2005/9/9━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 幽玄の森羅万象の散歩道 動物行動学からの性♂♀の話・動物・植物・環境・宇宙・時間・哲学 興味のおもむくまま“みかりん”の しゃべりんぐ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━目指せ1万部! ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆         やまねこ通信 E=MC二乗                                vol.115 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ こんにちは。 みかりんです。 夜空を見るのが好きです。 月が見えて、星が見えて。 月は毎日形が変わるし、出てくる時間が変わる。 地球の自転と公転。 回る地球に乗っている私。 夜空を見上げていると、今の季節は、虫の鳴き声の伴奏つき。 ここに↓バックナンバーがあるよ。『内容一覧』という所をクリックしてみて。 http://www.phoenix-c.or.jp/~daichi-m/yamaneko/yamaneko.htm ━■動物学的に、光はいつから存在したかの話━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 太陽の光はいつから存在したと思う? それはさ、地球生成よりはるか以前から太陽の光は、宇宙空間に降り注いでいたでしょ。 けれどイギリスの生物学者ジュリアン・ハクスリーは、こんな事を言う。 「物理学者は原始地球の上にも光はあったようなことを言う。 これはずいぶん乱暴な言い方で人を誤解させる。 光は、地球上に動物が出現して目を持った時に初めて現れたものだ。 それ以前は、それは電磁波のうちのある領域にすぎなかった」 モンシロチョウのオスはどうやってメスを見つけているのだろう。 たいていのメスのガは、性誘因フェロモンという特別なにおいでオスを誘因するのは有名な話。 でも蝶は、そういう臭いを使わないんだ。 平たいガラスの容器に封じ込めたモンシロチョウのメスにも、死んで干からびたメスの標本にも モンシロチョウオスは飛びついてくる。 モンシロチョウオスは、目でメスを見つけているとしか考えられないんだ。 ひらひら飛んでいるチョウは、人の目にもつきやすいから、チョウのオスがメスを目で見つける というのも、そう不思議ではない。 でも不思議なのは、モンシロチョウオスが、キャベツの葉に翅(ハネ)を閉じてとまっているモンシロチョウの オスメスを、正しく見分けていることだ。 翅を閉じて裏だけみせているモンシロチョウのオスメスを見分けるのは、かなり慣れた人でも難しい。 そっくりなんだ。 ただモンシロチョウのオスメスの標本を、真っ暗な暗室に持ち込み、適当な波長の紫外線で 照らしてみると、メスは白く、オスはほとんど真っ黒にしか見えない。 これは、モンシロチョウの翅の鱗粉に含まれているプリテンという色素がオスとメスでは違うから。 メスの翅のプリテンは吸収した紫外線を白色の蛍光に変えて放出し、オスのプリテンは、化学構造が ちょっと違って、紫外線を濃褐色の光に変えて放出するからなんだ。 だけど、これは暗室の中で、紫外線しかない時に現れる差にすぎない。 ヒトの目では、白日の下では、オスもメスもほとんど一緒にしか見えないんだ。 つまり、モンシロチョウオスには、ヒトには見えない紫外線が見えている。 モンシロチョウには、メスとオスの翅の色はまったく違うものに見えているって事なんだ。 という事は、モンシロチョウにとって、紫外線も光だという事になる。 ヒトにとっては、紫外線は、光ではない。ヒトにとっての可視光線を含まない紫外線だけで照らした部屋に 入ったら、ヒトは真っ暗だと感じる。 けれどその部屋は、モンシロチョウは明るいと感じるだろうし、天井にある紫外線灯は輝いて見えるんだろう。 事実、多くの昆虫たちは、そのような部屋に放たれたら、紫外線灯にめがけて飛んでいくんだ。 けれどモンシロチョウは、赤色が見えない。 赤は黒と同じく、暗黒としか感じられないんだ。 あんなに綺麗な夕焼けの赤い光は、モンシロチョウにとっては光ではないんだ。 赤は、黄外線ってことなるんだろう。 同じチョウでもアゲハチョウはの仲間は、赤が見える。 アゲハチョウにとっては赤は黄外線などではなく光なんだ。 その上、紫外線も見える。 だからアゲハチョウにとっての光は、ヒトにとっての光よりも豊かなんだね。 世界はもっと色で満ちていると感じているんだろう。なんて素敵な! 私たちはずいぶん無造作に「光」と言うけれど、光はこのように動物の種によって違う。 私たちが「光」と感じているものは、単にヒトにとっての光にすぎないんだ。 そうしてどんな方法をとっても、私たちには紫外線を光として認識する体験はできないんだ。 できるのは、蛍光板にあてて可視光線に変換して、その存在を「理論的に」知るということにすぎないんだ。 感じることができないんだ。 でもそう悲観することもない。 たしかにヒトには紫外線や赤外線は見えない。 強い紫外線の降り注ぐ夏の浜辺や冬の雪山では、ヒトの肌はその化学作用によって 焼けただれてしまう。