2006/4/29━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 幽玄の森羅万象の散歩道 動物行動学からの性♂♀の話・動物・植物・環境・宇宙・時間・哲学 興味のおもむくまま“みかりん”の しゃべりんぐ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━目指せ1万部! ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆         やまねこ通信 E=MC二乗                                vol.120 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ こんにちは。 みかりんです。 前回、ヨーロッパタヌキブンプクという和名のウニを紹介した。 ずっと以前のやまねこ通信でも、オオイヌノフグリとかママコノシリヌグイという ミもフタもない植物の和名を紹介したことがある。 で、今日ご紹介するのは、「ナンジャモンジャゴケ」という名のコケが存在する! この種類は1科1属2種で、ナンジャモンジャゴケとヒマラヤナンジャモンジャゴケの2種類ある。 だから詳しく記すと蘚苔類植物門、蘚類、ナンジャモンジャゴケ亜綱、ナンジャモンジャゴケ科、 ナンジャモンジャゴケ属、ナンジャモンジャゴケとヒマラヤナンジャモンジャゴケの2種類。(笑) もちろんこんな妙ちきりんな名前を付けたのは日本人。 なぜこんな事になってしまったかというと、最初に発見した時には、 いったい何の仲間かもわからなかったから取りあえずナンジャモンジャにしておいたらしい。 コケの仲間かどうかってことすら判らなかったらしい。 乾燥させると、龍角散のような香りがするという。 龍角散って習字のような臭いって覚えているけれど、 本には、「市販薬の龍角散にも似た、なんともさわやかなスーっとする香り」となっている。 龍角散ってのは、さわやかか? ここに↓バックナンバーがあるよ。『内容一覧』という所をクリックしてみて。 http://www.phoenix-c.or.jp/~daichi-m/yamaneko/yamaneko.htm ━■ダイヤモンドの話━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 地球上には約3000種の鉱物がある。 誰でも知っているダイヤモンドという鉱物と、鉛筆の芯に使われたりする石墨(せきぼく)。 このまったく異なる鉱物は、どちらも化学成分は同じで炭素だけからなる。 かたや、地球でもっとも硬くキラキラと美しい。 もう一方は黒色でとてももろい鉱物だ。 両者のつくられた環境が違うから、こんなにまで違っている。 実験室で、石墨に高い圧力と温度を加えてやると、炭素原子がぎっしりと結合して硬いダイヤモンドに変化する。 逆に圧力が下がるとダイヤモンドは石墨になってしまう。 この事からダイヤモンドは少なくとも地下150kmよりも深くにしか存在しえないとされている。 ダイヤモンドはキンバーライトという一種の火山岩中にある。 地上には存在しないダイヤモンドが私たちの目に現れるには、キンバーライトのマグマが上昇するとき、 地下深くにあったダイヤモンドをマグマが地表まで運んできたからだ。 その時、マグマがゆっくり上昇していたらダイヤモンドは途中で石墨に変わってしまう。 だから、その上昇する速度は石墨に変化するヒマがないくらいの猛スピード、少なくとも時速100km以上と見積もられている。 速い〜。 その猛スピードで運ばれてきた地下深くのダイヤモンドから何が判るのだろう。 近年、ダイヤモンドのつくられた年代が測定され、とても興味深い事実が分かってきた。 地球最古の岩石は約39億年前のものとされているけど、ある種のダイヤモンドが45億年というとんでもなく古い年代を示すという。 地球の年代は約46億年というから、このことは地球誕生当初から地下に炭素が存在していて、それがダイヤモンドになったという事が判る。 地球は太陽系の他の惑星とともに、微惑星が集合してつくられた。 地上に降り注ぐ隕石はその微惑星のなれの果て。なかでも炭素質コンドライトと呼ばれる種類の隕石は、 太陽系のもととなった物質に最も近いとと考えられている。 