2008/7/26━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 幽玄の森羅万象の散歩道 動物行動学からの性♂♀の話・動物・植物・環境・宇宙・時間・哲学 興味のおもむくまま“みかりん”の しゃべりんぐ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━目指せ1万部! ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆         やまねこ通信 E=MC二乗                                vol.129 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ こんにちは。 みかりんです。 夏です。 早いなぁ。もう夏か。まもなくお盆だな。 お盆過ぎると、秋だな。そして冬。正月。 時間がどんどん過ぎていきます。 今日は時間について思うところを語ってみます。 ここに↓バックナンバーがあるよ。『内容一覧』という所をクリックしてみて。 http://www.phoenix-c.or.jp/~daichi-m/yamaneko/yamaneko.htm ━■時間の話━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ちょっと前に話題になった本川達雄/著『ゾウの時間 ネズミの時間』という本があります。 寿命の長いゾウも、寿命の短いネズミも、一生のうちに約15億回心臓が鼓動を打って死んでゆく。 ゾウの寿命が80年。ネズミが6年。 でも『一生』という生まれてから死ぬまでの、その生物が感じる時間は同じだとすると、 ネズミの時間は早く流れて、ゾウの時間はゆっくりと流れるように見える。 ゾウの動悸は3秒に一回。ハツカネズミの動悸は0.1秒に1回。 要約すると、そんな内容です。 内臓のリズムも体重に比例して変わります。 大腸の収縮運動を比べてみると、ネズミに比べてゾウのほうがゆっくりです。 つまり、体の中で起きている動きはなんでもゾウのほうがのんびりしている。 だから、「ゾウの時間はゆっくり流れて、ネズミの時間は早く流れている」という結論です。 おなかの減り方も、体が大きい動物と小さい動物では違います。 ゾウは一度エサを食べたらしばらくのんびりしています。 ネズミは、エサをやらなければすぐに死んでしまいます。 エネルギーをたくさん使えば使うほど、時間は早く流れているようです。 小さな生き物は、体重の割にエネルギーをたくさん使います。 燃費で考えると、小さな動物より大きな動物の方が効率が良いです。 ゾウとネズミを比べると、体重の割にゾウは少ないエネルギーで生きています。 ゾウもネズミも細胞の大きさは一緒です。 当たり前だけど、細胞の大きさはどの生物でも変わりません。 体重が重くて大きな動物にはたくさんの細胞があります。 でも細胞一個あたりのエネルギー消費量は、ゾウはハツカネズミの5〜6% しかエネルギーを使っていません。 ヒトの大人と子どもも、時間の流れ方が違うように思います。 エネルギーをたくさん使えば使うほど、時間は速く流れているようです。 小さい生き物は、体重の割にエネルギーをたくさん使います。 生まれたばかりの赤ん坊は、ものすごくたくさんのエネルギーを使います。 赤ちゃんは、どんどん泣いて、しょっちゅうおっぱいをのんでどんどん成長します。 小学生と大学生を比べると、体重あたりのエネルギー消費量は倍も違います。 小学生が感じている時間の流れは、大人に比べてスピードが違うのでしょう。 で、ここで疑問が起きます。 「年をとると時間が過ぎるのが速い」という感覚。 エネルギーの消費量からいうと、年をとると時間はゆっくりになるはずという ここまでの説明で納得すると、この「年をとると時間が過ぎるのが速い」感覚に 説明がつかなくなります。 これは、こんなフウに理解すればいいのかな。 子どもの時間は早いから、同じ時計が進む時間中にたくさんの事をしているので あとから振り返ってみると時間が密に詰まっていて長かったと感じる。と。 つまり、時間は、あとから振り返ると、逆の長さに感じられる。と。 いずれにしても、子どもは多大なエネルギーを使って忙しく活動しています。 大人や老人は、エネルギーをあまり使わずマイペースで過ごします。 同じ時間を過ごすにしても、生物や年齢によっても実感は変わってくるっていう事らしい。 