2014/5/4━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 幽玄の森羅万象の散歩道 動物行動学からの性♂♀の話・動物・植物・環境・宇宙・時間・哲学 興味のおもむくまま“みかりん”の しゃべりんぐ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━目指せ1万部! ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆         やまねこ通信 E=MC二乗                                vol.198 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ こんにちは。 みかりんです。 消費税率8%の生活も慣れてきたでしょうか。 私は税率が上がる直前に20年以上使っていた掃除機が凄い悲鳴のような音を 出して壊れました。 数百円だとそれほど差はないようでも、高額な買い物になるとじわじわと 負担を感じてきます。 高額といえば宝石類。 先日私は母から小さな可愛いダイヤの入った指輪を貰いました。 この指輪は父の母、私から見たらおばあちゃんですね。 母からみたらお姑さんから貰ったものだといわれました。 これが私の持っているただひとつの宝石類です。 今日はこのダイヤモンドにまつわるお話をします。 以前にも一度ダイヤモンドのお話をしたことがありました。 今回はもっと地球とか宇宙とかそういう方面から見たダイヤモンドです。 それからダイヤモンドも鉛筆の芯も石炭も同じ原子記号です。 Cです。炭素原子ですね。 これらは同じ炭素原子の結晶なんですね。 ここに↓バックナンバーがあるよ。『内容一覧』という所をクリックしてみて。 http://www.phoenix-c.or.jp/~daichi-m/yamaneko/yamaneko.htm 「ラジオ山猫通信」も、ここから聞くことができます。↑ ━■炭素が巡る ダイヤモンドの話━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ NHK放送の「探検バクモン」という番組があります。 爆笑問題のふたりが、普段入れない所に潜入し、 外からうかがい知れないディープな裏側を紹介する教育エンターテイメント番組です。 去年の十一月に放送されたのが北海道釧路市の沖合、太平洋の海底の炭鉱の採掘現場の 様子の紹介という内容だったんです。これがとても面白かったんです。 炭鉱といえば山というイメージでしたけど、ここは海の底です。 この炭鉱は国内の石炭の半分を産出する日本一のヤマなんです。海だけどヤマ。 地下には20kmに及ぶ地下道が張りめぐらされています。 陸から海の底に向かって専用のトレインに乗って、石炭の層がある所までナナメ下に 入っていきます。 そうやって海底から700mまで進んでから、もっと高速のトレインに乗り換えて 今度は水平に移動して採掘現場に着きます。 地底を徒歩で延々と進んだその先には、大迫力の掘削機械が待ち構えています。 巨大な鋼鉄のかぎ爪の「ドラムカッター」という機械で石炭の層を打ち砕くんです。 そんな事をすると天井の部分に圧がかかって崩れてきます。 それを巨大「シールド」で支えるその様子は、大迫力でした。 北海道釧路沖の太平洋の海底にそんな石炭層があって、 どんどん石炭を産出しているのですね。知らなかったです。 ここは日本の石炭採掘量のおよそ半分、52万トンの石炭を産出する、日本一の 炭鉱なんです。 日本は石炭を輸入もしています。 かつては石炭ストーブも身近にあって、直接暖を取っていたので 石炭が生活に直結していました。 私の子どもの頃、石炭で炊いたお風呂に入っていましたし、学校では石炭ストーブで、 ストーブに一番近い席に座っている子はストーブ当番で暑くていつも顔が真っ赤でした。 そして後ろの席の子に「寒いぞー」とか言われて、授業中でも石炭をくべていました。 石炭当番という役割もあって、学校の石炭置き場に石炭を取りに行きます。 重かったのを覚えています。 あれ?なんだか凄く昔の話をしているみたいですね。 そうでもないんですよ。ちょっと前までは札幌でもそんな感じだったんです。 でも今は生活の中で石炭を見る事はまずありません。 輸入までして、そしてそんな大迫力の大型掘削機で太平洋の下を掘ってまでして、 今、石炭は何に使っているんでしょ。 