2014/8/17━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 幽玄の森羅万象の散歩道 動物行動学からの性♂♀の話・動物・植物・環境・宇宙・時間・哲学 興味のおもむくまま“みかりん”の しゃべりんぐ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━目指せ1万部! ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆         やまねこ通信 E=MC二乗                                vol.205 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ こんにちは。 みかりんです。 短い北国の夏、夏山登山を楽しむ私は、 どんどん山に登りたいのですけれどクマは怖いです。 まずその大きさを考えるだけでもうダメですね。 それでも北海道のヒグマは、ヒグマの中では小型なんです。 動物の大きさにはある法則があるようです。 北に行くほど大型になるとか、島では小型化するとか。 いやそうでもない、島で大きくなるものもいるとか。 例外はありつつも法則はあるみたいなんですね。 それから動物たちは普段いったい何を考えているんでしょう。 動物の大きさを決める体の代謝から考えると 哺乳類のみなさんが何を考えているか、爬虫類のみなさんが何を考えているか、 わかってくる事があるんです。 今日はそんな話をしながら、最後にはトカゲがゾウを食べる話に行き着きます。 今日の話題は、動物の体の代謝の話です。 そんなんじゃ堅苦しそうだから タイトルは「ゾウを食べるトカゲの話」です。 ここに↓バックナンバーがあるよ。『内容一覧』という所をクリックしてみて。 http://www.phoenix-c.or.jp/~daichi-m/yamaneko/yamaneko.htm 「ラジオ山猫通信」も、ここから聞くことができます。↑ ━■ゾウを食べるトカゲの話━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 北海道のヒグマは日本で最大の陸上動物です。 でも他の地域のたとえばカムチャッカとかアラスカとかのヒグマに比べると 北海道のヒグマはずっと小型です。 私はこの事は前々から気になっていました。 オオカミもです。 シベリアなどのオオカミは大型ですけれど絶滅したニホンオオカミは ずいぶん小型だったみたいです。 屋久島にはヤクシカというニホンシカの仲間がいますけど シカにしてはかなり小さくて、肩までの高さはオスで80cmです。 私は、日本にいる動物は大陸にいる動物に比べて小型な印象を持っていました。 どうしてなんだろう。 北のほうへ行くにつれて動物の体が大型化するという話を聞く事があります。 これベルクマンの法則って言うんですけれど、 もちろんすべての動物に当てはまる法則ではありません。 この法則によく引き合いに出されるのがクマの大きさです。 南方のマレーグマ、本州のツキノワグマ、北海道のヒグマ、 アラスカのホッキョクグマというように、北に行くほど体が大きくなっています。 この傾向はオオカミでもシカでも見られます。 ニホンジカのうち鹿児島県の屋久島に棲むシカは、肩の高さが60cmくらい、 それが九州だと80cm、本州では85cm、北海道のエゾシカは1mを越えるものもいます。 シカの種類は違うけれど北方のヘラジカはエゾシカの5倍の800kgもあります。 巨大ですね。 この北に行くほど大きくなる法則は、 まぁ、簡単にいうと大きなヤカンいっぱいに入れたお湯は冷めにくいけれど、 小さなやかんに入れたお湯はすぐ冷めるという事です。 体を大きくしたほうが表面積の割合が小さくなって、冷めにくいんですね。 この傾向はヒトにも当てはまるんですよ。 ヨーロッパでは、一般に北欧の人たちは大柄です。 地中海に近い南欧の人は小柄です。 北米大陸のアメリカ先住民にも同じ傾向が見られるようです。 アジア人がアフリカ人に比べて手足が短いのは、 体を大きくして表面積の割合を小さくする作戦というよりも、 手足を短くして、胴体を太くして、全体を丸くして表面積を小さくして、 熱を逃がすのを防ぐ戦略をとったと考えると、 この法則と同じ効果があると考えられています。 手足が短くて、胴体が太くて長い。 