2013/8/19━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 幽玄の森羅万象の散歩道 動物行動学からの性♂♀の話・動物・植物・環境・宇宙・時間・哲学 興味のおもむくまま“みかりん”の しゃべりんぐ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━目指せ1万部! ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆         やまねこ通信 E=MC二乗                                vol.181 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ こんにちは。 みかりんです。 夏真っ盛りですね。 森では短い夏を忙しそうに虫たちが飛び回っています。 私はヤブ蚊などに刺されやすくてあちこち痒くなっています。 森にはいろんな昆虫がいます。 ご多分に漏れずハチは苦手で刺されたらどうしようとビクビクしてしまいます。 でもその意識がちょっと変わってきました。 今年6月に配信したvol.176のメインテーマは「ニホンミツバチの話」でした。 その時にミツバチについても調べましたけれど スズメバチについても調べて紹介しました。 その後も知れば知るほどミツバチはもちろん、スズメバチも、 これはすごい生き物だと思うようになって 以前のようにむやみに怖い存在と思わなくなってきました。 そんな時に日曜夜NHK「ダーウィンが来た」という番組で、 葉切りアリを取り上げていて、これまたビックリしたのです。 これはすごいって。 考えてみればハチもアリも仲間です。 ヒトとの共通点もあります。 それは社会性動物だということ。 他にもキラービーと言われる殺人バチについても調べてみました。 ハチについてお話するのは今年2回目になってしまいますけれど、是非お話したい。 どうも私の中でハチたちがちょっとしたマイブームのようです。 今日の話題は「ハチとアリ社会性昆虫の話」です。 ここに↓バックナンバーがあるよ。『内容一覧』という所をクリックしてみて。 http://www.phoenix-c.or.jp/~daichi-m/yamaneko/yamaneko.htm 「ラジオ山猫通信」も、ここから聞くことができます。↑ ━■ハチとアリ社会性昆虫の話━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ずいぶん前のこと。 森を散歩していてすごく怖い思いをしたことがあります。 それはそれは大きな1匹のハチが、私の歩く速度と同じ速度で飛んでいることに 気がついたんです。私の右側数m横をゆっくりと飛んでいます。 私がちょっと早歩きをしても、ゆっくり歩いても距離は変わりません。 あきらかに私に合わせて飛んでいます。 ここで走っちゃダメだ。落ち着いて落ち着いて。 私は自分に言い聞かせて慌てずに森を出る方向に向かっていきました。 ハチはしばらく私と一緒でしたけれど、森の出口あたりからやっといなくなりました。 もう生きた心地がしなかったです。 ものすごく大きくて…ええと10cmくらいはあったと思います。 で、調べてみたんですけれど、 オオスズメバチの女王蜂のおおきなものでも4.5cmがせいぜいなんですね。 働き蜂だと3cmから3.5cmです。 4cmになる働き蜂はまずいないそうです。 どうも恐怖心で10cmにも見えてしまったんですね。 日本ではクマによる死亡者数は年間数人です。 負傷者はあっても死亡者のいない年もあります。 それに比べてスズメバチの死亡被害は年間だいたい30人くらいです。 日本では、スズメバチはクマ、ヘビ、サメよりもはるかに危険な生き物といえるのですね。 スズメバチは、戦闘に特化したハチです。 狩りをする時は時速40kmの速さで飛べるし、一日100kmの距離も飛ぶことができます。 武器となるお尻の針からは毒液が出ます。 毒液には仲間を呼び寄せる性質もあって、集団で襲ってきます。 そしてお尻の針は何度でも使えます。 ミツバチは1回しか使えません。ミツバチの針には返しが付いていて、 1回刺したらもう抜けないので、無理に抜くと内臓ごと抜けて死んでしまうんです。 どうしてこんな、一見するとミツバチには不利にしかならない返しが付いているんでしょう。 