それは発電のために使われるエネルギーです。 石炭は電気になって私たちの生活に使われているんですね。 その割合は天然ガス40%に次ぐ石炭25%です。石炭は日本の発電の4分の一をも 占めているんですね。 その次が石油の14%。何かと話題の原子力発電は11%です。 石炭っていうのは大昔の木の化石です。 もうちょっと詳しく言うと4億年前から3億年前にかけて、 その名も石炭紀といわれる時代に栄えた40mの高さにもなる木です。 名前をレピドレンドロンといいます。 この木は、木と言ってもどっちかというとシダの仲間のようで 幹も緑色で光合成をしていたみたいです。 この頃、地球は年間の気候は1年を通してあまり変化はなくて、 年中湿潤な熱帯気候だと考えられています。 だから大森林が繁栄していました。 大気中の酸素濃度は現在の21%よりも高くて35%もありました。 だから植物も動物も大型化しました。 40mの植物が生える大森林がずっと続いたのです。 40mというとね、ビルの14、15階くらいです。 恐竜はまだいません。いたのは大型の昆虫です。 60cmのサソリや、70cmもあるトンボ。2mの巨大ムカデの世界です。 まぁ、化石に残るくらいの大きな昆虫がわかっているだけで、 実際は小さい昆虫たちもいたのかもしれません。 でも、とにかくその頃の地球は、40m級の植物の生い茂る大森林に覆われていました。 その生態系を支えていたのは、その当時の太陽です。 当時の太陽を浴びて植物は大型化して、大森林は化石となって石炭になりました。 現代のエレクトロニクスな社会を支えているのは、 3億年以上も昔の太陽のエネルギーなんです。 大昔の太陽のエネルギーが、現代のインターネット社会を支えているって なんかとても不思議な気がしてきます。 そしてそんな事をしてもいいのかな、という気持ちもよぎります。 3億年以上も前の太陽エネルギーを使い捨てみたいな使い方をしている罪悪感があります。 石炭っていうのは炭素です。 そして炭素というのは地球上で色々な形で存在しています。 空や海には炭酸ガスとして。地中には岩石、石炭、石油として。 生物の中にもいろいろな有機物の形で炭素は存在しています。 岩石の中には炭素原子だけが集まって天然黒鉛やダイヤモンドとしても存在します。 炭素記号はC。これはカーボンのCです。 純度の高い炭素はカーボングラファイトなど工業的に作られた物もあります。 鉛筆の芯も炭素です。 石炭と鉛筆の芯が同じ炭素で原子記号を持つCと言われても、 まぁ、それほど違和感はありません。 でもダイヤモンドも同じ原子記号Cなんだよとなるとちょっと納得がいきませんよね。 ダイヤモンドは永遠の輝きっていうコマーシャルのキャッチコピーがありました。 実はダイヤモンドは別に永遠の輝きでも何でもないんです。 石炭と同じように、燃やすと酸素と結合して二酸化炭素を出して燃え尽きてしまいます。 あとには何も残りません。さすが石炭の仲間です。 でも800度ほどの高温でないとなかなか発火しないようです。 ダイヤモンドの原子結合は強いんですね。 ダイヤモンドは炭素原子の結晶です。 そして炭素はとてもありふれた元素です。 それではたとえば炭を使ってダイヤモンドは作れるんでしょうか。 これね、できないんですよ。 地上では炭素原子が集まると黒鉛というものになります。 先ほどちょっと触れたカーボングラファイトですね。 鉛筆の芯もグラファイトでできています。 このグラファイトとダイヤモンドの違いは、炭素原子の結びつき方が違うんですね。 ダイヤモンドは地上では作られない。 作られる場所は地底奥深く。 高温で高圧の地下約200kmあたりでつくられるんです。 中にはもっと深いところで作られるダイヤモンドもあります。 こんな地底奥深くで出来たダイヤモンドが地上に出てくる方法は、 爆発的な噴火によってなんです。 その噴火は私たちが普通イメージする真っ赤なマグマが 四方八方に飛び散るような火山の噴火とはちょっと違います。 どちらかというとガス爆発に近い感じです。 爆発的噴火です。 キンバーライトマグマの噴出といいます。 爆発に伴って、隕石のような大きな岩石が、大量に飛んできます。 この中にダイヤモンドの原石があるんです。 地下深くにあったダイヤモンドを含む岩石は、爆発的な噴火とともに、 地上に飛び出してきます。その速度は音速を超えるほどです。 岩石や火山灰と一緒にダイヤモンドは空から降ってきます。 それから、飛び出すまでにはならなかったダイヤモンドも地表近くまでやってきます。 