っていう事は、ある種のダイヤモンドをつくった炭素は、そのような隕石からもたらされたってこと?! あなたの持っているダイヤモンドは、ひょっとしたら太陽系をつくった物質のカケラだったかも。 ━●みかりんの叫び━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 「時空を越えて、目の前にある奇跡」 先日、京都へ行ってきた。 京都の町は、神社仏閣がものすごくたくさんあって、それらを見ずに歩き進むことが出来ない。 最初のうちは、珍しくていちいち立ち寄りゆっくり見ていたのだけれど、そうすると前へ進めない。 そのくらいたくさんあり、そしてどれも古くそれぞれに由緒があるのだろう。 色々見て回ったうちのひとつに、京都国立博物館にも寄った。 ほとんどが日本のもので国宝や重要文化財指定だけれど、ほんの少しだけれどインドのものや中国のものも展示されている。 インドで生まれ、中国を経て、日本に伝わったということが良く分かる。 インドでのこの独特の曲線は、中国に伝わった時は仏像の体のラインにこういうフウに影響があって、 そして日本の仏像には「あ、あの腰のクネっとしたあそこはたぶん中国経由のインドの影響だね、きっとそうだね」と、 不動明王立像の腰つきにインドを見てしまう私でした。 京都国立博物館の展示品はどれもこれも素晴らしかった。 そして私は、そこにある説明パネルのひとつにすっかり関心してしまったのである。 「修理完成記念特別公開 重要文化財 大威徳明王坐像」 この座像は、牛に乗った六面六臂六足の十世紀はじめころに製作された仏像。 説明パネルにはだいたい以下のような内容の文が書かれていた。 ----------------------------------------------------------- 他所の国の何百年前の美術工芸品などはだいたいが埋もれていたものを掘り起こしたものがほとんど。 日本は違う。だいたい伝えられてきている素材は、紙、絹、木など材料は脆弱なものが多い。 人から人へと時代を超えて人の手で修復しながら伝えてきたものだ。 そこに大きな意味がある。 後世に伝えようという強い意志がある。 修復方法も伝えられている。 例えば、こういう木造像は、接着材にニカワが使用されているが、数十年でニカワの接着力が弱くなる。 そのため修復作業が必要になってくる。 20年から30年で小修理を繰り返し、100年200年で大修理をする。 こうして多くの人の手と意志で、1000年もの時を経て、今こうしてこの像がここにある。 ----------------------------------------------------------- 細かいところは覚えていないけれど、だいたいこのような意味の文。 普通の無味乾燥になりやすい情報だけを淡々と伝える説明パネルとは、まったく違う、随筆を読むような感じのパネルだった。 インドから日本へ連綿と伝えられる影響、これが距離つまり空間ってことだね。 こうやって1000年以上もの時を越えてここにある。これが時間。 こうして気の遠くなるような空間と時間を、人の手を介して、伝えてきて今ここにある奇跡。 「伝えるという強い意志」がそこにある。 そうして残っているものの宝庫が京都にごっそりとあるんだなぁと、時空を越えて伝えてきた人々の思いを受け取りました。 穴を掘ったら1000年前のものが出てきましたとか、 海にもぐったら2000年前のものが出てきましたっていうの外国の遺跡や工芸品とは、意味や想いが全然違う。 伝える人の誰かひとりがサボったら、または諸般の事情で伝えることが出来なかったら、 1000年の時を越えて、または何万キロの空間を越えて伝わらなかった。  (みかりん注:インド日本間は、直線距離にして1万キロくらいだとしても、   伝える経路はうねうねとして数万キロにはなったんじゃないかな) 時空を越えて目の前にある奇跡。 尚、私が感心した「重要文化財 大威徳明王坐像」は、 京都国立博物館内の文化財保存修理所で修理が行われ、 このたび修理が完成したのを記念しての特別公開であり、 会期終了後は、山形県の立石寺の五大堂内にふたたび安置される予定で、 山上からの路の険しさを思えば、今後は展覧会等に出展されることもきわめて困難らしい。 2006年4月19日(水)〜5月7日(日)までが会期。 修学旅行以来初の京都で、このような限られた期間の展示から感銘を受け、 こうしてやまねこ通信の読者の方々に感動を伝えることが出来る。 