陽が昇る

暗くもなる陽が昇り
また一日が始まる
苦痛かも知れぬ日が……

希望に満ちた朝
狂気を帯び始めた人間にとっての
何の意味を持たない時間だ
誰も気に留めずにいる 何かの怒りが
爆発しそうになっている それだけの時間だ
狂気に目覚めてしまった者は
朝また その怒りを感じ再び押さえつける
ただ それだけの時間

自分が 時々誰にも見えなくなるという 悪夢から覚め
光を感じて目を覚ます
そしてまた 日常を過す
半分死んでいた体が 甦り
正常な心で 健全に走り出す
そしてまた 日常を過す


暗くなり
光は寂しさから作り出した人工灯だけになり
こうして 昨日のように 明日のように
心にどこかに 狂気を隠し持ち
夢の中 それが増大する

また夜が来る


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