こうやって地下深く高温高圧で作られたダイヤモンドは、マグマと一緒に上昇して、 最後は音速のスピードで、地上付近に姿を現すのです。 こういうキンバーライトマグマの噴出っていうのは現在はありません。 今まで数回そういう時代があったようです。 10億年前にはシベリア、オーストラリア、ブラジルで。 5億年前に南アフリカ、中国、カナダで。 他にも2億年前、1億年前、5000万年前、2000万年前、というふうにです。 昔過ぎて今とは大陸の形も違っています。 それから、どうしてダイヤモンドが音速を超えるほど超高速で地中深くから 移動したと考えられるのか、というのには理由があります。 ゆっくり移動したのなら、ダイヤモンドはグラファイトになってしまうんです。 そう黒鉛ですね。鉛筆の芯みたいなものです。 地球内部の温度なら、圧力が5万気圧以下になるともうダイヤモンドは 鉛筆の芯になってしまうんです。 グラファイトもダイヤモンドも炭素の結晶です。 ゆっくり移動するとダイヤモンドは、グラファイトへと結晶の構造が 組み替わってしまうんですけれど、素早く高速で移動すると、 ダイヤモンドのままで地表に存在できるんです。 地球にしばしば落ちてくる隕石。 この隕石の多くは火星と木星にある小惑星帯からやってきています。 この小惑星帯っていうのは、星になり損ねた残骸のような意味で考えられています。 そう、火星と木星の間にもうひとつ星が出来ようとしたんですね。 でも星はできなかったんです。 星になるべくして集まったカケラたちが小惑星帯です。 小惑星探査機はやぶさが行き着いた小惑星イトカワも、 小惑星帯の中の無数の岩石のひとつです。 このカケラが時々地球に落ちてきます。これが隕石です。 この隕石からもダイヤモンドが見つかっています。 その存在は100年ほど前から知られていました。 この、宇宙から来るダイヤモンドは、どう考えたらよいのでしょう。 太陽系が出来たとき、46億年前ですね。 火星と木星の間に出来つつあった星の内部の高温高圧で、ダイヤモンドが出来て、 それが衝突か何かで破壊されて、惑星の内部も含めて小惑星帯にばら撒かれた。 それが時々隕石となって地球に降り注ぐという説。 違う説もあります。 この宇宙のダイヤモンドは、隕石同士の衝突のその圧力によって出来たという説です。 この説は、実験によって確かめられています。 爆発やガス銃を使った衝撃圧縮実験で、隕石の中のダイヤモンドと 同じようなダイヤモンドができることが確認されたんです。 衝撃圧で作られるダイヤモンドは、小さくて結晶の方向が揃っています。 隕石のダイヤモンドと良く似ているんですね。 ですから今では、隕石のダイヤモンドは、衝突による瞬間的な超高温高圧によって 出来たとされています。 宇宙のダイヤモンドはじわじわできるんじゃなくて瞬間的に生まれるんですね。 それから隕石が落ちた時にできる大きな穴。 この穴の周りでもダイヤモンドが発見されます。 特に有名なのがアメリカアリゾナ州のもの。 直径1500m深さ200mの隕石の穴です。 この周辺では隕石の衝撃圧でできた小さいダイヤモンドがたくさん見つかっています。 それから、宇宙のダイヤモンドの話で壮大な話があります。 なんとねダイヤモンドの星があるという話です。 最近オーストラリアの研究チームが、地球から遠く離れた銀河系の中に、 地球より密度が低くて体積が100倍ほどある惑星を発見しました。 これは2つの星がペアになっている連星というタイプの星です。 連星っていうのは太陽のような自ら光る星が、お互いの引力で影響しあって、 共通の重心の周りを回っている星のことです。 宇宙にはこんなタイプの星もあるんですね。 で、発見された星は連星の片方で、一方の相方の星は寿命が尽きて爆発して、 とても密度の高い、つまり重い星になっています。 これを中性子星っていうんですけれど、この中性子星ってね、 太陽くらいの大きさの星が半径10kmくらいになってしまうものなんですね。 それで、もうひとつの星は、この影響で主に炭素で出来た軽い星になってしまったと 考えられています。 その大きさを考えると、この星の内部は高温高圧状態にあって、 炭素はほとんどダイヤモンドになっている可能性があるという言うんです。 想像してみてください。 重くて小さい星の周りを回っている、巨大なダイヤモンドの星。 宇宙ってのは、色々想像を超えてきますね。 さて地球上のダイヤモンドの話に戻ります。 ダイヤモンドの原材料となる炭素は大きく分けて2つあります。 