2001/4/27━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 幽玄の森羅万象の散歩道 動物行動学からの性♂♀の話・動物・植物・環境・宇宙・時間・哲学 興味のおもむくまま“みかりん”の しゃべりんぐ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━目指せ1万部! ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆        週刊 やまねこ通信 E=MC二乗                                vol.20 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ こんにちは。 みかりんです。 北国の春は遅く、やっとカエルが産卵しはじめたよ。 先日、森を歩いていたらウグイスに「ほけきょ」と話しかけらた。 なんて返事をしたものかと迷っていると「かぁ」とカラスが鳴いた。 ウグイスというのは留鳥でずっといるらしいんだけれど、見かけは地味だし 冬は“ほけきょ鳴き”をしないから気付かないんだよ。 カッコウが鳴き始めると「畑に種を蒔いても良い」という合図。 カッコウはまだ鳴かないけれど確実に春はすぐそこ。 新しく登録して下さった人、はじめまして。 バックナンバーがあるので、ここ↓チェックしてみてね。 http://www.phoenix-c.or.jp/~daichi-m/yamaneko/yamaneko.htm ━■ネズミの実験から見える話━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ どうにもなんとも言えないネズミを使った実験がある。 イギリスのカルフーンという学者の実験だ。 ネズミをギリギリの過密状態に保ったまま、三世代に渡って飼育した実験。 するとまず性衝動に異常が現れた。メス、オスの区別が出来ない同性愛が出た。未成 熟のメスを犯したがるオスが出てきた。インポテンツになったオスもいる。変態も現 れたという。(ネズミの変態って、どんなのなんだろう?(笑)) 次にメスの行動が異常になった。特に母親ネズミの行動が狂ってきた。自分の子ども を保育する事も、保護する事も出来ないメスが増えたのである。そのために、忘れら れた子ネズミは、他のネズミに踏み殺されたり、食われたりしてしまった。妊娠する 割合が減り、流産率が高くなった。 生まれてくるネズミは発育不良、先天異常が多くなった。 そしてネズミ同士の闘争が増え、弱いものは社会から離脱した状態になり、ネズミの 社会は混乱状態になったのである。けれど、異常行動を起こすのは弱いものが中心 で、強者は相対的に正常を保つことができた。弱いものというのは、メスと若いオ ス、特に子どもだ。 一般にストレス過剰になると種族維持本能が衰えて、個体維持本能が強くなる。 若い個体では、成長をおさえてまでも自分の生命だけを守ろうとするから、弱いもの が多くなる。 この実験は、どうも現代人間社会に当てはめて考えてしまいがちだ。 あまりのそっくりさに戦慄を覚えるのは私だけではないはず。 ここで最も問題にしなければならないのは、このネズミの実験でもわかるように、異 常をきたしはじめているのは劣位の個体からだということなんだ。社会の中枢部にい る優位の個体は、自分たちまで異常をきたしていないので、劣位の異常を他人事だと 思っていることだ。 そしてとても怖いのが、全体が異常になりつつある中では、誰もそれが異常だという ことになかなか気付かないという事でもあるんだ。 ━■動物行動学からの性♂♀の話 (18)━━━━━━━━━━━━━━━━ 「江戸の色事(2)」 江戸の町は男女の比率が極端にアンバランスだったので、かなりの女性主導型の性文 化が発達した。 参勤交代の勤番侍や上方の商家の江戸店の連中などで圧倒的に男が多かったのであ る。 この頃、日本各地には夜這いの風習があった。江戸でもそれはあった。 満月の夜が夜這いOKの日。それも女の子に選択権がある。嫌いなヤツはシャットア ウトして良い。 ダブルブッキングがないように、来た男の子の草履を外に下げておく。 男は、先客があるとわかるとすごすご帰って次の満月を狙う。 女の子の親もこの夜に限り、見て見ぬふりをする。 キスのことは口吸いと言うけれど江戸のキスは広範囲で、帯を解かないで出せるとこ ろ全部OK。 でも帯から上とヒザから下だけだよ。 深窓の令嬢は別。これは庶民レベルの話し。 性教育がかなり徹底的にされていて、娘は色々な避妊テクニックを母親から教えられ る。 