2013/10/6━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 幽玄の森羅万象の散歩道 動物行動学からの性♂♀の話・動物・植物・環境・宇宙・時間・哲学 興味のおもむくまま“みかりん”の しゃべりんぐ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━目指せ1万部! ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆         やまねこ通信 E=MC二乗                                vol.184 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ こんにちは。 みかりんです。 すっかり秋の気配です。 虫たちの声も夏のセミから、秋のコオロギやスズムシの声に。 季節は確実に移ろいます。 変化はこういう自然のものだけではありません。 私たちの身の回りのたとえば、ガソリンスタンドがなくなって その跡地がお弁当屋さんになったり、 金物屋さんがあった場所がいつの間にか歯医者さんになっていたり。 私の住んでいる所は札幌市内なのに コンビニのない珍しい地域だったんですけれど 2年くらい前にコンビニが進出してきたり。 私ね、常々疑問に思っていた事があるんです。 企業は何故大きくなろうとするのだろうっていう疑問です。 この疑問の答えが生物たちの織りなす進化の物語の中に あるような気がしてきたんです。 今日の話題は、いつもとちょっと違って経済のお話も入ってきます。 でもこれが生物の進化のお話とリンクしているんです。 経済もヒトの織りなす物語ですから、 根本の所は同じ事なのかもしれません。 という訳で今日の話題は「縮む世界で生き延びる話」です。 今回の話は三部作になっていて 前回の「おばあさんの存在が火星移住の原動力になった話」、 今回が「縮む世界で生き延びる話」です。 次回は「太陽に依存しない生物とヒトの目的の話」です。 濃い内容が3回続く、その第二回目です。 ここに↓バックナンバーがあるよ。『内容一覧』という所をクリックしてみて。 http://www.phoenix-c.or.jp/~daichi-m/yamaneko/yamaneko.htm 「ラジオ山猫通信」も、ここから聞くことができます。↑ ━■縮む世界で生き延びる話━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 日本最古の歴史書である古事記が編纂されたのが712年とされています。 今は2013年ですから古事記の頃から1300年と1年経ったことになります。 この1300年の間、いろいろなことがあって何もかもが変わったと思います。 どこを切り取っても大いなる変化でしょう。 特にここ20年の変化は大きいと思います。 今の生活や経済は、インターネットやパソコンや携帯電話が 大きな役割をはたしています。 でもね、そんな1000年以上もの時間の中で変わらなかったものがあるんです。 それは日本の人口と、それに伴う経済規模が ただただ大きくなり続けてきたということです。 古い時代の日本の人口はよくわからないですけれど、 江戸時代中期で約3000万人が暮らしていたと推測されています。 それから、1億人増えているんですね。 これはどういう事かというと、私たちは日本という国が意識されてから ずっと、拡大する世界で生きてきたって事です。 でも、ここにきてこの状況が変わろうとしています。 日本ではずいぶん前から、ひとりの女性が生涯に産む子供の数が2.0人を 割り込んでいます。 出生率ですね。今は1.3くらいでしょうか。 2.0を割り込むという事は人口は除々に減っていくという事です。 でもなかなか減っていかないのは、 医療の進歩のために平均寿命が延びたためです。 で、ついに2011年、日本の人口は減少しはじめました。 しかも人口構成は老人が多くて、若者が少ない逆ピラミッド型。 こうなると各方面から悪い予想しかでてきません。 不況になる。個人の収入が少なくなる。 企業の利益がなかなか上がらない。 日本の経済を引っ張ってきた、大手電機メーカーのいくつかが 大きな赤字を出していきました。 これがものすごく困ったこととして報道されます。 人口が減る。 これはそんなに悪い事なの?っていう疑問が浮かぶのです。 私がこの疑問を口にすると必ず同じ答が返ってきます。 老人を支える若い人がいないと困る。