その謎は、あとの方で。 ともかくスズメバチの針はそんな返しがついていないので、 何度も針を使えます。スズメバチは狩バチと言って、狩りをするハチです。 対してミツバチはハナバチと言って花の蜜や花粉を集めています。 狩バチであるスズメバチは、セミやバッタやコガネムシなど大型の昆虫を襲って、 その昆虫を肉団子にして巣に持ち帰ります。 ときにはヘビやカエルの死体、哺乳類の死体などからも肉をとって巣に持ち帰るほどです。 その肉団子はスズメバチ自身は食べません。 巣にいる幼虫に食べさせるために狩りをしています。 スズメバチ自身は、肉団子を食べた幼虫から染み出す汁を舐め取って生きています。 肉を運んでくる大人と、栄養液を分泌する子どもで協力し合って生きています。 普通、生物は、大人が子を養うのが当たり前なのでかなり珍しい関係ですね。 とても攻撃性が高いのに、スズメバチは液体を舐めるだけで生きているんですね。 スズメバチは獰猛です。 ほかの蜂の巣も襲います。 スズメバチ10匹程度で一万匹のセイヨウミツバチの巣を滅ぼしてしまいます。 そして大量のミツバチの成虫の死骸、サナギ、蜜を確保します。 襲撃する巣の対象はミツバチだけではありません。 オオスズメバチがキイロスズメバチの巣を襲うなんてケースもあります。 弱肉強食のスズメバチです。 次にキラービーの話をします。 キラービーのキラーは殺人者。ビーはハチです。つまり殺人バチです。 マンガかゲームに出てくるような名前ですね。 アメリカ大陸にはもともとミツバチはいませんでした。 北アメリカにも南アメリカにもです。 それでヨーロッパからの移民たちが、ハチミツを採るために西洋ミツバチを移入しました。 そうして北アメリカにはセイヨウミツバチが棲むようになりました。 でも熱帯の南米は西洋ミツバチたちには暑すぎたんですね。 うまく養殖できなかったんです。 そこでブラジルの研究者は、アフリカから暑さに強いアフリカミツバチを移入して 西洋ミツバチと掛け合わせて、熱帯地方に適したミツバチを作りだそうとしました。 そのアフリカミツバチが逃げ出したんです。 そして、先に移入されて在来のミツバチとなっていた西洋ミツバチと勝手に交雑して 生まれたのが、アフリカナイズドミツバチ。別名キラービーです。 このハチが攻撃性が強くて、人間の死亡例も多いのです。 逃げても集団で襲ってきて長距離を追いかけます。 2011年アリゾナ州で養豚所がこのキラービーに襲われて450kgの重さのブタに群がって あっという間に殺されてしまった事件が起きました。 このミツバチは凶暴化します。 ブラジルから発生したキラービーが生まれたのは今から50年くらい前。 少しずつ北上して、メキシコから国境を越えて現在ではアメリカ南部の州にも生息域が 広がっています。 この凶暴なキラービーの駆除に利用しようと、 日本からオオスズメバチを導入して実験をした事がありました。 実験では、閉鎖空間で3万匹のキラービーのいる所にオオスズメバチを30匹放した所、 あっという間にキラービーは全滅してしまいました。 それどころかその後オオスズメバチは枝に集まって巣を作ろうとしだしました。 そのあまりのオオスズメバチの圧倒的強さに、 こんなのに居座られたらたまったもんじゃないという事になり、 オオスズメバチの導入は見送られました。 ブラジルで人工的に生まれたキラービーは、南アメリカ大陸の南部には広がらずに、 北上しようとしています。 それでも西洋ミツバチとの交雑が多くなって凶暴性が薄れてきた群れがあるという 報告もあります。 凶暴性が残っているのは北アメリカ大陸の南部の州のキラービーです。 でもそのキラービーにしても所詮ハナバチであるミツバチです。 狩バチの最高峰のオオスズメバチの敵ではありませんでした。 無敵とも思えるオオスズメバチですけれど天敵もたくさんいます。 第一にハチクマというタカの仲間の鳥です。 ハチクマはスズメバチのような狩バチをエサにするタカです。 オオスズメバチは、この鳥には、なすすべもなくやられてしまいます。 それからオニヤンマも天敵です。 オニヤンマは日本最大のトンボです。 オニヤンマにとって、スズメバチはエサです。 シオヤアブという3cmくらいのアブも天敵です。 背後に取りついて神経節を食いちぎって一撃必殺です。 クマもスズメバチの巣を襲って幼虫を食べてしまいます。 