俺との会話



「ん? 何の用だ、俺?」
「俺の奥の俺か? 少しは話したい」
「何の話だ」
「したいからだろう。お前ならそう言うだろ」
「他人にはそう言う。だがお前は俺で俺はお前だ。俺がわからん物お前がわかる場合があって、その逆もある。他人の様な俺だ。 俺の最も近い他人で赤の他人に近い俺だ。だから聞く、なぜ俺は文字列を書く表現をするんだ?」
「そうだな、『死』これだな。怖いだろ?」
「ああ…まあ……」
「いや、嫌なんだったか。まあいい、『死』これだろう」
「死か……。まだ死にたくないのは事実だ…」
「だろ。だから今のうちに書くんだ。もお前も結婚する気はない。後にDNAを残すことはない。自分がしたこと、思ったことを後に残そうとするんだ」
「無理だろ。こんな駄文残るなんてないだろ」
「…うん、まあキツイわな…」
「キツクない。無理なんだ。間違いなくな」
「そこまで言い切るのもアレだと思うんだが…。まあいい、他の理由が俺らに似合う」
「他に何があるんだ」
「死への準備だ。俺らの文、やたらと死について書いてないか?」
「確かに多い。他の人こんなには書かんな」
「しかも割とストレートなんだよ。スプラッターな表現はないけどな。死について多い」
「それと『俺』についてだな」
「俺ね…。自分自身についてか。この文も俺がなんか二人出てっしな…」
「なんかほとんどの文、俺がモデルになってる感あるしな」
「俺は俺を突き詰めたいのか?」
「そうかもしれんが……その先がわからん。なに追い求めてんのか…」
「お前にもわからんか…」
「ま、結局楽しんだろうな。何だかんだっていろいろ書いてるしな」
「ああ…、んだな」

「それじゃ、俺」
「ああ、元気でな。俺」


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