だから、子どもと大人と老人の中で時間の流れがまったく同じと考えるのは、 間違っているのかも。 たとえば、薬を飲んでから排せつされるまでの速さは、エネルギー消費量とほぼ比例しています。 子どもは薬を飲めばあっという間に代謝します。お年寄りはそうはいきません。 代謝が悪いという事で言えば、冬眠する動物がいます。 冬眠中のカエルを掘り出しても全く反応しません。 冬眠する動物は、体温が下がってくると時間の流れがとたんに遅くなるようです。 冬眠することによって、冬の間ずっと目覚めているよりも長生きが出来ます。 植物の場合は、もっとその傾向が顕著です。 2000年前のハスのタネが現代になって花開いたって事がありました。 タネの時間が2000年も止まっていたって事です。 植物も、昆虫のサナギも、自分に都合の良い環境がくるまで、 自分の時間を操作できるっていうことです。 ヒトが時計を使って、時間をこまめに区切って生活しはじめたのは近代に入ってからです。 ヒトの歴史は、時計のような絶対的な区切り方をしないで生活して歴史の方が断然長いのです。 江戸時代の時間の区切り方は、季節によってもっと流動的でした。 江戸時代の人々の生活は、いつも太陽とともにありました。 太陽が昇る直前から日が暮れた直後までを基準として、 昼と夜それぞれ六等分して一刻(いっとき)という時間の長さを決めていたのです。 だから、季節によって、日の出、日の入りの時刻は変化するため、 一刻の長さも季節によって変わりました。 太陽の出ている時間が最も短い冬至の昼の一刻が1時間50分なのに対し、 夏至の昼の一刻は2時間40分と、なんと50分もの差がありました。 つまり気候のいい夏は昼の時間が長く、寒い冬は働く時間が短くなります。 このように江戸時代の時間は、一定の幅でない「不定時法」と呼ばれるものだったのです。 地域によっても流れている時間は違うように感じられます。 都会よりも田舎の方が、ゆっくりと時間が流れます。 このように、生物の体の大きさ、年齢、時代、地域で時間の流れ方が違うのではないかという事です。 時計が示す絶対時間はとても人工的なものだったんだと思った方がいいかもしれません。 ━●みかりんの叫び━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 私はサマータイムが嫌いです。反対派です。 何故なら背景に都会の効率至上主義があるからです。 サマータイムは、ある日みんな一斉に始めなければ意味がありません。 でも、たとえば乳牛の搾乳時間が昨日よりも1時間早くなったら、ウシは戸惑うでしょう。 昨日のようには乳が出ないでしょう。 サマータイムでヒトの時間が1時間早くなったのですから、 搾乳した乳をどこかに納める時間も早まるのでしょう。 ウシに「今日からサマータイムだから合わせてね」と言ってもそうはいかないでしょう。 サマータイムを導入したら、睡眠障害になる人が増え、睡眠の質を落とし、 体調を崩す人が増えるだろうという医者もいます。 ウシもヒトも動物です。 江戸時代のような毎日の日の出日の入りに合わせて、伸び縮みする時間なら問題はないんです。 ある日、一斉に1時間ずらすというやり方は、あまりに乱暴です。 私は核家族で育ちました。 年寄りがいない家庭で育ったので、年寄りというものがよくわかっていませんでした。 幼い私はある時、年寄りのいる家に半日預けられ、そこで散々遊んだことがあります。 走り回って、汗をかき、泣いて、笑って、疲れ切って、お昼寝をしてから、また走り回って……。 その時、鮮明に思ったことがあります。 私が遊びはじめた時から、お昼寝するまで、またはお昼寝から目覚めて帰るまで、 その家にいたお婆ちゃんは、ほとんど動いていなかったんです。 それを見て「あぁ、年寄りっていうのは、木や石の仲間なんだなぁ」と思ったのです。 子どもには、あのように同じ所にずっと座って動かずにいることは出来ません。 動かないで一日が過ぎる年寄りを、木や石のようだ。と子供心に感動したのです。 幼い子どもには、一日はとても長いです。 途中で疲れて寝てしまいます。 目が醒めても、まだまだ一日はたくさんの時間があり、夕方までの時間はたっぷりありました。 それに比べて、今は、一日の早いこと! 一週間の早いこと! 一年の早いこと! 私があの時の婆ちゃんに近づいているって事ですね。(笑) お爺ちゃんと幼いお孫さんが手を繋いで歩いている風景。 