2013/11/3━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 幽玄の森羅万象の散歩道 動物行動学からの性♂♀の話・動物・植物・環境・宇宙・時間・哲学 興味のおもむくまま“みかりん”の しゃべりんぐ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━目指せ1万部! ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆         やまねこ通信 E=MC二乗                                vol.186 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ こんにちは。 みかりんです。 北国はもう冬の気配です。 内陸の方に住む私は、夏が過ぎると海をみる事はまずなくなってしまいます。 でも海を連想させる不思議な光景を札幌で見ることがあります。 それはススキノなど街中でみかけるウミネコ。 みゃーみゃーと鳴く声に耳を傾けて、目をつぶればそこはまるで海辺です。 ここの所、人類がーとか、宇宙がーとか、壮大な話が続いたので、 今日はちょっとゆるく思いつくままに、 海とか鳥とかから連想されるお話をしていきましょう。 とりあえずタイトルとしては「海流とアホウドリの話」です。 でも違う話もします。 ここに↓バックナンバーがあるよ。『内容一覧』という所をクリックしてみて。 http://www.phoenix-c.or.jp/~daichi-m/yamaneko/yamaneko.htm 「ラジオ山猫通信」も、ここから聞くことができます。↑ ━■海流とアホウドリの話━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ずっと気になっているのが街で見かけるウミネコです。 私は以前、札幌中央卸売市場の辺りで仕事をしていました。 その頃からだから10年くらい前には、もうすでにウミネコは中央卸売市場の辺りに いました。 周りの人に聞いたら、そう最近はいるんだよねーという声は聞けたものの、 いつからという確実な情報は得られませんでした。 で、私が気付いた10年前くらいから、地域の新聞や地域のテレビ番組などで、 街中を流れる豊平川にウミネコを見かける、いや、ススキノにもいた、街なかで カラスとゴミを取り合っていた、という報道が目に付くようになりました。 ウミネコはどこから来たのか。というと海から来たに決まっています。 だいたい札幌の街なかから海辺まで車で1時間はかかります。 私が住んでいる所にも、その頃、ウミネコは現れました。 私はどっちかというと札幌でも山の方に住んでいます。 山にウミネコ。朝起きてウミネコの声。ものすごく変な光景です。 でも、1年ほどでうちの近所の山のウミネコはいなくなりました。 ススキノには今もいます。 それどころか繁殖もしているようです。 どうしてウミネコは街に住むようになったんでしょう。 一説には、台風などの大風に飛ばされて居ついたとも言われています。 でも、そういう大風は今に始まったことではありません。 昔からそういう風は吹いていました。 でも住み着くようになったのはたぶんここ10年くらいからだと思います。 これは札幌だけの事なんだろうなと思っていたら、 今年8月、新聞にこんな記事が載りました。  「東京・上野のビル街で、野生のウミネコが繁殖、   ひなも成長し親鳥とともに巣立っていった。   都市部でウミネコが繁殖するのは世界的にも極めて珍しい。   ふんや騒音に悩まされる住民から苦情が寄せられた」 という記事です。 上野っていうのは、魚が獲れる東京湾から直線距離で10kmも入った所にあります。 っていう事は、札幌や東京だけじゃないかもと思ってネットで調べてみると、 大阪市でもウミネコが確認されているようです。 これはどういう事だろう。 たぶん餌があるから居付くんだと思うんです。 今までは、たとえば大風で飛ばされてきても、 ウミネコが暮らせる環境ではなかったので海へ帰っていったんだけど、 現在の都市部ではウミネコが暮らせる環境が揃ってしまっているって事なんでしょうね。 都市部ではカラスを養うほどの餌があります。 そしてウミネコも養えるって事なんですね。 