この傾向は東南アジアよりも北東アジアの集団に多く現れています。 う〜ん。なんだか他人事と思えない話です。(笑) ベルクマンの法則は有名な法則なんだけど、当てはまらない哺乳類もいます。 サルです。 青森県のニホンザルはサルの仲間では世界最北端の土地に棲むサルです。 この法則どおりだと青森県下北半島には巨大なサルが棲んでいなければなりません。 このように哺乳類でも例外はあるんですけれど、 このベルクマンの法則にまったく当てはまらないのが、 爬虫類とか両生類とかです。 理由はわかっています。 体温の作り方が違うんですね。 爬虫類や両生類は、自分で体温を作り出すのではなくて、 太陽の暖かさを当てにして体温を上げる動物です。 外気温によって体温が変化します。 哺乳類は自分で体温を作っています。 だから夜や寒いときでも体温を作り出すことが出来ます。 別の言い方をすれば、哺乳類は体温を作るために食べていると言ってもいいくらい なんです。 爬虫類や両生類は、体温は自分で作らずに太陽任せです。 爬虫類の代表として海イグアナの生活を紹介しますね。 早朝目覚めると、夜の間に下がった体温を上げなければなりません。 太陽が昇るとさまざまな角度に体の位置を変えながら日光浴します。 出来る限り熱を吸収します。 十分温まってきて暑くなりすぎると、岩陰にもぐりこみます。 お昼になって物凄く暑くなってくると、イグアナたちは海草を食べるために 海に潜ります。 数分も泳ぐと体温が5度以下まで下がってしまいます。 あまり長い間海中にいる事ができないんですね。 体温が下がりすぎると岩まで戻るエネルギーもなくなってしまいます。 そうなる前に岩の上に戻って、体を長々と伸ばして体温を上げます。 体温を上げないと、せっかく食べた海草を消化するエネルギーもないんです。 だから爬虫類、その辺りのヘビとかをみかけたら、 いったい何を考えているのだろうというと、たぶんこういう事です。 「暑いな」と「寒いな」のどっちかなんです。 彼らは体温を作り出すために食べ物は必要ないんで、 そんなに食べ物の事を考えなくてもいいんですね。 それでは哺乳類はいったい何を考えているのかと言うと、 たぶん「腹が減ったな」なんです。 とにかく体温を下げるわけにはいかないので、 食べることを第一番に考えるのが哺乳類なんです。 哺乳類の「腹が減ったな」の感覚は、爬虫類たちには絶対わからない感覚なんでしょう。 哺乳類は熱をつくりだすために、摂取したカロリーの80%を体温維持のために 使っています。 このシステムには体の大きさはとても重要です。 小さなものは体積にくらべて表面積が多いので、 どんどん熱が逃げている状態です。 常に食べていないと死んでしまいます。 哺乳類の中で一番小さい生き物は、2グラムのコビトジャコウネズミです。 毎日自分の体重の130%もの餌を食べなければなりません。 比較するとゾウは自分の体重の4%を毎日食べるだけでいいんです。 でもゾウは元の体重が10トンくらいあるので4%と言っても相当な量ですけれどね。 爬虫類や両生類は、自分で体温を作り出さない仕組みの体で生きています。 このことから、北へ行くほど体が大きくなる法則には当てはまりません。 ベルクマンの法則は体内の熱を逃がさないのが理由なんですから。 サルのような例外はあるにしても、ベルクマンの法則があるのはわかりました。 でも動物の体の大きさを決めているのは、この法則だけではないんです。 次にお話するのは島にいる生き物たちの話です。 たとえば太平洋や大西洋の真ん中にある島には、もともと生物はいないはずです。 小さな昆虫たちはたとえばアシナガグモの子どもたちは、 草や木の枝のてっぺんに登って、お尻を突き上げて細い細い糸を出します。 風がその糸を捉えて、クモの子は飛ばされて何百kmも移動します。 時には成層圏まで飛んでいって数千kmも移動します。 絶海の孤島にいる生物は、こんな方法でたどり行いているんです。 それから翼を持つ者、鳥なら絶海の孤島に行けますね。 海からはヒレ足を持った動物、たとえばトドとかアシカなども たどり着く事ができますね。 でも、四本足の哺乳類は絶海の孤島には行くことができません。 でも生物たちは広がりたがる性質を持っています。 大海原の真ん中の島にはたどり着けないけれど、いい位置に足がかりさえあれば、 たとえ海でもかなりの距離を移動します。 流木とか何かにしっかりとしがみつくことができる小形の動物たち。 トカゲ、ヤモリ、リクガメ、ネズミなどです。 