロで晴一が
ギターでサビのフレーズをかき鳴らした時に、会場が「わぁ」という雰囲気に。そうだよね、
この曲は会場を埋めるご新規さんも、長年ファンをしている皆も、「来た!」ってなるよね。
 『メジャー』のイントロでは、康兵くん、森男、真助さん、NAOTOさん、ナンちゃん、昭仁、
晴一の順番で、出だしのフレーズをまわして。
 あそこで、昭仁だけ楽器持ってないから、口で「じゃかじゃぁ〜ん」って言うのがなんとも
微笑ましいんだよねぇ。
 最後は『光のストーリー』。
 最近、ライヴの本編最後の曲の前に、昭仁が「最後の曲です」って言うと、会場から
「えー」とか否定的な声があがることが多くて、個人的にはあれがちょっと嫌なんだけど
(気持ちはわかるけどさ)、稚内ではそういう声があがることもなく、でもちょっと「ああ、
終わっちゃうんだ、残念」的な雰囲気が蔓延して、その空気がすごくいいなと思いました。
 武道館では本当に声が出ていなくて、でもそれでも振り絞るように歌い上げる昭仁の
姿に心打たれたものです。さすがにその時よりは声が出ていましたが、やはり少し苦し
そうで。でも今回のツアーでは、この曲の、この昭仁が、何よりも目と耳に焼き付けるべき
価値があるものだと思うのです。

 一度メンバーが皆ハケて、アンコールを促す時に、これもまた新鮮だったのですが、
恒例のポルノコールよりも、最初はテンポの速い手拍子が優勢で。
 そのうち、ラバッパーがやってるポルノコールに、会場中が巻き込まれていって……と
いう感じでした。
 再び現れた昭仁が言うには、
昭:「ナビタイムで調べたら、因島から稚内まで2000km、車で33時間かかるんだって。
   そんな遠い場所同士なのに、こうして会えて、一緒にこういう時間を作れたことが
   すごくありがたいと思います」
 ポルノは、稚内まで来れたのは皆がそういう環境を作ってくれたからっていう風に言って
くれるけど、こちらにしてみれば、稚内で会えたのは、彼らがここまで来てくれたからで。
 鶏が先か卵が先かじゃないけど、こちらこそありがたいと、本当に心の底から思います。
 アンコールでは、まず、いちばん新しくリリースした曲をということで、『カゲボウシ』を。
 その後、メンバー紹介。
 サポさんたちも皆、稚内は初めてなんだそうです。
 ってか、ナンちゃんの時の、まずはブーイングっていうお決まりも、会場の半分の人は
知らないわけで。
昭:「わかりにくくて申し訳ないけど、彼にはブーイングでお願いします」
 しかしそうすると、今度は最後の最後までブーイング続きになっちゃってね。
昭:「すみませんねー、最後だけは拍手してあげてください」
 ってなことになってました(笑)
 NAOTOさんの話、うろ覚えなんだけど(^^;)、稚内初めて来たって言ってて、でも天気
悪かったから、あらためていい時にまた来たいって言ってくれてたような。
 康兵くんの時は、最初どっかで昭仁が、彼は道産子ですって紹介したのと、アンコールの
時に本人が「道産子として稚内でライヴできるのは本当に嬉しい」と言ったもので、会場から
「どこー?」というフレンドリーな問いかけが。旭川生まれ、札幌育ちなんだよね。
 康兵くん、「ここで、今の気持ちを叫ばせてもらっていいですか?」と断ってから、両手を
広げて「稚内サイコー!」と一言くれました。
 森男は森男で、「釣りが好きで、知人から稚内はロックフィッシュ……って難しい(わかり
にくい)かな? 岩影に住む魚がよく釣れると聞いたんだけど、なんてったってこの天気で。
次に来る時は、ぜひ釣りがしたいです」って言ってました。
 そう、とにかく今回は天気がねぇ……
