2012/11/5━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 幽玄の森羅万象の散歩道 動物行動学からの性♂♀の話・動物・植物・環境・宇宙・時間・哲学 興味のおもむくまま“みかりん”の しゃべりんぐ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━目指せ1万部! ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆         やまねこ通信 E=MC二乗                                vol.162 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ こんにちは。 みかりんです。 今年も農作物の収穫もだいたい終わりました。 そして新米も出始めてきました。新米は美味しいですね。 私、お米は大好きです。ご飯好きです。 そのまま白米も好きですし、チャーハンや炊き込みご飯も、おにぎりや丼物、 とにかくご飯が好きなんですね。 ご飯はイネです。 日本人にとってイネは特別な植物です。 主食であることはもちろんのこと、昔は税もお米で納めることもしていましたし、 イネから脱穀したあとのワラを使って生活雑貨のかなりの部分を作り出していました。 イネは生活であり文化でした。 暦の発達もイネをいかに失敗なく育てるかが焦点だったんでしょう。 イネなくして私たちは存在しません。それくらい大事な特別な植物です。 今日の話題は、イネの話。 イネだけではなくイネ科の植物が、いかに私たち人類にかけがえのない植物かという お話です。 私たち人類は、イネ科の植物なくしては存在しなかったようです。 ここに↓バックナンバーがあるよ。『内容一覧』という所をクリックしてみて。 http://www.phoenix-c.or.jp/~daichi-m/yamaneko/yamaneko.htm 「ラジオ山猫通信」も、ここから聞くことができます。↑ ━■イネ科と人類の話━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 世界三大穀物ってわかりますか? 米、小麦、トウモロコシです。 実はこれらは全部イネ科です。 三大穀物だけじゃなくて、大麦、エン麦、ライ麦、サトウキビ、アワ、キビ、ヒエなど、 イネ科の栽培植物はたくさんあります。 人類にとってもっとも重要な植物群がイネ科なんですね。 植物の世界でもイネ科は1万種が属する巨大グループです。 これを越えるのはキク科の2万三千種、ラン科の2万二千種、 マメ科の1万九千種しかありません。 イネ科は地球上で最も繁栄している植物群の仲間なんですね。 イネ科の植物の、まずはその歴史から調べてみました。 約1億年前、恐竜の時代ですね、ジュラ紀とか白亜紀とか。 その頃、イネ科はツユクサ類から進化して誕生しました。 えええっ、ツユクサから。 私はここで大いにガッテンしたんです。 私は庭でささやかな家庭菜園を楽しんでいます。 今年、タネからトウモロコシを育てようとしたんです。 いくつもの丸い穴の開いた黒いビニール、これ黒マルチっていうんですけれど、 その穴にトウモロコシのタネを植えたんですね。 そうして待望の芽が出てきたんですけれど、それがですね、 全然自信がなくなってしまったんです。 私の庭の雑草の、シソとミツバの次に多いのがツユクサなんです。 生えてきた芽がツユクサにソックリで、 これがトウモロコシの芽かツユクサの芽か判断できなかったんです。 黒マルチを敷いてまでツユクサを育てる人なんていません。 で、これはたぶんツユクサだろうと判断して半分ほど芽をつみ取ってしまって、 あいた穴には別の物を植えました。 半分だけ残したのは、まずツユクサだろうけれど、もしかして気が変わって トウモロコシになるかもしれないと、淡い期待でそのままにしておいたのです。 そしたら、それらは全部トウモロコシになってしまったんです。 トウモロコシはイネ科の植物です。 そうかぁ、イネ科はツユクサから進化したんだから、芽の段階では似ていても それほど不思議じゃないんだぁと、納得した今年の夏でした。 私たち人類になくてはならないイネ科の植物の繁栄には、 際だった特徴がいくつかあります。 まずね、成長点が地表付近にあるっていう事があります。 成長点っていうのは、そこから伸びていく場所の事です。 