2012/9/3━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 幽玄の森羅万象の散歩道 動物行動学からの性♂♀の話・動物・植物・環境・宇宙・時間・哲学 興味のおもむくまま“みかりん”の しゃべりんぐ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━目指せ1万部! ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆         やまねこ通信 E=MC二乗                                vol.158 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ こんにちは。 みかりんです。 北国の夏もそろそろ終わりです。 海へ山へ湖へと行楽に出かけることも多かったのではないでしょうか。 遠出した人も近場で楽しんだ人も、私たちが日頃当たり前のように目にして耳にして 使っている地名にちょっと思いを馳せてみませんか。 北海道の地名はアイヌ語がもとになっている地名がほとんどです。 本州の地名とは全然違います。 そして本州にもアイヌ語系の地名があります。 地名からどんな事が見えてくるでしょう。 今日はそんな地名のお話です。 ここに↓バックナンバーがあるよ。『内容一覧』という所をクリックしてみて。 http://www.phoenix-c.or.jp/~daichi-m/yamaneko/yamaneko.htm 「ラジオ山猫通信」も、ここから聞くことができます。↑ ━■地名の話━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 何年か前に京都に行ったときに、その地名と風景にすっかり驚いてしまいました。 太秦とか役行者町(えんのぎょうじゃちょう)とか、無理です。  読めません。 風景も普通に五重塔なんかあります。ありえません。 でも、碁盤の目の街並みは札幌と似ていてどことなく見慣れた風景です。 それもそのはず札幌の碁盤の目の街並みは京都を参考にしたものですから。 驚いたのはそれだけではなくて、京都市内をちょっと歩いただけでも二条城があったり、 これって徳川慶喜の大政奉還のあの二条城でしょう? たしか世界遺産にもなってる…。 信長の本能寺があったり、10円玉のデザインの宇治の平等院とかあったり。 幕末も戦国も平安時代も、幾層にも時代が重なって京都の街全部が、 「the日本の歴史」になっているんです。 札幌と全然違う…。 あまりにも札幌と違う。 あっ…そうじゃない。京都が日本なんだ。 京都が日本なら札幌は北海道は外国だ。つくづくそう思ったのでした。 難読地名ならたぶん北海道の方が本州の人たちにとっては手強いでしょう。 なにしろ日本語がベースではないんですもん。 私は北海道のアイヌ語ベースの地名が大好きです。 日本語には少ないパピプペポがなんだか楽しいでしょ。 サッポロとかオコタンペとかオトイネップとかね。オコッペ、モーラップ、フップシとかね。 アイヌ語の地名の大部分は、目で見たそのままを地名にしています。 たとえば札幌は、サッ・ポロは、乾いた広いところ。をアイヌ語で言っています。 またはサッ・ポロ・ペッで、湿原を流れる大事な川っていうたぶん豊平川を 意味するんだろうけれど、そういう言葉から来ています。 小樽は、オタ・オル・ナイで、砂浜の中の川の意味です。 まさかこれは日本語地名でしょっていうのでも、やっぱりアイヌ語由来のものもあります。 室蘭の日の出の名所として有名な地球岬。 これは断崖を意味するチプケから来ています。チプケが地球になったんですね。 岬からの眺めがとても雄大で水平線が円を描いて見えるから地球岬に なったと思いたいけれど、そういう事ではないんですね。 それとよく本州のほうに精進川ってあるでしょ。 これは魚がいない川に名付けられる事が多くてね、よく精進料理っていうでしょ。 それと同じで仏事の時に生きているものを使わない料理の事。 そのことから魚のいない川の名になったんだけれど、これって完全に日本語です。 でも札幌にも、精進川ってあるんです。 この精進川というのはもとのアイヌ語名は、オソウシまたはオショウシです。 これは川尻に滝が付いているという意味です。 オソウシが日本語の精進に当てはまったんですね。 