2014/8/31━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 幽玄の森羅万象の散歩道 動物行動学からの性♂♀の話・動物・植物・環境・宇宙・時間・哲学 興味のおもむくまま“みかりん”の しゃべりんぐ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━目指せ1万部! ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆         やまねこ通信 E=MC二乗                                vol.206 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ こんにちは。 みかりんです。 今年もお盆が無事過ぎました。 お盆と言えば夏、そして怪談です。 今日の話は怪談…ではなくて、妖怪の話です。 それも動物が妖怪の。 よく人を化かす動物ってキツネやタヌキが代表的です。 でも今日はムジナとかモモンガが妖怪だという話です。 そもそもムジナって何でしょう?  よくわかりません。 調べていくと大正13年に「タヌキムジナ事件」という事件が実際にありました。 そして同じ時期に「ムササビ モマ 事件」という事件もありました。 いったいどうしたんでしょう。 今日のお話は「ムジナとモモンガと妖怪の話」です。 他にもいろんなよくわからない動物の話もします。 ヌートリアとかハクビシンとか。 たぶんやまねこ通信はじまって以来、一番多くの動物名が出てくるメイン記事に なってると思います。 ここに↓バックナンバーがあるよ。『内容一覧』という所をクリックしてみて。 http://www.phoenix-c.or.jp/~daichi-m/yamaneko/yamaneko.htm 「ラジオ山猫通信」も、ここから聞くことができます。↑ ━■ムジナとモモンガと妖怪の話━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ まずモモンガの話からします。 モモンガといえば目の大きいとても可愛い動物です。 動物界の中でもイチニを争うカワイイ系です。 前足と後ろ足の間にある飛ぶための膜を広げて、(これ、飛膜と言います。) 木から木へと滑空します。 モモンガはとても小さくて、ヒトの手のひらにすっぽりと入ってしまうくらいの 大きさです。 夜行性なので夜の森でしか会えません。 電気のない時代、夜は月明かり星明りだけです。 そんな中、どうしても森のそばを通らねばならない時は たいまつとか提灯を持って歩きます。 暗い森の道を歩くと、もう心細くてフクロウが「ほぅ」と鳴くだけで 「うわぁぁっ」ってなってしまいます。 そんなふうに心が怯えているときに、どこからともなく何かがふわっと飛んできて、 たいまつや提灯のの火を吹き消していったら。 それはもう「出たぁ」と叫んで人里のほうへ駆け出していくしかありません。 江戸時代、オバケの事を「ももんぐわぁ」と呼ぶことがありました。 時代をさかのぼる程に一般的に使われていた言葉で、 特に関東地方でオバケをさす幼児語として使われていました。 「ももんぐわぁ」と同じものに「ももんじぃ」という妖怪もいました。 ボロをまとっていて全身毛むくじゃらの老人で、 通行人がこれとすれ違うと病気になるという妖怪です。 聞き分けのない子どもに「ももんじぃに食わせるぞ」と言ってしつける事もありました。 そしてこの「ももんぐわぁ」と「ももんじぃ」は、夜中に飛ぶ獣の妖怪として 認識されていたようで、着物を頭からかぶって、 ひじを張ってモモンガとかムササビのような姿を真似をして 「ももんぐわぁ」と言いながら子どもを脅かすときに使っていました。 江戸の頃はケモノの肉を食べることを禁じていた時代です。 それでも滋養のために獣肉をだす店を「ももんじ屋」と言っていました。 どうも夜中の通行人を驚かす妖怪はケモノ系の妖怪という事はわかっていたようです。 