でもオオスズメバチにとっての一番の天敵は、人間です。 たとえば、ハチクマに巣を襲撃されたとしても巣を放棄してコロニーの全滅を 防ぐことが出来ます。 オニヤンマやシオヤアブは単独で行動している個体を狙ったものです。 それに比べて人間は、薬剤などで、逃げる隙を与ないで 巣全部を標的にしてコロニーを全滅さてしまいます。 スズメバチは狩バチなので、農作物を荒らす昆虫を食べるという役割があります。 そう。益虫の一面もあるんです。 スズメバチの女王蜂は1年の命。働き蜂は3ヶ月の命です。 よくセミが儚い命の代名詞のように言われますけれど、 スズメバチもかなり、儚いんです。 スズメバチ。怖いだけじゃなくなんか愛おしくなってきませんか?  あ、9月10月の秋に凶暴化しやすくなるので気をつけてくださいね。 え?やっぱり愛おしくならない?  まぁ、そう言わないで。 ミツバチもスズメバチも知れば知るほど魅了されてきます。 私たちは普通ハチとアリはまったく別のモノとして分けて考えています。 何故なら日本のアリは毒針は持っていないし、ほとんど地面で生活するからです。 でもアリはハチの仲間です。 それも分類上はスズメバチの仲間です。 スズメバチの方からみると、ミツバチよりもアリの方が近い親戚なんです。 アリは私たちにはとても身近な昆虫で、ハチと同じように女王アリを中心に、 働きアリが育児や食料の調達などを行う群れを作る社会性昆虫です。 こういう制度もハチとまったく同じですね。 最初の方でもお話したように、日曜夜7時半からのNHK「ダーウィンが来た」という番組で 6月にハキリアリを取り上げていて、私はそのハキリアリにすっかり魅了されてしまいました。 そして調べてみるとテレビで紹介されていたのはハキリアリのほんの一部で、 実際はもっともっと興味深い面白いアリだという事を知りました。 ハキリアリが棲んでいる所は中米のパナマです。 北アメリカ大陸と南アメリカ大陸を繋ぐ、細い接点がパナマ共和国です。 このパナマのジャングルにハキリアリたちが棲んでいます。 ハキリアリは、葉っぱを自分たちが担ぎやすいように切り取って、 1匹1枚、自分より10倍以上大きく切り取ったそれぞれの形の葉っぱを担いで、 行列を作ってジャングルを移動します。 近づいて見てみるとその姿はとてもコミカルです。 離れてみてみると熱帯雨林のジャングルを緑の川が流れていくようです。 ハキリアリたちはその葉っぱを巣に運び込みます。 ひとつの巣には200万匹を越えるハキリアリがいます。 だから巣も大きいです。 巣を作るのに掘り出す土は40トン。 どれだけ大きな巣なのか。 さて、運んだ葉っぱを食べるわけではありません。 その大きな巣にはアリタケというキノコを育てる部屋があります。 キノコ農場です。 このキノコの苗床にするために、森中から切り取られて集められた葉っぱは、 細かくかみ砕かれます。 働きアリたちはキノコを食料にするために育てています。 人間が行う農業と同じような事をしているんです。 農業をするハキリアリです。 作物が病気になってしまうのは、人間の農園もアリの農園も同じです。 最近わかった事なんですけれど、ハキリアリたちはキノコを病気から守るために、 抗生物質を利用しています。 抗生物質を作る細菌もキノコ畑で培養しているんです。 人類が最初に抗生物質であるペニシリンを発見したのが80年くらい前です。 ハキリアリたちは五千万年前から抗生物質を利用してきたって事なんです。 そしてね、もっと不思議な事に、ハキリアリたちは同じ抗生物質を 五千万年も使っているのに、いまだに効果があるんです。 人間が開発した抗生物質は、耐性菌という、その抗生物質が効かなくなってしまう菌が 生まれてしまって、すぐに効果がなくなってしまうのにです。 驚く事はまだあります。 ハキリアリは農業だけじゃなく牧畜もしています。 家畜を飼っているんです。それはアブラムシ。 アブラムシは植物の汁を吸って体から甘い汁をだします。 この汁が欲しいんですね。 それでハキリアリたちは、アブラムシのタマゴを見つけると巣に持ち帰って 世話をします。 そしてアブラムシがタマゴから孵ると、植物に戻すんです。 そう。放牧です。 ハキリアリが、農業をして牧畜をして、抗生物質をも利用していて 社会生活を営む動物となると、産業革命が起きる前くらいまでは、 人類とハキリアリは、ほとんど同じような生活レベルのような気がしてきます。 