 真助さんは、「稚内って、皆最果てって言い方するけど、正直僕も最果てって思ってて。
でも、こんな所まで音楽ってちゃんと届いてるんだって、今回実感しました」と、とても素敵な
ことを言ってくれて。彼はリアリストな面とロマンチストな面を、とても良いバランスで持って
いるなと、いつも思います。
 さて、ここで残ったふたりがポルノグラフィティです。
 しかし、昭仁、まずは晴一に意見をひとつ。
昭:「君、さっき嘘ついたよね」
晴:「え、何が?」
昭:「こんなええライヴができてるのに、嘘ついちゃダメよね。順番がなんだって?」
 うっそ、ここでまたそれ掘り起こすー?(笑)
晴:「1(晴一)、2(NAOTOさん)、3(康兵くん)、4(昭仁)」
昭:「いやいやいや、わし、行ってないし」
 しかし変わらず、その順番を主張する晴一に、
昭:「まあ、でも、そうかもしれん。いや、大きけりゃええってもんじゃないでしょう。ねぇ」
 と新しい方向へ持っていく昭仁。そして会場に向かって、
昭:「なんの話かわかってるよね?」
 それ、確認するかぁ?(^^;
昭:「まあ、あまりこれ以上はやめておきましょう」
 ということで、この辺で下ネタは収集するとして。
昭:「えー、彼の名前を知らん人も多いかもしれんけども。まあ、知っとる人が呼ぶのを
   聞いて、ちょっと遅れてもいいから、呼んであげてください」
 そうだねぇ、でもライヴ中に昭仁が「晴一はどう?」とか、ソロのあおりで「晴一!」って
名前呼んだりしてたから、大丈夫じゃない?
 で、その晴一はというと。
晴:「今日、ここにこれだけ集まってくれてるってことは、もしかしたら稚内の街には誰も
   いないんじゃないかと」
昭:「それは稚内を軽んじ過ぎ(笑)」
 まーねー(^^;
晴:「いや、だって、人口37,000じゃろ? こーんなちっちゃい赤ん坊から、足腰の弱った
   おじいちゃんおばあちゃんも入れてじゃけ、健康で歩ける人は皆ここにいると考えても
   おかしくないんじゃ?」
 いや、そうでもない、と思う……まあ、いいけど(苦笑)
晴:「最初、稚内でやるってなった時に、でもお客さん来てくれるんじゃろうかって思って、
   マネージャーに訊いたら、稚内のファンクラブ会員は5人ですって」
 ここで個人的に超驚愕。だって5人? せめて二桁はいると思ってたわ……
 だって、うちと、うちの母でもう5人中ふたりじゃんか(汗)
 会場も、ここで「えー」と少々ざわついてました。どっちの意味なのか(多いと思ったのか、
それとも少ないと思ったのか)はわからんけども。
晴:「でも稚内の人は、アーティストが来たら祭りだって集まってくれるらしいっていう話で」
 それは確かに否定できんということで、会場も失笑してました。
晴:「えーと、それなりに活動を続けてきたアーティストにとっては、武道館でやるとか、
   東京ドームでやるとか、そういう夢があったりするけど、最果て……っていう言い方を
   しちゃいけん(自分に言い聞かせる)、こうして、最北端の稚内でライヴをやるってのも
   武道館とか東京ドームと同じ、ひとつの夢であって」
 すごい嬉しいことを言ってくれてましたが、会場サイドに「そう?」っていう雰囲気が流れた
ことは確かです(^^;
 まあ、どうしてもね、稚内に住んでる身としては「えー、ホント? それってリップサービス
でしょ」って思っちゃうわけで。でも稚内に来てくれるってのは、一度最北端でライヴを!って
思ってくれたからだというのは事実よね。
晴:「今日それが叶った。でも……稚内で2回目やるってのは、すごくない? 今日は
   そういう新しい夢が生まれた日です」
