2005/2/18━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 幽玄の森羅万象の散歩道 動物行動学からの性♂♀の話・動物・植物・環境・宇宙・時間・哲学 興味のおもむくまま“みかりん”の しゃべりんぐ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━目指せ1万部! ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆         やまねこ通信 E=MC二乗                                vol.110 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ こんにちは。 みかりんです。 ヒカリトカゲが気に入っています。 トカゲのくせに光ってる? 光苔みたいに? いいえ。正式名は「暮れなずむ街の光と影の中」。 そう有名な「贈る言葉」の出だし部分です。 「光と影」が「ヒカリトカゲ」なのですね。(笑) ここに↓バックナンバーがあるよ。『内容一覧』という所をクリックしてみて。 http://www.phoenix-c.or.jp/~daichi-m/yamaneko/yamaneko.htm ━■何故ヒトは裸なのだろうの話(1)━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 私は、犬を飼っている。 犬と散歩していてつくづく思うことがある。 雨が降ったからと言って、水たまりがあるからと言って、森の中の道がぬかるんで いるからと言って、ゴム長靴を必要としない。 雨に濡れても、ぶるるんとひとしきり毛皮をふるわせれば、もう毛皮は濡れていな い。 それに比べて私はどうだ。 ゴム長だ、雨合羽だ、傘だ、雪が降れば帽子だ、手袋だ、フードのついた防寒着だと なかなか煩雑なことだ。 サルの観察者は言う。 嵐の中のサルの群を観察した時の驚き。 あまりの暴風雨だからサルたちは風雨を避けて谷間などにひっそりとやり過ごすのだ ろうと予想していたら、移動距離も、食べている様子も、普段と変わりない。 暴風雨は彼らに何の影響も与えていなかったという。 船の上のように木の枝が揺れる。揺れる枝を面白がって小ザルがはね回って遊んでい る。 サル達は、濡れるとブルッと身震いすれば水滴は飛び、またすぐ快適な毛皮になって いる。 観察者の体は、夕方になって冷え込んできて、濡れた体はもう限界。 雨降りの中を雨具で運動した事のある人はわかると思うけど、雨具は不完全だ。 機敏に動けない、蒸れる、汗をかきやすい、持ち運びにかさばるなどなど。 でも毛皮は完全だ。完璧な雨具でもある。寒暖、風雪、晴雨に関わらず常に体を守 る。 何故こんなに大切で完璧なものをヒトは失ったのだろう。 ヒトの他にも裸の動物たちはいる。 (たとえ裸でなくても、毛皮に代わるものを持っている者は除く。  つまり温度変化をやわらげて、衝撃を防ぎ、有害な太陽光線から身を守っている、  甲羅、ウロコなど。) <裸の動物リスト> ハダカヒココウモリ、ハダカデバネズミ、クジラ、セイウチ、ゾウアザラシ、 ゾウ、ジュゴン、サイ、イノシシ科のバビルサ、カバ、そしてヒトだ。 これらの哺乳類には共通点を持つ分類群がいる。 まずクジラ。これは説明できる。 毛皮は断熱材になるのは毛の間に空気をためるからで、これが外界の空気とのクッ ションとして使う方法は、水中生活では不可能。だから例外なく水中生活者は、皮下 脂肪層による保温という方法を採用している。 ゾウたち大型哺乳類に毛皮がないのも説明できる。これは物理学の問題。 1立方mの水槽が36度で暖められているとする。 これは1トンの温血動物のモデル。 その内部に100g当たり255キロカロリーの若草50kgの分の熱量が加わったとする。 植物食のモデル。 この水槽は何度温度が上昇するだろう。 1kgカロリーは1立方cmの水を1度上げるエネルギーだから、 外に拡散しないのなら48.5度まで上げてしまう。 これだけ体温が上がると危険。 もうひとつの小さな水槽を考える。 1辺が10cmの立方体で36度。これに100g当たり115キロカロリーの肉10gの熱が獲得 されたと考える。 これが体重1kgの肉食獣のモデル。 この水槽にも12.5キロカロリーが加わるから、同じように48.5度まで温度が上昇す る。 このふたつのモデルとも、生きていくのに危険なのくらい温度が上昇しているので 熱を外に出さなければならない。 放熱は水槽の表面からとする。 (実際は、尿や呼吸からもだけど、それはここでは無視する。) 大型モデルの表面積は、6万平方センチであり、小型モデルは600平方センチ。 つまりね、大型対小型モデルの体積比は1000倍だけど、表面積は100倍でしかない。 このふたつの水槽は毛皮で覆われているとする。(想像しづらい?(笑)) 小型水槽ではゆっくり放熱して適正体温を維持。 放熱にかかる時間を考慮して1平方cmあたり20.8カロリーの割合で放熱されて 差し引きゼロ。温度は上がらない。 大型水槽では同じように1平方cm当たり20.8カロリーの熱を外に出しても 全表面積からは1248キロカロリーしか外に出ない。1万1252キロカロリー残る。 取り込んだ9割までが内部に溜まってしまうんだ。 