働き蟻たちはみんなメスです。 ハチもそうです。あ、ハチの武器の針は産卵管というタマゴを産むためのものが 武器になったものですから、針で刺しに来るのはみんなメスです。 アリもハチも群れが大きくなったり、時期がくると、新女王とオスの集団が生まれます。 新女王とオスアリが巣から飛びたって空中で交尾をします。 これを結婚飛行といいます。 アリはこの時だけ羽根が生えて飛びます。 結婚飛行をして交尾が終わった新女王アリは、新しい巣を作ってタマゴを産んで、 働きアリを増やしていきます。 オスを連れての結婚飛行のあとは、オスはすぐに死んでしまうので、 この時、女王はひとりなんです。 スズメバチの女王もハキリアリの女王も、 最初の産卵とタマゴの世話と幼虫の世話はひとりで全部やらなければなりません。 前半でスズメバチの女王の寿命は一年と言いました。 だからスズメバチは世代交代が早いって事なんですね。 世代交代が早いという事はそれだけ環境の変化に順応していく能力が高いとも言えます。 ハキリアリの女王の寿命は、昆虫とは思えないくらい、 たぶん昆虫の中ではもっとも長寿ともいえる数十年です。 普通に二十年は生きると言います。 新女王は結婚飛行の時、巣立つ前にキノコの一部を持っていって、新しい巣作りを始めます。 幼虫が食糧とするのはこのキノコだけで、大人のアリたちの主な食糧でもあります。 キノコの繁栄は一族の繁栄です。 一度キノコが全滅すると群れも全滅することになってしまいます。 群れは完全分業制です。 葉を切って運搬する係、それを受け取って細かくする係、 細かくしたものに菌をつけるなどキノコの世話をする係、幼虫の世話をする係、 菌が育たなくなった部分を削り取ってゴミを出す係、 巣穴の拡張工事をする係などに分かれています。 巣の中で働く内勤のアリは小さめです。 外で葉を切って運ぶ外勤のアリは内勤のアリより体が大きいです。 兵隊アリはそれらのアリよりもっと大きくて巣を守っています。 そしてもっとも大きいのが女王アリです。 会社組織のように外勤、内勤、適材適所でそれぞれの役目をまっとうしています。 巣の何万匹ものアリたちは、1匹の女王蜂から生まれたのでホンモノの同族会社です。 ハキリアリの女王の寿命が昆虫としては異常に長寿と先ほど言いました。 でも働きアリたちは長くても半年ほどの命なんです。 つまり、働き蟻たちは、仕事の内容によって体の大きさから形まで違って、 そして短い命で、女王だけが長寿です。 このことは、どう考えれば良いんでしょう。 たぶん巣全体のアリたちは、女王アリの細胞のような存在なんですね。 細胞ならは新陳代謝して絶えず入れ替わっていくものですから。 前半で、ミツバチたちの針には返しが付いているので、 一度刺すと抜けなくて死んでしまうのは、どうしてという問いの答えが この辺りにあります。 ハチもアリも女王以外はみんな女王の細胞みたいなものなんでしょう。 女王のために生まれて死ぬのは当たり前で命の重さが違うという感じ。 私たちヒトの体の細胞も絶えず生まれて死んでいっています。 vol.176の山猫通信で、ニホンミツバチの話をした時に、 「人に慣れたニホンミツバチなら、人が作業中に間違ってハチを1匹押しつぶして しまっても、番兵が体当たりをしてきて不服を述べるくらいで、 刺すような事はしません」 という話を紹介しました。 たぶん女王の命が全てで、一つの巣が一つの命なんでしょう。 ミツバチ、スズメバチ、ハキリアリ。魅力的で興味の尽きない昆虫たちです。    * * * * *  * * * * *                                    花を巡って、蜜を集めるミツバチ            狩りをして肉団子を作るスズメバチ            農園でキノコ作りをするハキリアリ            小さな体は生きる力に溢れている            巣全体がひとつの命            私たちヒトの他にも            農園を持ち、牧畜をして、            抗生物質を利用している動物がいる            私たちは特別な生き物ではないのか            宇宙を目指しているのはヒトだけだよね            アリは目指してないよね            足もとのアリ、あなどれない ━■みかりんの叫び━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ メルマガを読み返すと、最近の私は、イカとハチがマイブームのようです。