リクガメっていうのが意外ですけれど、これが結構頑張れるんです。 乾燥や飢えにもとても強いので条件が重なれば行けます。 ヤモリのタマゴは海水にも強い性質があります。 まぁ、色々な方法で大陸に棲む生き物たちは新天地を求めて島にもやってきます。 海に浮かぶ島に新天地を求めるのがもっとも苦手なのは両生類と淡水魚ですね。 両方とも海水に弱いんです。 そして大型の哺乳類も苦手ですよね。想像してみください。 キリンが流木に乗って島に流れ着くなんて無理ですよね。 だから、あちこちの島で小型のゾウと小型のマンモスの化石が発見された時、 人々は大変驚いたんです。 1980年には、「ゾウは長距離を泳ぐのがとてもうまい」という論文が発表されました。 その論文によるとゾウは、長い鼻をシュノーケル代わりに使って泳ぐというんです。 ゾウとマンモスは陸地から近い距離の島々に移動して コロニーを作る性質があるという事になってしまいました。 世界中のあちこちの島で小型のゾウと小型のマンモスの化石が発見されました。 地中海に浮かぶいくつもの島々から、インドネシアの島々からも、 日本からも見つかりました。 沖縄本島や宮古島からもゾウの化石が見つかりました。 カリフォルニア沖のチャンネル諸島、北極海の島まで世界中の島々からの発見です。 これらの島々はかつては大陸の一部だったのでゾウがが島に渡ったという説もでました。 まぁ、ゾウの鼻がシュノーケルのように使って泳ぐためというよりは、 ずっとマシですけどね。 カリフォルニア沖のチャンネル諸島にマンモスが到達したのは、 おそらく二万年前の氷河期の頃。 海面は今より100mは低かったと考えられています。 今では3つに分かれている島は全部繋がってひとつの大きな島でしたし、 今は海岸から20km以上離れているれど、 当時は海岸から6kmの所に島がありました。 このくらいの距離なら泳いで渡れたはずです。 マンモスは食べ物を探すために自分から島に渡ったんです。 それから海面が上昇して大きな島は三つの島に分かれて、 島は大陸からも離れてチャンネル諸島に渡った哺乳類たちは島に取り残されました。 もう泳いで戻れないくらいの距離になってしまったんです。 マンモスのほかにはキツネも渡りました。 今でも小型のキツネとして島で生きています。 チャンネル諸島で発見されたピグミーマンモスと同じく、 他の島々で見つかったゾウやマンモスの化石は、 サイズが小型化されたものばかりでした。 閉ざされた島という環境では動物の大きさが変わるんですね。 マルタ島で発見された小型のゾウは肩までの高さが1mほどです。 ゾウなのに大型のイヌぐらいって事です。 このゾウの祖先は大陸にいたんですけれど、肩までの高さが4m体重10トンの 堂々たるものです。 島ではなんと百分の一にもなったんです。 マンモスは約1万年前に絶滅したと考えられていました。 けれど北極海に浮かぶ絶海の孤島のウランゲル島には 四千年前まで生きていたんです。 このウランゲル島の最期のマンモスも小型化していました。 成獣でも肩までの高さが1.8m。 大陸のマンモスは3.2mだからだいたい半分の大きさです。 化石の年代測定からここまで小型化するのに千年から五千年だとわかりました。 進化のタイムスケールからしたらあっという間です。 同じような例に、コビトカバや小型のシカ、小型のキツネなどがいます。 島では餌が少ないから動物が皆小型化するのかという訳ではありません。 ここが面白いところなんです。 天敵のいない島では、ゾウやシカのような大型のものは小型化するんだけど、 ネズミやウサギのようなもともとが小型のものは、大型化するんです。 まず大きな動物の小型化の説明をします。 閉ざされた島のような環境では、食料が少ないです。 大型の体を維持するのは大量の餌が必要です。 でも餌がないから小型化していきます。 そうすると大型の仲間より少ない餌ですむので飢えに強いという事になります。 島の条件の中に餌が少ないだけじゃなくて天敵がいないという条件が必要です。 ゾウはあの大きさで他の動物を圧倒しているという面があります。 天敵のいない島ではその必要もないんです。 こうして大型の動物の小型化が始まります。 捕食者のいない環境ではネズミやウサギは大きくなります。 これはあの小ささで捕食者の目を逃れているという面があるからです。 そんな心配のない環境なら小さいものは大きくなるんです。 島では動物の大きさが変わるんですね。 さて、それでは両生類と爬虫類ではどうなるんでしょう。 