その結果大型モデルでは体温は11.3度上がって、47.3度になってしまって放熱 しない場合と変わらなくなってしまう。 この小型モデルが適正と仮定すると、大型モデルでは餌を食べるだけで、 体温が上がってしまって自分がゆだってしまう。 だから水槽の外側を覆う断熱材である毛皮を取ってしまっうという方法を選択したん だ、と考える事ができる。 でもね、本物の生き物の場合は、色々な方法で放熱の方法を考えている。 ヒトは汗腺から水分を出すし、イヌは長い舌で水分を蒸発させるし、 ウサギの耳も放熱装置も兼ねているよね。 けれど様々な方法で放熱処置をとることができても、物理的限界っていうのは あるもので、それは熱帯地方では1トン程度であるとみていいらしい。 サイ類には5種が知られているけれど、最大のものは4トンもある。 1トンを越えるサイには毛がないけれど、もっと小さいスマトラサイは1トンを 下回って最大800kgだ。 スマトラサイには粗い毛がある。 ゾウアザラシやトドでは1トンを越える大型オスにはほとんど毛がないけれど、 小型のメスには毛がある。 1トンを境に毛のあるなしが、オスメスの体の大きさが異なる哺乳類でも成り立つの が面白い。 1トンという重さは、毛皮のあるなしを区切る指標のようだ。 ━▲やまねこ投書箱━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ [かおる姐さん]さん  裸木が増えて、空がたくさん見える季節になりましたね。  木は、手抜きした葉を作らない。  枝の先の葉も、陽の当たらない場所の葉も、  カエデはカエデの葉っぱ ハナミズキはハナミズキの葉っぱ。  光にかざすと瑞々しい葉脈が走っている。  そして、散るべき時が来たら、潔く散らす。  美しく紅葉した葉でさえ、惜し気もなく散らす。  「手抜きをしない」「潔く散る」  どちらも尋常ではできないことを、木は毎年繰り返している。  尾形光琳「紅白梅図屏風」の話、面白く拝読いたしました。  さて、それに影響されて私も多少述べさせて頂きたく  筆(キーボード?)をとりました。    実は光琳、京銀座の顧問役 中村内蔵助と一人の女を巡って猥らな関係に  あったそうです。  なんでも、3人で・・・え〜と、戯れたり・・・してたとかΣ(゜□゜)  小林太一郎氏は、「紅白梅図屏風」の中央の水の流れは  女体をあらわしているのではないかと推測しています。  「背面は、巨大な尻をつきだし、紅梅、すなわち内蔵助をはじき返している。  驚いた紅梅は両手をあげ、しゃっきり立っている。  これに反して、光琳の白梅は、(中略)下腹部を狙い、その枝は、手のように乳の  先をまさぐっている」  そういわれて絵を眺め直すと、『なるほど』と納得しちゃいます。  もしかしたら光琳は、パトロンに種明かしをして、二人でニンマリしていたかも  しれません。  そして、金箔のことは自分だけの秘密にして二重のカラクリを一人で楽しんでいた  のかも。  だって、わたしがパトロンだったら、来る人ごとに  「コレ、金箔に見えるけど、実は金泥なんですよゥ!」  って、得意満面で見せびらかしちゃいますよ。  300年も人をだまし続けるような傑作、記録に残らないハズありません。  「わかさいも」の事は、始めて知りました。  わたしは「素菜」という言葉が浮かびました。  ご存知かもしれませんが、  「素菜」とは、道教や陰陽五行説を汲んだ精進料理の原型のようなものです。  豆や芋で、肉や魚そっくりの料理を作っちゃうんです。  わたしも、日本人は、食に対する遊び心を持っていると思います。  コンビニにいくと、BBQ味とかラーメン味とか、妙なフレーバーのポテチがあって  驚かされます。  駄菓子なんて、遊び心のオモチャ箱みたいですよね。  やっぱりペニスの話!!  後輩に、単為生殖に成功した研究室にいた奴(♂)がいて、  わたしが『なんで自分がいらなくなる研究してるのさ』とからかったら  「先輩にはオレが必要でしょ」って返されちゃいました(汗)  お互いその気が無いのを承知の上で、口説くのは遊び心なんでしょうか?  人間のペニスは、ますます大きくなる傾向にありそうです。 ----------------------------- 札幌は例年になく、大雪で気温も低く2月も半ば過ぎだというのに 今日も、最高温度がマイナスの真冬日です。 なかなか暖かくなりません。雪かきの毎日です。 それでも日が長くなってきました。 自然の木々は、その日の長さで春の準備を始めるのでしょう。 手抜きをせずに、潔く。ヒトはなかなかそうもいきません。 前回、勢いで書いてしまった、尾形光琳「紅白梅図屏風」の話の反響嬉しいです。 紅白の梅は河を挟んで男女を表すとか、俵屋宗達の「風神図雷神図」の 光琳的オマージュ説とか、色々な解釈があるそうです。 国宝のこの作品は、技法の面からも主題を巡っての解釈からも、話題に事欠きませ ん。 興味の引きつけ方も第一級ですね。 食に対する遊び心という事では、現代ではプリンに醤油を垂らすとウニの味!などと いうものもよく話題になります。(笑) こういう事には熱心な国民性のような気がします。いや、よその国の事は良く知らな いけれど。 ペニスの話の反響の多さと熱心さ(!)には、ちょっと楽しく驚いています。 次回頑張って是非『図』を紹介してみたいです。 