2012/12/30━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 幽玄の森羅万象の散歩道 動物行動学からの性♂♀の話・動物・植物・環境・宇宙・時間・哲学 興味のおもむくまま“みかりん”の しゃべりんぐ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━目指せ1万部! ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆         やまねこ通信 E=MC二乗                                vol.166 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ こんにちは。 みかりんです。 早いものでもう2012年も明日を残すのみとなりました。 毎年の事ながら、なんて月日の過ぎるのは早いのでしょうと思います。 何かと慌ただしい季節ですけれど、私は毎年この時期は時間について考えてしまいます。 まもなく年が暮れて新しい年が来ます。 カレンダーが新しくなると、昨日はいつものように過ぎ去った時間であるにも関わらず、 去年というくくりに収まってしまいます。 数えでの年は、年をまたぐと、ひとつ年をとります。 ただ漫然と流れる時間は使いづらいので、人が意図的に区切りを付けて 使いやすくしました。 以前にも何度も時間についてお話をしました。 今日もまた別の切り口で時間の話をしてみましょう。 今日の話は「時間のずれの話」。 合わせても合わせてもずれていく時間の話です。 ここに↓バックナンバーがあるよ。『内容一覧』という所をクリックしてみて。 http://www.phoenix-c.or.jp/~daichi-m/yamaneko/yamaneko.htm 「ラジオ山猫通信」も、ここから聞くことができます。↑ ━■時間がずれる話━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 人類は、誕生してからずっと時間について学んできたと思います。 夜。見上げれば星と月が見えます。 星座が動くのを見て夜明けまでの時間がわかります。 月は毎日その姿を変えます。 季節が巡ることで1年の時間を認識できます。 時間のもっとも身近な区切りは1日ですね。 月が満月から次の満月までだいたい30日で一周することに人は、すぐに気付きました。 それを12回繰り返すと(360日くらい)、春夏秋冬の季節が巡って1年です。 季節と一緒に夜空の星の星座も動いて、 やっぱり360日くらいで星座はまた元の場所に戻っていることにも、 昔々の人はすぐに気付いたでしょう。 昔から人々は、1日、1ヶ月、1年という時間の長さを天の運動から決めていました。 こういう暦を知るために夜空の観察は欠かせなかったんでしょうけれど、 たぶん大昔の人々は空を見上げていた時間が多かったと思います。 そこにはいろんな情報があったんです。 月の動きや星の動き。そこから渡り鳥や動物の移動の時期も判ったでしょう。 植物の芽吹きの季節や、種まき刈り入れなどのタイミングも、天の運行から 察していたのでしょうし、空気の流れや雲の動きで数時間後の天気も、 明日の天気も予想したのでしょう。 で、空を見上げていて、一日、一ヶ月、1年という時間が判ったとき、 そこに12、30、360という数字が意識できました。 30は、およそ30日で月の形が一周しますし、 12は月の形が一周する1ヶ月が12集まって1年。 360は、30日である一ヶ月が、12集まった1年の日数です。 まぁ、360にしてしまうと誤差が出てきますけどね。 この誤差の調整に人類はずいぶん長い時間、頭を使い続けることになります。 ヒトの指の数は片手で5本の10本指です。 だから10進法でものを数えるように発達したのは当然の成り行きです。 でも1ダースのような12進法や、1時間の60分、1分の60秒などの60進法や、 角度の360度などは何故10進法じゃないんだろうと、 私は子どもの頃、疑問に思っていました。 これらは西洋から入ってきた概念だから、昔々西洋人は6本指だったのかと推測したり。 いやいや、日本にも十二支があるし。どうして?と疑問だったんです。 その答えは、空を見上げていた昔の人たちが見つけ出した数字だったんですね。 太陽がぐるりと天を一周する円周が360度。 