税収が減るのが困る。と。 それじゃさ、人口ってずっと増え続けなければならないの? ずっと増え続ける、これから先ずっっっっと増え続けるってそれは、 不可能ってもんでしょう? 何故、増えることを前提とした話しかできないんだろう。 ここで私が長年抱いてきた疑問が再び頭をもたげてきました。 それは「何故会社は大きくしなければならないのか」という疑問です。 たとえば全国100店舗!とか。 どうして借金してまで大きくしたがるかがわからないんです。 無借金で2号店を作るのなら良いんです。 借金で100店舗作って何が良いんだろう。 無借金の家業から、借金ありの企業へという流れがわからないんです。 どうしてそうまでして大きく広げたがるのか。 会社というものは利益を追求する団体です。 100店舗を借金で作っても、これって貸す方も借りる方も 返して貰う返せるって思っていないでしょう。 待っている未来は貸した方、借りた方、双方の破綻としか思えないんです。 ひとつの例としてコンビニを挙げてみましょう。 コンビニの売り上げは全体には上がっています。 でも個々の店舗では売り上げは落ちています。 これはどういう事かというと、 店舗が増えた分だけしか全体の売り上げが上がっていないって事なんですね。 つまり、店舗を増やすことでしか全体の売り上げが伸びない所まで 来ているって事です。 だから100m先にコンビニがあったり、どうかすると道路挟んで向いに コンビニがあるなんて事にもなっているんです。 数字の上での「売り上げ」を伸ばすために新規店舗って、 それって、その新規店舗を建てるためや宣伝など開店までにかかった資金を 取り戻すだけでも、大変なんですよ。 粗利ではなく純利益で、ゼロになってからやっとそれからが利益です。 そう考えると、全然利益じゃないのに。 個別の店舗で売り上げが落ちてきている時点で、 これはもう末期現象というものでしょう。 そうまでして売り上げの「数字」が上がっている事にして、 店舗数拡大の方へ舵取りして広がろうとするのか。 高度成長は、いにしえの夢。 バブルが弾けてからずっと経済は低成長が続いています。 不況になると個人の収入が減って、みんなが安い物を買うようになって、 企業は安売りせざるをえなくなると、利益が上がらなくなって、 ますます個人の収入が減るデフレスパイラル。 その上、人口が減ってきています。 なんだか見通しのない不安ばかりって感じがします。 この不安はどこから来るのかと考えてみると、 「縮む世界」を経験したことがないから。というのではないのかな。 経済は右肩上がりを前提として話が進みます。 でも、永遠に右肩に上がり続けるってそもそも無理です。 人口もそうだし経済もです。 さて。ここで山猫通信らしく、生物たちの登場です。 あらゆる生き物たちは自分たちの数が変わっていく中で生きています。 生き物の特徴として、自分と同じ物を生み出して増えていくという性質があります。 生物といっても物質です。 1匹が2匹になるためにはその分だけ物質が必要です。 生き物は外からエネルギーを取り込んで、 それを消費していくことで生きていくことが出来ます。 想像してみて下さい。 自分がここまで成長するのにどれだけ多くの資源を使ってきたか。 ちょっと想像するだけでクラクラします。 次に生物の増え方を考えてみましょう。 話を単純化するために、ある生き物が1時間の間に1匹が2匹になるとします。 この生物は1時間後に2匹、2時間後に4匹って倍々ゲームで増えていくと、 24時間後には2の24乗で、167万匹を超えます。 48時間後だと2817兆匹を越えます。 大袈裟に思えるかもしれませんけれど、 大腸菌は条件さえよければ20分に1回分裂します。 どんな動物でも、ものすごい数まで増えていく事ができるんです。 でも、生物が増えるのには資源を使っていきます。 その分、資源は消費されます。 資源に限界があるからその限界まで増えた、いきものは その後、必ず減っていきます。 減っていく原因は他にもあります。 生き物は、消化できなかったものや自分にとって有毒なものを 排泄して体の外に出します。 という事は、自分では利用できないものが環境の中に増えていくという事です。 こういう排泄物がその生物のすむ環境に溜まっていく速度は、 繁栄している生物の数が増えるほど、 その生物にとっては環境が汚染されることになります。 排泄物の蓄積は、生き物の個体数を減らしていく要因になっていることでもあります。 私たちヒトにとっては、それは工場の出す排水であったり煙であったり、 ゴミであったり、広い意味では原子力発電所の出す放射性廃棄物もそれに該当します。 