私たちの眼は水晶体が紫外線を食い止めるように出来ているし、 そうやって紫外線が網膜に達するのを防いで、大事な網膜を守っているんだ。それは眼を保護する仕組みだ。 光を光としてよりよく認めるために、紫外線を光の範疇に入れなかったんだね。 昆虫に紫外線が見えると言っても、それはヒトの光に近い近紫外の部分。 もっと波長の短い科学的破壊作用の強い部分の紫外線は、光から切り離している。 物理学のスケールで言えば、わずかなスケールのもの。 ヒトは、気温の変化によって季節を感じる事が多いけれど、多くの動物や植物は、 日の長さ(昼の長さ)によって季節を知る。 幼虫時代の日の長さが一定値以下になると、冬の休眠に入ったり、サナギは日の長さが 一定値以上になると親になる準備をするし。 これらの昆虫が、眼で光を「見て」それと分かっているのかは、ちょっと疑問なんだ。 チョウやガの幼虫(つまりイモムシ、ケムシね)は、眼はあるけれど実に頼りなく、 私たちの感覚からするとなかなか眼としての役割も怪しいんだ。 この眼を黒いエナメルで塗りつぶしても、日長に対する反応(光周反応)には消失しなかった。 それにサナギには眼は見えてないし。 眼ではなくても光は光であり続けたということになる。 さまざまな実験の結果、彼らは眼で光を見、一方で脳でも直接感じているらしい。 光は光であるとともに光ではないのかもしれないんだ。 という訳で、光とはかなり主観的なものということになってしまったお話でした。 冒頭の質問と答えをもう一度紹介するね。 「太陽の光はいつからあるのか?」 「光は、地球上に動物が出現して目を持った時に初めて現れたものだ。 それ以前は、光は電磁波のうちの、ある領域にすぎなかった」 ━●みかりんの叫び━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 「何故、人は宇宙を目指すのだろう」 生命は何故多様化していったのだろうと考えていた。 そして現時点で、ヒトは宇宙を見据えている。 で、ずっっと考えていて、突然「!」と分かった。 生命は放っておくと多様化する。 それは、ひとつ方向の圧に対する対抗策だ。 多様化しておけば絶滅を防ぐことができる。 誰かが生き残る。それが多様化の意味だ。 実際に出れるのかは別として、ヒトは宇宙へでようとする意志があるらしい。 これも宇宙へ出て多様化したい命の方向なんだろう。 そういう事か。と、今日思った。 多様化は可能性なんだね。 ━▲やまねこ投書箱━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ [やまねこ]さん。  前号のかまきりと木の話。  最近かまきりを見かけなくなっていたことに気付きました。実は巣も皆怖いのだけれど。  廃止した方がいいのではないかと思っている気象庁長期予報部より当るね。  樹木はファンタジーの世界では大変おしゃべりだといいます。  ただ木の種類によっては違うし,危険が近づくと黙り込んでしまうとも。  それらの言葉は動物や魔女は効く事ができるとしばしば出てきます。たとえば何と言われてもわかりませんが。  こういうことが科学の目でもある程度確認できるということは大変おもしろいと思います。  最近ではパラレルワールドの存在だってありうるといわれていますし。  ありがとうの話。  モーツャルトを聞かせると良く育つのと同じ事だとおもいました。  ありがとうとばかやろうではどういうのがいいかわかりませんが全く波長が違うと思います。  だから日本語がわからなくても充分にわかると思います。  私達だってサンキュウ,メルシ,ダンケ,などを言われて悪い気にはならないと思いますから。 -------------------------------------------------------- 前回、カマキリについてずいぶんたくさん語ったけど、実は私はカマキリを見たことがないです。 北海道には、生息してないんですよ。 道南(渡島半島)には少ないながら生息しているっぽいという情報もあります。 だから北海道生まれの人にはカマキリとゴキブリをいまだかつて目にしたことがないという人は多いと思います。 今はキリギリスが盛んに鳴いています。秋です。 私たちは木を見るとなごみますけれど、木々は私たちの見えない地下の根っこで 栄養分を取ったり取られたりなどの熾烈な生存競争をしているのかなぁと思う事があります。 それよりも、パラレルワールドの存在がありうると? そっちの話題の方がエキサイティング。 ━●編集後記━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ★今回のメイン記事「動物学的に光はいつから存在したかの話」。 長文なのに最後まで読み切った方、ご苦労様です。ありがとう。 途中でくじけてしまった方、長文でごめんなさい。 その代わり?「みかりんの叫び」が、やまねこ誌上始まって以来の短さです。(笑) いくらなんでもと思って、長く語ろうとしたんだけど、この文章に想いは凝縮されていて 私的には十分に語ったんです。 さて、メイン記事。 このように、動物がそれぞれが持っている感覚器官で、同じ世界にいても感じる世界は違うんですね。 ここで挙げた例は光だったけれど、同じようなことが音でも言えます。 世界は、私たちが感じることが出来ることよりも、もっと複雑で豊かで綺麗なんです。 モンシロチョウがあの感動的な夕焼けを認識できないのと同じように、 私たちが感じることの出来ない風景や色や音や他の別なものがあるんです。 