その円周を6等分すると正三角形ができて、その角の大きさは60度です。 さらにそこから角度の1度を60に分けた単位を60分としました。 その1分を60に分ける発想が生まれて、それが時計の1分は60秒に応用されていったんでしょう。 1年が12ヶ月あることから、夜明けから日没までを12分割してみて、 昼と夜の時間がほぼ同じことから、1日が24時間になりました。 この12が中心となって360や60を重要視するのはわかります。 でも全然違うのが、1週間という時間の単位です。 1週間は7日という分け方はこの感覚と合いません。 ヒトは時々休まなくては仕事の能率が上がりません。 で、仕事を休む日を神をたたえる日として安息日としました。 最初はこの安息日は指の数と同じ10日ごとだったようです。十進法です。 でも10日ごとだと長すぎて充分に効果が出なかったのですね。 そこで7日が選ばれました。 7っていう数字は10までの数の素数の中で一番大きい数字です。 そのため独立した気高い数字と考えられてきました。 西洋ではラッキーセブンと呼ばれたり、日本でも七福神があったりと、 世界中で7は特別な数字だったようです。 でもせっかく十進法で10日置きだったのですから、 ここは10の半分の5が選ばれていたら、 1週間は5日で、1ヶ月に日曜日が6回もあったのに。惜しかったですね。 で、7の数字が選ばれて、ちょうど良かったのは、当時の宇宙観は天動説で、 地球が宇宙の中心で、太陽、月、火星、水星、木星、金星、土星という星が 地球の周りを回っていたんです。 まだ冥王星や海王星という惑星は知られていませんでした。 だからちょうど7つの星です。 この曜日の呼び方はそれぞれの国ごとに違うのですけれど、 日本では地球を巡る星の名前が付いているのが面白いです。 太陽(日)、月、火星、水星、木星、金星、土星ですもんね。 やがてカレンダーが作られるようになりました。 いつ種まきをしたら良いか、いつ頃収穫したら良いかなど 農作業の目安にする必要があったからです。 エジプトでは6000年前には1年が365日であると知っていました。 6000年前って事は紀元前4000年って事ですね。 ずいぶん前からいろんな事がわかっていたんですね。 ナイル川は6月末から10月末まで大氾濫を起こして肥沃な土地になります。 10月から2月まで作物を育てて、2月から6月までが収穫の時期。 こんなふうに1年は、くっきりと3つの時期に分かれていたんです。 エジプトの天文学者は、ナイル川が氾濫を起こす時期は、 すべての夜空で一番明るい星シリウスが、夜明けの太陽と並んで現れる時期と 一致している事を知っていたんです。 だからいつも夜空を見上げて、毎年シリウスが現れる日を正確に測っていたんですね。 6000年前のエジプトでは、シリウスを基準に1年とは365日と6時間であると知っていました。 4年に一度の閏年で調整しているとても正確な暦ができました。 このエジプト歴をローマに持ち帰ったのがユリウス・カエサル。シーザーです。 紀元46年にユリウス歴としてローマで使われました。 この暦はローマ教会も採用してヨーロッパ全体で使われるようになりました。 でも200年、300年と経つ内にだんだん暦と季節がずれていったんです。 1年の長さは本当は、365日と5時間48分46秒なんです。 365日と6時間で計算したユリウス歴は11分14秒だけ長いんです。 そのため100年経つと18時間ずれて、1000年経つと7日以上ずれてきちゃうんですね。 7日くらいずれたってそれほど影響ないでしょ?って思えそうですけれど、 いやいやそう思うのは、私たちがそれだけ自然と離れた所に暮らしているからそう思うんです。 西暦325年で春分が3日ずれていました。 そこで暦を改訂する運動が起きたんです。でもね、なかなか実現しませんでした。 ずれたまま使っていたんですね。不便そうです。 ようやく改訂されたのは1582年です。16世紀後半になってグレゴリオ暦に改訂されました。 グレゴリオ暦っていうのは、現在私たちが使っている暦です。 西暦の年が4で割り切れる年は、うるう年として2月を1にち増やして29日にする。 でも100で割り切れる年はうるう年としない。 でもでも400で割り切れる年はうるう年とする。というものがグレゴリオ暦です。 ちょっとややこしいですけど、4年に一度のうるう年とすると、 400年で100回あることになる、うるう日を3回減らす工夫です。  