でも、水かきのあるあの足ではカラスのように電線には止まれません。 このまま都市部でカラスと競合しながらウミネコが世代を重ねると、 もしかしたら、水かきがなくなって電線に止まってにらみを効かすウミネコが 現れるかもしれませんね。 都市部のウミネコは、新しい棲みかを見つけた新世代ウミネコって 事なのかも知れません。 今日は、ウミネコの話をしたかった訳ではありません。 実は私は結構好きな鳥がいます。まだその鳥の本物は見たことがありません。 その鳥とは、ウミネコを2倍くらい大きくした鳥、アホウドリです。 全長1m、羽を広げたら2m以上、それはそれは悠々と飛ぶ素晴らしい鳥です。 アホウドリ。このアホウドリという名前にはとても不満です。 英語名ではアルバトロスといいます。 なんかかっこいいですね、アルバトロス。 どこかで聞いたことありませんか?  聞いたことがある人、それはたぶんゴルフだと思います。 ゴルフ用語って鳥の名前なんですよ。 規定の打数よりひとつ少ないのが小鳥という意味のバーディ。 2打少ないのがイーグル。鷹ですね。 3打すくないのが、ダブルイーグルまたは、アルバトロスなんです。 もっと言うと4打少ないのが、トリプルイーグル、または、ダブルアルバトロス、 またはコンドルです。 ゴルフ界では、アホウドリは鷹2羽分で、コンドルは鷹3羽分、 またはアホウドリ2羽分って事なんですね。 アホウドリは絶海の孤島の火山島、鳥島に多く生息しています。 場所はね、伊豆諸島の南端に八丈島があります。 八丈島は東京から約300km南にあるんですけれど、 鳥島はその八丈島からさらに300kmほど南にあります。 絶海の孤島と言っていいと思います。 実はこの絶海の孤島の鳥島に、 江戸時代後期の150年の間に記録に残っているものだけでも、 十数隻もの船が漂着しているんです。 だいたい10年に1度くらいの割合で、大嵐で制御できなくなった船が、 このアホウドリの楽園の絶海の孤島、鳥島に、漂着しているんですね。 大海原に点のような小さな絶海の孤島に奇跡のようにたどり着いています。 海流の関係か、鳥島は漂流した船を呼ぶ島なのですね。 私がアホウドリが好きな理由は、漂流話がすごく好きだからなんです。 色々な漂流話を読み漁りました。 特にこの鳥島の漂流の話が好きで、そこには必ずアホウドリが出てきます。 漂流の船は江戸と大阪へ物資を運ぶ船や漁師の船です。 江戸時代は沿岸航海や沿岸漁業が中心です。 そして、天候の読みは、船頭の経験と勘が頼りでした。 事故はだいたい冬の海で起こりました。 太平洋沿岸の冬の海は、世界でも有数の難所です。 ちょっと冬の衛星写真を思い出してみてください。 日本列島から南東の太平洋上にむかって、 幾筋もの雲の帯がハケで掃いたように映っています。 大嵐に遭って制御を失って何日も漂流して、 命からがらやっと漂り付いた鳥島は、 当時船乗りたちの認識している世界の外でした。 世界は、せいぜい八丈島が南の果てで、 その八丈島も流刑地として知っていた世界の果てでした。 鳥島は、そこからさらに300kmも南の絶海の孤島です。 鳥島は漂流船を呼び寄せる割には、漂着民に全然やさしくありません。 病死、衰弱死、怪我、仲たがい、絶望、かすかな希望、生き抜く工夫。 ありとあらゆる困難を強いてきます。 漂着した漂流民は、それぞれのやり方で島を抜け出そうとします。 失敗もあります。 島にいた滞在日数はそれぞれです。 短いもので1ヶ月の人や、数ヶ月の人。長い人では、7年、9年、 最長で20年という人もいます。 20年という記録は、おそらく世界でも例がないと思います。 ロビンソンクルーソーの話は有名ですけれど、あれは創作です。 この20年を生き抜いて生還した人たちは、3名。 67歳、61歳、42歳です。 自力で船を作って八丈島まで行くことができました。 そこで取り調べを受けて江戸城に呼び出され、 将軍吉宗が謁見して労をねぎらったという記録があります。 でも20年はあまりにも長いです。 故郷では死んだものとして弔いも終えているでしょうし、 その後も葛藤はあったでしょう。 20年も長く滞在した者もいれば、今、まさに島を出ようとした所に 新たに漂着した船もあって、一緒に脱出できたという滞在時間数時間という 超ラッキーな漂流民もいます。 漂着の歴史の前半は、自力脱出組です。 自分たちが乗ってきた船を修理したりして脱出を図ります。 