2003/7/21━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 幽玄の森羅万象の散歩道 動物行動学からの性♂♀の話・動物・植物・環境・宇宙・時間・哲学 興味のおもむくまま“みかりん”の しゃべりんぐ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━目指せ1万部! ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆         やまねこ通信 E=MC二乗                                vol.101 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ こんにちは。 みかりんです。 世界で一番小さな哺乳類は、北海道にいます。 名前は、トウキョウトガリネズミ。 体長は、尻尾を含めて4.5cm、体重1.7g。 1円玉と比べることができるような大きさなんだよ。 でね、北海道にしかいないトウキョウトガリネズミ。 何故トウキョウなのか? それは、1906年にイギリスの研究者がみつけたんだけれど その時、命名するときに「エゾ」と「エド」を間違えたんだね。 で、「トウキョウ」の和名がついたんだ。(笑) ここに↓バックナンバーがあるよ。『内容一覧』という所をクリックしてみて。 http://www.phoenix-c.or.jp/~daichi-m/yamaneko/yamaneko.htm ━■マリモの話━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ おみやげマリモというものがある。 あれ?あれれれ?マリモって絶滅危惧種のはず。 どうしておみやげとして売られているんだろう。 マリモと言えば「阿寒湖のマリモ」。 これは球状マリモ。そう“マリモ”と言われて思い描く、あの可愛い丸い藻だ。 おみやげマリモの作り方は、ちょっと意外。 道東の釧路湿原国立公園内にある、シラルトロ湖という湖から糸状マリモを採取する んだ。 これは、見かけは全然違うけれど、生物学的には同じ種で、ただ丸まっていないだけ なんだ。 この糸状マリモをミキサーで細かく砕いて手で丸めてビンに詰めると……おみやげ マリモの出来上がり。 ビンのラベルには「養殖マリモ」と書かれているんだけれど、実状は天然マリモを 原料として、それを加工し商品としているんだよ。 ここで問題になってくるのは、国が「絶滅危惧種」に指定しているマリモを採取する ことを、北海道が許可しているという点。 マリモは、環境省作成のレッドデータブックに絶滅危惧?類として指定されている。 でもレッドデータブックは、ただのデータなので法的に種が守られるっていう事では ないんだね。 法律で守られているのは、国の特別天然記念物(文化庁指定)の阿寒湖のマリモと 山梨県の天然記念物の富士五湖のマリモの二つだけで、特定の湖の中という範囲で 指定されているものだけなんだ。 シラルトロ湖のマリモは絶滅危惧I類にもかかわらず漁業権が認められていて、毎年 2〜2・5トンのマリモが採取されつづけているんだよ。そしてそれは、あくまでも 「合法」の漁業なんだ。 合法だからって絶滅危惧種に漁業権を認めているのは何故なんだろう。 漁業権が設定されたのが1993年。 それまでは法の規制がなかったからマリモ漁で生計を立てている人以外の、一般の人 の採取も横行していたんだ。なんとか良い方法はないものだろうか。 で、マリモ漁を行う人が組織する漁協に、10年間の漁業権を与えて漁獲量を自主的 に制限させて、漁業組合員以外の人間にはマリモを採取させないように漁協に働いて もらえばマリモは保護できるのではないだろうかということになったんだ。 マリモの漁業権は、マリモを採取することが目的ではなく保護することを目的として 始まったんだよ。 漁協は毎年二トンを上回るマリモを漁獲している。 そして、マリモの資源量の増減を確かめる科学的な調査が行われた例はないんだ。 10年目にあたるのは、2003年の9月。 今年9月に北海道の担当官が「問題なし」と判断すると、漁業権は継続され、 「問題あり」と判断すると、漁業権の不認可などの措置をとる仕組みになっているん だよ。 ━●みかりんの叫び━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 「うるう秒」 地球ができてから、自転は遅くなる一方だ。 最初は速かったよ。(って書くとその時代を知ってるようだね。(笑)) 自転が遅くなっているのは、ブレーキをかけるものがあるから。 ブレーキとは、潮の干満による海水や海底の摩擦や、地球そのものが太陽や月の引力 で歪む、地球潮汐なんだ。 でね、地球の自転が遅くなっている調整で、時々時計の秒針をうるう秒として 世界標準を遅らせるんだ。 うるう秒の仕組みが始まったのは1972年。 それから1999年までの27年間のうるう秒は22回。 だけどね、不思議なことに以後4年半の間、うるう秒を入れる必要がないんだよ。 っていうより自転は30年前よりも400分の1秒だけ速くさえなっているんだ。 でもこんなに高精度で地球の自転を計れるようになったのは、ここ近年。 だからもっと前のことはわからないんだ。 自転は全体としては遅くなりながらも、時にはわずかながらも速まってもいたんだろ うね。 強大なブレーキに対して、何故こんなことが起きるんだろう。 地球上を吹いている風の分布の変化? エルニーニョのような気候変動のせい? 地球の芯の鉄の球の形の変化のせいじゃないか?なんどという研究者もいるけれど 全部憶測でしかない。 オゾンホールや地球温暖化現象……。地球になにかあると、人類のせいかも。