電灯の夜




電灯を消し
夜が戻ってくる

本来の姿だ


今までの白い明るい明かりの下
昼と同じ生き方をしていた
人は
夜も快適に過ごす望みを叶え
望むように過ごす


それを止める時
その明かりが消え その部屋にもようやく夜が来る
でもまだそれは
本当の夜ではない

そのような夜は来ないのを願い 叶えた

夜 拒否する暗さ 拒否される闇
そのような闇は
人を飲み込み
眠らさない

脳のどこかの部位を狂わせ
灯りを
蛾の様に求め 彷徨わせる
不安で仕方がないために


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