こうやって1年の平均の長さを365日5時間49分と調節してるのです。 この工夫のため、1900年はうるう年ではなく平年とされました。 1900は100で割り切れますからね。 で、12年前の2000年は、400で割り切れるのでうるう年としているんです。あぁ、ややこしい。 ユリウス歴では400年の間に100回うるう年を入れていたのを、 このグレゴリオ暦では、97回にしたんです。 それでもね、まだほんのちょっと誤差があるんです。 その誤差は1年で26秒の誤差。もっとくわしく言うと25.96秒の誤差です。 ふふん、こんな十数秒の誤差なんて目をつぶってられるさ。って思いますよね。 でもちりも積もれば山となる。このグレゴリオ暦と太陽の動きのズレが積み重なって、 丸一日のズレが起きるのは、西暦4909年の頃になります。 まぁ、3000年くらい先の話です。その頃の人が考えれば良いと思います。 うるう年で調節しても、現代でもずれて影響がでるものもあります。 それは秋分です。 今年の秋分の日は9月22日でした。 毎年、秋分の日は9月23日と決まっていると思っていました。 最近祝日がよく動くのであまり気にしませんでしたけど、 秋分の日とは昼と夜の長さが一緒の日。 国の都合で動かせる訳がありません。調べてみると色々な事がわかりました。 33年前1979年の秋分の日は9月24日でした。 だから9月23日でなくなったのは今年は33年ぶりだったんです。 もっと言うと9月22日になったのは1896年以来、実に116年ぶりだったんです。 何故こんな事が起こってしまうのか。その原因はうるう年にあるんですね。 太陽が地球の赤道の真上を横切る瞬間の位置を秋分点と言います。 2006年の秋分点通過の日時は9月23日13時3分です。 2007年では9月23日18時51分です。 ここに約5時間49分のずれがあります。 このずれは先ほどにお話した、1年の長さが365日と5時間49分あるという話の 5時間49分の事です。 このままずれていけば、2008年の秋分点の通過時刻は9月24日に突入します。 だけど2008年はうるう年で丸一日巻き戻されます。 だから2008年の秋分点の通過日は9月24日ではなくて9月23日の0時45分になります。 このように、これまでは4年間でたまった約1日のずれは、うるう年で調節されて 9月23日だったんです。 それではどうして今年、2012年の秋分の日は22日になってしまったんでしょう。 2010年の秋分点通過日時は9月23日12時9分です。 2011年は前年の日時に5時間49分を足すとでてきます。9月23日18時5分です。 この18時5分に5時間49分を足すと今年の2012年の秋分の日になります。 足すと9月23日23時54分となります。あれ?23日じゃん。24日にずれこまないですね。 でも2012年はうるう年です。 うるう年はオリンピックイヤーですもんね。今年はロンドンオリンピックで暑い夏でした。 うるう年で1日増えたので、2012年の秋分点の通過日時は9月23日ではなくて、 9月22日となるんです。 くわしく言うと秋分点通過日時は9月22日23時49分です。 あと10分ほどで23日だったんですね。 今後も大体は秋分の日は9月23日がほとんどなんですけれど、 今世紀中は9月22日になる年も多くなります。 近いところでは2016年、2020年、2024年、2028年です。 1年が365日きっちりではない事で、暦を作った6000年前の昔から5時間49分のずれに、 人類はずいぶん頭を使ってきたのがわかります。 日本では、長い間中国から輸入した暦を使っていました。太陰太陽暦と呼ばれるものです。 1年の長さは太陽の動きで決めて、1ヶ月は月の形で決めていました。 月はほぼ29日半で満月から次の満月まで1周します。 大の月を30日、小の月を29日としてほぼ交代になるように配置しました。 そうすると1年は354日にしかならないんです。 365日にするために、だいたい3年に一度くらい(くわしく言うと19年に7回) うるう月を入れて季節と暦が合うように調節したんです。 うるう月を入れないと季節がずれてしまいます。 季節にあわせるためにその年によって、余分な月を入れるんです。 うるう年がある年は1年は13ヶ月あります。 年によって8月が2回あったり、12月が2回あったりでややこしかったんです。 この旧暦は月の形と日付が合っています。 毎月ついたちは新月です。だから毎月15日は満月です。 