植物も同じです。 自分が使わない物質は、吸収しないからその物質は環境に残って溜まっていきます。 だから同じ土地で同じ作物を何年も栽培すると、 連作障害と言われる生育不良がでてくるんですね。 それから、ウサギとそれを食べるヤマネコの数の話があります。 ウサギが増えるとちょっと遅れてヤマネコが増えます。 増えたヤマネコに食べられたウサギは数を減らします。 食べ物が減ったヤマネコは、数を減らします。 捕食者の減ったウサギはまた数を増やします。 何かの加減で、数が増えてしまった生き物は、 見つけやすいのでエサとして利用されやすいという面もあります。 つまり、増えたものはいつか必ず減るというのは鉄則です。 永遠に増え続けるものはいません。 これは、ヒトも例外ではありませんし、 ヒトの営む経済も例外ではありません。 環境が有限である限り、増えた物はいずれ減ることになります。 「増えたものは必ず減る」。ここポイントです。 生物の生きていく環境には安定した環境と不安定な環境があります。 不安定な環境っていうのは、いつどこに現れるかわからない水溜りとか、 深い森の木が倒れて突然できた日の当たる草地のような所。 いつできるか予測不可能な短期間しか存続しない環境の事です。 このような不安定な環境に生きる生物は、さっさと生まれて、さっさと大人になって、 すぐにたくさんの卵を産んで、またいつか現れる環境に備えます。 カブトガニやある種のエビやカエルなどです。 取り込んだエネルギーは、たくさんの卵に使って 自分の体は簡単な作りで良いんです。 安定した環境っていうのはこの逆で、 いつもそこにあって長い間変わらないっていう場所です。 たとえば、一度深い森が作られてしまうと、森の地面が暗くなって、 あまり光を必要としない木以外は育つことができません。 その森は特定の樹木で構成された安定した環境の森林です。 他にも地中とか深海なども変化のない安定した環境です。 カメやトカゲは安定した環境に棲む代表的な生き物です。 たとえばね、多くのトリは1年くらいで成熟しちゃうんですけれど、 カメやトカゲって成熟するのに時間がかかるんです。 ゆっくり成長して長い時間生き続けて少しだけ子どもを産みます。 森林に住むカメは産む卵の数も少なくて、 大きめの卵を1回に1個しか産まないものがほとんどです。 安定した環境では生物は飽和状態で生きています。 飽和状態ってことは、もう数が爆発的に増えることが できなくなってしまったことです。 森林を考えてもそうでしょう。 空きスペースがない状態です。 同じ種類ではもういっぱいいっぱいなんです。 つまり誰かが死なないとそこに代わりのものが入れない状態です。 それから、どんな生物でも当てはまることなんだけど、 成熟した大人と、幼いものでは大人の方が競争能力は高いです。 幼いものは体も小さくて力も弱いですから、 たくさん産まれても空きポジションは少ししか現れないので、 ほとんどの子どもはそこに入りこめなくて死んでしまいます。 つまり、不安定環境では有利だった多産が、 安定環境では不利になるって事です。 それなら、子どもを少ししか産まなくて、 産みっぱなしよりも手間をかけて育てたり、 または産みっぱなしでも、卵を大きく産んで生まれてくる子どもを 死ににくくして、 子どもが開きポジションに入り込める可能性を高めた方が、 安定した環境では有利なんです。 さてここで私たちヒトの登場です。 ヒトは自分たちの住みやすいように環境を変えるような事を して数を増やしてきました。 安定的な環境を作ってきたんですね。 ヒトの最大の敵であった病気の蔓延も克服して、今や飽和状態です。 そのあまりの飽和状態が宇宙へ目が向いている原因ではないかと。 最近私は思っています。 で、先ほどのポイント。  「増えたものは必ず減る。永遠に増え続けるものはない」 この言葉がヒトに当てはまるときが来ました。 結婚年齢が上がったのも、出生率が下がってきたのも、 たぶん人口が飽和状態まで増えたからです。 カメの話のところで、安定環境では、世代交代する時間が長くなる方が 有利になる話をしました。 飽和状態では、個体の入れ替わりでしか、 新たな個体が入り込めないからです。 次に、最初の方でお話した会社の話をします。 会社の話はアリで説明しましょう。 アリの中にはスーパーコロニーともいうくらい巨大な集団をつくる種類がいます。 コロニーが大きくてその土地を占拠してしまえば、 他のアリのコロニーは入ってこれなくて、その土地の落下した木の実とか、 いつ出現するかわからない昆虫の死骸も独占できます。 