2014/3/16━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 幽玄の森羅万象の散歩道 動物行動学からの性♂♀の話・動物・植物・環境・宇宙・時間・哲学 興味のおもむくまま“みかりん”の しゃべりんぐ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━目指せ1万部! ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆         やまねこ通信 E=MC二乗                                vol.195 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ こんにちは。 みかりんです。 2週間前は3月3日でした。ちょうどひな祭りです。 女の子の健やかな成長を願い祝ってお雛さまを飾る日本古来の行事ですね。 私は幼少の頃からどういう訳かお人形さんというものに興味がなくて、 というかお人形さんが苦手で、 お雛さまも「絶対いらないから」と断固拒否した妙な子どもでした。 まぁ、その分、動物のぬいぐるみに囲まれていたんですけれどね。 ひな祭りは桃の節句とも言われています。 その桃について調べてみました。桃はマジナイや信仰の対象にもなっています。 今日の話題は「桃の不思議な力の話」です。 ここに↓バックナンバーがあるよ。『内容一覧』という所をクリックしてみて。 http://www.phoenix-c.or.jp/~daichi-m/yamaneko/yamaneko.htm 「ラジオ山猫通信」も、ここから聞くことができます。↑ ━■桃の不思議な力の話━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 桃の原産地は中国です。 原産地の中国での栽培の歴史は、とても古くて紀元前1500年頃の殷の時代の遺跡から モモのタネが発掘されています。 桃は、紀元前2世紀ごろにはシルクロードを通ってペルシャに伝わりました。 現在のイランですね。 そのペルシャからさらにローマやギリシアへと伝えられました。 いやもっと古くから、シルクロード以前の紀元前4世紀頃の アレキサンダー大王の遠征とともに伝わったという説もあります。 ギリシアではこのみずみずしい果物を、ペルシャから伝わったので「ペルシャのメロン」 と呼びました。 ここでいうメロンとは、果物全般を指す言葉です。 で、この「ペルシャのメロン」のメロンの部分が省略されてペルシャの部分が ペルシカムと呼ばれて、やがてペルシカムが変化して英語名のピーチになりました。 ペルシャという国の名前がそのまま桃の固有名詞になったんですね。 この桃は、1世紀ごろにはゲルマンやガリアでも食べられていました。 今のドイツやフランスです。 当時の遺跡から桃の食べかすなどが発見されています。 同じころのローマでも、この果物について「香りが少なく水っぽい」と書かれている書物が あります。当時は今よりももっと野性味があったようですね。 こうして、北欧を除くヨーロッパのほぼ全域で食べられるようになった桃は、 しだいにその品種を増やして、16世紀には40種類もの桃が食べられていたそうです。 その頃には、熟してもなお上品な味を保ち続けるとして、 高級果物として扱われていたようです。 さて。桃は東洋を象徴する木の実です。 原産地である中国では桃には特別な力があると信じる信仰があります。 桃の木は仙人の木という事で、桃の木で作った道具には邪気を祓う力があるとされました。 桃の弓矢が災厄を退け、桃の種や葉を煎じて飲む桃湯は邪気を退け、 桃の木のヤニから作られる薬は、万病に効くとされていました。 そして桃の実は不老不死の象徴でもあったんです。 もう桃、最強ですね。 人々が空想した「桃源郷」って聞いたことがありますでしょ。 滅多に人が訪れることもない山奥に、たくさんの桃の木に桃の花が咲く、 俗世から閉ざされた平和で豊かな別天地の事です。 桃源郷は、一度訪れてそして出てしまったら2度目には行き着くことはできない、 外とは隔絶した閉じた世界です。 それから、中国の最も有名な小説「三國志」も、劉備玄徳・関羽・張飛の3人が桃の園で 生死を共にする約束を結ぶところから始まります。