普通は茎の頂点にあります。 家庭菜園の、たとえばトマトなんかは、摘心と言って、一番上の茎の部分を 切ってそれ以上伸びてしまうのをやめさせる方法があります。 植物の生存競争は光の奪い合いです。 だから上へ上へとその体を作っていく構造になっています。 その方が有利だからです。 でもイネ科の植物は、そういうやり方をしなかったんです。 何故かというと、それは草食動物対策なんですね。 成長点が植物の頂上にあると、先っちょを食べられてしまったら もう上へ伸びることは出来ません。 地上ギリギリに成長点があると、地上の茎や葉っぱが全部食べられても、 葉や茎はすぐに再生産できます。 これは、なかなか凄いことです。 そして人間にしてみればかなりやっかいな事でもあるんです。 イネ科の雑草が手強いって事なんです。 いくら草刈り機で雑草を刈っても、生長点が地表ぎりぎりにあるので、 何度でも生えてくるんです。 だから、いつも刈り込む作業を繰り返していると、他の種類の雑草が淘汰されて、 残るのは手強いイネ科の雑草ばかりになってしまうんですね。 イネ科は穀物としてたくさんの種類があります。 それを人類は利用していますけれど、それ以上に雑草も多いです。 そして時にはアレルギーの原因になったりしています。 さて成長点が地表付近にあると、上へ伸びたり上の方の構造を複雑にすることも できないです。 そこでイネ科植物が採用した戦略は、自分のクローンを隣にどんどん増やすことが できるという方法です。 これを分蘖(ぶんげつ)と言います。 イネも、苗の時、2、3本しか植えないでしょ。 それが収穫の時には20本くらいに増えています。 上に伸びるのは諦めて、横に増える事にしたんですね。 イネ科の植物にも花が咲きます。 ものっすごい地味で目立たない花です。 私たちには目立ってこそ花でしょというイメージがあります。 カラフルで複雑な形の花は、昆虫たちに確実に花粉を運んで貰うためです。 昆虫たちと植物の契約があるかのような共生関係です。 その関係は確実なものなんだけれど、その昆虫が存在しない所には生息域を 広げることは出来ません。 またはあてにしている昆虫が減ってしまうような事が起きると その植物も共倒れです。 イネ科以上に繁栄しているランの仲間が、この昆虫との共生関係の戦略を 極限まで進化させたグループです。 だからランの仲間は特殊な環境を必要とするんで栽培が難しいんですね。 イネ科は昆虫に頼りません。 だから花は目立たなくて良いんです。 花粉は風で飛ばします。風まかせです。 効率は悪いけれど、その分花粉を多く飛ばせば良いしって考えらしいです。 で、それがアレルギーの原因になるんですけどね。 この風任せのスタイルは、針葉樹やシダ類などの原始的な植物、裸子植物の 受粉方法なんです。 被子植物は昆虫との共存スタイルしかなかったのに、 この単純な風任せスタイルの再導入をしたのは、進化的には古風なやり方なんです。 でもそれによって特定の昆虫に依存しない単純な方法で 生息域を広げていったのです。 古きを訪ねて新しきを知る。まさに温故知新のイネ科の繁栄の戦略です。 あぁ、それから、湿原に生きるイネ科には他の植物にない特徴があります。 普通の植物では根っこも直接呼吸することが必要なんです。 土の中の空気の酸素がないと枯れてしまいます。 イネ科では、根っこが必要とする酸素を、葉や茎から輸送できるんです。 だから、イネ科は沼や湿地という土の中の酸素のほとんどない過酷な環境でも よく成長することができるんです。 だんだんイネ科無敵かもと思えてきましたね。 恐竜時代が過ぎて、時代が進むと地球の寒冷化が進みました。 そして草原が拡大してイネ科の植物は、大繁栄を遂げました。 イネ科植物を主食とする草食動物としてウシの仲間が(偶蹄目ですね)が 多種多様に進化していきました。 イネ科は、生長点が地表付近にあるから草食動物に食べられる事に強いといっても、 それでも食べられない方が良いです。 そのための工夫の一つは、トゲを作るということです。 普通、植物のトゲはカルシウムが主成分です。 でも土にはカルシウムは豊富にはないんです。 イネ科は地表付近にいくらでもあるケイ素を利用することができるように進化しました。 ケイ素っていうのはガラス質です。葉っぱを刃物のように鋭くして、 そして消化しにくいように葉や茎を丈夫にしました。 イネ科の植物ははガラス質の骨格を手に入れたんです。 ウシの仲間の動物は消化しにくいイネ科植物を活用するために、 反芻する仕組みや胃が複数あるという消化器官を発達させました。 