2000/12/08━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 幽玄の森羅万象の散歩道 動物行動学からの性♂♀の話・動物・植物・環境・宇宙・時間・哲学 興味のおもむくまま“みかりん”の しゃべりんぐ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━目指せ1万部! ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆        週刊 やまねこ通信 E=MC二乗                                vol.2 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ みかりんです。 北海道はすっかり雪に埋もれています。 で、「やまねこ通信 E=MC二乗」の第1号。さっそくやってしまいました。 件名表示されてない……。準備万端で望んだはずなのですが、私の準備万端など たかがしれています。(笑) 創刊ちょっと前まで、メルマガ配送ボタンがどこにあるか判らないというていたらく でした。見つけた時は、何故ここにあるのが判らなかったのだろう? 自分ながらあ きれてしまいました。私の目は節穴です。 2号は、無事に皆様のお手元に届きましたでしょうか? 私自身、自分の手元に届くまでどきどきしているのですから。 あっ、そうそう1号が届いてないよーという連絡がちらほらと。 そういう人は、私の方から代理登録しますので言って下さいね。 ってここで呼びかけても届いてない人は読めないかぁ。 新しく登録して下さった人、はじめまして。 バックナンバーがあるので、ここ↓チェックしてみてね。 http://www.phoenix-c.or.jp/~daichi-m/yamaneko/yamaneko.htm ━■イグアナの話━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 爬虫類は「冷血動物」だ。 人が、冷たい態度の人をなじるとき「この冷血動物め!」などと言う。そういうとき の冷血動物は単に“冷たい”とか“人でなし”などの意味の他に「冷血動物は下等」 だし「馬鹿」っぽいし、などと見下した感情もあるようだ。 ペットとして人気のグリーンイグアナは「冷血動物」だ。 このグリーンイグアナによる暴行事件18件の事故の報告がある。 18件の暴行事件の加害者グリーンイグアナは、いずれも長期にわたり単独飼育され ていた雄であった。 被害者である飼い主はすべて十代後半から四十代後半の女性である。 グリーンイグアナの交尾は雄が雌にひどい損傷をあたえる。どうも彼らなりの流儀の 「種を越えた禁じられた愛」の行為というのが事件の原因であるらしい。 「イグアナは、冷血動物だし馬鹿だから見境もなく人間様に発情するんだ」なんて 言ってしまえばそれまでだけれど、ここで疑問。 何故、雄のイグアナたちは妊娠可能な年齢域の女性を「選択的に」暴行したのだろ う。 さて、「冷血動物」より上等と自負する「温血動物」であるヒトの雄のみなさん。 妙齢の雌のイグアナを識別できますか? まっ、イグアナと同一線上の価値観で優劣を争う必要はないのだけれどね。(笑) ━■動物行動学からの性♂♀の話 (2)━━━━━━━━━━━━━━━━━ 「なぜ求愛するのだろう」 動物は、なぜ求愛するのだろう。そもそもどうして雄と雌がいるのだろう。 それは両者が持っている生殖物質を出し合って、受精卵をつくるためである。 それなら、やっかいで面倒でまどろっこしい求愛行動などせずに、さっさと目的を遂 げてしまえばいいのに、ほとんどの動物は交尾の前にやっかいな手順を踏む。 人間でいえば、異性の喜びそうなものをプレゼントしたり、食事に誘ったり、手紙を 書いたり。基本は、相手の気を引き気に入られること。 動物も気を引こうとしているのだろうか。 動物の雌雄の個体は、ばらばらにいることが多い。そこで出逢うための工夫が必要で だ。 夏のセミ、秋のコオロギ。昆虫だけでなくウグイスなどの多くの小鳥が聴覚信号に よって異性を呼んでいる。 視覚信号を使うものもいる。干潟のシオマネキの雄は、巨大化したハサミを独特のや り方で振り回して雌を呼び寄せる。 夜間のホタルも視覚信号で異性間のコミュニケーションをしているのは良く知られて いる。 化学信号によって異性を呼び寄せるもの達の例として、性ホルモンを使う雌の蛾。 雄はこれに惹かれて集まってくる。 求愛のもうひとつの働きは、種の識別。 