夜空を見ればカレンダーなんです。月の形で何日かわかり月の場所で何時かわかるんです。 それはそれで便利ですね。 日本国が今私たちが使っているグレゴリオ暦を正式に採用したのは 1873年(明治6年)1月1日からでした。 この暦は全て太陽の運行に合わせています。月は関係ありません。 だから旧暦の7月7日の七夕とか8月15日の中秋の名月は実際の暦とは すっかりずれてしまって、季節の感覚がなくなってしまったのは残念ですね。 太陽が地球の周りを365日と5時間48分46秒で一周します。 この妙な半端があるからこそ、洋の東西を問わず、 多くの人々が大昔から計算していたんです。 数学の発展のきっかけになったんでしょう。 このままならない時間をなんとか使いこなしたいと人類はずっと思っていました。 時間を計るための時計も発達しました。 最初は重力を利用したものが発明されました。水時計、砂時計、振り子時計などです。 それからゼンマイ時計を経て、物体の振動を利用したクォーツ時計が出来て、 精度が高まりました。 その後、原子から出る光を利用した原子時計や電波時計が普及しました。 でも時計が正確になっても太陽の動きとは関係ありません。 私たちは太陽の動きに従って生活しているので、時刻は太陽に合っていて欲しいのです。 太陽の動きと言いましたけれど、地球の自転の動きです。 海水や空気の流れが抵抗となって地球の自転が少しずつ遅くなるんです。 原子時計は、太陽や地球の動きとは関係なく進みます。 それで世界の時間の基準となる原子時計を、太陽に合わせて、 時間を加えたり引いたりという操作をするようになりました。 今年2012年7月1日8時59分59秒と9時00分00秒の間に「8時59分60秒」を挿入しました。 合わせるために、1秒増やしたんですね。 時は金なり。1秒分、豊かになったかな?    * * * * *  * * * * *                                     地球が太陽の周りを回る。              月が地球の周りを回る。              人は、星々のダンスを観察して時間を計った。              計っても計っても時間はずれる。              小さなずれは、やがて大きなずれとなる。              ずれがない正確な時間を手に入れても              舞台となる地球の動きそのものがずれる。              ずれは遊び。              宇宙の遊び。              私たちは、宇宙の遊びと共に生きている。 ━■みかりんの叫び━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 「マヤ文明と、2012年12月21日のマヤの予言と、新たなる予言の話」 さて、これを呼んでいる皆さんがいるという事は、ちょっと前から騒がれているマヤの予言、 2012年12月21日(21日〜23日)に世界は滅亡するというマヤの予言がはずれたという事で、 ノストラダムスに次いで、「また騙されちゃったぜ」と思っている人と、 「ふっ、そんなバカな予言に振り回されているバカがいるのか」と思っている人と ふたとおりいるのでしょうか。 そもそもこのマヤ文明とはどんな文明なのかという、おさらいと、このマヤの予言について 語ってみますね。 マヤとはメキシコ先住民の言葉で「周期」という意味合いを持っていて、 マヤ文明とは「時間の文明」くらいの意味です。 自らを「マヤ=時の民」と称したメキシコのグアテマラ先住民のマヤ族の作り上げた文明が マヤ文明です。 考古学者の間では「謎の古代文明」と言われています。 どの辺りが謎なのか。 まず研究が進んでいなくて、この古代文明の全貌がわかっていないという所が、 最大の謎の要因です。 研究が進んでいない原因はいくつかあります。 マヤ文明の存在が世界に知られ始めたのは19世紀末。 そしてマヤの暦や遺跡が再評価されて、本格的に調査がされるようになったのは、 1987年のメキシコの5箇所の遺跡が一挙に世界遺産登録を受けたことがきっかけです。 研究の歴史そのものが浅いんです。 それから、古代マヤ文明が栄えたメキシコからグアテマラ・ホンジュラス・サルバドールなどの 中米一帯は、 熱帯性多雨気候という発掘不向きの場所です。 そして、昔から政府軍とゲリラによる内戦がつづいていたので、 研究とか発掘などという環境ではなかったんですね。 