「桃園の誓い」ですね。 他にも、中国で古くから信仰されてきた西王母という神様は、 食べれば不老不死になる桃の木を持っていました。 その樹液は触れる者の体を光り輝かせます。花は神々の食糧になります。 けれどその花も実も3000年に一度しかつかず、 その花の咲くころには、西王母の長寿を祝う会が催されます。 「西遊記」の孫悟空は、この実を盗んだことがきっかけで 天界を追放されたとも言われています。 日本はそんな中国の桃の信仰の影響を受けたのでしょう。 古事記や日本書紀で、桃の持つ不思議な霊力の逸話があります。 イザナギノミコトは、死んでしまった妻のイザナミに会いに黄泉の国に行きます。 そして黄泉の国から逃げ帰る時に、禍々しい悪鬼に追いかけられます。 イザナギノミコトは悪鬼を振り切るために、そこに生えていた桃の木の実を投げつけて 難を逃れています。 イザナギノミコトは、この功績を認めて桃の実に「オオカムヅミノ命」というの神の名を 授けました。 そして「お前が私を助けたように、地上世界のあらゆる人々が、苦しみ悲しみ悩む時に 助けてやってくれ」と命じました。 ですから日本各地にオオカムヅミを祀る神社があります。 たとえば徳島県の賀茂神社では、本物の桃が入った「桃の実のお守り」があります。 1年に3個の桃の実に祈祷して、砕いて分けているのでお守りは数に限りがあるそうです。 埼玉県の行田八幡神社では「なで桃」を祀っています。 なでると厄災が消えてしまうんだそうですし、桃の絵馬もあります。 日本ではいつから桃を食べていたのでしょう。 桃の痕跡は、縄文や弥生の頃の遺跡からも出ていますし、 最近では平成22年に発掘された、3世紀前半の奈良県、纒向遺跡(まきむくいせき)から、 2千個以上の桃の種が出土しました。 おびただしい数の桃の種ですね。これは食べた後の種を捨てたっていうよりも、 桃に対する信仰のための儀式に使われたものと考えられています。 中国から桃信仰が伝わっていたのですね。 現代では桃の花と言えばひな祭りを連想します。 この取り合わせはそれほど昔の事ではありません。 日本には穢れを人形に託して人形を川に流す「人形流し」という土着の風習がありました。 この人形流しと中国古来の節句の行事が結びついて、その後に季節の花を飾る行事と、 中国伝来の桃の信仰が結びついたと考えられています。 江戸時代中期以降に「座り雛」が作られてそれが「桃の節句」とよばれるようになり、 女の子の行事として盛んに行われるようになりました。 桃の花を飾り、桃のお酒を飲む風習が見られ、桃の厄災を払う力に係わるお祭りに なりました。 今のひな祭りはこのあたりから始まっているのですね。 このように桃は大きな霊力を持つと信じられていましたけれど、 木の寿命があんがい短くて20年程なんです。 そして夏の間の葉っぱの茂りがなかなかむさ苦しいんですね。 直線的に伸びる枝ぶりがあまり日本人の好みに合わなかったせいか、花は美しいんだけど、 同じく中国から渡来したウメのように庭木としては、 もてはやされることはありませんでした。 それでも、桃の持つ呪術的な力の信仰には根強いものがあって、 さまざまな説話や行事のなかに形を変えては取り込まれていきました。 たとえば鬼門の方向に桃を植えたり、野菜の害虫避けのおまじないに畑に桃を植えたり しました。 青森の下北半島に亡くなった方の霊を呼んで口寄せをするイタコと呼ばれる人がいます。 イタコはときに霊を呼ぶ助けに桃の枝を飾りました。 日本人の生活の隅々に桃の呪術が根付いていったのですね。 桃太郎の話もその一つです。 桃太郎のお話は、室町時代には出来ていたと考えられています。 この話にはいくつかのタイプがあります。 流れてきた桃を食べたお婆さんが若返って桃太郎を生んだことになっているものもあります。 さすが、桃の霊験あらたかですね。 いずれにしても桃太郎の話は中国の桃信仰と日本民話との合体でしょう。 桃から生まれた男の子がイヌ・サル・キジをお供にして、鬼ヶ島へ鬼退治に行く話は、 日本人なら誰でも知っているお話です。 この物語にはいくつかの解釈があります。 最も有力なのが、当時の朝廷が桃太郎で、鬼退治は戦争の記録というものです。 実在が確かな最初の天皇といわれる崇神(すじん)天皇の頃。 吉備の国(現在の岡山県から広島県にかかる広い地域のことです。 のちの備前・備中・備後のことです)この吉備の国に異国の鬼神が飛来しました。 