ひとつは、もともと地球内部に存在していた炭素。 これは先ほどお話したように、46億年前に地球ができるときに 地球の材料となった星のカケラに含まれていた炭素です。 それともうひとつあります。 それは、太古の植物プランクトンなどの死骸。 海底に降り積もった生物が起源の炭素もダイヤモンドの原材料になっているんです。 自然界の炭素は、ちょっと重い炭素とちょっと軽い炭素の二種類があります。 地底深くではこのふたつの炭素の割合は一定です。 でも一部のダイヤモンドから軽い炭素の割合の多いものが見つかるのです。 これは、ダイヤモンドの原材料の炭素がなんらかの原因で軽い炭素が多く集まったと 考えられています。 その原因として考えられるのが植物の光合成です。 植物は二酸化炭素と水、太陽の光を吸収して、酸素を吐き出します。 植物は光合成をする時に、軽い炭素を多めに取り込む事が判っています。 だから植物にある炭素は、軽いほうの炭素が多いんですね。 太古の植物プランクトンの死骸は、海底に降り積もって堆積物になります。 そうして地殻変動で海底プレートが沈み込んでいきます。 地下600kmあたりまで沈み込むことがわかっています。 ダイヤモンドが作られるのは、地下200kmの深さからですので、 ダイヤモンドが作られる条件の深さまでは充分到達できるんです。 植物プランクトンが起源のダイヤモンドが見つかる場所は、 偏っていると予想されています。 それは海洋プレートが沈み込む場所が限られているからです。 現在でも年間500億トンもの炭素が植物プランクトンに取り込まれていると いわれています。 今、植物プランクトンに取り込まれた炭素が、 数億年後にはダイヤモンドに姿を変えているかもしれませんね。 ここまでお話してきて感じたことは、 炭素は地球中を循環しているという壮大なイメージです。 空気中や海の中に含まれていたり、植物や植物プランクトンに取り込まれたり。 岩石に含まれたり、石炭になったり地中深くに沈み込んだり。 私は、水が地球中を循環するイメージは、持っていました。 大昔から水があって、海になったり水蒸気として空気中に存在したり、 雲となり雪や雨となって地上に降りそそぎ、植物に取り込まれたり、 地中に染み渡ったり、動物の体を作ったり、太古の昔から現在まで、 水がダイナミックに循環しているイメージは持っていました。 今朝飲んだコーヒーは大昔の恐竜のオシッコだったかもしれないイメージです。 でも、水だけじゃないんですね。 炭素もです。 大昔の植物が化石化して石炭になるし、空気中に存在する二酸化炭素も炭素だし、 植物や動物といった生物にも多くの炭素が含まれています。 私たちの体も20%は炭素です。 水だけじゃない、炭素も循環しています。 ありとあらゆる元素は形を変え、大昔から循環していて、 たまたま今の形として存在しているんですね。 そんな事を改めて思いました。 宇宙由来のダイヤモンド。 太古の昔の植物プランクトン由来のダイヤモンド。 地球内部を構成する物質としてのダイヤモンド。 そしてもともとは宇宙の星のカケラが、すべての材料である炭素原子。 あなたの持っているダイヤモンドにも壮大な物語があります。    * * * * *  * * * * *                                        宇宙はさまざまな物質で満ちている 地球の炭素も、もとはといえば宇宙から 海や岩石や大気に溶け込む 動植物の体を構成する 太古の昔の太陽を浴びた植物は 地中深く沈み込む ダイヤとなって輝くか 炭となってエネルギーになるか 何十億年もの未来、 地球の炭素は宇宙へ散り 巡り巡ってダイヤの星の材料に 岩石の星、氷の星、ガスの星、燃える星、 重い星、軽い星、超スピード回転する星 宇宙には、巨大なダイヤモンドの星があるという ━■みかりんの叫び━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 「動物園の園長がハンターになる」 たぶん北海道のみの放送だったのかな。 4月25日NHKで「クローズアップ北海道」という番組がありました。 「動物園に何が出来るか 〜旭山 園長がハンターになった」というタイトルです。 北海道の旭川市にある今や全国区になった旭山動物園。 旭山動物園の行動展示という動物の展示方法は、日本中の動物園、いや世界中の 動物園にも影響を与えました。 その旭山動物園の園長の坂東 元さんが、ハンターになる決断をしました。 狙うのは、爆発的に増えて生態系をこわすエゾシカです。 