と心配 する悲しい習性がついてしまったけれど。 人間ってそんなに力があるの? もっと大きな流れの中で私たちは偶然にも生かされている。と私は感じるんだ。 ━▲やまねこ投書箱━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ [工原] > 人間は自然なしでは一瞬たりとも生きていけない。自然の方は人間に依存しなく > てもむしろ人間なしで存在できる。 > こういう関係は「共生」とは言わない。「寄生」と言う。  ちょっと話しがズレるのですが、寄生という言葉で、ある映画の中に出てきた  セリフを思い出しました。  キアヌ・リーブス主演の「マトリックス」は観たことありますか?その中で主人公  達と敵対する人物が、  「人間は哺乳類ではないという結論に達した。普通の哺乳動物は周囲の環境と均衡  を保つものだが、人間は増殖し続けて資源を食い尽くすと他の場所へと拡散する。  これと同じパターンを示す有機体は、ウィルスだ。人間は地球の癌だ」  というような事を言うんです(英語版で観たので日本語の字幕/吹替え版ではどう  なっているかわかりませんが) しょせんフィクションの映画ですが、なんだか妙  に説得力あるかも・・・と思ってしまいました。  "自然を守ろう" "自然にやさしい" というときの「自然」は、人間にとって住みや  すい環境のことですよね。  自然のおかげで生きられるのに、人間だって自然の一部のはずなのに、「やさし  い」ってどういうことだろうなぁ〜そりゃ人間の奢りじゃないかなぁ〜と思いま  す。  自分達が、そして後の世代が住みやすい環境を保つために今の自然の状態を維持す  る努力をしようっていうのであれば理解できますが。 -------------------------------- マトリックスは観ました。 ええと。人間は哺乳類だと思います。(笑) 哺乳類の定義は、「周囲の環境と均衡を保つ動物」ではなく、「乳を飲ませて子供を 育てる動物」です。 哺乳類に共通の特徴は、「脊椎があって、恒温動物で、体の表面に毛が生えている」 です。 はい。言いたいことは判ります。  ・何故、人間は他の動物と違って、周囲の環境と均衡を保てないのだろう。  ・増殖し続けて資源を食い尽くすと他の場所へと拡散するのだろう。  ・これではまるでウイルスのようだ。癌細胞のようだ。 という事でしょう。 強大な力を持ったような気になっている人類。 でも私は、本当にそんな力を持っているのかな。と疑問にも思うんです。 セイタカアワダチソウという帰化植物があります。 どこからかの外国の雑草が日本に帰化して隆盛を誇っていました。 この植物は、根から毒を出し、他の植物を生えなくさせるんです。 それである時期、日本の空き地はこの黄色い花をつける植物にかなりの面積を占拠さ れてしまいました。 そのことを危惧した心ある人が、よく引っこ抜いていたんです。 でも、人が引っこ抜いたくらいでは、全然効果はありません。 条件が揃えば、どんな生物も爆発的に数を増やす能力があります。 このまま行けば日本の雑草はすべてセイタカアワダチソウに追いやられてしまうっ! と専門家は警鐘を鳴らしましたが……そうはなりませんでした。 セイタカアワダチソウは、ある一定の数を誇った後、その後衰退していったんです。 原因は、自らの毒でやられていったんですね。 いまでも時々セイタカアワダチソウは見かけますが、以前ほどの隆盛はしていませ ん。 奢る平家は久しからずです。これも自然の摂理です。 人間にとって住みやすい環境とは、どういうことでしょう。 便利を追求した結果、シックハウス症候群などという症状を起こす人まででてきて、 「やはり自然なものは良い」と安全な食べ物、自然な建築と、自然回帰に向かった り、その揺れ戻しが来たり。 「自然に優しく」なんて嘘。それはオタメゴカシというものです。 自然に優しくして欲しい。それでないと私たちは生きられない。 厳しい自然だからこそ、なんとか生き抜こうと懸命な努力で克服してきたつもりの 自然。 自然は克服するものでもなければ、優しくするものでもない。 なだめすかして、おそれいって、たてまつって、そのぎりぎりの所で知恵を絞ってみ る。 地球という舞台を与えられて、人類はどのような歴史を築いていくことができるの か。 ひとりひとりの個人史が集まって、壮大な人類史が出来上がっていきます。 私たちは、ホンの小さな端役ですけれど、役者であることは確かです。 人類史の未来の方向を決める力を持った端役なんです。 -------------------------------- [涼]  南方熊楠は、動物の交尾の形態から進化の度合いが計れるといいます。  狐は犬科です。これよりも犬のほうが進化した種であるのは、犬の交尾を見ている  と、最終的にはお尻とお尻をくっつける形となり、これは人間の向かい合う形と  動物の一般的な形との中間に位置する。  だから犬は知的生命体として進化する候補にあげられていながら、猿型の人類に席  をゆずり、途中で放棄されたのだと説いています。  例えば私も飼っているザリガニの交尾は雌が仰向けになり、雄がハサミを押さえ付  ける形で上に乗りますが、もちろん顔と顔は見合わせません。  人間だけが顔と顔を見合わせてセックスすることに熊楠は注目し、これこそが文明  の原点だと言い、また、今はたまたま猿タイプの人類が知性を持ちましたが、  狐などにもその可能性は内在されている。  何も知性は猿型のみの特権ではないといいます。 -------------------------------- 涼さんの上記の文は、涼さんが発行しているメルマガの後書き部分を 了解を得て、投稿として使わせて貰ったものです。 > 人間だけが顔と顔を見合わせてセックスすることに熊楠は注目し、 > これこそが文明の原点だと言い、 この説は、どこかで読んだ気がします。 顔と顔を見合わせるということは、行為の最中に「ささやく」ことが出来る。 言葉はこの「ささやく」ことの重要性から発達した……。という。??? 時が経って、ザリガニが顔と顔を見合わせて、目と目が合ってささやくことの 重要性に目覚めたら……。面白いことが起きるのかもしれません。(笑) ━●編集後記━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ★ご心配をお掛けしました!  念願のvol.101を配信することができました。  もうどれだけの励ましのメールを戴いたことでしょう。  それもごく最近まで戴いています。「まだなの」って。(笑)  中には、「全部CD-ROMに焼いて保存しているよ」っていう方までいらっしゃいまし  た。  やめて〜。誤字脱字変換ミスだらけで恥ずかしい〜。(笑)    ってことで、次の目標はvol.102です。えへ。  ものすごくスロー配信になりますが、末永く書いていければと。はい。  ここまできたからには、みなさまもどうぞお付き合い下さい。(にこっ) ★人類は、ホモサピエンスだけじゃなく何種類もいた。  そしてネアンデルタール人は、直接の先祖ではないっぽいっていう話を  記念すべきvol.101にメイン記事で書こうと思っていたんだけど、  どうもまとまりきれないので手軽にマリモでお茶をにごした復活号です。へへっ。    次回こそ、このテーマで。と思っているんだけど。 ★さっぱり暑くない夏です。  特に今年の北海道の夏は、暑くない。もう全然暑くない。このまま冬に突入か。  誰だ。地球温暖化なんて言っているのは。寒いじゃないか。 ★「やまねこ通信E=MC二乗」では、あなたからの投書を受け付けています。  動物・植物・環境・宇宙・時間・哲学このメルマガの趣旨に合うような投書を  気軽にメールに書いてね。  過去に取り上げた記事からの話題も歓迎しています。 ★vol.101の参考文献       北海道新聞2003年6月 「地球物理学者の習性」島村 英紀        ★次回配信予定は未定です。でも必ず配信しますから。 ★メルマガ宣伝です! 蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹     ★彡★彡★彡★彡★彡『蟹屋 山猫屋』★彡★彡★彡★彡★彡 生まれも育ちも北海道育の“みかりん”が、北海道の味覚を全国の方に広めるために 蟹屋『山猫屋』を立ち上げました。 一級品の道産品をお手ごろ価格でネット販売! 読み物としても楽しめるものを目指しているよ。    登録はここ→ http://www.phoenix-c.or.jp/~daichi-m/kani/ 蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹 ↑私、みかりんのもうひとつのメールマガジン。  北の味覚。海産物。蟹おいしいよ〜。  予算はこれくらい。食べる人数はこれくらい。と教えてくれたら、その中で  できる限りのご提案をします!山猫屋の蟹は冷凍物は一切扱っておりません!  さぁ、タラバ食べたいよう、毛ガニ食べたいようのメールをみかりんに書こう!    今回のお薦めは、大特価の毛ガニ10匹入りの箱。  それと究極の旨さの海水ウニ。じゅる。 今号のやまねこ投書箱で投稿してくれた涼さんのメルマガです!↓ ----------------------------------------------------------------------- ■江戸時代の怪談■ 江戸時代に出版された怪談本から、短い話を読みやすく翻訳してご紹介します。 お茶うけにひとつ、いかがでしょう? http://ryo.msfactory.net/mag/kwaidan.html まぐまぐ ID: 0000065035 ----------------------------------------------------------------------- ★みなさんの中にメールマガジンを発行している方はいませんか?  相互で宣伝しあいませんか?  連絡ください。 それじゃ、今週はここまで。 あなたのお便り待ってるよ。 daichi-m@phoenix-c.or.jp じゃね。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 白いジーンズにカレーのシミ。 場所はもちろん股のところ。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ○ やまねこ通信E=MC二乗 vol.101  2003年7月21日発行 http://www.phoenix-c.or.jp/~daichi-m/yamaneko/yamaneko.htm ○発行編集者 みかりん daichi-m@phoenix-c.or.jp ○発行システム: ◆インターネットの本屋さん「まぐまぐ」ID:0000052530 http://www.mag2.com/ ◆メルマガ発行サービス「メルマガ天国」ID:3743 http://melten.com/ ○登録/解除 http://www.phoenix-c.or.jp/~daichi-m/yamaneko/yamaneko.htm ○週刊やまねこ通信は、素人みかりんが趣味で発行しているもので、情報の正確さに はまったく自信がありません。引用して弊害が起きても責任は持てないよ。 それから誤字脱字変換ミスは大目に見てね。気を付けるけれどさ。えへ。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━