みなさんのご期待に添う「やまねこ通信 E=MC二乗」です。(笑) ━●編集後記━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ★何故ヒトは裸なのだろう?  話が長くなってしまってヒトまで及ばずに紙面が尽きた。  いや、書けば書けるんだろうけれど、長くなると読む方が飽きるだろうし。  だから分けて書くね。    まず裸っぽい動物の説明をしてみた。  1トンという境があるというのが面白い。  もちろん例外もあるよ。それは子どもだ。ゾウの子。これの説明をしなきゃ。    ゾウの群はで感心するのは、その細心の防衛態勢。  1頭の大きな雌のゾウはリーダーでいつも警戒を怠らない。  車などが近づこうものなら、必ず他のゾウとの間に入って、車を見張る。  ヌーやシマウマやバッファローなどは保護区なら狩猟の心配もないので、  近づいても平気。  でもあの体の大きなゾウはとても神経質なんだ。  たぶんそれは子どもの防衛のため。毛に覆われた動物ならそうそう心配することも  ないのだろうけど。  でもゾウの子は毛がないので雨風外敵いっさいが直接脅威になってしまう。    ゾウの群は遠くからみると何か大きな家のように見えるという。  ゾウの群の構造は弱い赤ん坊の防衛構造なんだね。  と、いうフウにメイン記事で取り上げた<裸の動物リスト>を一つずつ全部説明  していくとなかなかヒトまでたどり着けない〜。  だから、まぁ次回は適当に端折って、なんとかヒトまで行くようにしてみます。  でもキリンの説明もしたいなぁ。  キリンは大きいものでも1トンを越える。でも毛がある。  それとコビトカバ。300kg以下なのに毛がない。  これらも全部説明できる。    ってそんなことをしていたら、「何故ヒトは裸なのか」という肝腎の所まで  行けるのか? やっぱり行けないかも〜。 ★「やまねこ通信E=MC二乗」では、あなたからの投書を受け付けています。  動物・植物・環境・宇宙・時間・哲学このメルマガの趣旨に合うような投書を  気軽にメールに書いてね。  過去に取り上げた記事からの話題も歓迎しています。 ★vol.110の参考文献         「裸の起原 不適格者は生きのびる」 島 泰三  木楽舎   ★次回配信予定は未定です。でも必ず配信しますから。 ★メルマガ宣伝です! 蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹     ★彡★彡★彡★彡★彡『蟹屋 山猫屋』★彡★彡★彡★彡★彡 生まれも育ちも北海道育の“みかりん”が、北海道の味覚を全国の方に広めるために 『蟹屋 山猫屋』を立ち上げました。一級品の道産品をお手ごろ価格でネット販売! 読み物としても楽しめるものを目指しているよ。    登録はここ→ http://www.phoenix-c.or.jp/~daichi-m/kani/   山猫屋の蟹は冷凍ガニではありません。ボイルしたてを食卓に直送! 蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹 ↑私、みかりんのもうひとつのメールマガジン。  北の味覚。海産物。蟹おいしいよ〜。  予算はこれくらい。食べる人数はこれくらい。と教えてくれたら、その中で  できる限りのご提案をします!山猫屋の蟹は冷凍物は一切扱っておりません!  さぁ、タラバ食べたいよう、毛ガニ食べたいようのメールをみかりんに書こう!  タラバ1.5kgが断然お得!   ★みなさんの中にメールマガジンを発行している方はいませんか?  相互で宣伝しあいませんか?  連絡ください。 それじゃ、今回はここまで。 あなたのお便り待ってるよ。 daichi-m@phoenix-c.or.jp じゃね。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 自分でケーキを買う。 「バースディケーキですか? ろうそく何本おつけしましょうか?」 「バースディケーキですけれど、ろうそくは、いらないです」 ろうそくなど立てたら、ケーキが穴だらけになる。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ○ やまねこ通信E=MC二乗 vol.110  2005年2月18日発行 http://www.phoenix-c.or.jp/~daichi-m/yamaneko/yamaneko.htm ○発行編集者 みかりん daichi-m@phoenix-c.or.jp ○発行システム: ◆インターネットの本屋さん「まぐまぐ」ID:0000052530 http://www.mag2.com/ ◆メルマガ発行サービス「メルマガ天国」ID:3743 http://melten.com/ ○登録/解除 http://www.phoenix-c.or.jp/~daichi-m/yamaneko/yamaneko.htm ○やまねこ通信は、素人みかりんが趣味で発行しているもので、情報の正確さに はまったく自信がありません。引用して弊害が起きても責任は持てないよ。 それから誤字脱字変換ミスは大目に見てね。気を付けるけれどさ。えへ。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━