自分たちが乗ってきた船が岩にたたき付けられて、 まったく残っていない人たちの中には、 船の設計、工具や金具づくりからはじめた人たちもいました。 船の建造に3年かけました。 船は高台で作ったので、海辺まで船をおろす道づくりに3年かけて脱出しました。 海と島は、船を破壊したけれど、 難破した船の残骸や、竹、帆を張る布の一部などが漂着して、 海は、ひととおりの資材を提供してくれたようです。 っていう事は、どれほどの海難事故が起きていたかという事でしょう。 そして大海原で点のような島に漂着した奇跡はどれほどのものだったんでしょう。 この脱出組は、このあとにいずれまた誰かが漂着してくる事を予想して、 島での暮らしのノウハウを島に残しているんです。 これも世界に例がないと思います。 アホウドリの捕獲時期・肉の貯蓄法を書き記して、 船の作り方を伝えるために「船の模型」を作って置いていくのです。 雨水を溜めるオケや鍋、火打石、そして自分らが漂着したことも 板に記して洞穴に置いていく。っていう事を代々やっていきました。 すばらしいシーマンシップです。 後半の脱出組は、また事情が変わってきます。 1820年頃から捕鯨が盛んになってきて 多くのアメリカの捕鯨船が日本近海にやってくるようになりました。 さらに、19世紀中ごろからのゴールドラッシュがきっかけで、 アジアと北米を結ぶ商業航路ができて、外国船の行き来が急増したんです。 日本の漂流船が海上で、救助されるようになりました。 鳥島漂着組もその恩恵にあずかるようになったんです。 その中に有名な中浜万次郎がいます。のちのジョン万次郎です。 14歳で手伝いで漁に出て、今の高知県の土佐清水から5日間漂流して、 仲間4人と共に数ヶ月間、島で暮らして、アメリカの捕鯨船に助けられます。 当時鎖国していたのですんなりと日本へ帰れなかった一行は ハワイに下ろされますけれど、利発な万次郎は船長に気に入られて、 本人の希望もあってアメリカに渡り、船長の養子となって勉学に励みます。 その後、万次郎は、漂流から11年目にしてやっと日本の地に降り立つことが 出来ます。 アメリカ帰りの万次郎が、当時の日本人に与えた影響は大きいです。 万次郎は、後の日米親和条約締結にも力を尽くしました。 それもこれも、鳥島にアホウドリがいたからです。 アホウドリがいなかったら万次郎たちは生き延びることはできなかったし、 幕末の日本史はちょっと変わっていたかもしれません。 アホウドリは、渡り鳥です。 夏の間はベーリング海やアラスカ湾やアリューシャン列島周辺にいます。 冬になると繁殖のために鳥島にやってきます。 かつては、ものすごい数のアホウドリが島にやってきたそうです。 でもその存在は知られていなくて、漂流した漁民の話としてしか 伝わっていませんでした。 「伊豆の海に鳥柱というものあり」とか 「白い鳥が多数舞い上がって、地上から見えないくらい高さまで飛ぶ鳥もいて、 大きな白い柱を海に立てたようだ」などの記述が残っています。 当時は、信天翁(しんてんおう)とか沖の太夫(おきのたゆう)と呼ばれていました。 大きくてゆったりと飛んで堂々としていて、 アルバトロスに負けていない立派な名前です。 そんな立派な鳥が辺りを埋め尽くすほど生息していたのです。 人間を見たこともない鳥たちは、逃げることもしないので、 漂着民は、食べ物に困ることはなかったようです。 最初の頃の漂着民は、この大きな鳥がいることで食料には困らないと ゆったりと暮らしていましたが、ある日を境にいっせいに鳥たちが飛んで行って しまって愕然としました。 あんなにいた鳥たちが一羽もいなくなってしまったんです。 その絶望感。 今度いつ鳥たちは帰ってくるだろうと毎日空を見上げていた事でしょう。 半年、なんとか生き延びて鳥たちが帰ってきた時の喜び。 想像するに余りあります。 今度は失敗しないように干し肉を作り貯蔵方法を工夫します。 漁師なので干し魚の知識が役に立ちます。 そして島を脱出する時に、その工夫を島に残していきました。 アホウドリは漂着民の命綱でした。 その後、アホウドリは受難の道を歩みます。 明治政府が出来て20年、やっと世の中が落ち着いてきた頃、 鳥島のアホウドリたちは、羽毛の乱獲のために急激にその数を減らしていきます。 それまで信天翁、沖の太夫と呼ばれていた鳥は、 あまりにも簡単に捕獲されるのでアホウドリ、バカドリと呼ばれるようになりました。 