こんなふうに、アイヌ語を日本語に当てはめちゃう系の地名も結構あるんです。 北海道の地名には、ナイのつく地名が多いです。 札内、札比内、木古内、歌志内、稚内、幌加内とか。 道内のアイヌ語地名の4分の1近くがこのナイの付く地名なんです。 真駒内は山側にある川。木古内は潮・入り・川。幌加内は後戻りする川。 朱鞠内は石・高い・山。稚内は冷たい水の川。の意味です。 幌内っていうのは、ポロ・ナイで、大きな沢くらいの意味です。 北海道にはとても多い地名で幌内は、奥尻町、岩内町、長万部町、石狩市厚田区、 苫前町、長沼町、三笠市、厚真町、新ひだか町静内、幕別町忠類、鹿追町、雄武町。 道内にこんなにもたくさんの幌内があります。 ナイの次に多いのが、ベツです。 登別、中頓別、浜頓別、幌別、陸別とかね。 このベツもものすごくたくさんある地名です。 ナイとベツ、この二種類が北海道の地名の二大勢力です。 そして共に川とか沢という意味なんですね。 この北海道に圧倒的に多いナイは、実は東北にも結構あります。 米内(よない)、沼宮内(ぬまくない)などです。 本州にあるナイが付く地名なら全部アイヌ語由来の地名かというと、 そういうことでもなくて、城内とか村内など、こういうのは日本語由来でしょう。 そういう日本語由来のを取り除いて数えてみると、 東北六県で約400程「ナイ」のつくアイヌ語由来と思われる地名があります。 その位置を地図上に印を付けていくと、東北の北の方にとても多いんですね。 たとえば宮城県の保呂内、青森県の母衣内。 これらは北海道にたくさんある幌内と同じですね。 アイヌ語由来の地名と思われるナイやベツを東北の地図上に記しを付けていくと、 境界線のような線見えてきます。 宮城県を南北に分ける線を通過するように秋田県と山形県の県境を走る線。 この線の北側に地名にナイやベツが強く残っている地域です。 線の南側には、ナイやベツという地名があるにはあるし、点在しているけれど、 日本語かアイヌ語か区別が付きにくい形になっているんです。 で、その辺りがアイヌ語地名の南限かというとそういう事でもないんですね。 実は関東にもナイのつく地名が140ほどあります。 なかには日本語由来のものもあるでしょうけれど、 たぶん中にはアイヌ語由来のものもあります。 ピックアップしていくのにナイとベツが判りやすいだけで、 そればかりがアイヌ語地名ではありません。 埼玉県に風布フウップというミカン栽培の北限の地があります。 このフウップはアイヌ語地名ですね。 千葉県の銚子は、chiw-as-iで「河口の波立っている所」とアイヌ語で解釈できます。 このように、実は日本の地名のあちこちに、 アイヌ語で読み解くことが出来る地名が結構あるんです。 日本の首都東京の旧名の江戸。江戸という地名は古くて、 平安時代以前から江戸という地名がありました。 「江戸」の地名の由来はいくつかあります。 たとえば、今は埋め立ててしまったけれど今の日比谷あたりまで海が迫っていました。 そして入り江が入り込んでいたので、入り江の入り口、すなわち「入り江の戸」に あたるということで江戸と呼ばれるようになったという説。 アイヌ語説もあります。 江戸はアイヌ語の岬を意味する「エトゥ」から来たという説もあります。 昔の地図を見ると、江戸前島という半島があるんです。 この江戸前島は、徳川家康が埋立工事をするまで、半島だったんです。 その他にもいろいろな説があるようですが、実のところ何が正しいかは、分かりません。 このように日本にはアイヌ語を語源とする地名が到るところにあるようです。 日本各地にアイヌ語地名があるというのなら、大昔にはその土地に アイヌ語を使う人々が住んでいたと考えても不思議ではありません。 関東どころかずっと南の島根県に十六島(うっぷるい)という所があります。 これも日本語っぽくないですね。 北海道にはルイが付く地名がいくつもあります。 忠類村・音類(オトンルイ)・サシルイ岬とかね。 日本神話の生まれた出雲地方に、このようなアイヌ語っぽい地名があるっていうのは ちょっとした事件かもしれません。 それでは、このあたりがアイヌ語地名の南限なのかな。 いえいえそれがですね。そういう事でもないのです。 アイヌ語のヒラとかピラは(豊平とか平岸とか平取とかの)崖っていう意味です。 で、沖縄琉球列島にもヒラとかピラのつく地名があります。 西表のカンピラの滝とかね。 日本語の古語では坂の事を「ひらさか」と言うんですね。 沖縄とアイヌ語にヒラやピラとして残って、 日本語は「ひらさか」の「さか」が残ったようですね。 