鬼神は百済(くだら、朝鮮半島の一国)の王子で、 名を温羅(ウラ、もしくはオンラ)と言いました。 身長は1丈4尺(今の約4.2メートルです)、両眼は爛々として虎か狼のようで、 赤い髪をなびかせ、性格は兇悪でした。 温羅は今の岡山県の山に「鬼ノ城」という館を構えて、 人々や行きかう船を襲っていたので、朝廷はついに軍隊を派遣します。 その軍隊の将軍に任命されたのが、武勇の誉れ高いイサセリヒコノミコトでした。 このイサセリヒコは、猿養部(さるかいべ)・鳥飼部(とりかいべ)・犬養部(いぬかいべ) という部下を率いて、逃げる温羅を追い詰め、ついに捕らえることができました。 そしてイサセリヒコは吉備津彦命(キビツヒコノミコト)と呼ばれるようになりました。 温羅はその後首をはねられましたが、首だけになっても、骨となっても、 大声を出し続けたので、温羅の霊を祀る神事を催すことになりました。 それが、今も岡山県の吉備津神社で行われている「釜鳴(かまなり)の神事」の おこりと言われています。 ものすごく桃太郎の話にそっくりですね。 原型と言っても良いと思います。 今も岡山県南部には、二人の戦いの痕跡らしい地名も残っています。 キビツヒコが楯を並べた山は「楯築山(たてつきやま)」で、 キビツヒコと温羅の矢が食い合って落ちた場所は「矢喰宮(やぐいのみや)となりました。 温羅の眼を射抜いたその血が流れた場所は「血吸川(ちすいがわ)」と呼ばれ、 温羅が首を斬られた場所は、岡山市内に「首部(こうべ)」という地名になって 残っています。 桃太郎のお供のイヌ・サル・キジも、適当に選ばれた動物ではありません。 十二支の申(さる)・酉(とり)・戌(いぬ)にそのまま当てはまる組み合わせなんですね。 十二支の最初のネウシトラの子(ね)を北にして、 その他の動物たちをそれぞれ十二の方向に配置すると、 九番目、十番目、十一番目のサルトリイヌは、ちょうど西の方角を意味します。 大和朝廷から見て西に位置する吉備の国。吉備の国から見て百済は西に当たります。 西を守る動物が選ばれたのは偶然ではないんですね。 もし敵が東から来て、東を守る必要があったのなら、 桃太郎のお供はトラ、ウサギ、龍になります。 ウサギはともかくも、トラと龍を従える桃太郎。 お供のものが俄然強くなって別の物語になりそうです。 吉備団子くらいでは家来になってくれそうもありません。 イヌ・サル・キジという微妙に弱そうなキャラクターが桃太郎の強さを際立たせる役割も 果たしていたのですね。 そてから、ちょっと思い出してみてください。 絵本に描かれている桃太郎の桃の形をです。 川から流れてくる桃の形。 それと桃太郎が鬼退治に行くときにのぼりを持っています。 そののぼりには日本一という字と共に桃の絵が描かれています。 桃の先っぽが尖ってますよね? この尖ったお尻の桃は、中国北方系の品種で、天津水蜜桃の系統の桃の特徴です。 現在店頭に並んでいる丸いお尻の桃は南方系です。 これは新品種で、丸尻型が主流になったのはごく近年のことなんです。 昔の遺跡、奈良時代の例えば長岡京の跡から発掘された桃の種は、直径3cmもありません。 今の桃の種は5cmはあります。 現在の品種に比べるとかなり小さいですし、種の表面の皺模様もあっさりしています。 これは西日本に点在する野生化した桃に近いんです。 例えば大阪府にある石灰岩の採石場の近くには野生状態の桃が数十本生えています。 その桃の種は小さくて皺も少なくて、各地の遺跡で発見されているものとよく似ているんです。 もしかしたら、この数十本のこれら野生状態の桃は、 古代に渡来した桃の生き残りかもしれないですね。 桃太郎かそれ以前の桃の子孫。ちょっとロマンですね。 そういえば、節分には炒った大豆を投げて鬼を追い払います。 あれ?今までは桃で鬼を払っていた話ばかりを紹介していましたけれど、 節分は豆で鬼を追い払っています。 これはどういう事なんでしょう。 調べてみると室町時代までは節分には、収穫前の青くて硬い桃を投げていたんです。 鬼が最も嫌う果実はやっぱり桃なんです。 豆で邪鬼を追うようになったのは室町時代以降のことです。 桃信仰がすたれて、桃に代わって台頭してきたのが大豆です。 戦乱によって桃推しの公家文化が衰退していって、 豆推しの武家社会が台頭してきたって事なんですね。 