一面真っ白になるくらいの鳥は、ほとんど見かけなくなってしまうくらいに 数を減らした所に、繁殖地である鳥島の火山が噴火して、 その後の調査でも鳥は発見されなくて、絶滅したと考えられていました。 それが1951年、わずかな個体数が鳥島で繁殖しているのが発見されて、 現在でも個体数を増やすために、多くの人々が大変な努力をしています。 アホウドリというあんまりな名前を、本来の沖の太夫という名前に改名しようと 提案している学者がいます。 その一方で、このひどい名前は、悲しい歴史を忘れないために、 あえて改名しないという考えの人もいます。 私は、沖の太夫という名前に1票を投じたいです。 大きくて雄大でおおらかな鳥。 絶海の孤島に人知れず群れて暮す大きな白い鳥の話でした。 鳥島に多くの漂着民をもたらしたものは、冬の嵐ですけれど、 黒潮の流れに沿ったものでしょう。 海にはこのように海流という流れがあります。 1992年というから今から20年ほど前の事、ある海難事故が起きました。 香港からアメリカのワシントン州のシアトルに向かうコンテナ船が 悪天候に巻き込まれて、積んでいたコンテナが太平洋上に投げ出されました。 海に投げ出されたコンテナは破損して、 コンテナにいっぱい入っていた約3万個のラバーダッキーが海に ぷかぷかと浮かぶ事になりました。 ラバーダッキーとは、ゴム製の黄色いアヒルのオモチャです。 中が空洞になっていて、お風呂に浮かべて遊ぶアレです。 想像してみてください。 3万個もの黄色いアヒルのオモチャが海にぷかぷかと浮かんでいる所を。 なんというマヌケな光景!(笑) それから3万匹ものラバーダッキーたちは、そのまま潮流に乗って南へ向かいました。 3分の2が(っていう事は約2万個のアヒルたちですね)、 インドネシアやオーストラリア、さらに南米の沿岸に漂着しました。 残りの3分の1が(1万匹ものアヒルたちが)南米から北米の沿岸伝いに 太平洋を北上したんです。 そして1年後にはアラスカに到達している事が確認されました。 そしてさらに西へと向かったグループがいて、 3年後には日本に漂着するものがいました。 という事は、太平洋をほぼ一周しているって事です。 日本に向かわないグループもいました。 ベーリング海峡を抜けて北極海に入ったグループです。 北極海に入ったラバーダッキーたちは、そのまま氷に閉じ込められて、 氷ごと移動したらしく、8年後の2000年には大西洋に入りました。 その後、氷から離れて漂流を再開します。 そして2003年には北米大陸の北大西洋域で確認されるようになりました。 そして2007年の時点で、ダッキーたちは、イギリス・アイスランドに 向かっていると報道されました。 このラバーダッキーたちの大航海は、海流学者、気象学者の注目を集めました。 世界の潮流の動きや、それが気象に及ぼす影響の研究になるからです。 もし海で彼らを見かけたら、または沿岸で彼らが漂着しているのを見かけたら、 アメリカの調査会社によって報奨金もでているようですので、 どうぞ連絡してみてください。 でももう漂流を始めてから20年も経っています。 鮮やかだった黄色い色も、紫外線の影響で白くなっているらしいです。 でもそれがコレクターの間で高値で取引もされているようです。 ラバーダッキーたちの大航海で少なくとも、 20年で海は世界中を巡ってしまうという事が分りました。    * * * * *  * * * * *                                      海は物語の宝庫。       水かきがあるくせに内陸で暮らそうとするウミネコ。       冬の嵐の海を、舵を失って木の葉のように翻弄されて流される船。       絶海の孤島は、漂流船を呼び寄せる。       漂着民と、大きな白い鳥の関係。       大きな白い鳥の楽園だった、       絶海の孤島の悲しい歴史。       3万個の黄色いアヒルたちにも物語がある。       海は流れる。       流れは物語を生み、       そして時間が何もかも消し去っていく。       海は物語の宝庫。       人々の記憶から消えても       海は物語を紡ぎ続ける。 ━■みかりんの叫び━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  「ハトやニワトリのの首振り歩行の考察」 前号、vol.185「太陽に依存しない生物とヒトの目的の話」で大いに参考にした本が 長沼毅さん著の「世界をやりなおしても 世界は生まれるか?」