大文明が誕生する必要3条件というものがあります。 ・近くに大河がある。 ・クルマ(車輪)の発明。 ・金属(鉄)の使用。 四大古代文明(エジプト、中国、インド、メソポタミア)は、その3つの条件を備えています。 でもマヤ文明にはそのどれ一つもないのです。 このあたりも謎要素があって、現代人の怪しげ大好き心をくすぐります。 マヤ文明は、 巨大ピラミッドの建造、華麗で壮大な神殿都市、ゼロの発見に代表される高等数学、 20世紀の科学水準に匹敵する高度な天文学など、四大文明以上の科学水準を誇っていました。 グアテマラの熱帯密林の中の遺跡は、紀元前600年、いまから2600年前から人が住み始めて 紀元8世紀に絶頂期を迎えた都市ティカルの遺跡です。 その規模でも華麗さでも当時のヨーロッパ文明をはるかにしのいでいました。 けれど、繁栄を誇ったマヤ文明は、突然消えてしまいます。理由はわかりません。謎です。 西暦1492年、コロンブスがアメリカ大陸を発見した時には、 すでにマヤ文明の大部分は密林に飲み込まれていました。 その頃、メキシコではマヤ文明の影響をうけたアステカ帝国が栄えていました。 その古代帝国アステカでさえ、ヨーロッパ大陸をしのぐ文明を誇っていたらしいです。 琵琶湖の5倍ほどの広さを持つ湖の中の島に、 巨石を組んでつくられた水上都市(現在のメキシコ・シティです)。 その壮麗な都を目にしたのは、16世紀の征服者スペイン人です。 司令官コルテスは、こんな手紙を本国にしたためています。 「自分たちは魔法をかけられて夢を見ているに違いない。 というのも、信じられないことに、アステカの都は我がスペインの都グラナダの規模にして 優に10倍、その華麗さはまるで天国にいるとしか思えないほどだ」 謎はここからです。 それほど高度で強大な文明を持つアステカ帝国は、なぜコルテス率いる総勢150名たらずの スペイン兵の前に簡単に滅んでしまったのでしょう。 古代マヤ人は、自分たちの歴史や文明を文書や絵に残していました。 それらはスペイン軍によって、ほとんど破棄されてしまっていました。 スペイン軍とともに入植したキリスト教宣教師たちは、生け贄をささげるマヤの儀式や、 アニミズムの思想を邪教として排除したからです。 こうしてマヤ暦の記録や資料もほとんどが失われてしまって、 本当の事はなにもわからなくなってしまいました。 <今になって欧米人たちが暦の示す滅亡の予言に怯えている姿は、まさに因果応報です。 因果応報は仏教用語だけどね。 マヤ文明の消失の謎と共に謎が重なっていきます。 そしてこの謎は、「予言の謎」に繋がっていきます。 マヤ文明は天文学や数学、建築の高度な知識を持っていました。 そして、特に得意科目だったのが天文学なんですね。 マヤ文明の天文学では非常に正確な暦を使っていました。 1年の長さの誤差は17.28秒に過ぎなかったそうです。 さて、そんなマヤ文明が、 「第5の太陽の時代は、紀元前3113年に始まり、5128年目に終焉を迎える」と 言っています。 この5128年目が「西暦2012年12月22日」に当たるので、 世の中の人々が騒いでいたのですね。 マヤ人の時間の概念の特徴として、時間とは「過去から未来に流れる」のではなくて、 「循環する」という考え方を持っています。 マヤ文明には独自の周期単位があります。 2万5640年を大きな歴史のサイクルとして考えています。 そしてそれを5つに分けると、現在は最後の5つ目のサイクルとなっているそうです。 5つ目のサイクルは紀元前3113年に始まり、 2012年12月21日が終わりとなっているのです。 この日、私は冬至のカボチャを食べながら「あぁ、そういう事か」と思い当たりました。 12月21日は冬至です。夜が一番長い日です。 365日ある中でこの日に指定されたのは、偶然ではありません。 マヤ人は、冬至を区切りで数えていたのか。 冬至は大事だよね。この日を境にまた太陽が出ている時間が長くなるからね。 で、思い起こせばこの2012年は世界でもこんな年ってあるの?という年でもありました。 世界中で選挙があって、世界の指導者が入れ替わった(または継続を選んだ)んです。 2012年 1月 台湾総統選挙、 2月 フィンランド大統領選、イエメン大統領選 3月 ロシア大統領選 5月 フランス大統領選、 6月 エジプト大統領選 7月 メキシコ大統領選、インド大統領選 12月 アメリカ大統領選、韓国大統領選 そしてその流れは、日本まで及びました。 