こうなるとどこがアイヌ語の南限かという意味がなくなってきます。 源の義経が、逃げていく先々で地名となって残っています。義経伝説です。 ちょっと地名から義経を追いかけてみましょう。 その前に、何故義経は逃げて行かなきゃならなかったのか 義経の生い立ちをかいつまんでいきますね。 源義経は幼い頃の名前を牛若と言います。 今放送中のNHKの大河ドラマの平清盛。主人公の好敵手として源義朝がいました。 その義朝の三男が頼朝で、母は違うけれど九男が牛若です。 父義朝が平治の乱で謀反人となって死にます。 2歳だった牛若は、今若、乙若の兄弟と共に、母常磐御前と一緒に 大和の国(今の奈良県)に逃げ延びます。 そこで兄弟たちは出家して僧として生きることになります。 のちに母、常盤御前は公家の一条家へ再婚していきます。 牛若は鞍馬寺に預けられるけれど、僧になるのを嫌って十一歳の時に逃げ出します。 そして自ら元服して源義経と名乗ります。 義経の腹違いの兄の源頼朝。 源頼朝は父義朝が敗れると伊豆の国に流されます。 そして当時の朝廷の権力者、後白河天皇の第二皇子、以仁王から、 当時めちゃめちゃ栄えていていい気になっていた平家討伐を命じられて兵を挙げます。 平家にあらずんば人にあらず、とか、おごる平家は久しからずって言葉が、 千年後の今に伝わるくらい、平家は、いい気になったんですね。 こうして頼朝は平氏を倒して鎌倉幕府の基礎をつくります。 この時の戦いに、義経は参戦して手柄をたてたのです。 貴族の社会から武士の時代へと歴史が移り変わっていく時です。 で、ここで頼朝は戦いに功績のあった義経を追放して討ち取ろうとします。 何故そういうことになったのか諸説あります。 裏で朝廷が、頼朝と義経の仲違いをするように仕向けていたとか、 頼朝の描く武家社会構想を義経は理解できなかったとか、 父義朝の血脈は自分だけで良し、妾腹の義経が目障りだったとか、 義経はその生い立ちから、武士の美意識の素養がなくて鎌倉武士と対立したとか、 まぁ史実は、よくわからないんですけれど、 とにかく頼朝は義経を今で言う所の全国指名手配にしたんですね。 ここから義経の逃亡の旅がはじまります。 お供のものには弁慶もいます。 そうしてとうとう奥州平泉で(今でいう岩手県ですね)義経一行は死ぬこととなります。 義経には庶民の同情もあって後々まで好意的に語り継がれていきます。 判官贔屓って言葉があるでしょ。 弱い者や幸薄い者に同情して、味方したり応援したりすることの意味です。 判官贔屓という言葉の由来も、義経の名前、九郎判官義経を同情する気持ちから 生まれた言葉です。 史実では奥州平泉で義経は死んでいます。 でもここから義経不死伝説が地名として残っていきます。 東北の義経伝説のすごいところは、岩手県の平泉から青森県の津軽半島の 先っちょの竜飛岬まで、1本の線で結べてしまうところです。 この一本の線上に立ち寄ったエピソードが残る場所は二十五ヵ所にものぼります。 そうして本州最後の言い伝えが残る竜飛岬にたどり着きます。 で、その先にあるのは北海道なんです。 北海道には義経や弁慶にまつわる地名がたくさん残っています。 一般に伝えられているルートに、青森の竜飛から道南の福島町に渡って、 日本海側を松前、江差、寿都、岩内と進んで、 洞爺湖、支笏湖、平取、新冠、留萌に至ります。 道内最大の義経伝説があるのが平取町で、義経資料館もあります。 道南の渡島半島に弁慶岬があります。 北海道にペンケとかパンケという地名は多いんです。 これが弁慶に結びつけられているんだと思います。 「ペンケ」は上、「パンケ」は下というアイヌ語です。 「ペレケイ(やぶれた所)」の地名は、弁慶の当て字になってしまったようです。 それでも義経由来の地名はたくさんあります。ちょっと一部を上げてみますね。 乙部町には、九郎岳や静御前が義経を待っていた姫待ち峠という名の峠があります。 日高地方には、義経峠、義経神社、常磐御前碑、静御前碑があります。 十勝本別町には、義経山神社・義経山鎧岩・源氏山。 白糠町の義経の尻もち跡。釧路市の義経の窓岩。 もう、上げていったらキリがありません。 ちょっと不思議なのは和人の伝説だけじゃなくて、 アイヌの伝説にもたくさんの義経伝説が語られていることです。 酋長の娘メヌカは義経に恋をします。 義経はそれを利用してメヌカを騙して宝物を盗んでしまう。 メヌカは刀掛岬の近くで投身自殺。 