そして庶民の文化が華開き、節分に豆をまくことが盛んになったのは江戸時代になってから。 鬼を払うのは桃から豆へとその座を明け渡したのです。 明治時代に入ると、ヨーロッパから水蜜桃と言われる改良種が入ってきました。 今は東洋系の小さな実をつける品種と西洋系の水蜜桃を交配させた桃が、 日本の風土に合わせて育てられています。 私は、桃太郎伝説の岡山県の友人から毎年桃を送って貰えます。 甘くみずみずしく丸いお尻のほんのりピンクの白い桃です。 数千年の時の、人と桃の歴史の最先端の桃の品種が、夏になると私たちを楽しませてくれます。 うっすらと産毛が生えてみずみずしさをたたえて、丸く明るくはちきれんばかりの 健康の象徴のような今の桃には、邪気を払うとか魔除けの力があるなどの おどろおどろしい印象はありません。 不老不死、若返り、魔除けに鬼退治。 そもそもどうして桃は信仰になるほど人を惹きつけたのでしょう。 色々調べたけれどよくわかりません。けれどこんな記述を見つけました。 古代中国では、嫁入りする娘の美しさを桃にたとえ、 桃を初々しい乙女の象徴ととらえていた。 あぁ、つまり若い娘っこがまぶしいっていうオヤジ目線が、 桃信仰のそもそもの始まりかな? 時を駆け巡ること紀元前1500年の昔から現代まで、 空間的には西は中国からシルクロードを通ってペルシャからヨーロッパへ。 東へは日本の青森下北半島のイタコまで。 長々とお話したけれど、桃を若い娘っこにたとえ、娘っこがまぶしいという事が そもそもの始まりという、ミもフタもない結論になってしまいました。 3月3日は、ひな祭り。 女の子の健やかな成長を願う桃の節句です。    * * * * *  * * * * *                                      悪鬼に追いかけられた神様は       桃の実を投げつけて助かった       桃は神様を助け、その力に人々は心酔した       三千年に一度、不老不死の実をつけ       崑崙に住まう神々が口にする       その実を孫悟空が盗み罰せられる       桃源郷は、桃の花咲き香り漂う       二度は行くことが叶わぬ幻の土地       神々と伝説の実は、桃太郎に繋がる       しっとりと重く、ただ丸く、甘く瑞々しい       薄っすら生えている産毛すら愛おしい       桃は桃。不思議な力を秘めた桃。 ━■みかりんの叫び━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 「素数とか数の回文とか」 2014年2月26日の東京新聞のweb版で、見つけたニュースをまず引用しますね。 私もよくわからないし、ナナメに読み飛ばしてもいいです。 =======  1とその数自身以外では割り切れない2以上の自然数「素数」が、  どのような間隔で分布するかに関する新たな定理を  英国出身でカナダ・モントリオール大のジェームズ・メイナード博士(26)  と、米カリフォルニア大のテレンス・タオ教授(38)がそれぞれ独自に見つけた。  数が大きくなると、素数はまばらにしか見つからない。  1〜100の100個の中には2、3、5など素数は25個あるが、  同じ100個でも、10万1〜10万100には素数は6個しかない。  では数が大きくなると、素数の間隔は際限なく離れていくのか。  新定理は「そんなことはない」と否定する結果を示した。    新定理は、  例えば、ある素数と次に大きい素数の2個を考える。  19なら次は23で、19〜23の5個の中に2個の素数がある。  だが数が大きくなっても、5個の自然数が並んだ中に素数が2個あるかは分からない。  新定理では、どんな大きな数でも、600個ごとに区切ると  素数が2個含まれる場合があると分かった。  必ず2個あるわけではないが、2個の素数が含まれる600個ごとの区間は  無限に存在する。  今後の研究で、区間の幅はもっと狭まる可能性があるが、  現時点では600が最小の幅という。   ======= この記事をみつけてちょっと思い出したことがありました。 さて、話はちょっと長くなります。 ちょっと前vol.192で「右と左と螺旋の話」を書きました。 その時参考にした本のひとつが「図解雑学 左と右の科学 著/富永 裕久 ナツメ社」 でした。 