読経




歌う


(あ―――……………)
凄まじい重低音の声で
日々読み続ける 覚者の経を

(あ――………)
後に 多くの存在がついている
一人じゃない
たくさんの者が 天から舞い降りる

(あ―――――――――――…………)
叫びに似た歌声
人と 人じゃない者の心さえも癒し始め
念者の自我を壊し続ける

(あ―――………………………………………)
読経の歌声が
覚者のそれとなる
くるおしい程の読経は




(………………)
終る


かの存在たちは ここより去り
念者は一人 今日の前にいる
残る 何かの存在と共に


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