2001/3/9━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 幽玄の森羅万象の散歩道 動物行動学からの性♂♀の話・動物・植物・環境・宇宙・時間・哲学 興味のおもむくまま“みかりん”の しゃべりんぐ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━目指せ1万部! ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆        週刊 やまねこ通信 E=MC二乗                                vol.14 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 春の雨は暖かい。 春の雨は暖かい。 雪がどんどん流れていく。 冬がどんどん溶けていく。 湿った空気を通して見る月は、おぼろ月。 こんにちは。月好きのみかりんです。 あなたの所から見える月はどんな月? 新しく登録して下さった人、はじめまして。 バックナンバーがあるので、ここ↓チェックしてみてね。 http://www.phoenix-c.or.jp/~daichi-m/yamaneko/yamaneko.htm ━■江戸のリサイクルの話(3)━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 江戸は人口は100万から120万という当時の世界最大の大都市だった。 すすきの原だった武蔵野を人工的な雑木林の森林にしたのは、江戸の開拓農民たちが 防風林として、あるいは自家用の燃料や追肥用に植えた林に始まるのだが、やがて江 戸へ出荷する目的の薪や木炭、材木生産用の林業として大きく発展していった。 急に木炭の注文が増えたといって、いきなり伐採量を増やしたのでは、すぐに原料不 足になって困ることは目に見えているから、安定して供給できるように成長と伐採の バランスを考えなければならない。 輸送手段が発達していなかった当時では、物流コストが高くなって産業としては成り 立たない。都市と近いからこそ林業として発達できたのだ。 日本は今でも国土面積の67%に相当する約2500万ヘクタールが森林に覆われている。 これは、単純に計算して国民一人当たり0.2ヘクタールの森林があることになる。 一年間の成長で樹体量が5%増えるとして、ひとりあたり2.5%の持ち分の増加だ。 薪の発熱量は種類によって違うが、1立方メートル(約400kg)当たり、154万キロカ ロリー。 日本人の薪の持ち分が1年に2.5トン増えるのだから単純に計算しても一千万キロカ ロリー。 現在の日本人は年間一人当たり約4000万カロリーという膨大なエネルギーを消費して いるが、毎年成長する分の樹木を燃やす発熱量だけで、総エネルギーの20%ぐらいに なるのだ。 まぁ、切って集めるためにはエネルギーが必要だから計算通りにはいかないが、これ だけの量の樹木は生えているのだ。 江戸時代の日本人が使っていたエネルギーは、現在の100分の1程度、人口は4分の 1の3000万人。 森林は今より豊富だから運搬の手間をかけても、全体としては使っても使っても太陽 の供給するエネルギーで樹体量は増えてしまう。 したがってかつてすすきで覆われていた広い武蔵野台地のかなりの面積に木を植えて 覆ってしまえば、わずか100万人そこそこの江戸の住民が炊事用や火鉢やこたつ用の 燃料にしたぐらいではどこを切ったかわからない程なのだ。 化学肥料を使えばすぐに生産量を上げられるがやがて土地質が変化し生産量が激変 し、また次の化学物質を使わなくてはならなくなる。 追肥を土に入れ続ければ次第に畑作に向いた土地が出来上がるが、そこまでいくまで は、辛抱してこつこつと働き続ける必要がある。 大きな目で見るなら、樹木を育ててその成長の範囲内で燃料にしたり材木にしたりし た方がはるかに合理的だ。 この基本的な発想なしでは、本当のリサイクル社会は成り立たないのだ。 ━■動物行動学からの性♂♀の話 (12)━━━━━━━━━━━━━━━━ 「性を変えて雌を誘う」 生物には、ヒトが選択しなかったやり方を選んだ者がいる。 ベラの仲間は雌雄同体で、雌から雄へと性転換する。 キンギョハナダイという魚を見てみよう。この魚は普通一尾の雄と5〜10尾の雌が ひとつのグループを作り、岩穴の近くに暮らしプランクトンを食べる。 この魚も雄性先熟で、グループの中では雄が一番大きく、雄がいなくなるいと雌の中 で最も優位な個体が雄に性転換する。 