出逢った相手が自分と同じ種であるかどうかは、とても大事な問題だ。 だから聴覚信号の鳴く虫も鳴く鳥も種類によって音が違うし、視覚信号のシオマネキ も種類によってハサミの動かし方が違う。化学信号の蛾にしたってそうだ。 動物は、しばしば攻撃的であったり逃避的であったりする。 こういう傾向は取り除かなければ、交尾に至らない。 クモのような補食性の動物は攻撃的で、体の小さな雄が獲物になりやすい。これは困 る。雄は糸を通じて信号を送り襲われないように接近する。 鳥の雌の逃避的行動を、雄はプレゼントの魚を用意することで抑制できるかもしれな い。 交尾に至るまでには雌雄の生理的な同調が必要な場合がある。 例えば、雄の声を聞いたり求愛する姿をみると、雌はホルモンが変化し、雄を受け入 れやすくなる。 他の動物でも、雌のホルモンには雄からの刺激が関係する。 さて、まとめてみるね。 求愛の意義。 異性の誘引。同じ種であるかの確認。相手を性的に受け入れるように説得。 交尾がうまくいくように生理的に同調するため。 これらを、人間に置き換えてみようか。 カラオケで歌う。または耳元でささやく。(聴覚信号) 踊る。ヒップホップやパラパラなど。(視覚信号) 香水等を用いる。(化学信号) 逃げようとする(または気を引くため)相手にプレゼント。 求愛とは、生理的同調をうながして交尾に至る前行動である。 わぁ、ミもフタもない結論が出てしまったよ。(笑) ━●みかりんの叫び━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 絶滅したとされていたニホンオオカミに酷似した写真が撮影され、11月中旬に新聞 等で発表された記事を覚えている人は多いと思う。 私はこの写真を見て心が騒いだ。 オオカミだよ、オオカミ。きゃぁ〜。うれしぃっ。あっ、すんません。落ち着こう 落ち着こう。 世間にはいろいろな会があって日本オオカミ協会という団体がある。 会長は東京農工大の丸山直樹教授というからそこらの変人ではない。 全国600人の会員を有するこの会は、日本へのオオカミの再導入を本気で考えて いる。 日本では鹿を代表とする草食動物をコントロールする肉食獣がいない。 知ってのとおり、鹿の群を健康に保つにはとても大事な役割を肉食獣が担っている。 弱った個体が肉食獣の餌となることで群に病気が万延するのを防いだり、弱い個体の 子孫が生まれることを防ぐことで群れ全体が健康で強くなる。天敵がいることでの頭 数のコントロール役としてのオオカミ。 日本では、そういうコントロールする肉食獣がいなくなった鹿の食害がとても深刻 だ。 人間が絶滅に追いやったオオカミの役割を人間がすることになっても食害は治まらな い。 丸山教授の描くシナリオは、「中国からハイイロオオカミを導入する。絶滅したニホ ンオオカミもエゾオオカミも、餌の量の違いで大きさが違うだけで、もともとはハイ イロオオカミという同じ種だから生態学的にも問題はない。」と言う。 オオカミの再導入は欧米の多くの国で検討され実施されている。米国のイエロース トーン国立公園では14頭のオオカミが再導入し、今では100頭に増えている。 実際に日本に再導入となれば問題も多いだろう。 それでも今回ニホンオオカミの存在の可能性が出てきたことは、私はとても嬉しい。 生物相は豊かな方が良い。森林にはクマとオオカミ。自然への畏敬の象徴としても必 要だと思う。思い通りにいかない怖い物というものが現代人にはとても必要なんじゃ ないかと思うんだ。 ━▲やまねこ投書箱━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ さてさて、「やまねこ通信 E=MC二乗」では、みなさんからのお便りを募集してる よ。 前回の「タイムマシンの話」について、量子論と宇宙論が得意というRoidさんから次 のようなメールが来たので紹介するね。 --------------------------- [Roid]  タイムマシンという非常に興味深く、夢あふれる物に対して  少し語りたいと思ってメールしました。  アインシュタインの相対性理論の「光速運動物体の時間の遅れ」効果  を使用することによって、未来に行くという事は比較的簡単に出来ます。  しかし過去に行くには「超質量で安定化」したブラックホールを通ると  いう理論がありますが、物質がブラックホールに入ると特異点という  全てを無にしてしまう場所に当たるか、運がよくても素粒子レベルにまで  バラバラになってしまいます。ですから中性子1個のような素粒子ならば  ブラックホールを越えて過去に行ける可能性がありますが、人間という事  になると大きな困難を伴うようです。