そうでないと男の子と付き合わせて貰えない。 長屋のおちゃっぴぃと大工見習いの男の子が励んだ結果、お腹が大きくなってしまっ て…なんてことはまずなかった。 経口避妊薬もあった。江戸は男が多くて怖いところだから、自分の身は自分で守らな ければならなかった。だから女の子も知識は豊富だった。 だから江戸は玄人と素人の見分けがつかなかったと言われている。 でも、これは江戸に限った話し。 男女比が半々だった上方は全く状況が違う。 上方は、旦那衆がお妾さんを持つ。 江戸は、おかみさんが間男を持つ。 江戸のおかみさんは、気に入った出入りの職人や魚屋さんをちょこっとつまむ。 ここでも完全に女に選択権がある。 ━●みかりんの叫び━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 「あなどれない鳥」 私は以前、庭にバードテーブルをつくっていて頻繁にいろんな鳥が訪れるようにして おいた。 いろんな鳥が来た。 ヒヨドリ、つぐみ、シジュウカラ、レンジャク、ウソ、ヤマバト等。 ヤマバトはつがいで来てよくオスが踊っていた。 ある時期カワラヒワの大群がずっと来ていた時期があった。それはそれは連日大量に やって来ていた。 ある日、事故が起きた。 ベランダのガラスに1匹のカワラヒワが激突して倒れたんだ。 私は、カワラヒワが死んだとは思っていなくて、あちこちいじりまわし、羽根を広げ 風切り羽の黄色に感銘し、それからもとの場所において、克明にスケッチをした。 私は、鳥は気絶してるものと思ったんだ。もとの場所に置いておけば息を吹き返し、 飛んでいくだろうと思ったんだ。 でも鳥はその時即死していたんだ。 日が暮れ始めて大量のカワラヒワの大群が少しずつ山へ帰り始めた時、私は、おや ?っと気付いたんだ。 一匹、ずっとこっちを見ている鳥がいることに。 え? ずっとそこにいたの? たぶん事故にあったカワラヒワのつがいの相手だったんだと思う。 事故からずっとそこにいて私のしたこと一部始終見ていたんだと思う。 暗くなって仲間がみんないなくなってもその鳥は、ちょっとは移動するけれどずっと 配偶者を見ている。 動き出すのを待っているんだよ。 その頃になると私も事故にあった鳥はすでに死んでいるって判っていたから、待って る鳥にもう諦めて帰りなさいって話しかけていたんだけれど。 かなり暗くなってからその鳥は山へ帰っていった。 異変は次の日に起こったんだ。 連日来ていたカワラヒワの大群がその日を境にピタっと来なくなってしまったんだ よ。 たぶん、あの鳥が、私のした事を見て、私が彼の(彼女の?)配偶者を殺したと思っ たに違いなく、しかもそれを仲間に伝えたとしか考えられないんだ。 誤解だぁ! 私は、無罪だぁ! トリ新聞にトリ上げられてトリざたされて犯人にトリ違えられた私。(笑) ━▲やまねこ投書箱━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ------------------ [きょみち]  この間テレビで深海動物の放送をしていました。何匹もの数が集まって長細い  ひも状になる動物。  部分、部分が一匹なのか、ひも状一本で一匹なのかよくわからないらしいです。  これって植物の自我といっしょでシフトされているってことかな。  たとえば一匹だけ「いちぬ〜けた」ってはずれちゃったり(これはありそう)、  一番はじっこのが気まぐれを起こして「くっついちゃえ」ってもう一方の  はじっことくっついちゃったり(つまり輪っかになるってことです)  そんなことしたりしないのかな? ------------------ 全体と部分の話しですね。 私たち人間もこれ程までではないにしろ、ある程度そういうものかもしれません。 集団心理ってのがそういうものに当たるかもってね。 この深海動物の場合は、集まってひも状になることで大きな生物のフリをして敵に襲 われづらくする作戦のようです。 で、こういう動物の場合が集団になるにはやはり生存に有利ということがあってそう なるんです。 一匹一匹で存在していたら敵に確実にやられてしまうからね。 集団でいると一度に全部はやられないから。かたまっていると誰かがやられてしまう けれどそれは全体からみたら部分で、大部分はその一部の犠牲のために助かるんで す。 小鳥が集団で渡りをするときに色々な種類が徒党を組むということもあるようです。 種族を越えて天敵に対抗するために集団になるんだね。 一匹だけ「いちぬ〜けた」ってはずれちゃったりすることは死を意味する厳しい世界 で、気紛れに事を起こす事は死を意味します。で、気紛れに事を起こして死ななかっ た場合はそういう形質が子孫に受け継がれていくのでしょう。 