これに対処するためイネ科はもっと植物全体を頑丈にする、という方向に 進化の追いかけっこが進んで行きました。 植物は大きくふたつに分けられます。 裸子植物と被子植物。被子植物の方が進化した形で、現在の植物の主流です。 その被子植物の特徴は、綺麗な花を咲かせることと、果実を作ることです。 イネ科は、先ほどお話したように花は地味で風任せ。 さらに言えば果実も作らないんです。 たとえば。イネで言えば普通の作物で果実にあたる部分はほとんどなくて、 それはお米であるタネを薄く覆っているモミガラなんです。 そして、これこそがイネ科を生んだツユクサ類が成し遂げた革命的な 進化なんですけれど、種にデンプン(炭水化物です)が多く含まれているんです。 普通の植物の種の成分は、タンパク質や脂質が中心です。 炭水化物はあまり含まれていないんです。 種子に炭水化物が豊富ということで、イネ科は人間にとって非常に重要な植物に なったんです。 人間の主要なカロリー源である炭水化物が、保存のきかない根や茎や果実ではなく、 長期保存の可能な種子に蓄えられていることが、 イネ科の大きな特徴です。 これは栽培植物として長所です。 もっと言えば、イネ科植物の農耕を行うことによって、 人間は文明を生み出したとも言えるんです。 イネの最古の栽培の痕跡は、中国の長江流域あたりで見つかっています。 オオムギ、コムギ・ライ麦の最古の栽培の痕跡は西アジアあたりから。 トウモロコシは、メキシコ・グアテマラが原産地です。 アワ・キビは、インド東南アジアが原産です。 この栽培されているイネ科植物の痕跡地を知ると、 そこが文明発祥の地と重なるんです。 イネ科の文化だけが人類ではありません。 タロイモ・ヤムイモやバナナといった栽培植物を中心とした農耕文明も生まれました。 でもこれらの栽培食物は長期保存ができません。 長期保存ができないと、収穫したら食べる。これだけなんです。 単純なもんです。収穫したら食べる。 社会が体系化しなくて複雑化しないんですね。 長期保存ができる小麦や米やトウモロコシは、どうしても貯蔵や余剰生産物の 管理が必要になります。 そこから中央集権的な社会機構が生まれるんです。 貧富の差や計画栽培や貯蔵が、文化を作り出す面があるんですね。 イネ科植物が私たち人類の文化を発祥させたんです。 イネ科植物がなかったら、ヒトは現在の社会とは、 随分違った形の文明だったかもしれないんです。 世界三大穀物の全てがイネ科なのは、決して偶然ではないんです。 言い換えればタロイモ・ヤムイモ・バナナの農耕文化の場所に 稲作文化が定着したら、そこから文明発祥という可能性もあったと 思うんです。 私は日本人なのでやっぱりお米最高!と思っています。 ホントお米って美味しいですよね。 ただ握っただけのおにぎりだって最高なんですもん。 そうそう、最初の方で私は家庭菜園をしてるって話をしました。 色々な作物を育てる時には連作障害に気をつけなければなりません。 同じ場所に同じ物を続けて育てると病害虫に弱いものができたり 収穫高に影響がでたりするんです。 ですから、キャベツ、ダイコンなどのアブラナ科、キュウリ、カボチャなどのウリ科、 トマト、ジャガイモなどのナス科、タマネギ、ニンニクなどのユリ科、 マメ科など科によって植える所をぐるぐる変えるという事をした方が良いのです。 でも。ちょっと水田を思い出してみてください。 水田には毎年いつもそこで稲を植えています。 稲は連作障害を起こさないのでしょうか。 植物は、自分が必要な要素を吸収します。 するとそこの土はその要素が不足します。 また、自分が必要としない要素はそこに残ります。 するとそこの土はその要素が過剰に残ります。 これが連作障害の仕組みです。 で、水田っていうのは、栽培中に何度か水をそっくり入れ替えます。 この時に不足する分を補ったり、過剰だった分を洗い流したりするで 連作障害が起きないんですね。 素晴らしい。お米、完璧じゃないですか。 イネは、古くから世界中で栽培されています。 紀元前数千年にはすでに、インド、中国などで栽培されていました。 日本へは、紀元前1世紀ごろ(縄文末期頃ですね)まず北九州に伝えられて、 そこからどんどん広まって行きました。 古くから年貢や小作料もお米で納められていました。 昔は加賀百万石など石高(こくだか)の単位が幅を効かせていました。 石という単位は、人が1年間に食べる米の量を基準にしています。 