人の目をした鮭





全体図


目の部分拡大図




これが、札幌中央卸売市場近辺を走っている軽トラックに描かれている鮭だぁっ。

こんな人の目をした鮭が、黙ってさばかれる訳がない。

きっと哀願する、脅す、説得する。
そうして涙を浮かべ、それも叶わぬと悟るとえくぼを作って、にっこりと微笑み、まな板の上で目を閉じるのだ。
そんな人の目をした鮭をおろせるのだろうか。


「みかりん、どぞ」
「どぞ、って、目、開いてるよ。ピクピクだよ」
「活作りだからね。目の周りが旨いんだって」
「旨いんだって、って、泣いてるよ。グシュグシュだよ」
「食べないで、食べないで」
「ひゃあああああ〜 しゃべったぁぁぁぁぁ!」

ひぃ〜! 諸星大二郎のマンガに出てきそうだ(笑)。


昨日タラバ、今日シャケ。
売るほどではないけど捨てるほどでもない。という曖昧なボーダーライン状にある鮮度が悪くなった生鮮食品を貰って帰る。

「冷蔵庫にあるシャケ、持っていっていいよ。あれそろそろ冷凍焼けしてるし」
ってシャケ1本持たされた私。
車で通勤しているから良いようなものの、地下鉄やバスで通っていたら、しかもシャケを荒縄で背中に背負ったら。
クマじゃん。(笑)

汐鮭だったんで、頭と背骨で三平汁にして食べた。
お・い・し・す・ぎ・る。

身は、フライやムニエルや、焼いてほぐしておにぎりの具や、それからそれから……。
しばらくは鮭三昧。

あっ、えくぼないです。ヒトの目じゃないです。目に涙浮かべてないですっ。
ホントだってばぁ。