それは同じ時間を共有しているようだけど、生物として個人個人に流れている時間は違うんだなぁ。と 最近はそんなフウに感じて見ています。 ヒトの時間を秒単位で縛る不幸な事故があります。 記憶に強く残っているのが、2005年のJR福知山線の事故と、 1990年の兵庫県の女子高生の校門圧死事件です。 ヒトは秒単位で縛られることはないと思うのです。 秒単位で縛るって事にそんなに意味はないと思うんです。 もっとゆっくり流れて良い時間があると思うのです。 時間は、伸びたり縮んだり、そして生物の個体それぞれに固有の時間の流れが あると思った方が良いのでしょう。 時計の示す人工的な絶対時間っていうのは、案外特殊なんだなと思ったのです。 編集後記━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ★前回、Vol.127「京都議定書の京都メカニズムは失敗したっぽい話」と Vol.128「地球温暖化は、CO2の増加ってホント?っていう話」を配信して、 コアな反論が来るんじゃないかとドキドキしながら過ごしていました。(笑) 昨今は、エコにあらずば人にあらずってな勢いです。 これって怖いなぁと思います。 まるで昔の大本営発表みたいです。 どうしてひとつの流れに、どどどっと流れてしまうんだろう。 どうして疑っていかないんだろう。 って訳で、コアな反論が来ませんでした。 賛成2通が来たくらいです。 さすがやまねこ通信読者! アルキメデスの原理に、「コップに氷をいれ、水をなみなみ注ぎ、氷が溶けてもあふれない」 っていうのがあります。 浮いている氷が溶けても水位は変化しないです。北極の氷は浮いているのですから。 だから、北極の氷が溶けても海上水位は上がらないっていう説が やっと最近、巷に広がってきているようです。 もちろんです。北極の氷が溶けて数m海面上昇が起きて都市は水没って事はありません。 そんな都市伝説みたいなものに乗っかって怯え騒ぐのはやめた方が良いです。 ただアルキメデスの原理は、北極などの「海中の氷」に限ります。 南極のように大陸上の氷や山の氷には当てはまりません。 これらが溶け出せば、海面上昇はありえます。 でも、ちょっと待った!です。 そもそも机上の実験を、「大自然」にそのまま当てはまると思う事がおかしいし、無理。 理屈はそうかもしれないけど、地球規模の「自然」を考えると あまりにも多くのことが複雑に絡んでいるので、そうそう机上の通りとはいかないです。 実は、本当のところは何もわかっていないっていうのが現実だろうと思います。 今言われてるのは全て「こうなる可能性があるのではないか」 「こういう可能性が考えられる」というレベルの話です。 しかも、「この状態が続くと」という無意味な前提のもとでの話です。 ・本当に地球の気温は上昇傾向にあるのか? ・都市部の計測しやすいところのみの傾向じゃないのか? ・もし、そいう傾向があったとしてその原因はヒトの排出するCO2が原因で  それを規制すれば良いというレベルなのか? まずこの辺りから疑ってかからなくてはいけません。 そんな事は、国のお抱えの偉い学者さんが言ったから、国が規制に乗り出したんじゃないの? と、言う人がいるかも知れません。 でもここ、ちょっと危険です。 学者さんたちにはいろんな人がいて、さまざまな意見に分かれています。 政府の審議会にでている人たちは、イエスマンで、 政府の原案を通すような委員会しか審議会の委員に選ばれないという面もあるのです。 私は、以前からCO2による温暖化はしてないとこのメルマガで主張しています。 CO2対策なら現在の技術で商業化できる。だから義務化して未対策の国へ売り込もうなどの 利権が見え隠れしている気がするんです。 観測では色々な数字が出ます。 都合の良い解釈、政策に合わせた数字を切り取るって事も簡単だと思います。 地球の複雑系の気温気候など、人智の知るところではありません。 見切れるものではないのです。 怖いのは、温暖化ではなく、ヒトの欲だと。そう思います。 ★あぁ〜。何なんだ、この編集後記は!  これじゃぁ、「みかりんの叫び その2」じゃないか。(笑)  って訳で、またコアな反論にドキドキしながらの配信です。てへ。 ★「やまねこ通信E=MC二乗」では、あなたからの投書を受け付けています。  動物・植物・環境・宇宙・時間・哲学このメルマガの趣旨に合うような投書を  気軽にメールに書いてね。  過去に取り上げた記事からの話題も歓迎しています。 ★vol.129の参考文献        「ゾウの時間 ネズミの時間」サイズの生物学         本川 達雄   中公新書   「定説だってウソだらけ」第5話 ヒトの時間 ナマコの時間   日垣 隆/本川 達雄   WAC                  第3話 恐怖を煽ってはいけない   日垣 隆/池田 清彦   WAC ★次回配信予定は未定です。でも必ず配信しますから。 蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹     ★彡★彡★彡★彡★彡『蟹屋 山猫屋』★彡★彡★彡★彡★彡 生まれも育ちも北海道育の“みかりん”が、北海道の味覚を全国の方に広めるために 『蟹屋 山猫屋』を立ち上げました。一級品の道産品をお手ごろ価格でネット販売! 読み物としても楽しめるものを目指しているよ。    登録はここ→ http://www.phoenix-c.or.jp/~daichi-m/kani/   山猫屋の蟹は冷凍ガニではありません。ボイルしたてを食卓に直送! 蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹    ↑↑↑  私、みかりんのもうひとつのメールマガジン。  北の味覚。海産物。蟹おいしいよ〜。  予算はこれくらい。食べる人数はこれくらい。と教えてくれたら、その中で  できる限りのご提案をします!山猫屋の蟹は冷凍物は扱っておりません!  さぁ、タラバ食べたいよう、毛ガニ食べたいようのメールをみかりんに書こう!  北の食材たちは脂が乗っておいしいです。  この機会に、どうぞ冷凍ではない蟹を!  御中元に、ご贈答に、山猫屋の海産物を。 ★今、毛ガニ安いです!! ★海水ウニ、今が旬! ★みなさんの中にメールマガジンを発行している方はいませんか?  相互で宣伝しあいませんか?  連絡ください。 それじゃ、今回はここまで。 あなたのお便り待ってるよ。 daichi-m@phoenix-c.or.jp じゃね。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 寝てたら目が醒めた。 私には珍しい。だいたいは直通で寝入って気がつけば朝。 なんで目が醒めてしまったのだろう…と暗闇の中でしばし考えること5秒間。 すると揺れ出した。 地震だ。 しかも結構長い。震度3弱?って感じ。 あぁ、長いな。これ以上長かったらどうしようかなぁと思っているうちに揺れはおさまり、そのまままた寝た。 そんな事も忘れて朝、起床。 新聞をみると東北で震度6強の大きな地震があったと知る。 札幌は震度2。 地震の数秒前に目が醒めるなんて私は動物のようだなと思った。 たしか地震にはP波とS波があったなと思ってネットで調べてみる。 P波とS波は同時に発生し、P波の方がS波よりも速い速度で伝わる。 だから震源地に遠い方が、P波とS波の時間差があるって事だ。 私はP波で目ざめたのかも。 でも私の寝ていたのは、2階のベットの上だ。 地面に寝ていたらもっとP波を感じれたかも知れないけどって思っていると、 S波は個体を伝わるのに対して、P波は固体・液体・気体を伝わるらしい。 動物が地震の直前に騒ぐのはP波を感じているからかもという説がある。 ははっ、やっぱり私は犬のようだ。(笑) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ○ やまねこ通信E=MC二乗 vol.128  2008年7月26日発行 http://www.phoenix-c.or.jp/~daichi-m/yamaneko/yamaneko.htm ○発行編集者 みかりん daichi-m@phoenix-c.or.jp ○発行システム: インターネットの本屋さん「まぐまぐ」ID:0000052530 http://www.mag2.com/ ○登録/解除 http://www.phoenix-c.or.jp/~daichi-m/yamaneko/yamaneko.htm ○やまねこ通信は、素人みかりんが趣味で発行しているもので、情報の正確さに はまったく自信がありません。引用して弊害が起きても責任は持てないよ。 それから誤字脱字変換ミスは大目に見てね。気を付けるけれどさ。えへ。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━