2001/3/23━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 幽玄の森羅万象の散歩道 動物行動学からの性♂♀の話・動物・植物・環境・宇宙・時間・哲学 興味のおもむくまま“みかりん”の しゃべりんぐ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━目指せ１万部！ ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 　　　　　　　週刊　やまねこ通信　Ｅ＝ＭＣ二乗 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　vol.16 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ こんにちは。 みかりんです。 関東圏では梅が咲いているようですね。 北国では、やっと一気に雪解けがはじまりました。 今週の私の気分は、LOVE＆PEACEです。 「戦争をする時間があるなら、愛を語りなさい」です。 ジョン・レノン的気分で今週は行きます。（笑） 新しく登録して下さった人、はじめまして。 バックナンバーがあるので、ここ↓チェックしてみてね。 http://www.phoenix-c.or.jp/~daichi-m/yamaneko/yamaneko.htm ━■プテラノドンの話━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 中生代の空の覇者、有名なプテラノドンを代表とするお馴染みの翼竜は、脊椎動物と して初めて空へ進出し君臨したのである。 登場したのは中生代三畳紀中期までさかのぼり、多種多様な形態のものが存在してい た。 多様な形態を持ちながらも、その骨格構造は一目で翼竜とわかる共通性がある。 体に比べて大きな頭部。胴は小さく、後脚は弱々しい。四本ある指のうち第四指だけ が他の指の２０倍に達するほど長い。第五指は退化して完全にない。 長く伸びた第四指と大腿部の間に張った幕によって翼を構成している。 中生代は地球のすみずみまで温暖で気候の安定した時代だった。 風は穏やかで上昇気流も容易に発生する。 向かい風を受けて離陸し、上昇気流に乗って滑空飛行を得意とする生物だった。 中生代に突如登場した翼竜は、翼を広げても２０cmほどの小さな生物に過ぎなかった が、一億年以上もの時間をかけて、その種類を変えながら巨大化していった。しかも 巨大化するともに白亜紀後期にはその種類の数は少なくなる。 プテラノドン（翼幅８m）、ケツアルコアトロス（翼幅１２m）の二種類が現在見つ かっている白亜紀後期まで生きていた種類である。それにしても巨大な飛行生物であ る。 翼竜の巨大化は、中生代の安定した温暖な空に過剰適応した結果だ。 飛行滑空する生物に許されたギリギリの大きさまで巨大化し、自力飛行するよりも風 に乗り、滑空する方向に進化を進めていたことが命取りになった。 白亜紀末の気候激変についていけなくなったのである。 あまりに時代に適応しすぎて、新たな環境に適応する可能性を失った生物に、生存の 余地は残されていなかったのである。 翼竜は死に絶え、鳥は生き残った。 白亜紀には多種多様な鳥がすでに揃っていた。そりゃぁ、鳥にしても白亜紀後期の環 境の激変は大打撃だったから大部分は絶滅している。 しかし、自由自在に飛ぶ能力を備えていたこと。そのために温血であることとか気嚢 であるとか、生理機能や情報処理能力を身に付けていたこと。 鳥が鳥であるために、必要な形態や機能を持とうとした瞬間から、この困難を克服で きる生物として約束されていたんだろう。 ━■動物行動学からの性♂♀の話　（１４）━━━━━━━━━━━━━━━━ 「一夫一妻、一夫多妻、一妻多夫、形態は雌が選ぶ（１）」 鳥は90%が一夫一妻で、それ以外は一夫多妻か乱婚。一妻多夫は1%あるかどうか。 タマシギやヒレアシシギは、一妻多夫が観察されている。 一夫一妻ではない鳥がいること以前に、鳥の90%がまでが一夫一妻であること自体 が、動物界では例外的に珍しい。 哺乳類でも一夫一妻なのは、キヌザル、テナガザル、ビーバー、キツネ、アザラシの なかのある種。そのくらい。ヒトは一夫一妻と言えるのだろうか？　この問題はもう ちょっと後で検証してみるとして。 そもそも動物は、多重婚が始まりで一夫一妻はより後で進化してきたと考える人と、 逆に、これは鳥の場合に限るだろうけれど一夫一妻から進化したと考える人がいる。 