今の単位でいくと人が1年間に150kg食べるという計算です。 今のお米の生産量は約900万トンです。 これを石高に換算すると六千万石。 昔の人の半分くらいしかお米を食べていません。 その分、パン、麺類、肉、魚などを食べるようになったんでしょう。 日本人は稲作と共に歴史を作ってきました。 そして世界の文明は、イネ科植物の繁栄を利用したものだったようです。 すべては恐竜時代のツユクサから始まったようです。    * * * * *  * * * * *            何億年もの昔。            恐竜たちの足もとには小さなツユクサが            今と同じく、青い花を咲かせていたのか。            そのツユクサから、イネ科植物が生まれた。            まだヒトの気配もない頃。            哺乳類はやっとネズミのようなものが            恐竜に怯えながら生きていたころ。            イネ科植物の繁栄は、その時まだ出現していないヒトの繁栄を            後押しする事になる。            イネ科植物誕生から一億年の時が経って            ヒトは文明を築く。            あの時の、恐竜の足もとで揺れる小さいツユクサから            物語は始まった。 ━■みかりんの叫び━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 「秋の山に擬態して思ったこと」 先日、安くて軽くて暖かそうなジャンバーを見つけて、山歩き用にいいなと思い購入しました。 色は、ピンク、黄、青、グレーがあったんだけど、山歩き用にと目立つ色が良いと思って 黄色を選びました。 で、翌日、黄色のジャンバーを着て近所の山へ。 そしたら、山は見事に紅葉していて、それも赤よりも黄色の多い紅葉で、黄色のジャンバーを 着た私は、誰よりも目立たないっていうか、紅葉の山に見事に擬態していました。 保護色です。敵にも見つかりませんが、味方にも見つけて貰えません。(笑) 人間社会にも擬態ってあります。 たとえば、日本の警備会社の車は、白と黒とツートンカラーで、パトカーに擬態しています。 これとは逆のパターンの擬態もあります。 ニューヨークのマンハッタンの黄色いタクシー「イエローキャブ」。 覆面パトカーが、この黄色い車体にそっくりで見分けが付かないとか。(笑) 他にも、警察官に似せた警備員さんの制服。公的機関に似ている団体の名前。 ものマネ芸人が有名人に似た名前を名乗るのも擬態の一種になるのかな。 擬態の話は、今までもメイン記事で何度も取り上げてきました。 その絶妙なシステムを知れば知るほど、世界の不思議を感じます。 最近、知った昆虫の見事な擬態の話をひとつ。 ハンミョウっていう昆虫がいます。紹介するのはツチハンミョウの一種。 アメリカ西南部の砂漠地帯に棲息しています。 幼虫時代をハナバチの巣に潜り込んで過ごします。 ハナバチは、単独生活型のハチです。 女王を中心とした大きな社会を作らないタイプのハチです。 このツチハンミョウの幼虫が、ハナバチの巣に入る時に擬態を使います。 幼虫たちは生まれると、植物の茎に数百も集まって球状の玉になります。 このかたまりが、ハナバチの♂には、魅惑的なハナバチ♀に感じるのですね。 ハナバチ♂的には、視覚的にもハナバチ♀に見えるのかもしれません。 人間の目には、頑張ったらそう見えなくもないかなっていう程度に似ています。 どうも、フェロモンを出していて、ハナバチ♂を惑わせているようです。 で、ハナバチ♂は、交尾しようと幼虫のかたまりに突入します。 もちろんスカを食らいます。(笑)  ハナバチ♂が「あれ?」と思ったその時、幼虫たちは、ハナバチ♂の胸に乗り移ります。 で、幼虫たちを乗せたハナバチ♂は、本物の♀と交尾する時がきます。 幼虫たちは、その時ハナバチ♀に乗り換えます。そうして巣に運ばれるのです。 タクシーを2度乗り換えて目的地に着くみたいな。 よその昆虫さんのメスに擬態するという最初のアイデアは誰の発案なんでしょう。 そうして、2度乗り換えれば、乾燥した砂漠でも湿った巣に行くことが出来るという 二段構えの作戦はどうやって思いついたんでしょう。 不思議です。 たとえば、私が秋の山に擬態してしまったのは、まったくの偶然です。 この場合の擬態は、敵からの目をあざむくっていう効能よりも、 いざという時、見つけて貰えないという欠点の方が勝っているように思えます。 