不安定にしか存在しない餌を効率よく利用するのは大規模化したコロニーは、 とても有利のようです。 次に、小規模なアリの話を紹介します。 アリの中には10匹くらいしか働きアリのいない種類のアリがいます。 彼らは、地面がむき出しになっているような乾燥した荒地に住んでいます。 こういう場所は草木が生い茂ることができないので、 変化がなくて安定しています。 こういう安定した環境では、競争相手がいないのは巣のすぐ近くだけです。 遠くへ行くとかかるコストは大きくなります。 しかも遠くの方はすでに競争相手に占拠されています。 働きアリ1匹あたりが同じ時間で探索できる範囲が同じなら、 短い探索距離で、狭いところを探しつくすのに、 大型コロニーになってたくさんの働きアリを使うのは無駄です。 拡大可能な環境なら大型コロニーのほうが有利で、 きっちりと安定した環境なら小規模コロニーのアリのほうが有利なようです。 低成長な飽和した安定環境では、 ほんの少しだけコンスタントに現れる資源を 効率よく利用して生きていくのが良いですし、 それには、わずかな資源で維持可能な小さい規模が良いんですね。 それから小さいコロニーしかつくらないアリたちは、 みな同じ形をしています。 そう。大きなコロニーのアリたちは役割に応じた形になっているんです。 餌を噛み砕き、よそ者が来たら戦う大型の兵隊アリや、 幼虫の世話専門の小さめのアリや、餌を探して運ぶ専門の中型のアリなど。 だってそうですよね。 10匹くらいしか働きアリがいないのに、 兵隊アリがいて「僕、敵が来たとき専門だから」なんて 言ってられませんもんね。 つまり、小さなコロニーでは、みんなそれぞれが、 何でもできなきゃならないんです。 少人数でなんでもこなす中小企業と、 大企業でそれぞれが専門職でそれしかできない役割の中で仕事を している姿に重なります。 つまり、まとめると。 飽和した世界では大型化はもう合わないんです。 そして、飽和した世界では、できるだけ長生きして、ゆっくりと生きる。 華やかでなくて良い、生き延びることに重きを置くっていうことを 生物たちが教えてくれています。 日本はこれから人口の減少、そして少子高齢化の時代を迎えます。 するとどうやっても経済規模は小さくなります。 まず小さくなるという事を認めること。 拡大する社会を前提に考えるのは無理があることを 認めることからはじめなくてはなりません。 今までと違う価値観の社会を作らなければなりません。 それはわりと簡単なことだと思うんです。 欲望のレベルを下げる。 お金をかけないで満足をする。 多くを望まない。 ささやかな幸福を感じ取る感性を持つ。 これって草食系といわれる若者たちと一致します。 若者の車離れ、時計離れ、酒タバコ離れなど、 最近若者の何々離れとよく言われます。 戦後日本経済を作り上げてきた年配の人たちは、 この草食系の若者たちを、理解できないかもしれません。 生物は、置かれた環境に適応します。 そういうふうにみると、結婚しない、子どもを作らないなどの風潮も、 限られた経済状況で幸せに暮らすための適応かもしれません。    * * * * *  * * * * *                                        なぜ会社は大きくなりたがるのだろうという疑問は         なぜヒトは住む世界を広げたがるのだろうという疑問と同じだ。         永遠に拡大することは、ありえないのに。         増えすぎたものは必ず減る         この法則を破ることはできない。         拡大する世界は終わりを告げた         縮む世界への転換期         拡大するだけが幸せじゃない         縮む世界にも幸せはある。         シーラカンスの幸せ         カブトガニの幸せ         ゆっくりゆらゆらと漂う幸せ ━■みかりんの叫び━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 「クマの事故と交通事故」 秋になってまたヒグマ出没のニュースが流れるようになった。 去年は夏から、札幌市内にクマが出没する事が何度もあって結構な騒ぎになって そして季節は冬になっていった。 今年は秋分の日の行楽地の公園で足跡発見のニュースから始まりまった。 ニュースになった公園は、私んちの所の森と繋がっている森の、 (それでも車で20分くらい?離れてる)国営の大きな公園で滝を何本も抱えている公園だ。 (滝の数え方は本でいいの?)