ただ鳥が一夫一妻の場合だと、何故雄は一羽の雌を得ると次なる雌を入れないのだろ う？ 一度つがいを作ってしまうと雄は雄同士で排撃しあって縄張りをつくる。同様に雌は 雌同士に限って追い払うのが普通だ。どうも基本として同性の反発がある。そうやっ て鳥は一夫一妻のシステムを取っているらしい。 モズのペアリングに至る行動の観察記録がある。 モズは雄の縄張りに雌が訪れる。雄は縄張りにやってきた雌に騒々しい求愛ダンスを する。 けれどそれはとても節操が無く、午前中来ていた雌にとても熱心に求愛していたの に、午後には違う雌に一所懸命にやっている。 縄張りが並んでいる所へ雌が来ると、それについて歩いてダンスをする。雌はどんど ん移動していって縄張りの縁までくる。すると雄はそこではたと止まってしまう。雌 が次の縄張りへ入っていくと今度は隣の雄が出てきてダンスを始める。先程の雄は自 分の縄張りの中から悔しそうにただ見ている。 それで雌が飛ぶと隣の雄が追ってこないのを見て、この雄はパッと追う。雄は縄張り に規制されていていてどうも雌に一方的に選択されているらしい。 ━●みかりんの叫び━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 「水」 “湯水のように使う”という日本語がある。 水や湯は、使い放題で、どんどん使っても無くならないという意味だ。 こんな言葉は地球規模でみると（宇宙規模でもなおのこと）もの凄く贅沢でバチ当た りな言葉なんだ。 実は、現在世界は、水不足だ。 いや、地球の水の量は、昔からもこれからも変わることはない。 ただ、世界人口がやたら増えたのが原因で私たちが“使える水”がなくなってきてい るんだ。 アメリカ中西部の地下には、「オララガ帯水層」という地下水脈が走っている。 この帯水層は、無茶苦茶な汲み上げをしてきた結果、15年で12メートルも水位が下 がり、「世界の食糧基地」と言われるアメリカカンザス州では、一昨年、作物が実ら ずに大被害を受けてしまった。 4000年ものあいだ穀倉地帯を潤してきた中国の黄河。 15年ほど前から海まで河の水が届かなくなってしまう「断流」という現象に直面して いる。 4年前には、河口から1000キロの地点で完全に干上がってしまった。 原因は、1950年代に掲げた毛沢東の食糧大増産計画だ。灌漑用水を張り巡らせ、30年 で農地を2倍に拡張した。その間、中国は世界一の穀物生産国となった。 無茶な灌漑の結果、塩分が浮き出る「塩類集積」という現象を呼び、農地は使えな くったり、収益が減ったり。 日本は、昔から（現在も！）水には恵まれた地域だ。 世界的に見て、これ程水に恵まれた国が他にあるだろうかってなくらいに恵まれてい る。 米作りに安定した雨量は必至だ。 その日本でどうして減反なのだろう？　世界でも最も米作りに適した土地を持つの に。 米をどんどん作って、食糧自給率を上げて、他の国へ米を輸出できるくらいになって も良いはずなのに。 水の豊かな所で、その土地にあった作物を。 水田は生物相も豊かにする。ハイテク産業と米作の両輪で国が保つって良いと思う けれどな。 水がない砂漠って、地球環境の中では奇異な「鬼っ子」だよね。 でもね、宇宙的規模で考えてみて。殺伐とした過酷な宇宙環境の中で、水のあるうる おいの地球は「鬼っ子」だよ。その地球の「鬼っ子」である過酷な環境の砂漠こそ、 宇宙ではそう珍しくない環境かもしれないんだ。 そのくらい水の惑星地球ってのは……なんて言ったらいいのか。希有で稀で愛しい存 在なんだ。 水の惑星といっても、そのうち97.5%までが海水なんだ。残りの淡水も2.5%は氷河。 人間がすぐに生活用水として利用できる水は、全体のわずか0.01％でしかない。 ずううっっと昔から水は巡回しているんだ。 水は、過去未来永劫地球を巡回しているんだ。 あなたが今朝飲んだコーヒー。大昔、恐竜のおしっこだったかも。 　 ━▲やまねこ投書箱━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ これでおしまいにしたいと思います。と前号で書いたサイババ問題。 もうちょっとだけ。（笑） 匿名希望のＭ・Ｏさんからの情報によると、「最近のテレビ番組でトリックを あばかれていた。“お付き”の子どもたちが連係プレーで、次に出したいものを 素早く手渡していた。技術的には、ミスターマリックどころか、社内旅行の余興にも ならない程度だった。