刀掛岬っていうのは弁慶がちょっと刀を掛けた所がその名の由来です。 平取から後を追ってきたアイヌの娘チャレンカが、義経の一行を渡らせまいとして 岩になりました。 また、ある酋長は娘シララに義経の面倒を見させました。 義経が村を出るときがきて満月の夜に舟で出ていきました。 残されたシララは岩沿いに追いかけたけど荒波にのみこまれて岩となってしまいます。 この岩を女郎子岩(じょろっこいわ)と言います。他にもあります。 義経が世話になったある家で娘といい仲になります。 時が来て北に旅立つ時義経は、「家の針と糸を持ってこい」と言いつけて そのスキに船出してしまいます。 針と糸を持って浜に戻った娘は事態を知って岬から身投げをしてしまいました。 とにかくアイヌメノコを騙して娘が死んでしまう話がやたら多いんですね。 ともかく義経伝説は、岩手県の平泉から青森県の竜飛岬まで。 そこから北海道に上陸し、たくさんのアイヌメノコを騙して、 留萌辺りから船で大陸に渡って チンギスハンとなって中国大陸で大活躍したというのは、また別の話です。    * * * * *  * * * * *     千年も前の事など今となっては知るよしもない。 そこにどんな民族が暮らしていたのか。 どんな言葉を使っていた人たちが暮らしていたのか。 ただ、かすかに痕跡は残っている。 それは地名に。 それは伝説に。 時が積もって、それは形を変えて現れてくる。 かすかな痕跡から時の向こう側を想像する。 何かがちょっとだけ垣間見えた。 と、思ったら消えた。 ━■みかりんの叫び━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 「火星探査プロジェクトについて」 前号のこのコーナーで「火星時代がやってくる」と題して、NASAの火星探査車キュリオシティーが 火星に着陸した事を話題にしました。 読者のshoさんから、メールが来ました。 以前はよく投書が来て、投書のコーナーも充実していたのですけれど、今回久々の反応は とても嬉しかったです。 で、そのshoさんのメールの内容が、あまりに面白かったので一挙公開です。 =================== [sho]さん かつてメールで投書したことがある、shoというものです。 バックナンバーを探したところ、Vol.45の「テラフォーミングの話」の時に 掲載していただいていました。 当時からすでに10年以上が過ぎて、30歳になってしまいました。 今読み返してみると、やはり若かったんでしょうか、 書いてる内容が若干薄いなぁと思ってしまいます(笑)。 その間に、宇宙開発関連の企業に就職し、一度そこを離れて別の仕事をしたあと、 縁があって3年前に小型衛星の装置を開発する会社を立ち上げ、 既に1つ、我が社の製品が宇宙へ旅立ちました。(2つ目は来月打上げ予定です) 何かと宇宙と縁がある仕事をしております。 さて、先日のメルマガで、 火星探査ローバーCuriosityについて取り上げられていましたが、 1つだけ気になったことが。 NASAのこのプロジェクトは非常に恐るべきものです。 はっきり言って、宇宙開発に携わっている私ですらイマイチ現実感が沸かないほとですが、 やはり送られてきた写真を見ると感動ですね。 http://mars.jpl.nasa.gov/msl/multimedia/images/ ところが、このローバーの恐るべきところは、火星に着陸する方法にあります。 当の開発者ですら「クレイジーだ」といってしまうような内容で、 よくぞこんなものが成功したものだと思わずにはいられません。 私が説明するのもなんですので、公式の動画を紹介します。 http://youtu.be/Re0Y4ChNFS8 そして、私がもっと感動した映像はこちらなんです。(英語字幕しかありませんが・・・) http://youtu.be/N9hXqzkH7YA 実際にシーケンスが成功しているときのエンジニアたちの表情がたまりません。 私も、いずれはこういうことをしたいなぁと思っています。 今回のメルマガで、Curiosityについて触れられていたのに、 この恐るべき突入劇について言及がなかったので、是非紹介したいと思いました。 そのあとで、片道の火星旅行について言及されていますが、 身近なところであっても、「片道でいいから行きたい」という人は確かに居ますね。 ところが、宇宙開発というか人工衛星開発に直接携わっている私は、結構異端で、 有人宇宙旅行とかロケットにはあまり興味が無いんです。 