でも、万一、擬態のお陰で一命を取り留めるって事が、あるかも…ないけどね。(笑) このように、擬態の最初の出だしは偶然だとは思うんです。 でも、警備会社の車がパトカーに擬態とか、覆面パトカーがタクシーに擬態などは 偶然が発端ではなく、あきらかに確信犯です。 ツチハンミョウの幼虫によるハナバチ♀に擬態が、偶然が発端ではなく、確信犯だったら? そんなはずはないんだけれど、タクシー2回乗り換えとか、確信犯としか思えない擬態です。 はからずも、紅葉した秋の山に擬態してしまった私は、そんな事を思いながら 保護色を楽しんで歩いていました。 ━●編集後記━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ★前号の「みかりんの叫び」のiPS細胞の山中伸弥教授の説明は、あまりに酷かった。  孫悟空の毛に例えるしかない理解力に自分で呆れました。  (でもその例えは、ちょっと気に入ってます。(笑))  あのあと、NHKスペシャルでiPS細胞と山中伸弥教授が取り上げられていたので  番組を見て、だいぶ理解できました。    いままでは再生細胞といえばES細胞だったんです。  ES細胞は、未分化の細胞で、これから何にでもなることができる万能細胞なんですね。  でも、それは受精卵を潰すことでしか取り出せないって所に、山中教授はガッテンしな  かったんです。    で、オタマジャクシの腸からオタマジャクシができるという所から、  iPS細胞にたどり着きます。  iPS細胞は再生細胞なので、何にでも再生できてしまいます。  たとえば、網膜移植の臨床実験が早くて1年で開始できそうです。  理論的には、卵子も精子も作れます。  可能性無限大で、ノーベル賞で評価されたことは大変喜ばしいです。  個人的にとても好きなエピソードは、再生に関わる遺伝子特定までの話です。  紹介しますね。  色々あって24の遺伝子まで特定できた所で、この中のどれかで、  どのような組み合わせかわからないという所まで来たとき。  2つの組み合わせかもしれないし、10の組み合わせかもしれない。  そのすべての組み合わせとなると何百万もの組み合わせが考えられる。  さてどうしよう。何十年もかかるかもしれない。でも、やらなきゃ。  という事で、山中教授は、助手に「僕が開業して受け付けでもやって貰って、  一生雇うから地道に組み合わせて培養してくれ」と指示します。  助手の人は24の遺伝子を、まずひとつずつ24個を培養して、  そしてオマケに24の遺伝子全部を培養した25個目のシャーレも作ったんです。  で、当たり前なんだけど、ひとつずつを培養したシャーレは反応しなくて、  25個目の全部を入れたシャーレは反応したんですね。  で、助手は考えた。24の遺伝子を全部入れたものから、ひとつずつ抜いたシャーレを  培養すれば、再生に関わる遺伝子をすぐに見つけられるんじゃね?って。(笑)  そうなんです。それで4つの遺伝子が特定されました。  30年から40年かかるとも思われた特定が1年で判ってしまいました。(笑)  山中教授は「僕だって、1時間くらい考えればそのくらい思いついたさ」と、  笑いながらおっしゃっていました。  ★今回のこの「イネ科と人類の話」は、ネットで聞くことができます。  http://www.phoenix-c.or.jp/~daichi-m/yamaneko/yamaneko.htm  ここの右側「ラジオ山猫通信」をクリックしてスクロールして  「イネ科と人類の話」をクリックすると聞けます。  すぐに聞けない人は、じっと待ってみて。きっと聞けます。  http://crashlanding.under.jp/rajiyama1015.mp3  直接URLはここです。  今回の文は、おおむねラジオ原稿そのままです。  ラジオ用をメルマガ用に書き換えているけどね。 ★vol.162の参考サイト      長い長いイネの話      http://inakaseikatsu.blogspot.jp/2012/06/blog-post_19.html      イネの原産地はどこですか?      http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1116467241      昆虫のさまざまな寄生・共生関係 http://www.geocities.jp/doctor_mitsui/insect_3.html          ★予告です。 