最近は、灰に飽きたらずに、貴金属類や小さな仏像なんかもど んどん出てくるらしい」という事です。 サイババをもっと続けて欲しかったという意見もありましたが、次に紹介するミナミ ライさんの投書で今度こそ打ち切りにしたいと思います。 --------------------------- [ミナミライ] 　最近テレビ、本などで報道されていたようですね。　知りませんでした！ 　これらの報道をみて次の３通りの反応を示す人に分かれるのでしょう。 　ひとつは、彼がまったくのペテン師と思う人 　二つ目は、最近の報道等ではどうも納得がいかない人、これだけでは彼のすべての 　過去に行った行動・発言を否定しきれないのでは？と思う人 　三つ目は、最近の報道こそまやかしだ！と思う人。 　私は二つ目の部類に入ると思います。 　先だっての「やまねこ通信」にも書かれていましたが、もう彼について議論するの 　は　あまりにも実のないことのように思えてきます。 　 --------------------------- 次の投書は、１５号での「みかりんの叫び」で扱った“動物と話す”というテーマで 私が語ったエッセイに対する反対意見です。 --------------------------- [つるべ] 　実は私もドリトル先生大好きで、小学校５年の時、読んだことにより、人生が決 　まってしまった、といってもいいような人間です。 　で、実は「みかりん」さんの意見には大反対なのです。 　恐らく、思考形態が異なるのでしゃべれるようになったとしても、あんな風に猫や 　鳥はしゃべってくれないとは思うんですが、でも、しゃべって欲しい！！ 　もしも、動物にも言葉があり、人間にドンドン訴えてくれるとしたら、こんなに動 　物虐待、自然破壊は起きないんじゃないかと思います。 　ゴリラの件だって、世界中の人が「ゴリラはしゃべれる」ということが知れ渡れ 　ば、お母さんは殺されずにすんだかも知れない。 　ドリトル先生の一場面に（『サーカス』か『キャラバン』だと思うんですが） 　マシュー（猫肉屋の）が「物言わぬ動物」と言ったのに対し、ドリトル先生が 　「人　間がそう思っているだけだ」といって不機嫌になる場面があったはずです。 　嫌な面、困った面はいっぱいあるかも知れませんが、動物の代弁者たる、ドリトル 　先生を私は目指したいですし、いっぱい出てきて欲しいと思います。　　　　 --------------------------- 反対意見、大いに歓迎します。 私は思うのですよ。例えば「クジラは賢いのだから殺すのは野蛮」「可愛いのに殺す のは残酷」こういう意見をよく見かけますよね。クジラに限らずですけれど。 賢くて可愛いものは、殺すのは反対。なら、バカで可愛くないものは殺しても良いの だろうか？ なんでも擬人化して人間側に引き寄せて考えるのは危険だなぁとも思うのです。 テレビで犬の実験をしていたのを見たことがあります。アドレナリンの分泌の状況を ヒトと比べた実験です。 人間は、怒ると怒りが持続します。アドレナリンの分泌がしばらく続くのです。 その代わり、怒りは瞬時には出てきません。アドレナリンの分泌にはある程度の時間 がかかるのです。 その点、犬は、瞬時にMAXまでアドレナリンが分泌します。そして飼い主が抑制し、 なでてやるとピタッと止まり、まったく平常心になります。 脳が違うと心のメカニズムが違うのです。 だから一瞬の理解はできるけれど、「理解しているんだ」という仮定での誤解は、新 しい悲劇を生むのではないのか。そう思ったりするのです。 一瞬の理解で、他種類の動物と意志疎通が出来た！　この感動この喜び。この一瞬の 感覚を大事にすれば問題はないのではないかと。そう思った訳なのです。 --------------------------- [海坂他人] 　超能力って本当にあるのでしょうか。 　私が研究室でキレてついに学部長に辞表を出して辞めた時、帰りにバスに乗ろうと 　したら、ポケットのプリペイドカードがイカレていて、機械に拒否されました。 　窓口で交換してもらって、改めて乗ろうとしたら、そのカードはまたイカレていま 　した。 　結局、三枚くらいカードを駄目にしちゃったんですよ。 　別に憤怒のあまり握りつぶしていたのではなくて（笑）まっさらなカードを、いつ 　ものようにポケットに入れるだけで狂ってしまったんです。 　もしかして精神的にストレスのかかった私から妙なオーラというか磁気が出ていた 　のかなと思いました。 　ぜんぜん役には立たない能力ですけどね。 　