(笑) 1月にNHK放送の「ダイオウイカ」の番組から私のイカブームが始まっています。 そして、それが7/15配信のvol.179で「空飛ぶイカと巨大イカの話」に繋がりました。 7/29にもまたNHKスペシャルで「 シリーズ 深海の巨大生物」と題して 「伝説のイカ 宿命の闘い」というイカ番組を放送していました。 翌日は、「謎の海底サメ王国」です。 タイトルこそちょっとアレですけど、良い番組でした。 ネイチャー系は圧倒的に強いですね。NHK。 そしてダイオウイカブームに気をよくしていますね。NHK。 メイン記事に書いたように、今回のハキリアリの話も、 NHKの「ダーウィンが来た!」でハキリアリを取り上げていて、ビックリだったんです。 この番組をみる直前に私の中で空前のハチブームが起きていたので (私のハチブームはニホンミツバチの本を読んだから)、 6/3配信のvol.176で「ニホンミツバチの話」として、やまねこ通信にまとめました。 でも、書き足りなかったんですね。 その思いが今回の「スズメバチとハキリアリ 社会性昆虫の話」 として間を置かずに配信です。   スズメバチを敵視して、ペットボトルにビールなど入れた罠で、春先に新女王蜂を捕らえる事を 「良いこと」として一般の人がするのは、私は危険だと思うんです。 危険というのは、人に直接の害が及ぶという意味の危険ということではありません。 スズメバチも野生動物で生態系のバランスの中にいる動物だという認識を 持って欲しいという事です。 ニホンオオカミやエゾオオカミがなぜ全滅したのか。 その結果、今どういう事になっているのか。 やまねこ通信では、何度も何度も語っています。 本文中でも書いていますが、スズメバチは、畑にやってくるいわゆる害虫と呼ばれる昆虫を食べる 益虫という側面もあるんです。 スズメバチがいなくなると、その弊害は必ず来ます。 またスズメバチを餌として食べている鳥や昆虫たちにも影響します。 もちろん人家の近くに出来た巣は撤去しなければ危険です。 でも、新しく巣を作るためにたった1匹でこれから何もかもはじめなければならない新女王蜂を、 誘引してどんどん捕獲して殺すような事は、過去から何も学んでいないと思うのです。 今年の初夏、私の家の二階のベランダに、スズメバチが巣を作り始めました。 ずっと寒い日が続いて、急に蒸し暑くなって2日目の事でした。 ハチは1匹です。4月には原稿を書き終えていましたから、 そのハチが新女王蜂だということは、すぐにわかりました。   巣はまだ作り始めたばかりで、大きさは直径7cmほど。 網戸を開けると、巣は落ちてしまうような場所でした。 私は、新女王スズメバチがそこでいそいそと巣づくりをしていると知らずに 洗濯物を干しにベランダへ出て、彼女と目が合ったんです。 あらま。困った。 そんな所に巣を作り始めたの? 新女王蜂は、私の周りを一周してまたいそいそと巣を作り始めました。 私は一度家の中に入り、保健所に電話して対処法を聞きました。 するとこう言われました。 「この時期なら女王蜂1匹だろうから 彼女は夜になったら巣の中で寝るから、 寝静まったら殺虫剤で始末するのが安全ですね」 私はちょっと考えてから、深呼吸をして網戸を勢いよく開けました。 そうしたら作りかけの小さな巣は落ちてしまいました。 安全な窓越しから観察していると、彼女は少しの間、困った様子でその辺りを 飛んでいましたが、そのうち諦めてどこかへ去っていきました。 翌日、安全を確かめてから落ちた巣を拾ってみました。 作りかけの小さな巣には、少しの卵の部屋もでできていて、 よく見ると小さな卵が数個産み付けられていました。 危なかったなぁ。 今からいくらでもやり直せるよ。 私はあの新女王がこんな人家ではなくて森の奥に巣を作ってくれたと思っています。 (私の家は森のすぐ近く) ともあれ、新女王蜂を殺さずに早めに巣を撤去できてよかったです。 ━●編集後記━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ★vol.176で「ニホンミツバチの話」を書いて、まだ足りなくて  今回vol.181で「スズメバチとハキリアリ 社会性昆虫の話」で書いて、まだ足りなくて  「みかりんの叫び」でスズメバチへの思いを書いて、やっとハチたちに対する思いを  書き終えた気がします。    