で、この本の巻末あたりにコラムとして載っていた話に、私は大いに興味を持ったのです。 その時の記録がありますので載せますね。 ======== [みかりん] あのですね、私の知らなかった回文を見つけたのですよ。 自然数の回文です。たとえば121とか35753みたいな数字を自然数の回文。 でですね、どんな自然数でも、並び順が逆である数を足す操作を繰り返すと。 いつかは回文な数になるんだって。 たとえば159でやってみるね。 159+951=1110 1110+0111=1221 ほら回文だ。 じゃ、次は86でやってみるね。 86+68=154 154+451=605 605+506=1111 これも回文だよ。 すべての自然数でそうなるかは未証明だけど、 1000以下では879と978を除いて確かめられているという。 でも、196などは、241万5836ステップを経て100万桁の回文になるんだって。 現在、5桁以下で回文になるかどうか判明されていない数字は、 879、1997、7059、10553、10563と、その逆並びの数だそうです。 いや、なんか凄い!って思ってね。 とても興味深いんだけど、どう考えていいかもさっぱりわからないんだけど、 脳が、うっきゃぁってなったんで。(笑) ======== 私の、うっきゃぁっていう悲鳴を、友人の怪さんが受け止めてくれました。 ======== [怪]さん 数学者が未証明なものを、もう微分積分も怪しい僕が証明できるとは思えませんが、 帰り道の電車に揺られながら紙切れに走り書きしていたら、何となく取っ掛かりは 掴めた(ような気がする)ので、今のところのアイデアを書いてみようと思います。 けっこうややこしい話になりますので、先に結論を書いておきます。 僕が以下で考えたのは2桁の場合に限った話ですが、この場合、 何度もこの操作を繰り返すと、答えは最初11、2回目は121、3回目は1331、 4回目は14641と、ずっと「回文数」、しかもパスカルの三角形に出てくる回文数の 倍数になります。 パスカルの三角形――Wikipedia ここから先の証明は出来ていませんが、回文数の倍数はやはり回文数に なりやすいので、延々繰り返していれば、やがては答えが回文数になる、 ということではないかと思います。 フェルマーの最終定理だって、n=3のとき限定の証明から始められたことですし、 簡単に考えるために、とりあえず「2桁」の場合に限って考えようと思います。 みかさんの例で言えば、86なんかの場合ですね。 まず最初のステップ。「86と68を足す」「35と53を足す」、これらの操作は、 それぞれ「(8+6)×11」「(3+5)×11」と同じ答えになります。 やってみましょうか。 86+68=154 (8+6)×11=154 35+53=88 (3+5)×11=88 他の2桁の数でも是非試してみて下さい。必ず同じ結果になります。 これは、証明も簡単。2桁の数字は、0から9までの数字a,bを使って、 10a+b で表せます(例えばa=8、b=6なら86になりますね)。 その逆の数は、 10b+a ですね(上の例では68)。これらを足し合わせると、 (10a+b)+(10b+a) ですから、これは 11a+11b になります。カッコで11をくくり出すと、 11(a+b) ですね。したがって、86+68は11×(8+6)に等しい、ということになります。 さて、これの意味するところは、ですね。2桁の数に関して言えば、 みかさんの仰る操作をすると、答えは必ず11の倍数になる、ということです。 ここで、(a+b)について考えてみましょう。2桁の数は10〜99ですから、 その各桁の数を足し合わせた(a+b)は、1〜18までの数になるはずです。 最小で10の場合の(1+0)、最大で99の場合の(9+9)ですから。 つまり、2桁の数――10から99を「桁をひっくり返して足し合わせた」場合どうなるかは、 「1〜18までの数に11を掛けた」ときどうなるか、という問いに置き換えられるわけです。 「その2」に続きます。 ======== [みかりん] すごい。判るぞ。 この問題を (10a+b)+(10b+a)=11(a+b) という式にした所が勝因だ。 で、05+50=55 これで回文なんだけど、 このように「0」が入ると (10a+b)+(10b+a)=11(a+b) この美しい公式は成り立たなくなるんだね。 