2013/4/1━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 幽玄の森羅万象の散歩道 動物行動学からの性♂♀の話・動物・植物・環境・宇宙・時間・哲学 興味のおもむくまま“みかりん”の しゃべりんぐ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━目指せ1万部! ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆         やまねこ通信 E=MC二乗                                vol.172 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ こんにちは。 みかりんです。 本州の方から桜の便りが届いていますが 札幌では、この時期にしては驚くほどまだ雪がたくさんあります。 ほんとに今年の雪の多さには驚きます。 それでも、そろそろ植物が動き出す春も間近です。 気温も上がってきて、植物たちに出逢うのが楽しみです。 先日、川べりを散歩していたら、ヤナギの芽が膨らんでいました。 ネコヤナギまでもうすぐかもしれません。 こんなに雪が多くても植物はそろそろ春と認定したみたいです。 さて、私たちは植物なしでは生きていけません。 呼吸も栄養もそして情緒的にもすっかり植物たちに依存しています。 そのままそこに生えているだけでも役に立っていますけれど、 私たちは、植物を利用しやすいように改良したりもしています。 今日は、私たちがすっかりお世話になっている植物のほんの一部を紹介していきましょう。 花は何故美しい色をしているのか。 根も葉もない植物の話。 スギ花粉対策はどこまで進んでいるのか。 この3つの話をとりとめもなく語っていきます。 ここに↓バックナンバーがあるよ。『内容一覧』という所をクリックしてみて。 http://www.phoenix-c.or.jp/~daichi-m/yamaneko/yamaneko.htm 「ラジオ山猫通信」も、ここから聞くことができます。↑ ━■とりとめもなく植物の話━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 花は何故ああも色とりどりに美しいのでしょう。 この問いに答えるために、ちょっと植物の成り立ちをざっくりとおさらいしてみましょう。 30数億年前、海の中に植物の祖先が生まれました。 それからずっと長い間植物たちは海の中で暮らしていました。 海の中から見ていたのは明るい太陽の光です。 その光を利用して植物は光合成をしていました。 やがて植物の祖先たちは陸に上がります。 海を通さない太陽の光はそれはそれは強くて、光合成に使うひかり以外にも、 太陽の光には紫外線が多く含まれていました。 紫外線は活性酸素を作り出して細胞を傷つけます。 そこで植物たちはビタミンCやビタミンEを作りだして、 タネや葉っぱなど植物自身の体を守ったのです。 私たちヒトはビタミンを自分の体では作ることが出来ないので、 植物を食べて補わなくてはなりません。 もとはと言えば、ビタミンは植物自身が身を守るために作り出したものです。 ありがたいですね。 さて最初の質問です。 花は何故美しい色をしているんでしょう。 すぐに思いつく理由は、ハチやチョウなどのムシたちに、 ここに花が咲いているよとアピールするためです。 花粉を運んで貰いたいからですね。 もうひとつ理由があります。 それが紫外線対策なんですね。 先ほどお話ししたビタミンCとE以外にも植物の作る紫外線対策に、ア ントシアニンとカロテンがあります。 これらは花びらの色の元になる色素です。 この色素で花の中に生まれるタネを守ります。 アントシアニンは赤や青の花に含まれています。 バラ、アサガオ、シクラメン、ツツジ、ハイビスカスの赤はアントシアニンの色素です。 食べ物ではイチゴの赤、ブドウの赤紫、ブルーベリーの青紫もアントシアニンです。 アントシアニンは水によく溶ける性質があります。 その性質を利用してハイビスカス・ティーというお茶があります。 ハイビスカス・ティーはクレオパトラが好んで飲んだと言われています。 美容に効き目がありそうですね。 それからアントシアニンにまつわる話と言えば、青いカーネーションと青いバラ。 もともとカーネーションにもバラにも青い花はありません。 