世界はこんなに美しいのに。 もっと豊かだなんて。 それともうひとつ。 「光」のように物理学的にもはっきりとした分かりやすいものにすら、 「その生物にとっての」と但し書きを付けなければならないような、 光とは、不確かなものだったという事。 いろんなものは曖昧模糊と(あいまいもこ)しているのだなぁ。    ★「やまねこ通信E=MC二乗」では、あなたからの投書を受け付けています。  動物・植物・環境・宇宙・時間・哲学このメルマガの趣旨に合うような投書を  気軽にメールに書いてね。  過去に取り上げた記事からの話題も歓迎しています。 ★vol.115の参考文献         「犬のことば」            日高 敏隆   青土社                 ★次回配信予定は未定です。でも必ず配信しますから。 ★メルマガ宣伝です! ============================================================================== ☆ 21世紀の癒し、「自己確認と人生の意味・目的」 ☆   74歳の仙人が語る、従来の癒しとその技法及び精神世界、宗教、社会などを幅広く総点検し 併せて「自分がどこから来て、どこへ行くのか?」の「自己確認」を通して、「人生の意味・目的」 「自己実現」を探究していきます。「癒しの言葉」もあります。 無料購読登録はこちら → http://www.mag2.com/m/0000154681.html ウェブサイトはこちら → http://www31.ocn.ne.jp/~mminoru/ ============================================================================== 蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹     ★彡★彡★彡★彡★彡『蟹屋 山猫屋』★彡★彡★彡★彡★彡 生まれも育ちも北海道育の“みかりん”が、北海道の味覚を全国の方に広めるために 『蟹屋 山猫屋』を立ち上げました。一級品の道産品をお手ごろ価格でネット販売! 読み物としても楽しめるものを目指しているよ。    登録はここ→ http://www.phoenix-c.or.jp/~daichi-m/kani/   山猫屋の蟹は冷凍ガニではありません。ボイルしたてを食卓に直送! 蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹    ↑↑↑  私、みかりんのもうひとつのメールマガジン。  北の味覚。海産物。蟹おいしいよ〜。  予算はこれくらい。食べる人数はこれくらい。と教えてくれたら、その中で  できる限りのご提案をします!山猫屋の蟹は冷凍物は一切扱っておりません!  さぁ、タラバ食べたいよう、毛ガニ食べたいようのメールをみかりんに書こう!  サンマ、鮭、イクラの季節になりました。  もちろんカニも。毛ガニ、タラバはもちろんの事、花咲ガニが旬だよ!   ★みなさんの中にメールマガジンを発行している方はいませんか?  相互で宣伝しあいませんか?  連絡ください。 それじゃ、今回はここまで。 あなたのお便り待ってるよ。 daichi-m@phoenix-c.or.jp じゃね。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ テレビをつけっぱなしにしておくと、最近「ひろしまろっく」という言葉が耳に飛び込んでくる。 私の耳はこれを「広島ロック」と変換する。 「富士ロック」みたいだ。(笑) (注)(富士ロックフェスティバルのこと。毎夏行われる大規模なロックフェスティバル) いやホントは「広島六区」だ。 ホリエモンの選挙区。 投票は、「ホリエモン」でも受け付けるそうです。 そして「しずかちゃん」でも受け付けるそうです。 しずかちゃんとは、ホリエモンの対立候補の亀井静香氏。 でも「ドラえもん」は受け付けないらしいです。(笑) 偉大なのは藤子不二雄氏だと思う一件です。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ○ やまねこ通信E=MC二乗 vol.115  2005年9月9日発行 http://www.phoenix-c.or.jp/~daichi-m/yamaneko/yamaneko.htm ○発行編集者 みかりん daichi-m@phoenix-c.or.jp ○発行システム: ◆インターネットの本屋さん「まぐまぐ」ID:0000052530 http://www.mag2.com/ ◆メルマガ発行サービス「メルマガ天国」ID:3743 http://melten.com/ ○登録/解除 http://www.phoenix-c.or.jp/~daichi-m/yamaneko/yamaneko.htm ○やまねこ通信は、素人みかりんが趣味で発行しているもので、情報の正確さに はまったく自信がありません。引用して弊害が起きても責任は持てないよ。 それから誤字脱字変換ミスは大目に見てね。気を付けるけれどさ。えへ。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━