やはり、私はエンジニアとして「自分が作った衛星を送り出したい」んですよね。 で、最終的には私が作った探査機で、木製の衛星「エウロパ」の氷の下を調べたいと思っています。 こういう意見は、私の周囲でもかなり異端です(笑)。 =================== 上記のshoさんのメールに対する、私の返事↓ =================== [みかりん] shoさん。 やまねこ通信のみかりんです。 メールありがとう!嬉しいです。 最近、投書がすっかりなくなってたんで、ホント嬉しい。 > バックナンバーを探したところ、Vol45に掲載していただいていました。 私も見てみました。 おおお。火星のテラフォーミングの時に投書をくれた方ですね。 2001年11月。もう10年以上も前なんですねー。 > その間に、宇宙開発関連の企業に就職し、一度そこを離れて別の仕事をしたあと、 > 縁があって3年前に小型衛星の装置を開発する会社を立ち上げ、 > 既に1つ、我が社の製品が宇宙へ旅立ちました。(2つ目は来月打上げ予定です) > 何かと宇宙と縁がある仕事をしております。 すごいすごいすごいすごい! 読者の方に、このような宇宙関係の会社を立ち上げた人がいるなんて! 素晴らしいです。 vol.157の「みかりんの叫び」を書くにあたって、 キュリオシティー関連のニュースをざっと目を通しました。 で「恐怖の7分間」の事を知ったのですけれど、 ド素人の私にはどう恐怖なのか、どう奇跡的なのかが、理解できず、 その素晴らしさを、伝えきれないと感じたので、そこはざっくり割愛したんです。 今読み返しててみたら、かすかに「綱渡りのような着陸」という表現をしていますね。 そして、引き算間違ってますね。私。             ↓ >ライト兄弟の初飛行(1903年)からアポロの月面着陸(1969年)まで、 >たった63年です。 66年です。(笑) > やはり送られてきた写真を見ると感動ですね。 そりゃぁ、もう。きゃーきゃーです。 > ところが、このローバーの恐るべきところは、火星に着陸する方法にあります。 > 当の開発者ですら「クレイジーだ」といってしまうような内容で、 > よくぞこんなものが成功したものだと思わずにはいられません。 > > 私が説明するのもなんですので、公式の動画を紹介します。 > http://youtu.be/Re0Y4ChNFS8 今、見ましたー。 これが恐怖の7分間の事だったんですね。 無茶ですよー。 で、やまねこ通信vol.133、去年の7月2日配信で「はやぶさ」について語っています。 私、はやぶさがイトカワに何か落とすときの工夫がすごく感動したのを覚えています。 イトカワは重力がすごく少ない。 何かをおろす時、ちょっとでも間違えると、跳ね返って宇宙の彼方に飛んでいってしまう。 それで、日本のお手玉にヒントを得た話が気に入っています。 お手玉は跳ね返らないんですね。 すごく日本的で、ローテクです。 キュリオシティーも、お手玉系の着陸にすればこんなにドキドキしないで済んだのにと 思いました。 > 実際にシーケンスが成功しているときのエンジニアたちの表情がたまりません。 > 私も、いずれはこういうことをしたいなぁと思っています。 これは素晴らしい望みです。叶います。 shoさんの願いは、叶いますとも。 火星よりもエウロパの方が、「生命の痕跡」を見つけやすいでしょう。 もうね。こういう人が日本で育ってきているってのに感動です。 =================== と、以上のようなやりとりをしました。 shoさんの紹介してくれたyoutubeを見て、やっと私にもNASAがどれだけの ドキドキの時間を過ごしたかが判りました。 http://www.youtube.com/watch?v=Re0Y4ChNFS8&feature=youtu.be 火星の大気圏から、火星の地表に降りるのに7分かかる。 火星の探査機から地球に信号が届くのに14分。 この差の7分間、こっちから指示が出せない状態なのに、かなりアクロバットな事を たくさんしなきゃならないんです。 パラシュートを絶妙なタイミングで開き、絶妙なタイミングでパラシュートを切り離す。 その後、ロケットの逆噴射ロケットで浮き上がる。これもタイミングを誤ると、切り離した パラシュートに突っこんでしまう。 パラシュートを避けながら、ロケットで水平と垂直を保ちながら地表に近づいていくんだけど ロケットは地表近くでは、ダストの雲ができてしまうので使えない。 