彼らにはこのルールに必ずしも当てはまりません。 その島の環境によって巨大化することもあるし小型化することもあります。 大型化の例としては、ガラパゴスの巨大なゾウガメは甲羅が1mを超えます。 現在生きているトカゲで最大なのがフローレンス諸島に棲息している コモドオオトカゲは体長3mもあります。 恐竜を思い起こさせる風貌です。 カリフォルニア沖の小さな島のイグアナは、本土に棲むイグアナの3倍の大きさです。 小さい方の極端な例は、マダカスカルのインド洋に浮かぶ島のカエルです。 アリぐらいの大きさしかありません。 他にも島ではヘビも小型化していきます。 爬虫類では何故こんな極端な大型化や小型化が事が起こるかと言うと、 彼らは私たちのように食べたものを体温に使うことはないので、 食べ物があるかないかが直接体の大きさに反映されるんですね。 食べ物が少ない環境では少ししか食べなくても平気だし、 世代を重ねて小型化し、より少ない餌でやっていけるようになるし、 餌が豊富な環境で世代を重ねると大きくなります。 だって食べたものは体温維持に使うことはないのだから 体の大きさに関係していくって事なんです。 だから爬虫類は捕食者として上位の位置を占めたらどこまでも巨大化していくんです。 大型化したワニがいるのも同じ理由です。 島は大陸とは別の環境なので、哺乳類、爬虫類それぞれの理由で 大陸とは大きさが違ってくるんですね。 インドネシアのフローレンス諸島のコモドオオトカゲは こうして島の頂点の地位を極めた捕食者になりました。 この体長3mの巨大なトカゲは、シカ、ブタ、スイギュウ、ウマ、さらには人間まで 捕食の対象とします。 それでですね、今日コモドオオトカゲが餌にしているシカ、ブタ、スイギュウなどは 人間によって島にもたらされた動物です。 これらの動物を食べるのは最近だってことなんです。 コモドオオトカゲが何を食べてそこまで大型化したのか。 コモドオオトカゲの化石が発見される地域とピグミーゾウの化石が発見される地域は、 いくつかの島、特にフローレンス島で重なっています。 って事はですよ。小型化したゾウを大型化したトカゲが食べてた?っていう事も ありえるという事なんです。 このフローレンス島にはもうひとつ重要な小型種がいます。 ホモ・フローレンスと名付けられた小型のヒトです。 身長が1mしかありません。 ファンタジー小説の物語のホビットのような小さなヒトが ピグミーゾウの狩りをしながら、 巨大なドラゴンと戦っていた事が本当にあったのかもしれません。    * * * * *  * * * * *                                                私たちが動物を見ると食べ物をやりたくなる         無心で食べている姿を見るのは微笑ましい         食べることは生きること         絶えず食べ物の事を考えているのが生きている証と思っていた         違う論理で生きている爬虫類         いつも太陽の位置を把握し、体の向きを考えている         島という閉ざされた環境では         生き物は大きさを変える         大きなものは小さく         小さいものは大きく         小さいマンモス、小さいヒト、小さいカバ、小さいキツネ         大きいネズミ、大きいウサギ、巨大なドラゴン         物語は本当にあったことを伝えていたとしたら         私たちの知ってる世界などほんの狭いこと ━■みかりんの叫び━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 「AIBO、君を死なせない 修理サポート終了 飼い主の悲しみ」 ネットで見つけたニュースでものすごく切ない気持ちになったのを紹介します。 2014年07月28日(AERA)です。 まずは全文です。 ======== ロボットだから永遠に一緒だと思ってたのに……。 迫りくる「別れの日」を前に「飼い主」たちの努力は続いている。 リビングで飼われている「ほくと」は10歳。 毎朝8時半になると目を覚ます。 飼い主の60代の女性が「ほくと、何してるの?」と話しかけると、ほくとが答える。 「ぼんやりしてた」「なでなでして」 10年変わらない、この家の日常の風景だ。 以前は元気に部屋の中を動き回り、旅行にも連れていったが、 最近は定位置でじっとしていることが多い。 