特に青いバラというのは、不可能とかあり得ないことの代名詞として使われるほど 作り出すことはできないと思われていたものです。 まず青いカーネーションができました。 遺伝子組み換えの最新技術を使ってです。 ペチュニアという花の青い色素を作る遺伝子で、 カーネーションの花の中で青い色素が作られるようになりました。 青いカーネーションは、ムーンダストという名前が付けられて発売されました。 このあとパンジーの青い遺伝子をバラに入れることに成功します。 でも当初は青紫色に近い色でした。 その後、もっともっと青色に近づける研究が進められています。 今ではこんなあざやかな色!と驚くほどの青いバラをお花屋さんでみることがあります。 でもこれは専用の着色剤で染められた青いバラです。  やはり不可能の代名詞と言われるだけあってあざやかな青いバラは難しいようです。 もうひとつの色素カロテンはキク、タンポポ、マリーゴールドの黄色です。 野菜ではニンジン、カボチャの色もカロテンですね。 カロテンは花だけじゃなくてパセリ、ホウレンソウ、シュンギク、ダイコンの葉っぱや ニラなどの葉っぱにも含まれています。 アントシアニンは、赤ジソ、サニーレタス、紫キャベツ。紫タマネギにも含まれています。 カロテンもアントシアニンも細胞を酸化させないようにするためにあるのですから、 これらのものを食べると、老化防止になると注目されています。 太陽からの光が強ければ強いほど、花の色やナスやトマトの色はますます濃い色になります。 これは、紫外線から守るための植物の能力なんですね。 山に登ると高山植物が咲いています。 とても美しくて小さい花がさまざまな色で、あざやかに咲いています。 高山植物を見ると登っている疲れも吹き飛びます。と言いたいところですけれど、 私は登るのに手一杯で、高山植物の美しさを味わう気持ちの余裕がないっていうのがホントの所です。 高山植物の咲いている高い山には紫外線が多く降り注いでいます。 だからなおさら高山植物たちは色鮮やかになって身を守っているのですね。 そしてその色で虫たちを呼び寄せて、ついでの私たちの目も楽しませてくれています。 いや、違うな。 花は自分を守るためが第一で、第二が虫たち。 私たち人間を楽しませようなんてこれっぽっちも考えていませんね。 「美しい花がある。花の美しさというものはない」という言葉を残したのが 評論家の小林秀雄です。 花はそこに存在しているだけです。 人のために美しくしている訳ではありません。 花を美しいと感じる感性があるだけなんですね。 次は、根も葉もない話をしましょう。 根も葉もないという言い回しは、根拠がないという意味に使いますね。 でも根も葉もない植物っていうのもあるんです。 根も葉もなかったら何があるんでしょ。 まずネナシカヅラというツル性の植物を紹介します。 木に覆い被さるようにしてはびこります。葉っぱもないし 根っこもありません。葉っぱがないので光合成をしていないっぽいです。 どこから養分を取っているのかな。 ネナシカラヅラは寄生植物で、自分の組織を宿主の組織に食い込ませて養分を得ています。 小さい花を付けます。そしてタネができます。 ネナシカヅラはタネから発芽して1年以内に成長して花を咲かせてタネを付けて 枯れていく一生を送ります。 タネで冬を越して翌年の春に発芽します。 根も葉も無い植物第二弾。 次に紹介する植物は、みなさんも聞いたことがあると思います。 直径1mくらいにもなる花を咲かせる世界最大の花ラフレシアです。 ラフレシアも寄生植物でブドウ科の植物の根に寄生しています。 根も葉も茎もありません。花だけドンとあるんです。 発見された19世紀はじめ、「人食い花」ではないかと思われたそうです。 人食い花。ほんとにそんな花があれば怖いですね。 ラフレシアは雄花と雌花があって、花粉を介して受粉します。 その運び屋に選んだのがハエです。ハエを集めるために猛烈に臭いを放っています。 その匂いはタマゴの腐ったようなとも、くみ取り便所の匂いに例えられるようなというから、 あんまり想像したくはありませんね。 いつの頃か春近くなると、日本ではスギ花粉の話題でいっぱいになります。 私の子どもの頃は花粉症って話題にもならなかったと思います。 幸い北海道にはスギがとても少ないのでスギ花粉症はあまりありません。 その代わりシラカバなどのハンノキの花粉症があります。 何かの写真でスギ林でスギが花粉を飛ばしている様子を見た事がありますけれど、 スギって、ものすごい量の花粉を飛ばすんですね。 