人と動物の共存をめぐり深刻化しているエゾシカ問題を 動物園の園長がハンターになることで人々に訴えようとのが動機です。 園長の新しい挑戦を通し、いま動物園が求められている役割とは何か、 動物園に何が出来るのかを考える番組でした。 ちょっと番組を振り返りますね。 ======== 坂東園長は2年前にハンターの資格を取りました。 旭山動物園といえば、目の前を悠々を泳ぐ、アザラシ、ホッキョクグマ、 そして最近ではカバが目の前を泳ぐ展示も人気です。 動物園のできることは動物の保護、保全です。 でも最近ではもう一歩踏み込んで、人間と動物の共存はどうしたらいいのかと 常に問題提起をし続ける面もあります。 エゾシカ問題をどう人々に伝えたらいいのか。 北海道のエゾシカはここで10年で2倍に増えて今では60万頭といわれています。 農業被害60億円。 人を恐れなくなったエゾシカが墓地におまいりした直後の花を食べる。 玄関先で仔を産む。こんな状態です。 3年前、旭川の市街地にオスのエゾシカが出没しました。 動物園は要請を受けて吹き矢で安楽死させました。 そしてそれがニュースになりました。 そのニュースを見て動物園には非難のメール、手紙、電話が殺到しました。 なぜ処分をするのか!シカを殺すな! 坂東園長は言います。 「みんなひとごとなんですよ。肯定する人も否定する人も。  僕たちの社会で何が起きているのか知ろうとしない。  追い払ってぴょんぴょんぴょんと山へ帰っていく映像があればそれでいいのか。  次の日ハンターに撃たれているかもしれないのに」 それから坂東園長はハンター免許を取りました。 最初のハンターの日、カメラが同行しました。 だけど撃てなかった。カメラが回っているから。 一般人と違って、行動に対して責任のある立場なので 人々にどのように捉えられるか予想が付かない。 動物園の園長が動物を撃つ。 社会に与える影響をはかりかねます。 みずからの行動で、人々を驚かせ問題提起をする。というのがそもそもの始まり でしたけれど、やかりカメラの回っている所ではスコープでシカを捕らえていても 引き金を引くことはできなかったのです。 NHKはその後も園長の行動を追っていたのですけれど、 ハンティングの場面は訪れませんでした。 それが去年の3月、意外な形で事が明らかになりました。 坂東園長が地元の旭川の小学生に講義を行った時に小学生から質問があったんです。 「それで結局エゾシカを撃ったのですか?」 「去年の3月末、1頭だけ撃ちました」 仕事の合間を抜け撃ちに行き、そしてまた仕事に戻ってきたことがあったようです。 NHK、出し抜かれています。 坂東園長は子供たちに真摯に説明しました。 シカが増えすぎて山の木は枯れる。小動物の棲家はなくなる。 シカに罪はない。シカが増えている原因は人にある。 バランスを保つことは必要だ。 子供たちは園長の言わんとする事を理解しました。 旭山動物園のホームページにはの園長のブログ「ゲンちゃん日記」という コーナーがあります。 http://www5.city.asahikawa.hokkaido.jp/asahiyamazoo/ 子供たちの語ったあと、「ゲンちゃん日記」にこのエゾシカに対する思いと 考えを書きました。 タイトルは 「エゾシカの未来〜14万頭の命を奪うと言うこと(平成26年4月)番外編」です。 園長自身が描いたスコープから覗いた時に見えたエゾシカの絵も載っています。 動物園に何ができるのか。 坂東園長の模索は続きます。 オオカミやシカが生きることができない環境にしたのは人間ですので 動物が関与する社会現象に目をつぶることはできないと考えるのです。 こういう問題を動物園が発信する意味はについては色々な人が考えています。 たとえば横浜の野毛山動物園では、傷ついた野生動物を治療して野生に戻す事が 困難な動物を展示しています。 当初、なぜこういうかわいそうな動物を見せるのかと批判されたそうです。 でも7年経った今、批判はなくなりました。 「環境改善の芽が育てば」と、野毛山動物園の園長は言います。 見たくない部分を見せる。 坂東園長が戦っているのもこのあたりにあります。 「見せたくないもの見せる」という所では今年2月にコペンハーゲン動物園の ニュースが記憶に新しいです。 デンマークのコペンハーゲン動物園で生後18ヶ月のオスのキリンが 頭を撃ち抜かれて殺されました。 死体は切り分けられて、ライオンやトラやホッキョクグマなどに与えられ、ました。。 