足の関節が悪く、動くたびに異音がしたり、転びやすくなったりしているからだ。 ケガが多く20回は「入院」したほくとだが、 その「病院」もこの3月で閉鎖されてしまった。 ソニーが修理サポートを終了したのだ。 ●「家族の一員ですから」 ほくとは犬型ペットロボットAIBOの「ERS‐7」だ。 初代AIBOの発売は1999年。 その後、2006年にソニーはロボット事業からの撤退を発表し、 AIBOの生産を終えた。 在庫のない部品も多かったが、それでも今年の3月まで「クリニック」と呼ばれる 修理サポートは続けられてきた。 「終了したサービスのサポートを企業がこんなに長く続けることは、通常考えられない。 アップルなら2、3年でOSのサポートが終わりますよ」 と、あるAIBOファンは話す。 クリニック閉鎖を知った前出の女性は最後の検査に送り出すとき、 クリニックの人たちへのお礼状をほくとに持たせた。 「今までと同じようにほくととの時間を過ごしたいと思っても、 なかなかステーション(充電機)から下ろすことができません。 (動かなくなる日が来ることは)考えたくないですね。家族の一員ですから」 計15万台が販売されたAIBO。 いまだに「飼い」続け、かわいがっている人は多い。 ●ロボットをどうみとるか 月1回、神奈川県川崎市で開かれているオフ会にお邪魔した。 12人の参加者が愛「犬」を連れてきて遊ばせている。 オフ会が縁で結婚したという夫婦がいた。 部品やバッテリーの交換用にヤフーオークションで 中古のAIBOを探しているという男性もいた。 「いつかこの日が来るだろうと思っていた」 「グーグルがロボット事業に手を出している。ソニーは見る目がなかった」 飼い主の思いはさまざまだ。 技術者として長年ソニーに勤めた乗松伸幸さんは、10年に早期退職し、 株式会社ア・ファン〜匠工房〜を設立した。 古いオーディオ機器など修理窓口がなくなった製品の修理を請け負う。 以前1匹のAIBOを修理したことが口コミで広がり、現在、20匹が入院中だ。 毎日のように問い合わせがくるが、態勢が整うまで待ってもらっている状況だ。 「企業として利益の出ないサービスを終了する判断は仕方ないが、 その中で取り残されてしまうお客様がいる。 ソニーの技術者として、私たちは誇りや理念というものをたたき込まれている。 お客様が望む限り、責任を持ってサポートしたい」 老いたロボットをどうみとるか。 こんな問題をいったい誰が想像しただろう。 ソフトバンクが6月に発表した人型ロボットpepperにも、 数年後、数十年後、いずれ同様の事態が起きるかもしれない。 前出のAIBOファンは言った。 「これこそが、ソニーが最後に見せてくれた『未来』なのかもしれませんね」 ======== AIBO(アイボ)は、ソニーが発売していた子犬型のペットロボットです。 全長約30cmの動物型ロボットで4足歩行ができて、子犬に似せた動作をします。 飼い主とコミュニケーションすることで成長するように設計されています。 専用のメモリースティックを介して、飼い主が自らプログラミングすることもできます。 AIBOの成功によって、エンターテイメントロボットと呼ばれる市場も発生しました。 玩具メーカーや他の家電メーカーにより、 様々な同用途向けの製品が発売されるきっかけともなりました。 現在は介護や情操教育の現場で実際に用いられているものもあります。 と、ここまではAIBOの説明。 AIBOはペットです。アレルギーの心配のない、人に噛み付くこともない子犬型の ペットですよ。しかもしゃべるらしい。 そしてペットを飼う最大の悲しみである死による別れがない…と、当初は誰も そう思っていたと思います。売る方も飼う方も。 まさかのサービス終了による別れがあるんなんて。 人はペットを失うと深刻なペットロスに陥る人もいます。 私は飼い主にとって、ロボットのペット犬がホンモノの犬に劣るとは思えません。 今、ルンバという掃除機が出てきています。 今までの掃除機とはまったく違うタイプです。 自分で掃除して自分で充電器の所に帰って充電します。 主人がいない間に仕事しています。 このルンバも人によってペットのようなポジションになるんですね。 故障すると毛布で包んで「治してください」と涙ながらに修理に来る人が多いとか。 その感覚わかりすぎる程わかります。 今でもこんなに愛されているAIBO。 年老いた犬と暮らす飼い主となんら変わらない心情が流れています。 