 うっわー、それこそ本当に叶うなら、どんなに嬉しいかな。晴一はこういうところ、すごく
ロマンチストだし、ファンの喜ばせ方を知ってるよねぇ(いや、決して悪い意味で言ってる
わけじゃないですよ)。
 メンバー紹介、最後は昭仁の番。もちろん紹介するのは晴一の役目なのですが。
晴:「えー、ヴォーカル、名前知らないかもしれませんが」
昭:「それはあるな」
 そうだね、考えてみれば、このライヴ中、一度も昭仁の名前出てないよね。
晴:「ヒント。Aがつきます」
 そう言って晴一、アから始まる外国人の名前言ったんだけど……忘れちゃった。
昭:「いや、それはないな」
晴:「阿藤快」
昭:「それは……あるかもしれん」
 ないない(^^;
晴:「昭仁昭仁」
昭:「簡単に言ったなー(^^;」
晴:「ヴォーカルは?」
 会場から「昭仁ー」の声。
晴:「そう、昭仁昭仁。ヴォーカルは?」
会場:「昭仁ー」
 その晴一の、「昭仁昭仁」の軽い言い方がおかしかったです。
 昭仁からは、稚内でこれだけ人が集まってくれて、こういう時間を過ごせたということに
ついて、「本当に今日はありがとうございます」というお礼の言葉がありました。
 彼は彼で、真っ直ぐな言葉で、ファンを自然に喜ばせる人だよなと思います。
 そして、日常生活の中で、楽しいこともあるけど、つらいこともある、そういう時に
頑張って、「また、ライヴに行きたいな」と、この時間を思い出してくれたならば、
その時はそのつらい時を乗り越えられた時だと思う、と。
 さらにここで。
昭:「えー、今回稚内に初めて来たということで、わしらが初めて世の中に出た曲を。
   知ってる人は一緒に歌ってください」
 うっそ、まさか? うっわー、『アポロ』だー(>_<)
 普段のセットリストにはないよね、だって?
 このサプライズに、PANORAMAツアーの普段のセットリストを知っているラバッパーは
もちろんのこと、ご新規さんたちも当然ポルノと言えばなこの曲に大喜び。
 まさか、これ演って、いつものラスト1曲がなしとかないよね?なんて、ちょっとだけ
心配したりもしちゃいましたが、そこはちゃんとありました。ラスト1曲、『ジレンマ』!
 ああ、しっかり燃え尽きたわ……

 最後の挨拶の時。
 稚内は花道がなくはないんだけど、ステージから花道へ行く部分が、スピーカーや
特効の筒や配線がたくさんで、ちょっと狭くなってたのね。だから、ライヴ中はふたりとも
花道までは行かなくて。
 挨拶の時に初めて花道まで行ったんだけど、私がいた上手側に先に昭仁が来て、彼は
花道に移動する時、その狭い所を飛び越えていったのね。
 けど、次に晴一が来た時は、普通にひょいっと跨いで歩いて行ったので、その落差に
私の周辺では笑いが起きてました。いいねぇ、このキャラクターの差。
 だって、晴一がそうして上手側の花道に普通に歩いて行った直後、下手側から昭仁が
ジャンプして着地した、どんっという音が聴こえてたもん(笑)
 最後の最後の生声挨拶は、
晴:「また来るわ」
昭:「また会う日まで元気でおってね」
 の、嬉しいダブルパンチでした。
 なんかね、ライヴ中、トークの時の彼らの顔が、すごく柔らかいというか、そういう
感じが終始してました。ちょっとだけ、都会でのライヴ時の彼らとは表情が違う感じが
するというか。そう思いたいだけなのかもしれない、私の思い込みかもしれないけどね。
 本当に稚内での「また」があるといいな。

 あ、ちなみに取れなかったテープですが、終演後、10列目でライヴを見ていた地元の
知人から、「取れてなかったらやるぞ」と連絡をもらいまして。後日もらうことができましたv