そもそも花粉が飛びまくるようになったのは何故でしょう。 どうも戦後の大量植林で一斉に植えられたスギが一斉に成長して、 花粉を一斉に飛ばし始めたということらしいです。 スギ花粉を盛んに生産するようになるには30年ほどかかるそうですから、 高度経済成長期に植えた木が、今になって一斉に花粉を飛ばしまくっている ということなんですね。 だからこうなった原因は、自然の気まぐれではなく、 人間が花粉を飛ぶように仕向けた結果のようです。 スギは建築に適した木材として日本では古くから使用されていました。 そうは言っても闇雲に木を切ればなくなってしまいますから、 江戸時代から植林しながらの伐採でバランスを保っていたようです。 そして太平洋戦争の時、日本の木材は軍需目的で大量に伐採されました。 鉄などの金属を使い切ってしまった戦争末期には、 木製飛行機や木製輸送船なんてものまで造ったそうです。 だけど、経費削減のために植林はされずに切りっぱなしです。 戦争が終わって、焼け野原になった都会を復興させるためにスギは伐採され続けました。 でもそれから植林も再開されるようになりました。 だけど木材の供給が追いつかなくなりました。 日本中で木を切りたがっていたようなんですね。 成長が早いスギでも木材として使えるまで40〜50年かかるのに、 片っ端から切って一斉にスギを植えるという政策をとった結果、 そこら中がスギだらけになりました。 日本は、1970年代になってオイルショックを経験します。 そして建築ラッシュが一段落したことと、安い外国の木材が入ってきた事で、 国産のスギは切っても儲からないどころか赤字になるようになりました。 スギは伐採されなくなったんです。木を切っても赤字になるので、 山の手入れをする人手も足りなくなります。 昔、一斉に植林されたスギの人工林は、 充分な手入れをされず放置されているのが多いようです。 実は日本は、木材の輸入量は世界のトップクラスなんです。 よその国の環境を破壊しているんですね。 自分の国の森を放置して花粉症患者を増やして、他 の国を禿げ山にするという不思議な事をしでかしているんです。 日本のスギの歴史をざっと紹介しました。 こうやってスギの歴史を振り返ってみると現在の国民病とも言える 花粉症は国の行き当たりばったりの政策がそもそものようです。 1992年、富山市内の神社で花粉を作らないスギの木が見つかりました。 その後、茨城県でも花粉のないスギが見つかりました。 これらが普及すれば良いですね。でも時間がかかります。 増やすとしたら挿し木で苗木を作るしかないんですね。 タネで苗木が作れたらもっと早く普及するんですけれど。 2009年、それが実現します。花粉のないスギをタネで増やす事に成功したんです。 2014年までにって来年ですね、2万本の苗木を出荷できると言います。 さて、ここで疑問が湧きます。 「花粉のないスギのタネをどうやって作るのか」という疑問です。 スギは、花粉を作る雄花と、タネを作る雌花を、一本の木に別々に咲かせます。 花粉がないというのは、雄花が花粉を作る能力がないという事なんです。 雄花に花粉を作る能力をなくしても雌花にタネを作る能力があればタネはできるんですね。 それで普通の花粉を作るスギの雄花の花粉と、 花粉を作らないスギの雌花を掛け合わせると雌花はタネを作ります。 このタネは50%の確率で花粉を作らないスギになるタネです。 でも育ててみなければ花粉を作るか作らないかわかりません。 スギが花粉を作るくらい育てるには15年から20年かかります。 これでは時間がかかりすぎて実用的ではありません。 ここでちょっと話は飛びます。 イネの病気に、馬鹿苗病と呼ばれる症状がありました。 イネの背丈がひょろひょろっと高く伸びてしまって、倒れやすいし、実は付けないし、 枯れてしまうしで、馬鹿苗、あほ苗と呼ばれていたんです。ひどい言われようですね。 この病気を研究する内にジベレリンという物質が発見されました。 ジベレリンは植物の背丈を伸ばすことがわかりました。 ジベレリンが少なければ背丈が伸びないんですね。 だからジベレリンが作られるのを邪魔する薬を使うと植物の背丈を小さくしたものを 作ることが出来るようになるんです。 園芸店でみかける、小さくて可愛いキクやキキョウやポインセチアなどの鉢植えは この薬剤を使っているのです。 家庭菜園でも、インゲンやエンドウ豆などのツルがぐんぐん伸びる品種とは違って、 ツルの伸びない背丈の低いインゲンやエンドウ豆のタネが売っていますね。 