しかしあの時は泣きたかった……俺はバスにも乗れないのかーって。 --------------------------- 人間の能力ってのは、現在知られている以外にも実に多くの能力があると思います。 特に凄い力を発揮するのが「思う」「思いこむ」「信じ切る」ではないかと思うんで す。 これで病気でもなんでも直ってしまう事もあるし、または逆に病気になって死んでし まう事もあるんです。 こんな話しがあります。 囚人に実験に協力して貰うことになりました。「医学界ではヒトは体の１０分の１の 血液が失われたらヒトは死んでしまうと言います。でも我々はそう考えていません。 １０分の２までは大丈夫なはずなんです。実験に協力して下さい」 という事で、囚人は仰向けに寝かされ足を傷つけられ、血がバケツに落ちる音だけを 聞かされるという状態にしました。囚人は自分の血がポタッ…ポタッと落ちる音と共 に、時々「今、Ｘリットルです」という観察者の声を聞かされます。そして「今、 ちょうど１０分の１になりました」という声と共に囚人は死んでしまったというので す。 本当は、足にちょっと傷をつけただけで血は流れていなくて、ポタッ…ポタッという 音だけ聞かせていたというのです。 あぁ、海坂さんの超能力の話しとはちょっと違ってしまいました。 海坂さんの能力は……超能力だと思います。（笑） ━●編集後記━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 今週も謝らなければなりません。 こうも謝ってばかりいると、「今週のみかりんのごめんなさいコーナー」を設けなけ ればならなくなりそうです。 さて、今週のごめんなさいは、先週“小林千畝”と紹介しましたが“杉浦千畝”で す。m(u_u)m ご指摘ありがとう。海坂他人さんの指摘でした。 さて、杉浦千畝という人物ですが、日本版シンドラーのリストと言えば分かり易いで しょうか。 第二次大戦のさなかのドイツによるユダヤ人弾圧に対して、当時外交官だった千畝 は、日本国の方針に反して、ユダヤ人ためにパスポートを発行し続けたのです。その 末裔の人たちが今も千畝の墓に花を捧げています。 動物行動学からの性♂♀の話「一夫一妻、一夫多妻、一妻多夫、形態は雌が選ぶ」 は、もうちょっと長くなりそうなので続きは次号で。 どうも話の流れからそのうちヒトにも触れていかなければならなくなってきた。 下品にならないようにしなくちゃな。 水について調べている内に、次のような資料に出会った。 「小麦1キロの生産につき1トンの水が必要だし、牛肉1キロの生産につき7キロの小麦 が必要とされている。我々は輸入牛肉1キロを食べるために、海外から7トンもの水を 輸入しているということになる。」 水。これはなかなか大事な問題を含んでいるんだな。 ★「やまねこ通信Ｅ＝ＭＣ二乗」では、あなたからの投書を受け付けています。 　動物・植物・環境・宇宙・時間・哲学このメルマガの趣旨に合うような投書を 　気軽にメールに書いてね。 ★メルマガ相互宣伝です！ 　バックナンバーを読んでみて、気に入ったら購読すると良いよ。 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グロウ・ワームが夜の星ならば、 私は、水面に浮かぶ月になって揺れてみましょうか。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ○週刊　やまねこ通信Ｅ＝ＭＣ二乗　vol.16　　2001年3月23日発行 http://www.phoenix-c.or.jp/~daichi-m/yamaneko/yamaneko.htm ○発行編集者　みかりん daichi-m@phoenix-c.or.jp ○発行システム： ◆インターネットの本屋さん「まぐまぐ」 http://www.mag2.com/ ◆メルマガ発行サービス「メルマガ天国」 http://melten.com/ ○登録/解除 http://www.phoenix-c.or.jp/~daichi-m/yamaneko/yamaneko.htm ○週刊やまねこ通信は、素人みかりんが趣味で発行しているもので、情報の正確さに はまったく自信がありません。引用して弊害が起きても責任は持てないよ。 それから誤字脱字変換ミスは大目に見てね。気を付けるけれどさ。えへ。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━