「ももんぐわぁ」や「ももんじぃ」は、野衾(のぶすま)という妖怪の別の言い方と されていました。 のぶすまは、木の実を食べる、火を食べる(提灯やたいまつの火を消す所からですね)、 人や動物の生き血を吸うとも言われていました。 空を飛んで人の目や口を覆うとも言われました。 ムササビやモモンガは、昼間は木の洞などにいて人はなかなか見つけることできません。 彼らは夜行性なので、暗闇の中で滑空している時にたいまつや提灯の明かりが まぶしくて目がくらんで着地を誤って、人間の頭にへばりついたとしたら、 これはもう妖怪の仕業となってしまうのも無理はありません。 でも、手のひらに入るようなサイズのモモンガにたいまつの火が消せるとも思えません。 当時はモモンガとムササビの区別はついていませんでした。 ムササビは小さめのネコくらいの大きさで、木の上から長い前足と後ろ足の間の飛膜を 広げて滑空する姿は、座布団が飛び交ってくるようで迫力があります。 火を消して人を驚かしたのはたぶんモモンガではなくてムササビです。 ムササビは、グライダーのように滑空して160mもの距離を移動できます。 ムササビもモモンガも大きく分けるとネズミの仲間です。 ネズミ目リス科の仲間です。 そしてムササビは日本固有のネズミの仲間としては一番の大型動物で、 本州四国九州以外には棲息していません。 移入種を含めても、これ以上大きいネズミの仲間は他にはヌートリアくらいしかいません。 ヌートリアについてはこの後でお話しますね。 日本でモモンガとムササビが別の種類のものだと確定されたのは19世紀中ごろ、 本州四国九州に棲息するニホンモモンガに、プロテミス・モモンガという学名が 付いたときでした。 日本の妖怪の名前がそのままラテン語の学名になったんです。 これは愉快ですね。 北海道にもモモンガがいますね。 エゾモモンガです。 エゾモモンガはニホンモモンガにソックリですけれど、 乳首の数が違うという事で別の種類とされています。 エゾモモンガはユーラシア大陸の北部に分布するタイリクモモンガと 同じグループとされて、こちらのほうは妖怪の名前の学名は採用されませんでした。 ちょっと残念です。 私は動物が好きで詳しいほうだと自分で勝手に思っていたんですけれど、 考えてみるとよく知らない動物も多いと気づきました。 まずムササビとモモンガの違いもよくわかっていませんでした。 先ほども言ったようにまず大きさが全然違います。 ムササビが空飛ぶ座布団と言われ、モモンガは空飛ぶハンカチと言われています。 そしてモモンガの方がずっと可愛い顔をしています。 それにムササビは北海道にはいません。 もうちょっとムササビについて調べてみました。 モモンガの飛膜は前足と後ろ足の間だけにあるんですけれど、 ムササビの飛膜は、前足と首、後ろ足と尻尾の間にもあります。 もちろん前足と後ろ足の間にも膜はあります。 そしてムササビの仲間には大型のものもいて、インドネシアのオオアカムササビは 頭か胴体のまでの長さ45cm、尻尾の長さ50cmという、全部入れれば1mほどにもなる ものがいます。 そんなのが夜中に飛び交うなんて、座布団が飛ぶどころの表現では間に合いません。 インドネシアの現地でも昔は妖怪扱いされていたんでしょうか。 実は私はヌートリアもハクビシンも知らなかった動物です。 知ったのはここ10年くらいでしょうか。 知った時はビックリしました。 まずヌートリア。 60cmほどもある巨大なネズミです。 ネズミというよりもカピパラみたいに顔が大きい印象です。 水辺に暮らしています。 生息場所は近畿中国四国地方に集中しています。 こんな巨大ネズミが増えているとは。 ネズミだから繁殖力は旺盛です。 年に数回繁殖して一度に5〜6頭も生まれます。 天敵がいないのでどんどん増えます。 人が餌付けしたことで日中も活動するようになって、 もともと草を食べる食生活だったのが雑食に変わってきています。 もちろん外来生物なので日本固有の生態系を壊したり、 農作物への被害もあるので、特定外来生物に指定されています。 ヌートリアは、第二次世界大戦頃、軍隊の防寒服用にと世界中で飼育されたんです。 