11月5日放送「ヒグマの話2」(収録終わった)  (ネットにUP予定は11月19日) 11月19日放送「水の性質の話」(書き終わった)  (ネットにUP予定は12月3日) 12月3日放送「南極の話」(書き終わった)  (ネットにUP予定は12月17日) 12月17日放送「時間の話」(書き終わった)  (ネットにUP予定は1月7日) 1月7日放送「ヘビの話」(まだ何も書いてない)  (ネットにUP予定は1月21日) ★ラジオ放送が月二回隔週であります。  最初はメルマガを元に原稿を書いてたけど、  今は、書き下ろし原稿です。  それをメルマガに転用するという逆転現象が  最近のメルマガ版「やまねこ通信 E=MC二乗」であります。 ★どうぞお時間のある時に「ラジオ山猫通信」も聞いてみてください。  今度の9月で丸3年になります。  でも相変わらずしゃべりはトチってばかり、噛んでばかりです。  なんかモゴモゴしています。(笑) ★私はいつも「やまねこ通信 E=MC二乗」の事が頭の隅にあります。  次回テーマは何にしようかと常に思っています。  「やまねこ通信 E=MC二乗」は、私みかりんを構成している大事な要素です。 ★「やまねこ通信E=MC二乗」では、あなたからの投書を受け付けています。  動物・植物・環境・宇宙・時間・哲学このメルマガの趣旨に合うような投書を  気軽にメールに書いてね。  過去に取り上げた記事からの話題も歓迎しています。 蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹     ★彡★彡★彡★彡★彡『蟹屋 山猫屋』★彡★彡★彡★彡★彡 生まれも育ちも北海道育の“みかりん”が、北海道の味覚を全国の方に広めるために 『蟹屋 山猫屋』を立ち上げました。一級品の道産品をお手ごろ価格でネット販売! 読み物としても楽しめるものを目指しているよ。    登録はここ→ http://www.phoenix-c.or.jp/~daichi-m/kani/   山猫屋の蟹は冷凍ガニではありません。ボイルしたてを食卓に直送! 蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹    ↑↑↑  私、みかりんのもうひとつのメールマガジン。  北の味覚。海産物。蟹おいしいよ〜。海水ウニもありますよー。  予算はこれくらい。食べる人数はこれくらい。と教えてくれたら、その中で  できる限りのご提案をします!山猫屋の蟹は冷凍物は扱っておりません!  さぁ、タラバ食べたいよう、毛ガニ食べたいようのメールをみかりんに書こう。  タラバも毛蟹も良いのが入荷してきています。  北の食材たちは脂が乗っておいしいです。  この機会に、どうぞ冷凍ではない蟹を!  ご贈答に、山猫屋の海産物を。 それじゃ、今回はここまで。 あなたのお便り待ってます。 daichi-m@phoenix-c.or.jp じゃね。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 手袋を買う。 今時の手袋は、指先の織り方の細工でスマートフォンに対応しているんだね。 手袋のまま操作できるらしい。 スマホ? 持ってないです。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ○ やまねこ通信E=MC二乗 vol.162  2012年11月5日発行 http://www.phoenix-c.or.jp/~daichi-m/yamaneko/yamaneko.htm ○発行編集者 みかりん daichi-m@phoenix-c.or.jp ○発行システム: インターネットの本屋さん「まぐまぐ」ID:0000052530 http://www.mag2.com/ ○登録/解除 http://www.phoenix-c.or.jp/~daichi-m/yamaneko/yamaneko.htm ○やまねこ通信は、素人みかりんが趣味で発行しているもので、情報の正確さに はまったく自信がありません。引用して弊害が起きても責任は持てないよ。 それから誤字脱字変換ミスは大目に見てね。気を付けるけれどさ。えへ。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━