森の中に広大な面積を持つ公園。 そうか、あそこにヒグマの足跡が。 まぁ、いるだろうな。 このニュースを皮切りに、また札幌市内のヒグマの目撃情報が相次いでいる。 で、ちょっと思ったことがある。 たぶんそれは多くの人に共感されない考えかもしれない。 ちょっと思いつくまま書いてみるね。 去年、平成24年の日本の交通事故死者数は4411人。1日平均の死者数は12人です。 2時間に1人が交通事故で死亡してる事になる。 日本全体で言うなよっていうなら、北海道での交通事故死者数は200人。 これは負傷者の含まれていない数。 ヒグマの被害は本州のツキノワと北海道のヒグマを合わせても 0人〜1人。多い年(2006年)で5人。 http://www.wwf.or.jp/activities/2012/01/1039017.html  だいたいは0人から1人。 交通事故の方がずっと多い。 車の方がずっと危ないし怖いし危険で身近だ。 でも、クマにまたはオオカミに襲われたという事故はとても大きく報道される。 かつて、たとえばインドの方でオオカミに人が襲われた事故があって、 それがアメリカで報道されてそれはそれは大きなニュースになったことがあった。 数千kmも離れた大陸も違う動物と人との事故なのに。 報道する方も受け取る方もニュースとしての価値を見出していたという事になる。 これはどういう事だろう。 たぶん。 ヒトはずっと動物に襲われて、もっと言うと動物に食べられて進化してきた。 その恐怖がいまだに残っているじゃないか。 客観的に見るなら、現代においては交通事故死の方が身近に降りかかる災難にも関わらず、 動物との事故の方に重きを置いて隣人に伝えたくなる。 なんていうか動物に襲われるという事は、脳を直撃する恐怖なんだろうか。 喰われて進化してきたヒトの恐怖心を刺激するのだろうか。 確かにヒグマは怖い。 でも身に降りかかる確率は交通事故の方がずっと多い。 どうして交通事故は大きく取りあげられないで、 ヒグマの足跡だけでこんなに大騒ぎになるんだろう。 交通事故はありふれているから? それじゃさ、この交通事故死者数の数とクマ事故の死者数が逆転していたら どういう扱いになるんだろう。 クマ事故死者数が4000人。 交通事故死数が0人〜1人。多い年で5人。 身近なクマ事故。怖ぇぇぇぇ〜。 こんな社会嫌だよ。たぶん本腰入れて駆除とかするんじゃないかな。 ヒトはサルの時代から、もっと言えばそれより以前から、野生動物と戦って 喰われながら進化してきた。その記憶が、交通事故の方が重大にも関わらず 野生動物事故を重大と見せるんじゃないか仮説。 交通事故とクマ事故の、現代人の重きの置き方の考察、これからも続けようと思う。    * * * * * * * * * * * 先日道北の方へ旅行に行ってきました。 礼文島とサロベツ原野と、苫前町の三毛別羆事件(さんけべつヒグマじけん)現場です。 礼文島とサロベツ原野については次回のこの欄でお話するとして 今回は、三毛別羆事件の現場に行った話を。 三毛別羆事件についてはここで。↓ http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%89%E6%AF%9B%E5%88%A5%E7%BE%86%E4%BA%8B%E4%BB%B6 写真を撮ってきました。 ここ。↓ http://www.phoenix-c.or.jp/~daichi-m/yamaneko/higuma.htm 三毛別羆事件の現場は苫前町って所からどんどん山奥に入っていきます。 ええええぇっぇぇっていうくらい。 山奥まで田んぼがあります。稲が色づいていました。 こんな山奥に入植して、開拓の頃の人々の苦労はいかばかりかと 思いをはせずにはいられません。 で、急に道幅が狭くなって舗装道路が切れます。 そしたらまもなく現場です。 現場は再現された小屋が立っていて再現された模型のヒグマがいます。 人の気配はありません。 森の中に忽然とそれらが現れるんです。 碑が立っています。 その碑にはまぁ、wikiに書かれているようなことが刻まれていて、 それとはまったく別に板にマジック書きで怖いことが書かれていました。 「碑にお供えなどの食べ物を置かないでください。ヒグマが食べにくるので」 みたいな事が書かれていました。 怖ぇぇぇぇ〜。 近くの木にはその時のヒグマがつけたと思われる爪あとが残っています。 資料館はずっと離れた苫前町の街中にありました。 そこでは、民放の所さんの番組で事件を再現したビデオを見せてくれました。 このビデオを見る前に現場に行ったんです。 