オキナワベニハゼも同じ形態だが、雄は雌が産卵しない日にも求愛行動を繰り返す。 何故非産卵日に求愛行動を繰り返すのだろう。 この魚の雄は、自分の地位を保持し、雌の性転換を抑制するために求愛行動を繰り返 すと推測されている。 つまりこのような性転換をする魚では、求愛行動は、優位な雄が雌の性転換を押さえ 込むためにも用いられているらしい。 ヒトの性転換もだいぶ認知されてきたが、繁殖に繋がる性転換までは当然至っていな い。 このように雌から雄へと性転換する種類では、雄は昔は雌だったのだ。つまり女の気 持をよぉく判っている男ってこと?  ━●みかりんの叫び━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 「2010年宇宙の家」 国際宇宙ステーションというものが建設されているのを知っているだろうか? 1984年、米国のレーガン大統領(当時)の呼びかけで、アメリカ、ロシア、カナダ、 ヨーロッパ各国と日本が協力して建設を進めている。 建設開始は1998年11月で、約40回のパーツ打ち上げのうち、現在7回目まで終えてい る。2006年完成予定だ。 あと5年じゃないか! その後の計画がある。この国際宇宙ステーションを使って、3年かけて宇宙で建物を 建てる際の建材の耐久度を調べ、宇宙空間に適した材料開発に役立てる。実験が順調 に進めば2010年頃には月面に人間の居住空間が可能というのだ。 地球上に様々な問題を抱えながらも、ヒトは宇宙へ飛び出していくのだろう。 その内、地球以外で生まれた子どもが出来る。3世代もすれば価値観も体格も異なっ た宇宙人が出来上がるだろう。 差別、偏見、新しい宗教、そして母なる地球からの独立運動。宇宙人と生粋の地球人 の報われぬ恋物語。そんな昔のSF小説のような時代が目の前に来ているというの だ。 木漏れ日が、頬に当たるそよ風が、心地よい。と、いう感覚を経験することのない宇 宙ステーション暮らし。月面住居生活。その代わり地球上では得られない無重力感覚 や漆黒の闇に無数に散りばめられた星々が身近に見えて、哲学的な思考に誘われるの だろうか? 私は、頬に当たるそよ風を選ぶ。 ━▲やまねこ投書箱━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ まずは哲学的な命題についての投書から。 --------------------------- [きょみち]    実存と存在。存在とその意味についてです。たとえば、フレドリック・ブラウンの  小説にあったのですが、誰もいない山奥で木が倒れたとします。誰もそれを見ず、  その音も聞かなかった。それでは、そのこと(木が倒れた)は本当にあったことなの  か?  私にとっては存在に意味をつけるつけること自体が無意味。矛盾は解明できないか  ら矛盾なのではと思うんですが。  「なにわ金融道」の青木雄二さんが、宗教を信仰している人には神様は「いる」。  でも現実世界には神様の存在は「ない」。「いる」と「ある」は違う、というよう  なことを書いておられした。この、ある人には「いて」ある人には「いない」存在  とい うか観念というかそうゆうことについていろんな考えが聞きたいのです。  「われ思う、ゆえにわれ在り」なんかも思春期(*^_^*)のときなんかは力強い感じ  を覚えたものですが今はええのかなって思ってしまうのです。 --------------------------- フレドリック・ブラウンは、私のとても好きな作家のひとりです。特にその短編には 珠玉の作品が多く、日本の短編の大御所、星新一も多大な影響を受けています。(ブ ラウンなしでは星新一は存在しなかったくらいに!)きょみちさんの言っている短編 は「沈黙と叫び」というお話です。粗筋を紹介しましょう。 音が聞こえないと主張する男にとって、音は存在するか?という話しです。 男が小屋に人を閉じこめてしまいます。中の人は死んでしまいます。男は毎日小屋の 前を通ります。中で小屋から脱出しようとした人の「音」は、自分は耳が悪く音は聞 こえないので気付かなかったと言います。男が本当に聞こえるか聞こえないかは、本 人にしか解りません。 森の奥、誰も聞くものなどいない所で木が倒れた場合、音がしたことになるか?なら ないか? 音とは、「空気のような媒体の中でおこる、一定距離内での振動」であり「そのよう な振動が耳に及ぼす効果」でもあるので、最初の方の定義をとれば音とは聞く者が いようといまいと確かに存在します。でももう一方の定義に従えば聞く者があって はじめて音になる。 さて、木が倒れた時にそこにいた男がつんぼなのかどうか第三者にはわからない場 合、音の存在は? 