2012年12月16日、日本はまさかの予定外の総選挙の日でした。 この選挙は3年間の民主党政治から、再び自民党が政権をとるという結果になりました。 日本の首相が替わる選挙でもありました。 これら選挙の影響は、来年以降に現れていきます。 この選挙が新しい歴史を作り出していきます。 さて。 「マヤの予言がはずれた」とガッカリしているあなた。 ガッカリする事はないですよ。 マヤ人は、この日この年を、区切りの日であり区切りの年と予言して、 新しい次の周期に入ったと言っているのですから。 え? 「滅亡じゃないから、やっぱりガッカリだよ」って? それじゃぁ、とっておきの話をお教えしましょう。 実はね、マヤの予言はね、私たち現代人の計算間違いだったという説もあるのです。 閏年を計算に入れてなかったというんですね。 閏年の誤差を修正すると、2015年9月3日になるというんです。 という事は、人類滅亡までのカウントダウンが3年延びたってこと? また滅亡だと騒いで楽しめますね。 でね、新たに出てきた「2015年人類滅亡説」に慌てた人たちがいたんです。 それは、古代エジプト暦の研究家たちです。 1970年の頃のエジプト。 人々は、毎年氾濫するナイル川に悩まされ続けていました。 それを解決するため、ナイル川上流に超巨大なダム、アスワンハイダムを 建設しました。 でもそのダムの影響で古代エジプト文明の聖地イシス神殿は 半水没状態となってしまいました。 1980年。 あまりの惨状を憂えたユネスコは、神殿を移築保存されるために徹底調査しました。 その結果、神殿の壁には1465体の神々が描かれていることがわかりました。 実は、西暦550年に閉鎖されたこの神殿には、こんな伝説が残っていたのです。 「この場所が閉鎖されれば毎年、秋分の日に一体ずつ神々の加護が失われ、 すべての神々が去った年の秋分の日に世界が水没するだろう」 今までは、ナイル川の氾濫など毎年のことなので、 研究者たちも「神を粗末にすると報いを受ける」程度に受け止めていたんです。 でも、1465体の神々が描かれていることがわかってしまったんです。 っていうことは、西暦550年から毎年、一体ずつの神々が去るとするとですね、 なんと西暦2015年の9月に世界が水没することになるんですね。 エジプト暦の研究者たちは、マヤの人類絶滅予言と約3年のズレがあったんで、 この伝説をさほど気に留めていなかったんですね。 でもね、マヤ暦のズレが指摘されたら、 ふたつの暦の示す終末の日がピタリと一致することに気づいたんです。 時代も場所も違うふたつの超文明の暦が示す「滅亡の日」の一致。 どうです? 今度も信じます?(にこっ) ━●編集後記━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ★私は、空を眺めているのが好きです。  とくに夜空を見上げているのが好きです。  もっというと月を見てるのが好きなんです。  で、今回のメイン記事、時間のずれと戦う人類史を調べていて、もう切実に感じたのは、  昔から人は空を見上げて文明を築いてきたのだなという事です。  謎や疑問は空にあり、答えも空にあるという事です。     空=宇宙です。  数学は空の観察もあり、天文学は政治力に影響を与えていきます。  学者ほど空を見上げていたのです。  私もその「空を見上げる」という行為のみ、その頃の学者の系譜の末端にいます。(笑) ★また異常に長いメルマガになってしまいました。  歳の押し迫ったこの時期、こんな長いメルマガを最後まで読む人などいるのでしょうか。  たぶん、いないな。と思いつつ。  良いお年をお迎え下さい。  ★今回のこの「時間がずれる話」は、ネットで聞くことができます。  http://www.phoenix-c.or.jp/~daichi-m/yamaneko/yamaneko.htm  ここの右側「ラジオ山猫通信」をクリックしてスクロールして  「時間がずれる話」をクリックすると聞けます。  すぐに聞けない人は、じっと待ってみて。きっと聞けます。  http://crashlanding.under.jp/rajiyama1217.mp3  直接URLはここです。  今回の文は、おおむねラジオ原稿そのままです。  ラジオ用をメルマガ用に書き換えているけどね。 ★vol.166の参考書籍と参考サイト 「時間とは何か」 講談社  著/池内了      マヤ歴の予言する人類滅亡は2015年だった      http://wpb.shueisha.co.jp/2012/12/22/16096/          ★予告です。 1月7日放送「ヘビの話」(収録済み)  (ネットにUP予定は1月21日) 1月21日放送「変わらないために絶えず変わる動的平衡の話」(書き終わった)  (ネットにUP予定は2月4日) 2月4日放送「北斗七星の話」(書き終わった)  (ネットにUP予定は2月18日) 2月18日放送「リスの話」(これから書く)  (ネットにUP予定は3月4日) 3月4日放送「地震の話」(震災にちなんで)  (ネットにUP予定は3月18日) ★ラジオ放送が月二回隔週であります。  最初はメルマガを元に原稿を書いてたけど、  今は、書き下ろし原稿です。  それをメルマガに転用するという逆転現象が  最近のメルマガ版「やまねこ通信 E=MC二乗」であります。 ★どうぞお時間のある時に「ラジオ山猫通信」も聞いてみてください。  今度の9月で丸3年になります。  でも相変わらずしゃべりはトチってばかり、噛んでばかりです。  なんかモゴモゴしています。(笑) ★私はいつも「やまねこ通信 E=MC二乗」の事が頭の隅にあります。  次回テーマは何にしようかと常に思っています。  「やまねこ通信 E=MC二乗」は、私みかりんを構成している大事な要素です。 ★「やまねこ通信E=MC二乗」では、あなたからの投書を受け付けています。  動物・植物・環境・宇宙・時間・哲学このメルマガの趣旨に合うような投書を  気軽にメールに書いてね。  過去に取り上げた記事からの話題も歓迎しています。 蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹     ★彡★彡★彡★彡★彡『蟹屋 山猫屋』★彡★彡★彡★彡★彡 生まれも育ちも北海道育の“みかりん”が、北海道の味覚を全国の方に広めるために 『蟹屋 山猫屋』を立ち上げました。一級品の道産品をお手ごろ価格でネット販売! 読み物としても楽しめるものを目指しているよ。    登録はここ→ http://www.phoenix-c.or.jp/~daichi-m/kani/   山猫屋の蟹は冷凍ガニではありません。ボイルしたてを食卓に直送! 蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹    ↑↑↑  私、みかりんのもうひとつのメールマガジン。  北の味覚。海産物。蟹おいしいよ〜。海水ウニもありますよー。  予算はこれくらい。食べる人数はこれくらい。と教えてくれたら、その中で  できる限りのご提案をします!山猫屋の蟹は冷凍物は扱っておりません!  さぁ、タラバ食べたいよう、毛ガニ食べたいようのメールをみかりんに書こう。  タラバも毛蟹も良いのが入荷してきています。  北の食材たちは脂が乗っておいしいです。  この機会に、どうぞ冷凍ではない蟹を!  ご贈答に、山猫屋の海産物を。 それじゃ、今回はここまで。 あなたのお便り待ってます。 daichi-m@phoenix-c.or.jp じゃね。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 問題 「オールマイティーの意味は?」  お答え「すべて私のお茶だ」 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ○ やまねこ通信E=MC二乗 vol.166  2012年12月30日発行 http://www.phoenix-c.or.jp/~daichi-m/yamaneko/yamaneko.htm ○発行編集者 みかりん daichi-m@phoenix-c.or.jp ○発行システム: インターネットの本屋さん「まぐまぐ」ID:0000052530 http://www.mag2.com/ ○登録/解除 http://www.phoenix-c.or.jp/~daichi-m/yamaneko/yamaneko.htm ○やまねこ通信は、素人みかりんが趣味で発行しているもので、情報の正確さに はまったく自信がありません。引用して弊害が起きても責任は持てないよ。 それから誤字脱字変換ミスは大目に見てね。気を付けるけれどさ。えへ。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━