2006/3/19━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 幽玄の森羅万象の散歩道 動物行動学からの性♂♀の話・動物・植物・環境・宇宙・時間・哲学 興味のおもむくまま“みかりん”の しゃべりんぐ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━目指せ1万部! ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆         やまねこ通信 E=MC二乗                                vol.119 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ こんにちは。 みかりんです。 今回はイヌのお話です。 とても面白い説を知ったので紹介。 私たちヒトは、イヌがいたからこそ今の姿形と繁栄を手に入れたという説です。 ここに↓バックナンバーがあるよ。『内容一覧』という所をクリックしてみて。 http://www.phoenix-c.or.jp/~daichi-m/yamaneko/yamaneko.htm ━■イヌがヒトを作ったという話━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ヒトとイヌとの関係史について新しい説を唱えるのは、豪州の獣医デビット・パクストン。 彼は、ヒトとイヌはお互いの進化に影響を与えあった関係と言います。 しかもそれは10万年も前からだと主張します。 これまでの定説では、ヒトが定住生活に入った後、ヒトがイヌを飼い始め、その関係は主従関係で、 遺跡後などから時期は14000年くらい前だと考えられていました。 パクストンの説は珍説と言われ、相手にはされなかったのですが、1997年に300匹のイヌ、コヨーテ、 オオカミなどをDNA鑑定したところ、飼い犬の歴史は従来の定説よりも10倍も古いと判明しました。 するとパキストン説が突然信憑性を持ったのです。 10万年も前からイヌと共存していたのなら、進化途中のヒトと共存していたことになります。 最初は、残飯を盗みにきていただけのオオカミのようなイヌ。 それだけの関係なら長続きすることにはならなかったと思われます。 ヒトの方にもメリットがあったのです。それは警備係としての役割。 イヌのいる集団といない集団では安心感が違って、危険も回避できることが多かったと思われます。 イヌの方も、人なつこさ、雑食性、耐久性など身につけていったと思われます。 天敵と戦って獲物を追う生活より、ヒトと暮らす方が利点があると考えた一群。 野生のままを選んだ同胞より、生き残るチャンスが高いと考えたイヌがいたということです。 これはどう考えても、イヌが選択したことです。ヒトではなく。 ここで、イヌにヒトは選ばれています。 その選択は正しかったようです。 証拠に、オオカミは絶滅の危機にあるのに対し、イヌは世界中で飼われて繁栄しています。 さて10万年も前からということになると、ホモサピエンスだけではなく、ネアンデルタール人もいた時期です。 彼らも火を使いましたし、年寄りの面倒をみる感情もありました。 彼らとホモサピエンスも大きな違いはさほどなかったのかと思われます。 ネアンデルタール人の方が、その頭骨の構造から鼻が大きく嗅覚が発達していたと考えられています。 ヒトは、鼻が利かなかったのに何故生き延びることが出来たのか。 それは嗅覚担当のイヌがいたから。 ホモサピエンスの顔は平らで、口を巧みに動かすことができたのはイヌに嗅覚を担当させたので、 鼻を大きく突出させなくても良かったからで、そのために言語を手に入れたのです。 私たちは、イヌのおかげでしゃべることが出来るのです。 10万年も昔、イヌが私たちを選んでくれたから、言語を習得した私たちの繁栄は約束されたのです。 ロシアの銀ギツネの養殖所で、イヌのようなキツネをつくることに成功した実験があります。 キツネという動物は警戒心が強く、非常に人間を恐れ、子ギツネの頃は慣れたように見えても 大人になると決して慣れることはありません。 でも、噛まないキツネ同士を交配させ、慎重に系統と性質を考え数十年かけて、 ヒトを警戒しないキツネを作り出しました。 そのキツネはヒトの目を見つめてそして喜びを表現します。 ヒトを怖れる野生から、ヒトを慕う動物になったのです。 自然状態で数万年かかったことが、実験場で数十年でできたのです。 変わったのは性質だけではありませんでした。 野生の銀ギツネには決してない、頭部や胸に白い斑紋が現れました。斑紋、斑点、耳折れ、尾長…etc 行動や感情を司る脳内物質が変化したと考えられます。 イヌの外見がとてもバリエーションに富んでいる理由がここで分かったのです。 さて。先のDNA鑑定でわかったとことでもうひとつ。 現代の犬種の75%は、1匹のメスが祖先。 1匹の人なつっこいメスのオオカミから派生して増えていったことが判りました。 1匹の人なつっこいメスのオオカミが生き残る戦術として選んだ、ヒトとの共存の選択肢。 選ばれたヒトは、鼻を巨大化させないで言語習得ができました。 こういう可能性が進化のストーリーとしてあるなんて。 イヌとヒトが関わり合って、お互いに姿形も変えていって、繁栄していくストーリー。 植物と昆虫の共存共栄のストーリーは有名だけど、私たちヒトにも大切な友人がいるのですね。 ━●みかりんの叫び━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 「ぶんぶく」 「ヨーロッパタヌキブンブク」という生物がいるらしいと知った。 この名前を知った時に、いっぱい突っ込みを入れた。 タヌキブンブクというからには、分福茶釜の狸の事を想定して名付けてるのだろう。 分福茶釜の狸を想定した生物の名前っていうのにも説教したい気持ちだけど、 ここは百歩譲って、まぁそういう名であることにしても何故頭にヨーロッパなんだ? 分福茶釜の生息地は日本だろう? 綱渡りする茶釜から首手足の生えた狸だぞ? しかも私のイメージでは唐傘を持って綱渡りをしているぞ。 そしてその生物とは何科の何なんだ? で、調べてみた。 ウニらしい。 キツネブンブクもいるらしいし、オカメブンブク、タヌキブンブク、コダヌキブンブク、 ウルトラブンブク、オタフクブンブク、アナグマブンブク、キツネブンブク、ネズミブンブク、 コザルブンブク、ライオンブンブク、ヤマアラシブンブク……。 ホントなのか? ホントなのか? 信じて良いのか? 日本語でブンブクとはウニの事なのか? それならヨーロッパタヌキブンブクっていうのもアリって話になる。 ウィキペディアによれば雲丹(ウニ)の仲間で、ブンブク目というのがあり、 まず一番にブンブクチャガマが上げられている。 その他にブンブクモドキなんてのもある。 こうなると、分福茶釜とどちらが先に名前がついたのだろうと思ってしまう。 分福とは、「福を分ける」というおめでたい日本語だ。 茶釜とは、お茶を沸かす釜だ。 何故、ウニなんだろう。 分福茶釜の地は群馬県館林市にある茂林寺と言うお寺で、その茶釜がある。 境内には益子焼の大きい狸の像がズラリ。 枝垂桜と菊花展でも有名。 ブンブクとは、ウニの事なのか? ウニは、ブンブクなのか! ブンブク茶釜との関連は!謎は謎を呼ぶウニとタヌキの関連性! それにしてもアナグマブンブクだぞ? 何故こんなに動物なんだ? ━▲やまねこ投書箱━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ [青嵐透]さん  ちょうど先日見たドキュメンタリーでエゾジカのことをやっていました。  生態系というか人間の生活圏との関係で、どうしてもエゾジカの頭数調整=駆除を  しなければいけません。  その番組に出ていた農家の方は、動物は好きだし食べるでもなし、それなのに撃た  なければいけないのは本当に苦しいと言っていました。  その一方で面白半分にエゾジカを撃ち、内臓の高価な部分だけをもっていくニンゲン  もいます。  これは人間は自然というネットワークの中の存在であるという考え方と、ニンゲンは  生態系の頂点にいるという思い込みの差ではないでしょうか。  オオカミが≪分かりやすい≫脅威であったため駆除し、そのオオカミがいなくなった  故にエゾジカなのどの草食獣に生活圏の植物を襲われる。皮肉以外の何ものでもあり  ませんね。  ピラミッドの一角が崩れれば頂点なぞいつか支えきれなくなるのは明らかだというのに。  チューリップバブルの話はどこかで聞いたことがあります。  花壇に植えていたら全部掘り返して盗まれたとかいうエピソードも。そんなことしたら  球根が痛むでしょうに……。  の、一方(?)、あの小泉八雲は西洋のフラワーアレンジメントに比べて日本の  『生け花』は素晴らしいと絶賛していました。  (確か『日本の面影』の中でだったはず……。)  西洋の野蛮な花の扱いに比べ、日本では花があらゆる角度から見て美しくなるよう、  そして長持ちするよう敬意が払われていると。  ああっ、チューリップの話がどっかいってしまいました。  どこかの本で読んだのですが、  『生け花』の由来は鎌倉時代にある僧侶が台風で折れた花を拾い集め水のはった桶に  入れたこと、だそうです。  本当はコレが1番言いたかったことで……。  生け花って花を≪救いたい≫って思ったところが始まりなのかなぁ、とか。平安時代  には生け花はなかったのかぁ、とか。 ----------------------------------- 無制限に増えて良い動物などいませんから、そういう動物は他の生物と軋轢を起こして バランスを崩すので、エゾシカの頭数制限はとても重要なことです。 過密状態では、病気などで大量死という惨事も招きかねません。 それは健康なエゾシカの群れの維持という視点からでも必要なことです。 増えすぎた状態では、森林を傷め、ひいては海洋生物、漁業にも影響がでます。 で、この頭数制限をかつてはエゾオオカミがしていたのです。 彼らを絶滅させてしまったのでヒトがしなくてはならなくなりました。 この役目をまたオオカミがしてくれないかな。という計画があります。 東京農工大教授丸山直樹教授が会長の日本オオカミ協会の活動です。 その貴重な資料を戴き、熟読し理解しました。 私は、素晴らしい計画だと思います。 丸山教授のインタビューを聞いてとても印象に残った言葉が 「リスク? あるよ。どうしてノーリスクを求めるの?」です。 そう。そこの所のわだかまりをクリアしてしまえば、オオカミ導入計画はうまくいくでしょう。 ただ、現状では人々の意識から考えると時期尚早です。 いえいえ、事態は早ければ早いほど回復も早いのですけれど。 以前、やまねこ通信にも書いたことがあるのですが、現代の日本人の動物観は極端です。 きゃぁ〜可愛いっっっ! きゃぁ〜怖いっっっっ! この2極限化ですもの。 丸山先生は、行政の理解を得るために、 沖縄を除く都道府県に理解と要請を求める嘆願書を出し続ける事が大事とおっしゃっていました。 