生きるのに有利か不利か。選択はそれだけです。 でね、きょみちさんの全体と部分という感覚で近いのが、アリやハチなどの集団で生 活する昆虫じゃないかと思うんです。あれらは、部分は全体で考えたように行動する からね。 ------------------ [鐘辺完]  タスマニアデビル = ふくろぐま  クリオネ     = はだかかめがい ------------------ 袋熊、裸亀貝……って漢字で表現するともっと和名の味わいが。(笑) で、次の2つの投稿は、かつての高級顔の弥生顔のおふたりから。 ------------------ [Miyako]  昔から日本人はよく顔を2種類に分けたがるよね。  醤油顔にソース顔。キツネ顔にタヌキ顔。  だけど、結局は弥生か縄文かってことだね?  私は弥生式な顔です。(笑) ------------------ [ぽん]  典型的な鼻ぺちゃ平坦丸顔小顔、しもやけになりにくい弥生人のぽんです。  ちなみにダンナは四角くてでかい顔、彫りも深い縄文人ですわ。  一番びっくりすんのは、前歯の大きさがぜんぜん違うこと!  人間は歯とか脊椎の本数は変わらないそうですが、と言うことは  パーツの大きさが変わるってことなんですねぇ。  ダンナと私の前歯の大きさは、ほぼ1.5倍の差があります。  ナンバ=トウキビを食べるときには、いつもその差を思い知らされます。  ちなみにうちのアルバイトちゃんも顔がでかいので、2人の間に挟まって  写真を撮ると、私だけすごぉくうしろにいるみたいに見えます。 ------------------ 昔から日本人はよく顔を2種類に分けたがるのは、「どうも二種類の顔があるなぁ」 と感じていたからだと思うんですよ。 私の顔は、パーツごとに縄文弥生が混在してます。顔の大きさは縄文弥生関係ないと 思うんだけれど、地下鉄なんかに乗って向かい側の席の人たちのズラッと並んでいる 顔をみると、顔の大きさって大きいから小さいまでかなり幅があるんだなぁって観察 しています。 そうそう、昔の肖像画なんてみると縄文弥生がすぐ判る例があるよ。 豊臣秀吉は縄文顔だね。織田信長は弥生顔。 ━●編集後記━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ★ネズミの実験から見える話しを知ったときは、ちょっと怖かったよ。 ヒトはヒトにとってよくないと思われる要因をどんどん排除していった結果、限界ま での過密状態と危機的な食糧危機を迎えようとしている。 でも本当の滅びへの道はそういう外側からの外的要因よりも内部崩壊からなんだなぁ という感じがあるんだ。 ★江戸の色事(2)どうでした?  次回はもうちょっと突っ込んで「色事は、四十過ぎからが面白い」というテーマで。 3回シリーズの最終回です。 ★「やまねこ通信E=MC二乗」では、あなたからの投書を受け付けています。  動物・植物・環境・宇宙・時間・哲学このメルマガの趣旨に合うような投書を  気軽にメールに書いてね。 ★みなさんの中にメールマガジンを発行している方はいませんか?  相互で宣伝しあいませんか?  連絡ください。 それじゃ、今週はここまで。 あなたのお便り待ってるよ。 daichi-m@phoenix-c.or.jp じゃね。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 私の視野には私は見えない。 けれど、ある情景を思い出しているときは、自分は居るんだよね。 なんか不思議。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ○週刊 やまねこ通信E=MC二乗 vol.20  2001年4月27日発行 http://www.phoenix-c.or.jp/~daichi-m/yamaneko/yamaneko.htm ○発行編集者 みかりん daichi-m@phoenix-c.or.jp ○発行システム: ◆インターネットの本屋さん「まぐまぐ」 http://www.mag2.com/ ◆メルマガ発行サービス「メルマガ天国」 http://melten.com/ ○登録/解除 http://www.phoenix-c.or.jp/~daichi-m/yamaneko/yamaneko.htm ○週刊やまねこ通信は、素人みかりんが趣味で発行しているもので、情報の正確さに はまったく自信がありません。引用して弊害が起きても責任は持てないよ。 それから誤字脱字変換ミスは大目に見てね。気を付けるけれどさ。えへ。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━