ニホンミツバチとスズメバチ。そしてハキリアリ。  愛おしいです。  そして、ハチたちを意味なく怖がらないでください。  気を落ち着けて、ゆっくりと去ってください。  そういう対処の仕方は、ヒグマにも通じるものがあるように思います。  むやみに興奮しない。興奮させない。  むやみに殺さない。  彼らは私たちの隣人です。 ★ラジオ山猫通信がリアルタイムで、  パソコン、スマートフォンから聴けるようになりました!   http://www.radiokaros.com/simulradio/  ↑ここがカロスのサイトの「インターネット放送聴取方法」のページです。  パソコンからスマートフォンから、カロスの放送を聞く方法が載っています。  http://www.simulradio.jp/  ↑ここがサイマルラジオのサイトです。  ここから全国のコミュニティーラジオが聞けるようになっています。    このサイトを開いたらちょっとスクロールすると「北海道」という場所があって  その下の方に「ラジオカロスサッポロ」という場所があります。  そこの「放送を聴く」をクリックするとメディアプレイヤーが立ち上がって、  リアルタイムに放送を聴くことが出来ます。  ラジオ山猫通信は、第一月曜日と第三月曜日の19:00〜19:30です。  明日8月19日19:00から「イヌがお伊勢参りする話」が  リアルタイムで聞くことができます。  今まで通りバックナンバーは、「やまねこ通信 E=MC二乗」のサイトの「ラジオ山猫通信」の  場所から、いつでも好きな回のお話を聴くことが出来ます。   ★今回のこの「ハチとアリ社会性昆虫の話」は、  ネットでいつでも好きな時に聞くことができます。  http://www.phoenix-c.or.jp/~daichi-m/yamaneko/yamaneko.htm  ここの右側「ラジオ山猫通信」をクリックしてスクロールして  「ハチとアリ社会性昆虫の話」をクリックすると聞けます。  すぐに聞けない人は、じっと待ってみて。きっと聞けます。  http://crashlanding.under.jp/rajiyama0715.mp3  直接URLはここです。  今回の文は、おおむねラジオ原稿そのままです。  ラジオ用をメルマガ用に書き換えているけどね。 ★vol.181の参考サイト    俺が社会性昆虫について知ってることを書きなぐる    http://blog.livedoor.jp/nwknews/archives/4006685.html    スズメバチ    http://suzumebachi.etc64.com/    ピクシブ百科事典オオスズメマチ    http://dic.pixiv.net/a/    wikipedia 社会性昆虫    http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A4%BE%E4%BC%9A%E6%80%A7%E6%98%86%E8%99%AB        ダーウィンが来た!320回「葉っぱこそ命!ハキリアリの巨大天国」    http://cgi2.nhk.or.jp/darwin/broadcasting/detail.cgi?p=p320    ハキリアリ    http://www5c.biglobe.ne.jp/~odah/animal/sonota/hakiriari/hakiriari.htm    俊平の雑学研究所    http://blogs.yahoo.co.jp/hoshiyandajp/24393209.html    第1回 分担作業で農業をする「ハキリアリ」(2/2)    http://r25.yahoo.co.jp/fushigi/report/?id=20100831-00003421-r25&page=2 ★予告です。 8月19日放送「イヌがお伊勢参りする話」(収録終わった)  (ネットにUP予定は9月2日) 9月2日放送「おばあさんの存在が火星移住を推し進めた話」(書き終わった。