私の無粋な粗筋紹介など本編の面白さ半減なので、フレドリック・ブラウンの短編は 他にも素晴らしいものがたくさんあるので機会がある方は是非。でも今売っているの 見たことないなぁ。私が持っているフレドリック・ブラウンの短編集は星新一の訳な んだ。 良いでしょ。(自慢モード)でもめちゃめちゃ古い本。 --------------------------- [kartz lee]  アンコウは光の届かない深海(つまり何も見えない)で、群れを作らずに生活する  ので、異性と出会う確率が非常に低いことに対応するために、オスがメスにくっつ  いて生活するようになったと考えら得ています。つまり確実に子孫を残すためで  す。  そういった生活環境の中では、合理的といえるかも知れません。  アンコウのオスが“発見”されたのはつい最近のことのようです。  まさかメスにくっついているとは、誰も思わなかったんですね。  ところでアンコウのオスって図鑑か何かで見たことありますか?  メスのお尻にくっついている様は、“ヒモ”どころか、まるでボロ布かちぎれた  海藻のようですよ。 --------------------------- 異性と出逢う確率が非常に低い……。それでもそのちぎれた海草のような雄と大きな 雌は、どうにかしてどこかで出逢うのだろう。出会えたら千載一遇のチャンスとばか りにつがいになるのだろうね。選り好みはしないのだろうか? もう少しぽっちゃり した人が好き。とか、もう少したくましい人が良いわ。とか。(笑)  深海に住むものにとって、たとえおぼろ月でも月はまぶしいのだろうか……。 --------------------------- [ikekun]  絶対について思うのですが、英語でありましたよね。「ベストなものの1つで  す。」のような言葉。  中学校で初めて聴いたときに、不思議な気がしました。1番って1個じゃないの?  思いませんでしたか。  他の国の人たち(差別的な意味ではありません)は、いろいろな時代の流れの中  で、絶対なるものが精神的に必要だったのではないでしょうか。で、そのうちに自  分にとっての1番をたくさんほしいって、ただ素直に思ったんじゃないでしょう  か。(自分の場合、中学生で思った不思議をこう解釈しています。)  たまに、ある哲学者のオッサンが言った言葉(誰だっけ?)が呪文のように出て  きます。  「われおもう、ゆえに、われあり」  これが自分が思っている絶対です。もうひとつの絶対だと思っていた言葉が科学と  いう魔法によってそうじゃなくなるかもしれません。         「ひとは、かならず いつか しぬ」  この2つをワンセットにしている自分は科学の行き過ぎを感じてしまいます。  もしかしたら、ただ、時代についていけない人かも。 --------------------------- ikekunさんの言うオッサンとはゴータマ・シッタルダ、つまりお釈迦様です。(笑) 人は、必ず死にます。ただその“死ぬ”という事にも色々解釈の仕方があります。 「脳死と心臓死」の問題もあります。もうちょっと宗教的なことになると、「肉体の 死は、魂の死なのか?」という命題もあります。 答えを科学に求める人もいるでしょう。故人や現在の“知”に求める人もいるでしょ う。 それこそたくさんある解釈の中で自分にとって『ベストなもののひとつ』と出会う ことが出来たら、それで前向きに生きる事ができれば、答えはひとつでなくても良い と思うんです。 --------------------------- [ミナミライ]  13号を読んで、サイババとアガスティアの葉がうそだった、ということですが、  当方、テレビや本で読む限りにおいて、少なからず信じていました。  うそと断言なさるのは何故か、わかりやすく教えていただけないでしょうか?  --------------------------- 私もよくわからないのですよ。(笑) 新聞のコラムに載っていたのを切り抜いておこうと思って、忘れてしまったんです。 で、おぼろげな記憶から。 サイババは、少年を何人も性的にイタズラし、えーと……。(しどろもどろ) アガスティアの葉は、最初に簡単な面接をするらしいです。それを物陰で聞いた人が 裏口から走って葉のある小屋に行き、その話しを聞いた人がそこから推測して本人が 来るまでに適当に書く。というカラクリだということでした。 これが現在の私の持ってる知識のすべてです。 で、サイババとアガスティアの葉について何か知っている人がありましたらメール下 さい。 ━●編集後記━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 思いもかけず、江戸のリサイクル社会3部作ということになってしまった。 先日、ヒマラヤ近くのカラコルムという土地の紹介をNHKでしていた。 仏教思想が根底にあるこの地域では、大事な畑作の芽をブルーシップというヤギが食 べに来ても決して殺さずに追い払うだけ。大事な家畜のヒツジを狙ってオオカミが来 ても殺さずヒツジと一緒に寝てオオカミを追い払うだけ。 ブルーシップは、今は珍しいここにしかいないヤギだし、ここには世界的に保護の対 象になっているユキヒョウもいる。 カラコルムの人々はそれらと共に生態系の一部として共に生きている。 排除しない思想。 江戸期の日本人は、人口が増えたことで効率の良い林業を都市部近隣に発達させ、 結果として江戸湾は魚が豊かになった。 近代思想は多くの生物の犠牲の上になって、そして行き詰まっている。 私たちは、この問題をクリアしている例があることを忘れてはいけないのだと思う。 ★「やまねこ通信E=MC二乗」では、あなたからの投書を受け付けています。  動物・植物・環境・宇宙・時間・哲学このメルマガの趣旨に合うような投書を  気軽にメールに書いてね。 ★メルマガ相互宣伝です!  バックナンバーを読んでみて、気に入ったら購読すると良いよ。 ■Weekly Gaia-net ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━             ◆ 週刊ガイア・ネット ◆ ☆大切な人にそっと教えたい ☆動植物や自然、宇宙にまつわる『ちょっといい話・不思議な話』 http://www2.odn.ne.jp/~car77000/ マガジンID  :0000013210(まぐまぐ):003569(Pubzine) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ★英会話を2192倍レベルアップするスピード学習法★     ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄    潜在能力を引き出せば、あなたは必ず話せます。    そのスピード学習法をメルマガですべて公開。    英語力に関わらず、読むだけで誰でもレベルアップ。    ☆登録=> http://www.mag2.co.jp/m/0000053772.htm _______________________________ 〓〓OOMAGATOKI〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓    ★★★ 恐いもの見たさのあなたを刺激します ★★★         ‥…★ 逢魔が時物語 ★…‥        −本当にあった恐い話・不思議な話−  http://www02.u-page.so-net.ne.jp/zb3/coo/omagatoki-toroku.htm 〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓OOMAGATOKI〓〓 それじゃ、今週はここまで。 あなたのお便り待ってるよ。 daichi-m@phoenix-c.or.jp じゃね。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ でたらめは、「出鱈目」と書く。デタラメな当て字だと思う。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ○週刊 やまねこ通信E=MC二乗 vol.14  2001年3月9日発行 http://www.phoenix-c.or.jp/~daichi-m/yamaneko/yamaneko.htm ○発行編集者 みかりん daichi-m@phoenix-c.or.jp ○発行システム: ◆インターネットの本屋さん「まぐまぐ」 http://www.mag2.com/ ◆メルマガ発行サービス「メルマガ天国」 http://melten.com/ ○登録/解除 http://www.phoenix-c.or.jp/~daichi-m/yamaneko/yamaneko.htm ○週刊やまねこ通信は、素人みかりんが趣味で発行しているもので、情報の正確さに はまったく自信がありません。引用して弊害が起きても責任は持てないよ。 それから誤字脱字変換ミスは大目に見てね。気を付けるけれどさ。えへ。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━