ビデオを見てからなら行けませんでした。 エゾヒグマはヒグマの中ではそう大きいほうではありません。 と、今まで言われていました。私もそう思っていました。 でも、そういう事ではないんだと分ってきたんです。それも最近です。 たしかにエゾヒグマは、ヒグマの仲間の中では小さい方だ。 カムチャッカ半島のヒグマはでかいし、アメリカ大陸のグリズリーもでかい。 (グリズリーもヒグマの仲間ね) で、最近わかってきたのは、クマの幼年期の食べる量で、 成獣になったときの大きさが決まるのではないかという事。 だから北海道のヒグマを大きくなる可能性はあるって事なんですね。 でも、ここまで大きいヒグマはやはり特別でしょう。 しかもそれが人喰いになってしまった。 普通に怪物だと思います。 ━●編集後記━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ★メイン記事のコンビニの例で、大手2社に唯一負けていないご当地コンビニがあります。  それは北海道のセイコーマート。  http://business.nikkeibp.co.jp/article/report/20130326/245646/  道内どんな所にもあります。  セブイレやローソンが進出してこないような所にもあります。離島にもあります。  そして品揃えは各店舗違います。他のコンビにより安価です。  アリの所でも説明しましたけど、  成長しない世界では「大きいこと」「強いこと」は最も適応ではないんです。  小さくて特殊な環境で生き残るには、他社に真似できない「売り物」がなくてはなりません。  低成長の環境で生き残るものたちは「弱いからそこにいる」のではないんです。  その狭い環境ではとても「強い」んです。     たぶんね、もう拡大する世界の価値観ではやっていけない時代に入ったと思うんだよ。    メイン記事の最後の3行。ここをすごく言いたかったんです。  >生物は、置かれた環境に適応します。  >そういうふうにみると、結婚しない、子どもを作らないなどの風潮も、  >限られた経済状況で幸せに暮らすための適応かもしれません。 ★ラジオ山猫通信がリアルタイムで、  パソコン、スマートフォンから聴けるようになりました!   http://www.radiokaros.com/simulradio/  ↑ここがカロスのサイトの「インターネット放送聴取方法」のページです。  パソコンからスマートフォンから、カロスの放送を聞く方法が載っています。  http://www.simulradio.jp/  ↑ここがサイマルラジオのサイトです。  ここから全国のコミュニティーラジオが聞けるようになっています。    このサイトを開いたらちょっとスクロールすると「北海道」という場所があって  その下の方に「ラジオカロスサッポロ」という場所があります。  そこの「放送を聴く」をクリックするとメディアプレイヤーが立ち上がって、  リアルタイムに放送を聴くことが出来ます。  ラジオ山猫通信は、第一月曜日と第三月曜日の19:00〜19:30です。  明日10月7日19:00から「太陽に依存しない生物とヒトの目的の話」が  リアルタイムで聞くことができます。  バックナンバーは、「やまねこ通信 E=MC二乗」のサイトの「ラジオ山猫通信」の  場所から、いつでも好きな回のお話を聴くことが出来ます。   ★今回のこの「縮む世界で生き延びる話」は、  ネットでいつでも好きな時に聞くことができます。  http://www.phoenix-c.or.jp/~daichi-m/yamaneko/yamaneko.htm  ここの右側「ラジオ山猫通信」をクリックしてスクロールして  「おばあさんの存在が火星移住の原動力になった話」をクリックすると聞けます。  すぐに聞けない人は、じっと待ってみて。きっと聞けます。  http://crashlanding.under.jp/rajiyama0902.mp3  直接URLはここです。  今回の文は、おおむねラジオ原稿そのままです。  ラジオ用をメルマガ用に書き換えているけどね。 ★vol.184の参考書籍       縮む世界でどう生き延びるか?    著/長谷川英祐                            メディアファクトリー新書      ★予告です。 