すべては公開されて、子どもも含む観客が見る中で行われたのです。 ======== ここまでが番組です。 私はメモを取りながらテレビを見てこの文を書きました。 コペンハーゲンのキリンについては私の考えはないに等しいのですが 北海道のエゾシカについては身近な問題なので、いつも心にとめています。 北海道のエゾシカは現在バランスを崩して増え続けています。 特に道東の方には、道端に野良犬のようにたむろしています。 誰かがオオカミの代わりにエゾシカを捕らなければなりません。 オオカミがいないのならその役割は人間しかいないでしょう。 ただ殺すのではなく食べるような流通に乗せることができれば、 援助や理解を得やすいです。 でもたとえばハンターが撃って、その場で解体して流通に乗せるなんてことは まぁ、不可能です。 血抜きは時間との勝負ですし、処置がよくないと商品になりません。 それにエゾシカは大きすぎます。 どこかで知ったか自分で考えたか、 今となってはわからなくなってしまったんですが(笑) 一番良いんじゃないかという方法があります。 エゾシカの群れを囲いのある所まで追い込みます。 群れごと捕獲するんです。 囲いの中で餌をやり群れごと飼います。 囲いの近くには処理センターがあって、順次エゾシカを処理し流通にのせられる設備が あります。 囲いの中のエゾシカが少なくなってきたら、また群れごと囲いの中に追い込んで 補充するんです。 この方法なら行けると思うんだけどなぁ。 ━●編集後記━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ★ダイヤモンドの星があるって、すごい!と、ただこの事を伝えたくてメイン記事を  書きました。  ちょっと読みづらいかもしれませんが(得意分野ではないので、いっぱいいっぱいで  文章がこなれていないかも)どうぞダイヤモンドの星のイメージの共有を。 ★ダイヤモンドの星の話に比べて、坂東園長の話は私にとって身近な問題です。  前園長の小菅さんもすごい人だったけれど、現園長坂東さんもなかなかな人だと  最近よく思うようになってきました。  旭山動物園の新しいカバ館が評判です。  見に行きたいです。 ★ラジオ山猫通信がリアルタイムで、  パソコン、スマートフォンから聴けるようになりました!  http://www.radiokaros.com/simulradio/  ↑ここがカロスのサイトの「インターネット放送聴取方法」のページです。  パソコンからスマートフォンから、カロスの放送を聞く方法が載っています。  http://www.simulradio.jp/  ↑ここがサイマルラジオのサイトです。  ここから全国のコミュニティーラジオが聞けるようになっています。    このサイトを開いたらちょっとスクロールすると「北海道」という場所があって  その下の方に「ラジオカロスサッポロ」という場所があります。  そこの「放送を聴く」をクリックするとメディアプレイヤーが立ち上がって、  リアルタイムに放送を聴くことが出来ます。  ラジオ山猫通信は、第一月曜日と第三月曜日の19:00〜19:30です。  明日19:00に「物語の中の動物の話」が  リアルタイムで聞くことができます。  バックナンバーは、「やまねこ通信 E=MC二乗」のサイトの「ラジオ山猫通信」の  場所から、いつでも好きな回のお話を聴くことが出来ます。   ★今回のこの「炭素が巡る ダイヤモンドの話」は、  ネットでいつでも好きな時に聞くことができます。  http://www.phoenix-c.or.jp/~daichi-m/yamaneko/yamaneko.htm  ここの右側「ラジオ山猫通信」をクリックしてスクロールして  「地殻の移動と生物の話」をクリックすると聞けます。  すぐに聞けない人は、じっと待ってみて。きっと聞けます。  http://crashlanding.under.jp/rajiyama0421.mp3  直接URLはここです。  今回の文は、おおむねラジオ原稿そのままです。  ラジオ用をメルマガ用に書き換えているけどね。 ★vol.198の参考サイト ダイヤモンドは超高速で地底を移動する   著/入舩徹男                           メディアファクトリー新書    ★予告です。 