背丈が低くて倒れにくくて栽培しやすいし、上に伸びるエネルギーが節約できるのでしょう。 収穫量も多いようです。 私も去年、ツルの伸びるものと、この伸びないものの両方を栽培してみました。 背丈の低いものは扱いやすかったです。 でもツルの伸びるものは支柱に絡みついて、「栽培しているぞ」という気分が満たされて、 畑の見ため的にも、なんちゃって農家気分を味わえるので、今年も植えようと思っています。 で、話は花粉を飛ばさない可能性のあるスギの苗に戻ります。 このジベレリンをスギの苗に使うんです。 すると花粉を付けるまで、15年からどうかすると20年かかるスギが、 2年で花を咲かせることができるんです。 だから来年2014年には花粉を作らないスギの苗木2万本出荷という目星がついたんですね。 時間はかかるかもしれないけれど、春の風物詩にもなってしまったスギ花粉症は 将来ずっと少なくなるかもしれませんね。 でも元々は国の政策の行き当たりばったりさが原因なんですけれど。 人間は色々効率の悪い事をします。 でもジベレリンを見つけて品種改良をしたりなどのその研究熱心さはすごいと思います。 今日はとりとめもなく、思いつくまま植物の話を語ってみました。 北海道の長く寒かった冬もそろそろ終わりです。 草木の芽吹く植物たちの春はすぐそこに来ています。    * * * * *  * * * * *            花は人を楽しませるために色鮮やかなのではない           花は人を苦しませるために花粉を飛ばすのでもない           花は生きるために鮮やかな色をまとっている           花は子孫を残すために花粉を飛ばしている           花は花のために           それでも人は花を美しいと思う           植物の生き方を知りたがり           たくましさと巧妙さに憧れる           植物を意のままにしたいと思い           利用しようとする           そんな人の思いなど関係なく           花は花 ━■みかりんの叫び━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 「犬の飛び込み橋」 1895年に建造されたイギリスのスコットランドにあるその橋は、日本人の思い描く橋とは ずいぶん異なっていて、石造りの西洋の城壁を思い起こさせる重厚なゴシックロマン風と でも言えばいいのか、陰鬱な感じを与える。 橋の先に城があり17世紀に作られた時から、殺人絡みの因縁話もあった。 時は移り20世紀に入って、橋を含む土地建物はダンバートン市へ売却され、橋の先にある城は 第二次世界大戦中は兵士の療養所として使われた。 その後も、若者用の施設や、未婚で妊娠したティーンエイジャーのために使われ利用されていた。 そのころ、ある母親が幼い子を橋から投げ捨て殺害した事件が起こり、 橋の怪異の伝説に新たなページが加わった。 実は、この頃すでに橋は有名になっていた。 犬が次々と橋の欄干を飛び越え、13m下に落ちて死んでいく怪異が起きていたからである。 最初の犬の飛び込みは橋が出来てから60年ほど経った1950年代。 それから半世紀ほどの間に50頭を越える犬たちが、橋の欄干を飛び越えて地面に たたきつけられて死んだ。 その内の数頭は落下しても無事だったのにも関わらず橋へ戻り、再度ジャンプを 試みたという。 2005年にはたった6ヶ月間で5匹の犬たちが飛び降りた。 橋にはプレートがかかった。 「危険な橋です。犬の綱をしっかり持ってください」 犬は何の前触れもなく、猛烈な勢いでダッシュしたかと思うと橋から投身するという。 橋の名はオーヴァートン橋。 昔、子どもを投げ捨てた母親が自殺未遂を起こし、それ以来幽霊が出るようになった。 橋には霊が憑いている。 幽霊好きのイギリス人たちはそう噂しあった。 ケルト神話では、オーヴァートンは天国に最も近い場所と表されている。 犬は人間より敏感に霊気も感知しやすいと考えられている。 人々は、犬がここで何かを察知し、奇妙な行動を引き起こすのではないかと噂した。 しかし謎は残る。 なぜ、人ではなく犬だけにそのような超自然現象がおこるのか。 ある実験では、犬は飼い主の気分を感知する能力があるとわかった。 たとえ遠くからでも犬は飼い主のの思考や意図を嗅ぎ取ることができることが証明された という。 