丈夫で育てやすく、柔らかで上質な毛皮が取れる動物としてです。 日本には昭和14年に移入されて飼育が奨励されました。 この頃は戦争の時代なので勝つという言葉の勝利にかけて、 沼狸と書いてショウリとよばれて日本全国で4万頭が飼育されました。 そうして戦後、毛皮の需要が減って飼育されたものが野外に放されたんです。 この時のヌートリアの子孫が今増えているんですね。 ハクビシンについては、日本の在来種なのか外来種なのかが はっきりしていませんでした。 色々な説がある中、現在では明治時代に毛皮用として中国や台湾などから 持ち込まれたものではないかとの説が有力です。 国内にハクビシンが棲息しているという最初の確実な報告は昭和20年の静岡県です。 関東地方では昭和33年の神奈川県の記録が最初です。 ハクビシンは移入時期がいつなのかはっきりしていないというのが理由で 被害があるけれど、アライグマとは違って特定外来生物の指定は受けていません。 いまひとつハッキリしていないハクビシンは、昭和51年には長野県で 特別記念物に指定された事すらあります。 指定されてから20年後くらいに取り消されましたけど。 日本の昔話にハクビシンは出てこないし、 昔から日本にいたとは思えないんですけどね。 大正13年にふたつのよく似た事件がありました。 裁判で争われて、ひとつは無罪になり、もうひとつは有罪になりました。 事件の名称は「タヌキ・ムジナ事件」と「ムササビ・モマ事件」です。 このふたつの事件を検証していきます。 まず「タヌキ・ムジナ事件」。 被告人は2月29日に猟犬を連れて銃を持って狩りに出かけました。 その日のうちにムジナ2匹を洞窟の中に追い込んで、 大きな石で出入り口をふさぎました。 そしてすぐにはムジナを仕留めずにいったんその場を立ち去りました。 その3日後、3月3日に改めて閉じ込めたムジナを猟犬と銃を使って仕留めました。 警察はこの行為が3月1日以降にタヌキを捕獲する事を禁じた法律に違反するとして 被告人を逮捕したんです。 この事件は問題がふたつあります。 実際の捕獲日が3月1日以降である。と見るべきか、 2月29日に閉じ込めたのだからこの日程問題はセーフであると考えるべきか。 もうひとつは、被告が捕まえたのはムジナであってタヌキではない。 だから法律の対象外の動物である。と被告は主張したのです。 判決文を読むと、タヌキとムジナはイコールである。 そして実際の捕獲日を3月1日以後であるとのことから有罪を言い渡しているんです。 日にちの解釈はともかく、タヌキとムジナが同じ動物だって?そんなバカな。 被告はタヌキとムジナの違いくらい知っています。 当時の猟期が指定された動物は次のとおりです。 猯(マミ)、鼬(イタチ)、獺(カワウソ)、羚(カモシカ)、狐(キツネ)、 鹿(シカ)、狸(タヌキ)、貂(テン)、鼠(ムササビ)、栗鼠(リス) の十種類の動物です。 この中にムジナはいません。 被告は悪くないのです。 だんだん分かってきたことなんですけれど、 被告がムジナだと思っていた動物はタヌキだったんです。 被告がタヌキだと思っていた動物は、指定動物である猯(マミ)だったんです。 マミっていうのは今で言うアナグマです。 そんな事を言われてもって思う被告の心情はよくわかります。 こうしてもやもやする気持ちを抱えながら被告は裁判に巻き込まれていきました。 でも有罪判決が出て、とうとう今でいう最高裁まで争うことになりました。 そこでやっと無罪判決がでたんです。 まず日にちの問題。 2月29日に逃げ出せないようにしているのでこの日を捕獲日とする。 という事になりました。 それから動物の問題は、本人はタヌキではなく、指定外の動物であるムジナを 獲ったと思い込んでいたこと。 タヌキとムジナは同じ動物であるという認識のもとで、条例があったけれど、 そのことは国民一般に定着した認識ではなくて、 タヌキとムジナを別の動物であると認識しているのは、 被告だけではない。 よって無罪とする。という事になったのです。 結局、ムジナとはアナグマの事なんですね。 