丸4周年記念原稿だ)  (ネットにUP予定は9月16日) 9月16日放送「縮む世界で生き延びる話」(書き終わった)  (ネットにUP予定は10月7日) 10月7日放送「太陽に異存しない生物とヒトの目的の話」(書き終わった)  (ネットにUP予定は10月21日) ★ラジオ放送が月二回隔週であります。  最初はメルマガを元に原稿を書いてたけど、  今は、書き下ろし原稿です。  それをメルマガに転用するという逆転現象が  最近のメルマガ版「やまねこ通信 E=MC二乗」であります。 ★どうぞお時間のある時に「ラジオ山猫通信」も聞いてみてください。  4年目が目前です!  最近は、トチらずスラスラよどみなくしゃべっているように聞こえます。  慣れてきたのです! ウソです。(笑)  編集で直して貰っているんです。  そのためずいぶん聞きやすくなっています。  決して私のしゃべりが上達したのではありません。(キッパリ) ★私はいつも「やまねこ通信 E=MC二乗」の事が頭の隅にあります。  次回テーマは何にしようかと常に思っています。  「やまねこ通信 E=MC二乗」は、私みかりんを構成している大事な要素です。 ★「やまねこ通信E=MC二乗」では、あなたからの投書を受け付けています。  動物・植物・環境・宇宙・時間・哲学このメルマガの趣旨に合うような投書を  気軽にメールに書いてね。  過去に取り上げた記事からの話題も歓迎しています。 蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹     ★彡★彡★彡★彡★彡『蟹屋 山猫屋』★彡★彡★彡★彡★彡 生まれも育ちも北海道育の“みかりん”が、北海道の味覚を全国の方に広めるために 『蟹屋 山猫屋』を立ち上げました。一級品の道産品をお手ごろ価格でネット販売! 読み物としても楽しめるものを目指しているよ。    登録はここ→ http://www.phoenix-c.or.jp/~daichi-m/kani/   山猫屋の蟹は冷凍ガニではありません。ボイルしたてを食卓に直送! 蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹    ↑↑↑  私、みかりんのもうひとつのメールマガジン。  北の味覚。海産物。蟹おいしいよ〜。海水ウニもありますよー。  予算はこれくらい。食べる人数はこれくらい。と教えてくれたら、その中で  できる限りのご提案をします!山猫屋の蟹は冷凍物は扱っておりません!  さぁ、タラバ食べたいよう、毛ガニ食べたいようのメールをみかりんに書こう。  タラバも毛蟹も良いのが入荷してきています。  北の食材たちは脂が乗っておいしいです。  この機会に、どうぞ冷凍ではない蟹を!  ご贈答に、山猫屋の海産物を。 それじゃ、今回はここまで。 あなたのお便り待ってます。 daichi-m@phoenix-c.or.jp じゃね。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 孫「ガリレオって知ってる?」 婆「知ってるよ。アルキメデスの原理を発見した人でしょ」 孫「アルキメデスの原理はアルキメデスが発見したの。   ガリレオだよー。ドラマの。今度映画になるの。見たい〜」 婆「そんな昔の人の映画かい。いいねぇ、勉強になるねぇ」 孫「ちーがーうー」 福山雅治、がんばれ。(笑) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ○ やまねこ通信E=MC二乗 vol.181  2013年8月19日発行 http://www.phoenix-c.or.jp/~daichi-m/yamaneko/yamaneko.htm ○発行編集者 みかりん daichi-m@phoenix-c.or.jp ○発行システム: インターネットの本屋さん「まぐまぐ」ID:0000052530 http://www.mag2.com/ ○登録/解除 http://www.phoenix-c.or.jp/~daichi-m/yamaneko/yamaneko.htm ○やまねこ通信は、素人みかりんが趣味で発行しているもので、情報の正確さには  まったく自信がありません。引用して弊害が起きても責任は持てないよ。  それから誤字脱字変換ミスは大目に見てね。気を付けるけれどさ。えへ。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━