もしかすると犬は飼い主の自殺願望を感知し、自らが飼い主の代わりとなって 飛び込んだのではないか? しかし、オーヴァートン橋から飛び降りた犬の飼い主の中で自殺願望を持つ人は 誰もいなかった。 事件には3つの共通点があった。 ・飛び込んだ犬は、すべて鼻の長い猟犬である。 ・晴天である。 ・常に橋の片側からの飛び降りである。 この事は何を意味するのか。 犬は自殺しない。 犬は高さを目測できるので危険な場所から飛び降りることはしない。 けれど、犬の飛び込む橋の片側は、高い藪と小道があって、一見するとそれほど高所には 見えないのだ。 現地の動物行動学の学者が実験をした。 転落死からまぬがれた唯一の犬、19才のヘンドリックスと共に学者は橋を往復した。 ヘンドリックスは楽しそうに橋を渡っていたが、橋の最後にある問題の場所にたどり着くと 明らかに緊張し始め、何かがヘンドリックスの気を引きつけていた。 老齢となったヘンドリックは、今回は自ら飛び降りるような事はしなかったが、この場所は 犬にとって、好奇心を刺激し、何かを調べずにはいられない衝動に駆られてしまうらしい。 学者は、視覚、聴覚、または嗅覚のどれかが刺激されたに違いないと仮説を立てた。 ここから犬の目線で見えるものは花崗岩でできた欄干のみなので、視覚については除外。 それでは聴覚と嗅覚のどちらがその要因だという事で、音響会社の熟練者が集められた。 しかし音響的な異常は発見できなかった。 残るは嗅覚。 猟犬はとても嗅覚が鋭い。晴れた日には橋の下から何かが匂うのではないか。 調べてみると、1950年頃からあたり一帯にミンクが異常繁殖していたことがわかった。 犬の世界は嗅覚の世界だ。 学者が、ジャンプした犬と同じ犬種の10種類の猟犬で検証実験をした。 ミンク、リス、ネズミによる実験で、7匹がミンクの分泌物に突進した。 だから、今のところ最も有力な説は 「ミンクが放つその強烈なカビくさい臭いが、よく晴れた日に乾燥することでさらに強くなり、 犬達をいやおうなく引きつける」 というものになった。 しかし、スコットランドに2万6千余りある橋の中で、 なぜこの橋の下のミンクだけに突進したくなるのか。 実験をした学者はこう説明する。 「犬の体高に合わせて屈むと、その橋の花崗岩のみでできた厚さ約46センチの壁が 彼らの視界を邪魔して、全ての音を遮断することが分かります。 その結果、嗅覚という一つの感覚だけが鋭くなり、それに神経が集中するのです」 人は犬と話しができない。 犬が何故飛び込むのか。 「霊的な磁場を察した犬が飛び込む説」に怯えなくても良いような 取りあえず科学的な仮説がたった。 人は仮説を立てて安心するしかない。 ━●編集後記━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ★嗅覚の世界に生きる犬。  犬は友達だけれど、同じ所にいても、まったく違う世界を見ているんですね。  「みかりんの叫び」で紹介した「犬の飛び込み橋」の話の、人の怪異に対する興味と怖れ。  21世紀に入ってやっと科学的に検証して安心したい人の心のせめぎ合いが面白いです。  犬は自殺しないと言い切る人間。  霊的磁場に鋭い犬が感応した可能性などないと言い切る人間。  まぁ、学者の仮説が正しいのだろうけれど、かなり面白い話と思ったのです。  ★今回のこの「とりとめもなく植物の話」は、ネットで聞くことができます。  http://www.phoenix-c.or.jp/~daichi-m/yamaneko/yamaneko.htm  ここの右側「ラジオ山猫通信」をクリックしてスクロールして  「とりとめもなく植物の話」をクリックすると聞けます。  すぐに聞けない人は、じっと待ってみて。きっと聞けます。  http://crashlanding.under.jp/rajiyama0318.mp3  直接URLはここです。  今回の文は、おおむねラジオ原稿そのままです。  ラジオ用をメルマガ用に書き換えているけどね。 ★vol.172の参考書籍            植物はすごい            生き残りをかけたしくみと工夫                      著/田中修   中公新書           北海道新聞2013/3/26夕刊           話をめぐる物語 犬の飛び込み橋  著/中野京子                             ★予告です。 