10月7日放送「太陽に異存しない生物とヒトの目的の話」(収録終わった)  (ネットにUP予定は10月21日) 10月21日放送「海流と漂流とアホウドリの話」(書き終わった)  (ネットにUP予定は11月4日) 11月4日放送「高い山と海底ケーブルの話」(書き終わった)  (ネットにUP予定は11月18日) 11月18日放送「昔過ぎて知らなかった本当は絶滅していない話」(これから書く)  (ネットにUP予定は12月2日) ★ラジオ放送が月二回隔週であります。  最初はメルマガを元に原稿を書いてたけど、  今は、書き下ろし原稿です。  それをメルマガに転用するという逆転現象が  最近のメルマガ版「やまねこ通信 E=MC二乗」であります。 ★どうぞお時間のある時に「ラジオ山猫通信」も聞いてみてください。  9月2日の放送で、丸4年目でした。  5年目に突入の「ラジオ山猫通信」  どこまで続くんだ?  ここまで来たらいける所まで行ってしまえ!  最近は、トチらずスラスラよどみなくしゃべっているように聞こえます。  慣れてきたのです! ウソです。(笑)  編集で直して貰っているんです。 そのためずいぶん聞きやすくなっています。  決して私のしゃべりが上達したのではありません。  編集がうまくなったのです!(キッパリ) ★私はいつも「やまねこ通信 E=MC二乗」の事が頭の隅にあります。  次回テーマは何にしようかと常に思っています。  「やまねこ通信 E=MC二乗」は、私みかりんを構成している大事な要素です。 ★「やまねこ通信E=MC二乗」では、あなたからの投書を受け付けています。  動物・植物・環境・宇宙・時間・哲学このメルマガの趣旨に合うような投書を  気軽にメールに書いてね。  過去に取り上げた記事からの話題も歓迎しています。 蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹     ★彡★彡★彡★彡★彡『蟹屋 山猫屋』★彡★彡★彡★彡★彡 生まれも育ちも北海道育の“みかりん”が、北海道の味覚を全国の方に広めるために 『蟹屋 山猫屋』を立ち上げました。一級品の道産品をお手ごろ価格でネット販売! 読み物としても楽しめるものを目指しているよ。    登録はここ→ http://www.phoenix-c.or.jp/~daichi-m/kani/   山猫屋の蟹は冷凍ガニではありません。ボイルしたてを食卓に直送! 蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹    ↑↑↑  私、みかりんのもうひとつのメールマガジン。  北の味覚。海産物。蟹おいしいよ〜。海水ウニもありますよー。  予算はこれくらい。食べる人数はこれくらい。と教えてくれたら、その中で  できる限りのご提案をします!山猫屋の蟹は冷凍物は扱っておりません!  さぁ、タラバ食べたいよう、毛ガニ食べたいようのメールをみかりんに書こう。  タラバも毛蟹も良いのが入荷してきています。  北の食材たちは脂が乗っておいしいです。  この機会に、どうぞ冷凍ではない蟹を!  ご贈答に、山猫屋の海産物を。 それじゃ、今回はここまで。 あなたのお便り待ってます。 daichi-m@phoenix-c.or.jp じゃね。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 「西沢直樹」という名前の知り合いがいる。 彼の最近の署名は「半沢直樹」と書いて「半」の上から「×」を書いて その上に「西」と書く。 ブーム期間限定の署名だ。 ちょっとうらやましい。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ○ やまねこ通信E=MC二乗 vol.184  2013年10月6日発行 http://www.phoenix-c.or.jp/~daichi-m/yamaneko/yamaneko.htm ○発行編集者 みかりん daichi-m@phoenix-c.or.jp ○発行システム: インターネットの本屋さん「まぐまぐ」ID:0000052530 http://www.mag2.com/ ○登録/解除 http://www.phoenix-c.or.jp/~daichi-m/yamaneko/yamaneko.htm ○やまねこ通信は、素人みかりんが趣味で発行しているもので、情報の正確さには  まったく自信がありません。引用して弊害が起きても責任は持てないよ。  それから誤字脱字変換ミスは大目に見てね。気を付けるけれどさ。えへ。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━