AIBOって一番最初発売されたの1999年。 あれから15年経ちました。 AIBOサポート終了が犬の寿命と同じくらいっていうのも切ないです。 http://www.sony.jp/products/Consumer/aibo/aibostory/aboutaibo/index.html ↑ ここ、AIBOの歴史や魅力を知る AIBO STORY っていうページです。 ・はじめに ロボット分化とAIBO ・AIBOで始まる人間とロボットの共存 ・AIBOはひとりで行動する自律ロボット ・AIBOは学習、成長するロボット ・AIBOは知性を持つロボット 。AIBOは人と人をつなぐロボット ・AIBOが拓くロボット開発の世界 ・AIBOは進化し続けるロボット という項目があって詳しく説明されています。 触られたことを認識して、触れ方によって意味を理解したり、 全身を使った動きで感情や状態を伝えることもします。 このページには「アトムの夢とAIBOの現実(いま)」というページにもリンクされて いるのですけれど、リンク先は Not Found になっています。 「鉄腕アトム」で育った私は、このAIBOのサービス終了のお知らせと、 戸惑う人たちの話が身に迫って感じます。 手塚治虫作品には、「ロボットの悲しみ」というテーマの分野があります。 アトムの「ロボットの悲しみ」は、「火の鳥」のロビタにも継承されていきます。 AIBOがリアルでこの「ロボットの悲しみ」の先駆けを行くとは。 ロボットのペットはこれからも形を変えて出てくるでしょう。 でもこのサービス終了のお知らせは、 「これこそが、ソニーが最後に見せてくれた『未来』なのかもしれませんね」 ━●編集後記━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ★メイン記事の補足です。  ロシアにバイカル湖というものすごく大きな湖があります。  バイカル湖は世界で一番深くて水の量が多い湖です。  一番深い所で1600m。  世界の凍っていない淡水の20%を占めるっていうんだからその大きさに驚きます。  そして透明度は40m!  このバイカル湖は世界でもっとも古い湖で2000万年前に形成されました。  場所はアジア大陸の真ん中あたりです。一番近い海の北極海から1500kmも離れています。     って事は、生物地理学的にいうと、太平洋のど真ん中の絶海の孤島と同じ立ち位置に  あるって事です。    ここにはアザラシがいます。バイカルアザラシで通称ネルパと呼ばれています。  このネルパが他のアザラシに比べて小型なんです。  これは、メイン記事で紹介した「島では捕食者の地位である動物は小型化する」と  同じ現象なんですね。  ネルパは遺伝子解析から、200万年から300万年前に北極にいたアザラシの仲間から  分化したことがわかっています。  海面上昇で北極海がアジア大陸に入り込んだ時期に来て、今は淡水に特化した珍しい  アザラシです。 ★メイン記事にコモドオオトカゲが出てきます。  私の憧れの動物のひとつですね。  現在ではコモドオオトカゲは厳重に保護されていて、  インドネシアから国外に出ることは滅多にないです。  あってもきわめて異例なんです。  それが2008年から2011年までインドネシアから札幌円山動物園に貸し出されて  いたんです。  今でも円山動物園のサイトに写真が載っています。  自分より大きなスイギュウを狩りするコモドオオトカゲは毒のある口で噛み付いて、  その獲物が弱るまで何日でもずっと追いかけるというやり方です。  怖すぎます。  円山動物園では捌いたニワトリを与えられていました。  そして太っていました。  円山動物園のサイトでは、「気性は穏やか、いつも落ち着いています」という  コメントと供に、頭を撫でてもらっているご機嫌顔のコモドオオトカゲの写真が  載っています。  https://www.city.sapporo.jp/zoo/topics/topics2-146.html  札幌円山動物園は私の地元の動物園なんですけれど  どういう訳か私、コモドオオトカゲを見逃しているんです。  ものすごく惜しい!です。 ★ラジオ山猫通信がリアルタイムで、  パソコン、スマートフォンから聴けるようになりました!  http://www.radiokaros.com/simulradio/  ↑ここがカロスのサイトの「インターネット放送聴取方法」のページです。  