3月18日放送「とりとめもなく思いつくまま植物の話」(収録済み)  (ネットにUP予定は4月1日) 4月1日放送「絶滅の話」(書き終わった)  (ネットにUP予定は4月15日) 4月15日放送「世界の認識の話」(書き終わった)  (ネットにUP予定は5月6日) 5月6日放送「カラスの話」(書き終わった)  (ネットにUP予定は5月20日) 5月20日放送「ミツバチの話」(これから書く)  (ネットにUP予定は6月2日) ★ラジオ放送が月二回隔週であります。  最初はメルマガを元に原稿を書いてたけど、  今は、書き下ろし原稿です。  それをメルマガに転用するという逆転現象が  最近のメルマガ版「やまねこ通信 E=MC二乗」であります。 ★どうぞお時間のある時に「ラジオ山猫通信」も聞いてみてください。  丸3年を過ぎ4年目を目指しています。  最近は、トチらずスラスラよどみなくしゃべっているように聞こえます。  慣れてきたのです! ウソです。(笑)  編集で直して貰っているんです。  そのためずいぶん聞きやすくなっています。  決して私のしゃべりが上達したのではありません。(キッパリ) ★私はいつも「やまねこ通信 E=MC二乗」の事が頭の隅にあります。  次回テーマは何にしようかと常に思っています。  「やまねこ通信 E=MC二乗」は、私みかりんを構成している大事な要素です。 ★「やまねこ通信E=MC二乗」では、あなたからの投書を受け付けています。  動物・植物・環境・宇宙・時間・哲学このメルマガの趣旨に合うような投書を  気軽にメールに書いてね。  過去に取り上げた記事からの話題も歓迎しています。 蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹     ★彡★彡★彡★彡★彡『蟹屋 山猫屋』★彡★彡★彡★彡★彡 生まれも育ちも北海道育の“みかりん”が、北海道の味覚を全国の方に広めるために 『蟹屋 山猫屋』を立ち上げました。一級品の道産品をお手ごろ価格でネット販売! 読み物としても楽しめるものを目指しているよ。    登録はここ→ http://www.phoenix-c.or.jp/~daichi-m/kani/   山猫屋の蟹は冷凍ガニではありません。ボイルしたてを食卓に直送! 蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹    ↑↑↑  私、みかりんのもうひとつのメールマガジン。  北の味覚。海産物。蟹おいしいよ〜。海水ウニもありますよー。  予算はこれくらい。食べる人数はこれくらい。と教えてくれたら、その中で  できる限りのご提案をします!山猫屋の蟹は冷凍物は扱っておりません!  さぁ、タラバ食べたいよう、毛ガニ食べたいようのメールをみかりんに書こう。  タラバも毛蟹も良いのが入荷してきています。  北の食材たちは脂が乗っておいしいです。  この機会に、どうぞ冷凍ではない蟹を!  ご贈答に、山猫屋の海産物を。 それじゃ、今回はここまで。 あなたのお便り待ってます。 daichi-m@phoenix-c.or.jp じゃね。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 外はかなりの強風なのに カーテンの隙間から十六夜の月が見える。 ガラス越しで月光浴。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ○ やまねこ通信E=MC二乗 vol.172  2013年4月1日発行 http://www.phoenix-c.or.jp/~daichi-m/yamaneko/yamaneko.htm ○発行編集者 みかりん daichi-m@phoenix-c.or.jp ○発行システム: インターネットの本屋さん「まぐまぐ」ID:0000052530 http://www.mag2.com/ ○登録/解除 http://www.phoenix-c.or.jp/~daichi-m/yamaneko/yamaneko.htm ○やまねこ通信は、素人みかりんが趣味で発行しているもので、情報の正確さに はまったく自信がありません。引用して弊害が起きても責任は持てないよ。 それから誤字脱字変換ミスは大目に見てね。気を付けるけれどさ。えへ。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━