しかし私は例え過去に帰れなくとも  未来に行きたいです。なぜなら発達した科学と人間の将来が破滅なのか  希望なのか見てみたいからです。 --------------------------- 私があちこち本を読んだ所では、“理屈上”では、未来には行けるが過去は無理って いう感触だったな。 私は、未来は見に行きたくないです。タイムマシンが出来て未来への乗務員募集とい うのには応募はしないと思う。Roidさんに譲るよ。 Roidさんのように帰ってこられなくても行きたいっていう人もいる。人間の好奇心と はすごいものだ。かつて大昔、海の向こうはどんな世界なんだろうと乗り出していっ た人達と通じる感覚なのかもしれないね。 それともう一通。未来に行けるという理屈をとても分かり易く説明してくれた宿六さ んのメールもここで紹介。 --------------------------- [宿六]  時間の流れは重力に関係があり、絶対に狂わない時計を身につけた人間が仮に地球  の真ん中と一番外側の大気圏で暮らすことが出来た場合、1年後くらいには地球の  真ん中あたりで暮らした人の方が時計はわずかに進むというのです。  つまり重力が大きい空間で暮らすと時間は早く進んで行くんですよ。  ワームホールは重力の渦だったはずだからそこを利用して行けるマシンがあれば  まぁ、宇宙旅行をしなけりゃなりませんが、未来に、地球にいる人よりは早く行け  る、と言うことになるそうです。 --------------------------- ━●編集後記━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ あれれ? 「動物行動学からの性♂♀の話」は、予告ではプレゼントだったよね。 プレゼントという単語は一度出てきただけで、全然プレゼントの話しにならなかっ た。(笑) まぁ、いいや。 それでは次回予告。「盾になる雄。餌になる雄」 今度は、本当に予告通りか? それは私にも判らない……。 ★「やまねこ通信E=MC二乗」では、あなたからの投書も受け付けています。  動物・植物・環境・宇宙・時間・哲学このメルマガの趣旨に合うような投書を  気軽にメールに書いてね。 ★みなさんの中にメールマガジンを発行している方はいませんか?  もしよかったら相互で宣伝しあいませんか?  連絡ください。 ☆さっそくのメルマガ相互宣伝、嬉しいです。  バックナンバーを読んでみて、気に入ったら購読すると良いよ。  では、宣伝。 --------------------- ● NHKをメルマガで読もう! 〜社会派なあなたへ〜    http://www3.plala.or.jp/dvdrom/docu/home.htm     NHKの社会派の番組を、メルマガ発信者、南楽一さんが楽一節で語ってくれま   す。   時々、おまけ(?)で書かれてくるエッセーもとても心に染み入ります。       まぐまぐID 0000049207 --------------------- それじゃ、今週はここまで。 あなたのお便り待ってるよ。 daichi-m@phoenix-c.or.jp じゃね。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ スーパで買い物しているとき、なにげなく髪に手をやった。 するとあるものが触れた。見ると値段が印刷されているシールである。 いつから付いていたのだろう。どこで付いたのだろう。 「298円」と印刷されている。しかも「50円引き」とも。 その時、私は248円だったらしい。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ○週刊 やまねこ通信E=MC二乗 vol.2  2000年12月8日発行 http://www.phoenix-c.or.jp/~daichi-m/yamaneko/yamaneko.htm ○発行編集者 みかりん daichi-m@phoenix-c.or.jp ○発行システム:インターネットの本屋さん「まぐまぐ」 http://www.mag2.com/ ○登録/解除 http://www.phoenix-c.or.jp/~daichi-m/yamaneko/yamaneko.htm ○週刊やまねこ通信は、素人みかりんが趣味で発行しているもので、情報の正確さに はまったく自信がありません。引用して弊害が起きても責任は持てないよ。 それから誤字脱字変換ミスは大目に見てね。気を付けるけれどさ。えへ。 308