ホコリが舞い上がって精密機械が壊れるんだね。 で、探査車をケーブルで釣り下げて、タイヤが地面に接する所まで火星表面にそっとおろす…。 んな事、できるかー!しかも、地球側が何もできない時間の中で、やらなきゃならない。 これは確かに「恐怖の7分間」です。 そしてこの動画を見て、やり方や発想と実行力がすごくアメリカ的だなぁと思いました。 有名なコピペにこんなのがあります。 もちろんジョークです。   * * * * * * * * * *  アメリカのNASAは、宇宙飛行士を最初に宇宙に送り込んだとき、  無重力状態ではボールペンで文字を書くことができないのを発見した。  これではボールペンを持って行っても役に立たない!  NASAの科学者たちはこの問題に立ち向かうべく、  10年の歳月と120億ドルの開発費をかけて研究を重ねた。  その結果ついに、無重力でも上下逆にしても水の中でも氷点下でも摂氏300度でも、  どんな状況下でもどんな表面にでも書けるボールペンを開発した!!  一方、ソ連は鉛筆を使った。   * * * * * * * * * * すみません、すみません。おちょくったようなコピペを紹介してすみません。 宇宙開発は、トライ&エラーで失敗を怖れず試行錯誤していかなければなりません。 もちろん目的も規模も違うのですけれど、はやぶさのような省コスト省エネと 創意工夫と場合によってはローテクを駆使した柔軟性のある方法も 馬鹿にしたものではありません。 ともあれ、人類は宇宙進出にもう一歩踏み出しました。 満天の星空の中のひとつの赤く輝く火星に、新たな未来を切り開くべく。 メルマガ「やまねこ通信 E=MC二乗通信」を続けて年末で丸12年になります。 その間、さまざまな読者の方とメールでやりとりしました。 私はそのやりとりのそれぞれにどれだけわくわくさせて貰ったか。 12年の歳月は、宇宙開発に関するベンチャーを立ち上げた方も現れたんです。 感慨深いです。 ━●編集後記━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ★8月30日の夕方、札幌の藻岩山(国道や市街地と隣接している山。スキー場や登山道あり)の  ふもとの住宅街の所の山の崖を登っているヒグマがいると多数の目撃証言があり、  翌日31日、藻岩登山道入り口5ヵ所すべて封鎖。藻岩山上空にはヘリが飛び交っていました。  私は、体力作りのため頻繁に藻岩山登山を楽しんでいます。  この日も、藻岩山に行きました。封鎖されてました。  多くの市民が楽しむ藻岩山登山客の一部の人たちは封鎖をくぐり抜けて登山。  すみません。私も。  私は慈恵会コースって所から登り、頂上まで行って引き返し、途中北の沢コースを降りて  いきました。北の沢コースの途中、獣臭かったです。強烈な獣臭。糞がありました。  それから慈恵会コースに戻って帰りました。  翌日の朝刊には、夕方に地下鉄真駒内駅裏にヒグマの目撃情報です。  たぶん同じクマだろうという事です。  藻岩山と地下鉄真駒内駅の間には住宅街が広がっています。  どうやって? 川づたいに?    人とヒグマは棲み分けなければなりません。  真駒内駅は私の家から徒歩圏内です。  190万都市札幌です。    藻岩山登山口は9月14日まで封鎖です。しばらく行けません。 ★今回のこの「地名の話」は、 ネットで聞くことができます。  http://www.phoenix-c.or.jp/~daichi-m/yamaneko/yamaneko.htm  ここの右側「ラジオ山猫通信」をクリックしてスクロールして  「地名の話」をクリックすると聞けます。  すぐに聞けない人は、じっと待ってみて。きっと聞けます。  http://crashlanding.under.jp/rajiyama0820.mp3  直接URLはここです。  今回の文は、おおむねラジオ原稿そのままです。  ラジオ用をメルマガ用に書き換えているけどね。 ★vol.158の参考文献・サイト    「アイヌ語地名を歩く」 北海道新聞社    山田秀三    義経伝説、壮大な歴史ロマン    http://pucchi.net/hokkaido/history/yopshitsune.php ★予告です。 9月3日放送「みんなどこにいるのだろう」 (収録済み)  (ネットにUP予定は9月17日)   地球外知的生命体の認識の歴史と火星の生物発見の夜明け前かもの話です。 