パスカルの三角形は知りませんでした。 美しい。 東洋でも同じような三角形が残っているのにも感動。 文化は伝播するけれど、別地域でちゃんと自然発生している事にも感動。 ここまでは完全に理解できて嬉しいけれど 続きがある事に恐れおののく。 理解できない絶対的自信がある。(笑) ======== [怪]さん いえ、a=0やb=0の場合も成り立ちますよ。。 次の記事はわかりにくい自信が僕にもあるので、ここで要約すると、 1) 2桁の数の1の位と10の位の数を足す(86→8+6=14) 2) その「足した数」に11を掛ける 3) 「足した数(14)」を2桁の数として扱い、その1の位と10の位の数を足す(1+4=5) 4) その「足した数」に121を掛ける 5) 「足した数」を2桁の数として扱い、その1の位と10の位の数を足す 6) その「足した数」に1331を掛ける 7) 「足した数」を2桁の数として扱い、その1の位と10の位の数を足す 8) その「足した数」に14641を掛ける という繰り返しになるんです。その間、係数(11とか121とか)は常に回文数なので、 それに何かを掛けていくと、やがては回文数になるだろう、という方向で たぶん証明できるんじゃないかと思います。。 ======== で、このあと話は「その2」になっていくんですけれど。 私の判断でそこは割愛。(笑) どうもこの考え方には、ちょっとしたバグとか重複とかあるらしい。 怪さんの友人が指摘してくれました。 「パスカルの三角形」もでてきます。 怪さんによると「パスカルの三角形」は高校の数学で出てきたらしい。 そうなのかー。 私はお初にお目にかかりますと挨拶したい所だったけれど そうではなかったらしい。 たぶんその授業の時は3階校舎の教室の窓から、カラスの観察をしていたのだろう。(笑) 10年くらい前に小川洋子の「博士の愛した数式」を読んでから 数学の美しさという概念には目覚めました。 その後、藤原正彦の「数学者列伝」の本を読み 数学のあまりの奥深さにクラクラしたのを覚えています。 今でも面白いなと思うのは、数学者って紙と鉛筆、黒板と白墨で計算するんです。(笑) パソコン使わないんですよね。 だってパソコンってヒトがわかった事を入力するんで、 「作業」はするけど新しいことはしない。 紙と鉛筆で最先端の思考を模索する。 数学者ってのは哲学者でありアーティストでもあると感じています。 素数のニュースを読んで、数字の持つクラクラするような魅力を思い出したので 私の得意分野ではないのだけれど、ここに記録しておきます。 たぶんこの数字の話も「やまねこ通信 E=MC二乗」の 守備範囲の話なんです。 ━●編集後記━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ★最近深海魚やダイオウイカが打ち上げられたり、捕まったりのニュースが多いです。  大地震の前触れとか言って煽る人もいますけれど、私は違うんじゃないかと  こっそり思っています。  たぶん以前からも打ち上げられたり、網にかかっていたりしていたと思うんです。  でも商品になる訳でもなく、そのまま海に投棄したりしていたんじゃないかと。  あのダイオウイカの衝撃的な映像から、ダイオウイカブームになって、  これが話題の!と、陸まで持ってきてニュースにしているだけなんじゃないかなぁ。  深海の生き物たちは深海にいてこそ神秘的で美しいです。  陸に上げられ、ひと目にさらされた姿はかなり痛々しいものです。 ★ラジオ山猫通信がリアルタイムで、  パソコン、スマートフォンから聴けるようになりました!  http://www.radiokaros.com/simulradio/  ↑ここがカロスのサイトの「インターネット放送聴取方法」のページです。  パソコンからスマートフォンから、カロスの放送を聞く方法が載っています。  http://www.simulradio.jp/  ↑ここがサイマルラジオのサイトです。  ここから全国のコミュニティーラジオが聞けるようになっています。    このサイトを開いたらちょっとスクロールすると「北海道」という場所があって  その下の方に「ラジオカロスサッポロ」という場所があります。  そこの「放送を聴く」をクリックするとメディアプレイヤーが立ち上がって、  リアルタイムに放送を聴くことが出来ます。  