5月5日放送「物語の中の動物の話」(収録終わった)  (ネットにUP予定は5月19日) 5月19日放送「古代DNAの話」(書き終わった)  (ネットにUP予定は6月1日) 6月2日放送「シャチとヒトの共通点の話」(書き終わった)  (ネットにUP予定は6月15日) 6月16日放送「クマンバチは空を飛ぶの話」(書き終わった)  (ネットにUP予定は7月6日) 7月日放送「竹の話」(書き終わった)  (ネットにUP予定は7月20日) ★ラジオ放送が月二回隔週であります。  最初はメルマガを元に原稿を書いてたけど、  今は、書き下ろし原稿です。  それをメルマガに転用するという逆転現象が  最近のメルマガ版「やまねこ通信 E=MC二乗」であります。 ★どうぞお時間のある時に「ラジオ山猫通信」も聞いてみてください。  5年目に突入の「ラジオ山猫通信」  どこまで続くんだ?  ここまで来たらいける所まで行ってしまえ!  最近は、トチらずスラスラよどみなくしゃべっているように聞こえます。  慣れてきたのです! ウソです。(笑)  編集で直して貰っているんです。 そのためずいぶん聞きやすくなっています。  決して私のしゃべりが上達したのではありません。  編集がうまくなったのです!(キッパリ) ★私はいつも「やまねこ通信 E=MC二乗」の事が頭の隅にあります。  次回テーマは何にしようかと常に思っています。  「やまねこ通信 E=MC二乗」は、私みかりんを構成している大事な要素です。 ★「やまねこ通信E=MC二乗」では、あなたからの投書を受け付けています。  動物・植物・環境・宇宙・時間・哲学このメルマガの趣旨に合うような投書を  気軽にメールに書いてね。  過去に取り上げた記事からの話題も歓迎しています。 蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹     ★彡★彡★彡★彡★彡『蟹屋 山猫屋』★彡★彡★彡★彡★彡 生まれも育ちも北海道育の“みかりん”が、北海道の味覚を全国の方に広めるために 『蟹屋 山猫屋』を立ち上げました。一級品の道産品をお手ごろ価格でネット販売! 読み物としても楽しめるものを目指しているよ。    登録はここ→ http://www.phoenix-c.or.jp/~daichi-m/kani/   山猫屋の蟹は冷凍ガニではありません。ボイルしたてを食卓に直送! 蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹    ↑↑↑  私、みかりんのもうひとつのメールマガジン。  北の味覚。海産物。蟹おいしいよ〜。海水ウニもありますよー。  予算はこれくらい。食べる人数はこれくらい。と教えてくれたら、その中で  できる限りのご提案をします!山猫屋の蟹は冷凍物は扱っておりません!  さぁ、タラバ食べたいよう、毛ガニ食べたいようのメールをみかりんに書こう。  タラバも毛蟹も良いのが入荷してきています。  北の食材たちは脂が乗っておいしいです。  この機会に、どうぞ冷凍ではない蟹を!  ご贈答に、山猫屋の海産物を。 それじゃ、今回はここまで。 あなたのお便り待ってます。 daichi-m@phoenix-c.or.jp じゃね。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 封書の80円切手も、はがきの50円切手も 2円切手を貼らなくてはならなくなる。 2円切手の図柄がふわふわのウサギなので、これもいいねという気分になる。(笑) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ○ やまねこ通信E=MC二乗 vol.198  2014年5月4日発行 http://www.phoenix-c.or.jp/~daichi-m/yamaneko/yamaneko.htm ○発行編集者 みかりん daichi-m@phoenix-c.or.jp ○発行システム: インターネットの本屋さん「まぐまぐ」ID:0000052530 http://www.mag2.com/ ○登録/解除 http://www.phoenix-c.or.jp/~daichi-m/yamaneko/yamaneko.htm ○やまねこ通信は、素人みかりんが趣味で発行しているもので、情報の正確さには  まったく自信がありません。引用して弊害が起きても責任は持てないよ。  それから誤字脱字変換ミスは大目に見てね。気を付けるけれどさ。えへ。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━