ラジオ山猫が丸三年だ!4年目に突入〜記念! 9月17日放送「色々なオスメスの話」(書き終わった)  (ネットにUP予定は10月1日)   10月1日放送「下肥の話」(書き終わった)  (ネットにUP予定は10月15日)   10月15日「イネ科の植物の話」(書き終わった)  (ネットにUP予定は11月5日)            ★ラジオ放送が月二回隔週であります。  最初はメルマガを元に原稿を書いてたけど、  今は、書き下ろし原稿です。  それをメルマガに転用するという逆転現象が  最近のメルマガ版「やまねこ通信 E=MC二乗」であります。 ★どうぞお時間のある時に「ラジオ山猫通信」も聞いてみてください。  今度の9月で丸3年になります。  でも相変わらずしゃべりはトチってばかり、噛んでばかりです。  なんかモゴモゴしています。(笑) ★私はいつも「やまねこ通信 E=MC二乗」の事が頭の隅にあります。  次回テーマは何にしようかと常に思っています。  「やまねこ通信 E=MC二乗」は、私みかりんを構成している大事な要素です。 ★「やまねこ通信E=MC二乗」では、あなたからの投書を受け付けています。  動物・植物・環境・宇宙・時間・哲学このメルマガの趣旨に合うような投書を  気軽にメールに書いてね。  過去に取り上げた記事からの話題も歓迎しています。 蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹     ★彡★彡★彡★彡★彡『蟹屋 山猫屋』★彡★彡★彡★彡★彡 生まれも育ちも北海道育の“みかりん”が、北海道の味覚を全国の方に広めるために 『蟹屋 山猫屋』を立ち上げました。一級品の道産品をお手ごろ価格でネット販売! 読み物としても楽しめるものを目指しているよ。    登録はここ→ http://www.phoenix-c.or.jp/~daichi-m/kani/   山猫屋の蟹は冷凍ガニではありません。ボイルしたてを食卓に直送! 蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹    ↑↑↑  私、みかりんのもうひとつのメールマガジン。  北の味覚。海産物。蟹おいしいよ〜。海水ウニもありますよー。  予算はこれくらい。食べる人数はこれくらい。と教えてくれたら、その中で  できる限りのご提案をします!山猫屋の蟹は冷凍物は扱っておりません!  さぁ、タラバ食べたいよう、毛ガニ食べたいようのメールをみかりんに書こう。  ごめん!今、タラバの入荷が安定してないっ。  毛蟹の良いのがありますよー。 海水ウニの季節にになってきました。  北の食材たちは脂が乗っておいしいです。  この機会に、どうぞ冷凍ではない蟹を!  ご贈答に、山猫屋の海産物を。 それじゃ、今回はここまで。 あなたのお便り待ってます。 daichi-m@phoenix-c.or.jp じゃね。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 残暑。暑い。 暑すぎて「死んでしまうかもしれない」と、つぶやいたら 「死んでシマウマになるかもしれない」と脳内変換。 「新弟子舞うかもしれない」ともっと脳内変換。(笑) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ○ やまねこ通信E=MC二乗 vol.158  2012年9月3日発行 http://www.phoenix-c.or.jp/~daichi-m/yamaneko/yamaneko.htm ○発行編集者 みかりん daichi-m@phoenix-c.or.jp ○発行システム: インターネットの本屋さん「まぐまぐ」ID:0000052530 http://www.mag2.com/ ○登録/解除 http://www.phoenix-c.or.jp/~daichi-m/yamaneko/yamaneko.htm ○やまねこ通信は、素人みかりんが趣味で発行しているもので、情報の正確さに はまったく自信がありません。引用して弊害が起きても責任は持てないよ。 それから誤字脱字変換ミスは大目に見てね。気を付けるけれどさ。えへ。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━