ラジオ山猫通信は、第一月曜日と第三月曜日の19:00〜19:30です。  明日19:00に「地殻の移動と生物の話」が  リアルタイムで聞くことができます。  バックナンバーは、「やまねこ通信 E=MC二乗」のサイトの「ラジオ山猫通信」の  場所から、いつでも好きな回のお話を聴くことが出来ます。   ★今回のこの「桃の不思議な力の話」は、  ネットでいつでも好きな時に聞くことができます。  http://www.phoenix-c.or.jp/~daichi-m/yamaneko/yamaneko.htm  ここの右側「ラジオ山猫通信」をクリックしてスクロールして  「地球が太陽の周りを回るまでの話」をクリックすると聞けます。  すぐに聞けない人は、じっと待ってみて。きっと聞けます。  http://crashlanding.under.jp/rajiyama0203.mp3  直接URLはここです。  今回の文は、おおむねラジオ原稿そのままです。  ラジオ用をメルマガ用に書き換えているけどね。 ★vol.195の参考サイト        オオカムヅミ wikipedia        桃 Peach        http://homepage3.nifty.com/onion/labo/peach.htm        桃の話        http://www5e.biglobe.ne.jp/~lycoris/folklore-of-momo.html ★予告です。 3月17日放送「地殻の移動と生物の話」(収録終わった)  (ネットにUP予定は4月7日) 4月7日放送「スズメの話」(書き終わった)  (ネットにUP予定は4月21日) 4月21日放送「炭素が巡る ダイヤモンドの話」(書き終わった)  (ネットにUP予定は5月5日) 5月5日放送「物語の中の動物の話」(書き終わった)  (ネットにUP予定は5月19日) ★ラジオ放送が月二回隔週であります。  最初はメルマガを元に原稿を書いてたけど、  今は、書き下ろし原稿です。  それをメルマガに転用するという逆転現象が  最近のメルマガ版「やまねこ通信 E=MC二乗」であります。 ★どうぞお時間のある時に「ラジオ山猫通信」も聞いてみてください。  5年目に突入の「ラジオ山猫通信」  どこまで続くんだ?  ここまで来たらいける所まで行ってしまえ!  最近は、トチらずスラスラよどみなくしゃべっているように聞こえます。  慣れてきたのです! ウソです。(笑)  編集で直して貰っているんです。 そのためずいぶん聞きやすくなっています。  決して私のしゃべりが上達したのではありません。  編集がうまくなったのです!(キッパリ) ★私はいつも「やまねこ通信 E=MC二乗」の事が頭の隅にあります。  次回テーマは何にしようかと常に思っています。  「やまねこ通信 E=MC二乗」は、私みかりんを構成している大事な要素です。 ★「やまねこ通信E=MC二乗」では、あなたからの投書を受け付けています。  動物・植物・環境・宇宙・時間・哲学このメルマガの趣旨に合うような投書を  気軽にメールに書いてね。  過去に取り上げた記事からの話題も歓迎しています。 蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹     ★彡★彡★彡★彡★彡『蟹屋 山猫屋』★彡★彡★彡★彡★彡 生まれも育ちも北海道育の“みかりん”が、北海道の味覚を全国の方に広めるために 『蟹屋 山猫屋』を立ち上げました。一級品の道産品をお手ごろ価格でネット販売! 読み物としても楽しめるものを目指しているよ。    登録はここ→ http://www.phoenix-c.or.jp/~daichi-m/kani/   山猫屋の蟹は冷凍ガニではありません。ボイルしたてを食卓に直送! 蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹    ↑↑↑  私、みかりんのもうひとつのメールマガジン。  北の味覚。海産物。蟹おいしいよ〜。海水ウニもありますよー。  予算はこれくらい。食べる人数はこれくらい。と教えてくれたら、その中で  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