私は、人々の意識改革なくしてはオオカミ導入計画は難しいと感じましたので、 嘆願書と平行して意識改革に重きを置くべきと思います。 頭の固い大人を説得するより 子どもに正しい知識を伝える教育をした方が、ずっと早道のような気がします。 生け花の話。 私は生け花の素養がないので、ネットで検索してみました。 起源や由来は諸説あるようですが、 自然の花を使って天(宇宙)、地(地球)、人の3要素をバランスよく表現 する、という考え方が基本ということです。 これは「天に星 地に花 人に愛」って事でしょうか。 生きた花を使って宇宙を表現って事でしょうか。 世界はこんなにも美しいって事ですね。 ━●編集後記━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ★今回紹介した、ヒトはイヌによって作られた話の説は、まだ一般に認知されている説ではありません。  でもとてもいい話です。  ヒトは、ヒトだけで進化していったのではないというストーリーはとても魅力的な話です。  特定の種類の植物と特定の昆虫の共存の話はよくあります。  お互いがお互いをとても必要としていて、形や色も共存に向いたものに進化していく。    ヒトにもパートナーがいた話。  お互いがお互いをとても必要としている話です。  生物とは、そういうものなのですね。  私の好きな言葉のひとつに、抽象画家のヴァシリー・カンディンスキーの  「人は関わり合って響きあわなければなりません」というお言葉があります。  人対人もそうであるし、生物同士ということでもそうなのでしょう。  「響きあいましょう」ではなく「響きあわなければなりません」という強い言い方です。  「あらゆる事象は、関わり合い影響し合う」という事は真理なのでしょう。 ★「やまねこ通信E=MC二乗」では、あなたからの投書を受け付けています。  動物・植物・環境・宇宙・時間・哲学このメルマガの趣旨に合うような投書を  気軽にメールに書いてね。  過去に取り上げた記事からの話題も歓迎しています。 ★vol.119の参考文献                         DISCOVERY CHANNEL SCIENCE FRUNTIERS 犬の中のオオカミ(DVD)         「へんないきもの」      早川いくお/著  バジリコ株式会社                ★次回配信予定は未定です。でも必ず配信しますから。 ★メルマガ宣伝です! 蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹     ★彡★彡★彡★彡★彡『蟹屋 山猫屋』★彡★彡★彡★彡★彡 生まれも育ちも北海道育の“みかりん”が、北海道の味覚を全国の方に広めるために 『蟹屋 山猫屋』を立ち上げました。一級品の道産品をお手ごろ価格でネット販売! 読み物としても楽しめるものを目指しているよ。    登録はここ→ http://www.phoenix-c.or.jp/~daichi-m/kani/   山猫屋の蟹は冷凍ガニではありません。ボイルしたてを食卓に直送! 蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹    ↑↑↑  私、みかりんのもうひとつのメールマガジン。  北の味覚。海産物。蟹おいしいよ〜。  予算はこれくらい。食べる人数はこれくらい。と教えてくれたら、その中で  できる限りのご提案をします!山猫屋の蟹は冷凍物は一切扱っておりません!  さぁ、タラバ食べたいよう、毛ガニ食べたいようのメールをみかりんに書こう!  北の食材たちは脂が乗っておいしいです。  そろそろ春毛ガニ。タラバもおいしいよー。  この機会に、どうぞ冷凍ではない蟹をみなさんで! ★みなさんの中にメールマガジンを発行している方はいませんか?  相互で宣伝しあいませんか?  連絡ください。 それじゃ、今回はここまで。 あなたのお便り待ってるよ。 daichi-m@phoenix-c.or.jp じゃね。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 歩いていて、右の親指に違和感。 この感覚は……靴下に穴があいている! それも大きな穴だ。 今日はどんなことがあっても、靴を脱ぐことは出来ないぞ。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ○ やまねこ通信E=MC二乗 vol.119  2006年3月19日発行 http://www.phoenix-c.or.jp/~daichi-m/yamaneko/yamaneko.htm ○発行編集者 みかりん daichi-m@phoenix-c.or.jp ○発行システム: ◆インターネットの本屋さん「まぐまぐ」ID:0000052530 http://www.mag2.com/ ◆メルマガ発行サービス「メルマガ天国」ID:3743 http://melten.com/ ○登録/解除 http://www.phoenix-c.or.jp/~daichi-m/yamaneko/yamaneko.htm ○やまねこ通信は、素人みかりんが趣味で発行しているもので、情報の正確さに はまったく自信がありません。引用して弊害が起きても責任は持てないよ。 それから誤字脱字変換ミスは大目に見てね。気を付けるけれどさ。えへ。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━