です。 チューブワームの話などものすごく面白くて、ずいぶん読み込みました。 でも、1ヶ所どうしても納得できない謎な言い回しがあったんです。 そこの所を抜粋してみますね。   ========   ニワトリやハトって歩くときに首を振るでしょ。前をツンツンする感じで。   実はあれは首を前に振るのではなく、後ろに戻しているらしいんだ。   いま見た景色を記憶するに時間がかかるので、歩いて移動した分、首を   後ろに戻して景色を固定するんだって。   その証拠にルームランナーで歩かせると首を振らないっていうんだ。   ルームランナーならいくら歩いても景色が固定しているからね。   で、歩いて移動するってのは、空間を移動することであるとともに、   時間も流れるってことでしょ。なのに、ニワトリやハトの場合は、首っていうか   「脳の中の世界」は空間的にも時間的にも1秒くらい前の世界に残っているんだよ。   あたかも、首を後ろに戻すことで時間を逆行させているみたいで面白い。   でも、厳密には逆行っていうより、せいぜい時間を固定するっていうくらいかな。   ======== 確かにハトが歩くときの首振りは気になっていた。 ゆっくり歩くとゆっくり首を振る。普通に歩くと普通に首を振る。 どうして首を振るのだろう。 体の仕組みが、足を動かすと首が動いてしまうのかと漠然と思っていた。 だけど、なんだ? ハトやニワトリが時間を固定しているっていう意味がわからない。 そんな高尚なことを彼らがしているとは思えない。 で、ネットで色々検索してみました。 まず、ハトをルームランナーで歩かせたら、首を振らないで歩く。っていうのは 本当だった。 エレベーターの手すりを歩くハトの動画があって、首を振っていなかった。 って事は、私が漠然と思っていた「歩く」と「首を振る」が 連動している体の仕組み説は、あっさり崩壊。 鳥類の多くは眼球をほとんど動かす事ができないらしい。 頭の左右に目が付いているハトなどの鳥類の場合、 歩くと横方向の景色は常に前方から後方へと流れて動いている状態となる。 草食動物の多くも、目は、人間のように正面ではなく、頭部の左右についているけど 彼らは、眼球を動かすことが出来る。 眼球を動かせない鳥は、自分が歩くと景色は流れて良く見えないんだね。 人間はバスや電車などの乗り物に乗っている時、流れる景色を見るとき、 景色のある一箇所を見て、それを眼球の動きで追っている。 そして見ているものが後方に消えたら、また次のある一箇所を見て それを追って…という動作を無意識に繰り返す事をやっている。 流れる景色を車窓から見ている人の眼球を観察してみたら判るよ。 目はせわしなく左右に動いているから。 眼球があまり動かない鳥は首を振ることで、流れる景色を止めてみているらしい。 だからハトやニワトリが、ルームランナー上で歩いても景色は止まってみえるし、 目隠しで歩くと景色は見えないしで、そういう条件下では 首を振る必要がなくなるって事らしい。 頭の位置を空中のある一箇所に固定して、周囲を良く見て、 胴体が前進して頭をそこに固定していられなくなったら首を前に出し、 また次の一箇所に固定して周囲を良く見て…という動作を繰り返している って事なんだね。 胴体を基準に見ると首を前後に振っているように見えるけど、 空間座標を基準にすると、頭(及び目)は、 「停止・前進・停止・前進……」という動きになっていて、 停止する時間を作る事で、周囲の状況をみる事ができるって理屈らしい。 首振り歩行は地面のような近い距離の餌を探しながら歩いているからとも 考えられていて、餌を探さないで急いで歩いている時は首を振らないで歩く。 そしてハトは、飛行中には首は振らない。(笑) 餌を探すため地面をよくみるために、首を固定されている時間を作って 流れる景色を止めているっていう状態が、ハトやニワトリの首振り歩行って事か。 興味深い動画を見つけた。 http://www.youtube.com/watch?v=sXUeO3auRZg#t=11 なんと、空間で頭を固定できるんだね、ニワトリ。 こんな事ができるのも、首振り歩行に関係がありそうだね。 ━●編集後記━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ★昨年7月に旭山動物園から逃げ出したヨーロッパフラミンゴについて  このメルマガは何度も取りあげました。  失敗し、なおかつ犠牲まで出したオトリ作戦。  逃げ出したフラミンゴは昨年10月の目撃情報を最後に消息を絶ちました。  今年10月31日の北海道新聞朝刊に  「11月3日までに有力な目撃情報がなければ捜索打ち切りとする」という  記事が載りました。  もちろん目撃が合った場合はまた捜索開始しますけど。という事です。  フラミンゴは渡り鳥です。  かなりの飛行能力があります。どこかで生きている可能性はあります。 ★ハトやニワトリの首振り歩行について、ごちゃごちゃと書いたけど  たぶん大体は合っていると思うんですよ。  でも、アヒルは首振らないで歩くんだよなぁ。   ★今回vol.186は鳥がたくさん出てきたね。  ウミネコ、アホウドリ、黄色いアヒルのおもちゃ、ハト、ニワトリ、  ヨーロッパフラミンゴ。 ★山にいるウミネコ…ヤマウミネコ?ヤマネコ?(笑)  で、ヤマネコがネコ科でウミネコが鳥の仲間って命名的に変だよね。  海にいるネコがいたらそれこそウミネコだよね。  このメルマガは「やまねこ」。蟹は「山猫屋」。(笑)  不思議と「どうして『やまねこ』通信なの?『山猫』屋なの?」  って質問は来ない。  今まで多くの動物について語ってきたけど「ヤマネコ」という動物に  ついて語った事はない。 ★ カモメとウミネコってどう違うんだろうって思って調べてみました。  ・ウミネコの目が黄色で目つきが鋭い。凶暴そうな目つき。足はハッキリとした黄。  ・カモメは、黒目がち。頭が丸くて可愛い感じ。足は薄い黄色。一回り小さい。  だけど、カモメにもいろいろ種類があって、やっぱり見分けにくいそうです。 ★ラジオ山猫通信がリアルタイムで、  パソコン、スマートフォンから聴けるようになりました!   http://www.radiokaros.com/simulradio/  ↑ここがカロスのサイトの「インターネット放送聴取方法」のページです。  パソコンからスマートフォンから、カロスの放送を聞く方法が載っています。  http://www.simulradio.jp/  ↑ここがサイマルラジオのサイトです。  ここから全国のコミュニティーラジオが聞けるようになっています。    このサイトを開いたらちょっとスクロールすると「北海道」という場所があって  その下の方に「ラジオカロスサッポロ」という場所があります。  そこの「放送を聴く」をクリックするとメディアプレイヤーが立ち上がって、  リアルタイムに放送を聴くことが出来ます。  ラジオ山猫通信は、第一月曜日と第三月曜日の19:00〜19:30です。  明日11月4日19:00から「高い山と海底ケーブルの話」が  リアルタイムで聞くことができます。  バックナンバーは、「やまねこ通信 E=MC二乗」のサイトの「ラジオ山猫通信」の  場所から、いつでも好きな回のお話を聴くことが出来ます。   ★今回のこの「海流と漂流とアホウドリの話」は、  ネットでいつでも好きな時に聞くことができます。  http://www.phoenix-c.or.jp/~daichi-m/yamaneko/yamaneko.htm  ここの右側「ラジオ山猫通信」をクリックしてスクロールして  「海流と漂流とアホウドリの話」をクリックすると聞けます。  すぐに聞けない人は、じっと待ってみて。きっと聞けます。  http://crashlanding.under.jp/rajiyama1021.mp3  直接URLはここです。  今回の文は、おおむねラジオ原稿そのままです。  ラジオ用をメルマガ用に書き換えているけどね。 ★vol.186の参考サイト         千石船         http://homepage2.nifty.com/raputar/sengok1FrameSet1.html         ラバーダック         http://ja.wikipedia.org/wiki/ ★予告です。 