ラッキーだったなぁと、こういう一期一会もあるんだなぁと、思いました。 ━●編集後記━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ★あ……。投書がない……。  という訳で、やまねこ投書箱はお休み〜。     今号の感想じゃなくても、過去の記事についてもでもいいですし、何かメールで送って欲しい〜。 ★「やまねこ通信E=MC二乗」では、あなたからの投書を受け付けています。  動物・植物・環境・宇宙・時間・哲学このメルマガの趣旨に合うような投書を  気軽にメールに書いてね。  過去に取り上げた記事からの話題も歓迎しています。 ★vol.120の参考文献                         「苔の話」           秋山弘之/著   中公新書         「ふしぎの博物館」      河合雅雄/編           (石が語る地球の歴史 先山徹)                ★次回配信予定は未定です。でも必ず配信しますから。 ★メルマガ宣伝です! 蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹     ★彡★彡★彡★彡★彡『蟹屋 山猫屋』★彡★彡★彡★彡★彡 生まれも育ちも北海道育の“みかりん”が、北海道の味覚を全国の方に広めるために 『蟹屋 山猫屋』を立ち上げました。一級品の道産品をお手ごろ価格でネット販売! 読み物としても楽しめるものを目指しているよ。    登録はここ→ http://www.phoenix-c.or.jp/~daichi-m/kani/   山猫屋の蟹は冷凍ガニではありません。ボイルしたてを食卓に直送! 蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹    ↑↑↑  私、みかりんのもうひとつのメールマガジン。  北の味覚。海産物。蟹おいしいよ〜。  予算はこれくらい。食べる人数はこれくらい。と教えてくれたら、その中で  できる限りのご提案をします!山猫屋の蟹は冷凍物は一切扱っておりません!  さぁ、タラバ食べたいよう、毛ガニ食べたいようのメールをみかりんに書こう!  北の食材たちは脂が乗っておいしいです。  暖かくなってきました。海水ウニがでてきました。  ウニです。これからウニの季節ですってば!  春から夏にかけて、蟹屋山猫屋はウニ屋山猫屋になるのです。  この機会に、どうぞ冷凍ではない蟹を、本物のウニの味をみなさんで!  母の日にウニ。母の日にグリーンアスパラを! ★みなさんの中にメールマガジンを発行している方はいませんか?  相互で宣伝しあいませんか?  連絡ください。 それじゃ、今回はここまで。 あなたのお便り待ってるよ。 daichi-m@phoenix-c.or.jp じゃね。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 今年の目標。 庭の雑草を調理して食う。家庭菜園を充実させて食う。食糧自給率を上げる。 まず、雪が溶けてまっさきにフキノトウを収穫。フキノトウ味噌にして食す。んまい。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ○ やまねこ通信E=MC二乗 vol.120  2006年4月29日発行 http://www.phoenix-c.or.jp/~daichi-m/yamaneko/yamaneko.htm ○発行編集者 みかりん daichi-m@phoenix-c.or.jp ○発行システム: ◆インターネットの本屋さん「まぐまぐ」ID:0000052530 http://www.mag2.com/ ◆メルマガ発行サービス「メルマガ天国」ID:3743 http://melten.com/ ○登録/解除 http://www.phoenix-c.or.jp/~daichi-m/yamaneko/yamaneko.htm ○やまねこ通信は、素人みかりんが趣味で発行しているもので、情報の正確さに はまったく自信がありません。引用して弊害が起きても責任は持てないよ。 それから誤字脱字変換ミスは大目に見てね。気を付けるけれどさ。えへ。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━