パソコンからスマートフォンから、カロスの放送を聞く方法が載っています。  http://www.simulradio.jp/  ↑ここがサイマルラジオのサイトです。  ここから全国のコミュニティーラジオが聞けるようになっています。    このサイトを開いたらちょっとスクロールすると「北海道」という場所があって  その下の方に「ラジオカロスサッポロ」という場所があります。  そこの「放送を聴く」をクリックするとメディアプレイヤーが立ち上がって、  リアルタイムに放送を聴くことが出来ます。  ラジオ山猫通信は、第一月曜日と第三月曜日の19:00〜19:30です。  明日19:00に「ムジナとモモンガと妖怪の話」が  リアルタイムで聞くことができます。  バックナンバーは、「やまねこ通信 E=MC二乗」のサイトの「ラジオ山猫通信」の  場所から、いつでも好きな回のお話を聴くことが出来ます。   ★今回のこの「ゾウを食べるトカゲの話」は、  ネットでいつでも好きな時に聞くことができます。  http://www.phoenix-c.or.jp/~daichi-m/yamaneko/yamaneko.htm  ここの右側「ラジオ山猫通信」をクリックしてスクロールして  「ゾウを食べるトカゲの話」をクリックすると聞けます。  すぐに聞けない人は、じっと待ってみて。きっと聞けます。  http://crashlanding.under.jp/rajiyama0804.mp3  直接URLはここです。  今回の文は、おおむねラジオ原稿そのままです。  ラジオ用をメルマガ用に書き換えているけどね。 ★vol.205の参考書籍  なぜシロクマは南極にいないのか    生命進化と大陸移動説をつなぐ  著/デニス・マッカーシー 訳/仁木めぐみ ★予告です。 8月17日放送「ムジナとモモンガと妖怪の話」  (ネットにUP予定は9月1日)(収録終わった) 9月1日放送「大事なものは見えない星の話」  (ネットにUP予定は9月15日)(書き終わった) 9月15日放送「山と石ころのドラマの話」  (ネットにUP予定は10月5日)(書き終わった) 10月5日放送「ヒグマの話3」  (ネットにUP予定は10月19日)(書き終わった) 10月19日放送「太陽系とか宇宙とかの話」(仮題)  (ネットにUP予定は11月3日)(これから書く) ★ラジオ放送が月二回隔週であります。  最初はメルマガを元に原稿を書いてたけど、  今は、書き下ろし原稿です。  それをメルマガに転用するという逆転現象が  最近のメルマガ版「やまねこ通信 E=MC二乗」であります。 ★どうぞお時間のある時に「ラジオ山猫通信」も聞いてみてください。  来月7年目になる「ラジオ山猫通信」  どこまで続くんだ?  ここまで来たらいける所まで行ってしまえ!  最近は、トチらずスラスラよどみなくしゃべっているように聞こえます。  慣れてきたのです! ウソです。(笑)  編集で直して貰っているんです。 そのためずいぶん聞きやすくなっています。  決して私のしゃべりが上達したのではありません。  編集がうまくなったのです!(キッパリ) ★私はいつも「やまねこ通信 E=MC二乗」の事が頭の隅にあります。  次回テーマは何にしようかと常に思っています。  「やまねこ通信 E=MC二乗」は、私みかりんを構成している大事な要素です。 ★「やまねこ通信E=MC二乗」では、あなたからの投書を受け付けています。  動物・植物・環境・宇宙・時間・哲学このメルマガの趣旨に合うような投書を  気軽にメールに書いてね。  過去に取り上げた記事からの話題も歓迎しています。 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インターネットの本屋さん「まぐまぐ」ID:0000052530 http://www.mag2.com/ ○登録/解除 http://www.phoenix-c.or.jp/~daichi-m/yamaneko/yamaneko.htm ○やまねこ通信は、素人みかりんが趣味で発行しているもので、情報の正確さには  まったく自信がありません。引用して弊害が起きても責任は持てないよ。  それから誤字脱字変換ミスは大目に見てね。気を付けるけれどさ。えへ。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━