11月4日放送「高い山と海底ケーブルの話」(収録終わった)  (ネットにUP予定は11月18日) 11月18日放送「絶滅していなかった話」(書き終わった)  (ネットにUP予定は12月2日) 12月2日放送「縄文は母系社会の話」(書き終わった)  (ネットにUP予定は12月16日) 12月16日放送「単位の話」(書きかけ)  (ネットにUP予定は12月30日) 1月6日放送「ウマの話」(全然構想もない)  (ネットにUP予定は1月20日) ★ラジオ放送が月二回隔週であります。  最初はメルマガを元に原稿を書いてたけど、  今は、書き下ろし原稿です。  それをメルマガに転用するという逆転現象が  最近のメルマガ版「やまねこ通信 E=MC二乗」であります。 ★どうぞお時間のある時に「ラジオ山猫通信」も聞いてみてください。  5年目に突入の「ラジオ山猫通信」  どこまで続くんだ?  ここまで来たらいける所まで行ってしまえ!  最近は、トチらずスラスラよどみなくしゃべっているように聞こえます。  慣れてきたのです! ウソです。(笑)  編集で直して貰っているんです。 そのためずいぶん聞きやすくなっています。  決して私のしゃべりが上達したのではありません。  編集がうまくなったのです!(キッパリ) ★私はいつも「やまねこ通信 E=MC二乗」の事が頭の隅にあります。  次回テーマは何にしようかと常に思っています。  「やまねこ通信 E=MC二乗」は、私みかりんを構成している大事な要素です。 ★「やまねこ通信E=MC二乗」では、あなたからの投書を受け付けています。  動物・植物・環境・宇宙・時間・哲学このメルマガの趣旨に合うような投書を  気軽にメールに書いてね。  過去に取り上げた記事からの話題も歓迎しています。 蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹     ★彡★彡★彡★彡★彡『蟹屋 山猫屋』★彡★彡★彡★彡★彡 生まれも育ちも北海道育の“みかりん”が、北海道の味覚を全国の方に広めるために 『蟹屋 山猫屋』を立ち上げました。一級品の道産品をお手ごろ価格でネット販売! 読み物としても楽しめるものを目指しているよ。    登録はここ→ http://www.phoenix-c.or.jp/~daichi-m/kani/   山猫屋の蟹は冷凍ガニではありません。ボイルしたてを食卓に直送! 蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹    ↑↑↑  私、みかりんのもうひとつのメールマガジン。  北の味覚。海産物。蟹おいしいよ〜。海水ウニもありますよー。  予算はこれくらい。食べる人数はこれくらい。と教えてくれたら、その中で  できる限りのご提案をします!山猫屋の蟹は冷凍物は扱っておりません!  さぁ、タラバ食べたいよう、毛ガニ食べたいようのメールをみかりんに書こう。  タラバも毛蟹も良いのが入荷してきています。  北の食材たちは脂が乗っておいしいです。  この機会に、どうぞ冷凍ではない蟹を!  ご贈答に、山猫屋の海産物を。 それじゃ、今回はここまで。 あなたのお便り待ってます。 daichi-m@phoenix-c.or.jp じゃね。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ウミネコは街で職(食)を見つけたんだよ。 だから海に帰らないんだ。 ススキノで職を見つけたウミネコ…。(笑) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ○ やまねこ通信E=MC二乗 vol.186  2013年11月3日発行 http://www.phoenix-c.or.jp/~daichi-m/yamaneko/yamaneko.htm ○発行編集者 みかりん daichi-m@phoenix-c.or.jp ○発行システム: インターネットの本屋さん「まぐまぐ」ID:0000052530 http://www.mag2.com/ ○登録/解除 http://www.phoenix-c.or.jp/~daichi-m/yamaneko/yamaneko.htm ○やまねこ通信は、素人みかりんが趣味で発行しているもので、情報の正確さには  まったく自信がありません。引用して弊害が起きても責任は持てないよ。  それから誤字脱字変換ミスは大目に見てね。気を付けるけれどさ。えへ。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━