日本にはニホンアナグマという動物がいます。 タヌキと違って、あまりひと目に付かない生活をしています。 だから昔話にもでてきません。 沖縄と北海道以外の日本に棲息している動物です。 タヌキはイヌ科でアナグマはイタチ科です。 全然別の動物です。 そしてタヌキとアナグマはよく混同されていました。 アナグマはその名の通り穴を掘ります。 タヌキは穴を掘る習性はないんです。 よく同じ巣穴に棲んでいるという事があったんですね。 アナグマの作った大規模な巣穴の一部をタヌキが利用することも珍しいことではなくて、 巣穴を煙でいぶりだしてアナグマを捕まえようと出口で待ち伏せしていると、 タヌキがでてくる事があったんです。 「同じ穴のムジナ」という言葉はこのことからきたようです。 それと習性も良く似ていて、アナグマもタヌキも死にマネ(擬死)をするんですね。 タヌキ寝入りっていうのはこの擬死の性質から付いた言葉でしょう。 昔話のかちかち山はタヌキがお婆さんを汁物にして食べてしまう描写があります。 これね、タヌキじゃなくてアナグマだったんじゃないかという説があります。 昔の埋葬方法が土葬だった時にアナグマが墓を掘り起こして食べたっていう話が 残っているんです。 改めてムジナとは何かと問われれば、 主にアナグマの事をいうけれど、地方によってはタヌキやハクビシンの事をさしたり、 これらアナグマやタヌキやハクビシンなどの種類をはっきり区別しないで、 まとめて全部ムジナとしている場合もあるんです。 今で言うと、ヌートリアもムジナの仲間に入るのかもしれません。 昔の条例にもあったように猯(マミ)という言葉もあります。 東京にタヌキの穴と書いて狸穴(まみあな)と読む地名がありますね。 マミはタヌキであり、アナグマであり、またはそれぞれ違う種類であったり、 ムジナだったり、またはムササビやモモンガもマミと呼ばれたこともありで、 もう全部ムジナなんですね。 そしてタヌキやキツネと同じようにムジナも人を化かします。 小泉八雲の怪談に「ムジナ」というお話があります。 のっぺらぼうの正体はムジナだったという話です。 それではもうひとつの事件、「ムササビ・モマ事件」を説明しましょう。 このとき狩猟法ではムササビを獲ることを禁じていました。 そしてモマとは被告の住む特定の地域での言葉でムササビの事を言います。 被告はモマを捕獲したのであって、これがムササビという名前の動物だとは 知らなかった。というのです。 そして有罪になりました。 無罪になったタヌキ・ムジナ事件とどう違うんでしょう。 ちょっと聞いただけではすごく判りづらいです。 タヌキ・ムジナ事件は、タヌキとムジナは社会一般において別の動物と 考えられていたので、ムジナを捕獲する認識では、禁止されていたタヌキを 捕獲する意志はないとされたんです。 これに対してムササビ・モマ事件では、 モマというのは一地方のムササビの俗称で、 ムササビのほかにもモマがいるとは考えられてはいなかった。 つまり、ムササビとモマは同じの動物と考えられていたと言えるので、 モマを捕獲するという意志があるというのは、禁じられているムササビを 捕獲するという意志があるとされたんです。 うわぁ、なんてややこしい。 やっぱりね、ひとつの法律の下で暮らすという事は 、同一の言葉を持っていないと大変ややこしい事になるんですね。 最期にもうひとつ。 タヌキ汁ってよく聞くでしょ。 あれはタヌキの肉じゃなくてアナグマの肉なんですね。 タヌキの肉はとても臭くてかなり手間をかけないと食べれたもんじゃないそうです。 それに対してアナグマの肉は大変おいしいんですね。 タヌキ汁はムジナ汁だったんです。 それにしても沖縄と北海道以外の日本に棲んでいるムジナ系の動物たちの なんと多いこと。 そして、タヌキとかキツネとかとにかく人を化かすやつらを 総じてムジナと呼んでいる地域もあるようです。 それだけヒトと近いところで暮らしている動物たちがいるという事ですね。 夜の森、急に何か獣臭いものが懐中電灯をめがけて飛んできたら… それはモモンガやムササビじゃなくて、ムジナか「ももんじぃ」が、 のっぺらぼうのイタズラを仕掛けにきたのかもしれません。    * * * * *  * * * * *                                                妖怪ももんぐわぁが出たぞぉ         言うこと聞かないとももんじぃがくるぞ         真っ暗な森の月明りが頼り         その時、一陣の風と共に生臭い匂いがしたと思ったら         持っていた提灯が飛ばされ 真っ暗闇に放り出される         出たぁ〜。助けてくれぇ         おや?どうかしましたか?         今そこでももんぐわぁに提灯飛ばされて         それはそれは大変だった事         お優しい人、お顔を見せてくださいな         顔をするっと撫でると現れたのはのっぺらぼう         うわぁ〜一目散に逃げ帰る         森の影からムジナが、         クスクスと笑っている          ━■みかりんの叫び━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 「彼らが消えていく前に」 メルマガ読者の「コロ助なり」さんから教えてもらったサイトがあまりにも 素晴らしすぎて、是非みなさんにも見てもらいたくてここで紹介します。 まずここを見て。 http://www.beforethey.com/tribe/kazakh これはカザフスタンの写真。 これらの写真に心が震えた人は、このサイトの元のサイトを見て。 他の少数民族の写真があります。 ↓ここです。 http://japan.digitaldj-network.com/articles/19218.html パプアニューニギアとかマオリとかケニアとか少数民族の素晴らしい写真が たくさん見ることができます。 写真の下の国名の所をクリックしたら見ることができます。 今の日本とか先進諸国の価値観は、たくさんある人類の価値観のうちの たったひとつでしかない事がよくわかります。 世界は広くて、文化の枝分かれがたくさんあって、壮大過ぎて震えてきます。 文化はたぶん風土が作るもの。 たとえば日本には「粋の文化」があるけど、粋の文化を認めて欲しいと思うなら 彼らの文化も同等の価値を持ちます。優劣などありません。 人類の歴史は勢力拡大の歴史だから、途中でのっとられたり潰されて消えていった 多くの数え切れないほどの文化があったのでしょう。 永遠に続く国家とかないから、どんなに栄えていた強大な国も栄枯盛衰の手順を 踏んで消えていきます。 文化も生まれては消えていきます。 この写真は消えゆく文化を写真に収めたものです。 こうしてみるとグローバル化のなんと乱暴な事かって思います。 それにしても美しい写真ばかりです。 カザフスタンの人々を写した、彼らの背景の美しいこと。 良いカメラと確かな撮影技術を持っていて、 そうして被写体の人々と時間をかけてコミュニケーションをとって 写真作品にするために労を惜しんでいないのがよくわかります。 このサイトを少し巡ったら、同じテーマなんだけど ちょっと違うテイストの写真を見つけました。 アフリカのエチオピアのオモ族の装いです。 http://japan.digitaldj-network.com/articles/11853.html ここのは写真技術ってほどのものはなく、ただただ被写体の力だけの写真群。 有名ブランドや最新ファッションのセンスです。 現代の最新のセンスっていうのは全然「最新」ではないって事です。 次に紹介するのは、それすらも越えます。 ウルトラマンや仮面ライダーの怪獣っぽいナニコレ感。(笑) ここ↓に紹介するのは、タゴニアに19世紀まで存在していた裸の民族「ヤーガン族」 http://japan.digitaldj-network.com/articles/12750.html 写真技術もヘッタクレも何もない。 あまりの衝撃に、写真のキャプションから引用します。 ======= 南米最南端、フエゴ島の南の島々からホーン岬までのこの地域は、 風速60m/sを超える極限・極寒にもかかわらず彼らは基本的に裸で生活。 「寒いから服を着る」ではなく「寒いから服を着ない」という選択を取り、 動物の油で作ったグリースを全身に塗ることで寒さをしのぎました。 その異様な風貌は、19世紀にこの地に降り立ったマゼラン、ダーウィン、クックらを 驚嘆させ、ダーウィンは「彼らが同じ世界に住む仲間であるとはほとんど信じられない」と 書き残しています。 裸で生活してきた長い年月によって、彼らの代謝は現代人からは想像できないほどの レベルに達し、極寒の中でも高い体温を維持することを可能にしていました。 体の表面積を少なくするために、彼らの生活の基本的な姿勢は屈んだ状態だったと 伝えられています。 狩猟生活を営んでいたヤーガン族ですが、19世紀に渡来した宣教師が定住生活させる ために服を着せました。 「あなたは神を」って言ってる間に移動されたら布教なんて無理だもんね。 しかし、洗濯という発想がなかった彼らは衣服に付着した細菌やウィルスによって 次々に死亡、ついには絶滅してしまったそうです。 彼らの特異な文化を後世に伝えるためにパタゴニアには「ヤーガン族博物館」が あるのですが、関連グッズがかなりヤバい。 ======= 写真をみるだけで、独自の文化を持っているのがわかりますが でも写真だけではどんな死生観を持っているのか、結婚制度を持っているのか、 どんなことをタブーとするのか、どんな言葉を持ちどんな歌を歌うのか。 まったくわかりません。 それでも先祖から繋がる神話を持ち、その地ではぐくんできた文化があるという事は わかります。 写真の力です。 今回紹介した写真は、消え行きそうな、または消えてしまった少数民族の断片の写真です。 世界は、19世紀の産業革命の印刷技術や航海技術で狭くなり、 20世紀後半〜21世紀前半のインターネット普及でもっと小さくなり、 どんどんグローバル化されて無数にあった価値観はいくつかに集約されようとしています。 淘汰されていく文化や価値観に、意味や価値はないのかと言ったら、 そんな事はないんです。 人は便利さを追求しているけれど、便利と幸せはイコールではありません。 最後にこんな写真を紹介します。 神に近い場所。アフリカの息吹とリズムを感じる荘厳な風景 http://japan.digitaldj-network.com/articles/6046.html あまりに美しいです。 原始的な生活に宿る神に近い神性と厳しさが伝わってきます。 この写真、アフリカのどこだろうね。 不便だろうけれど豊かさを感じる写真です。 さて。 この少数民族たちの美しい写真を私に紹介してくれた「コロ助なり」さんは 私が絶賛したのを受けて? なんと!写真集を購入ました。 で、そこでコロ助なりさんは、ある発見をします。 アフリカのナミビアのヒンバ族の写真の http://www.beforethey.com/tribe/himba ここの↑の一番上の写真ね。 この写真を見て「この歩き方は、なんば歩きではないのか?!」という発見です。 あぁ、説明が面倒だからコロ助さんなりのこの部分のブログのアドレスを載せますね。 http://blog.livedoor.jp/masaki0kon/archives/8504214.html ここが、写真集を買ってしまって、なんば歩きに気がついたブログ。 http://blog.livedoor.jp/masaki0kon/archives/8174533.html ここがなんば歩きと常歩(なみあし)についてコロ助なりさんが書いた文。 私、「なんば歩き」って前から気になっていたんです。 コロ助さんも書いているように、日本人の明治以前と現代人は歩き方が違います。 ちょっとコロ助ブログからそのまま引用しますね。  ====  現代人は、右足と左手を同時に前方へ  上体と下半身は捻れて、しかも地面を爪先で蹴って前方へ体を移動させる  なんばは、赤ん坊のよちよち歩きが典型的  体をひねらず、地面を蹴らず、体重移動で  結果として体を前方へ  現代歩行は、背骨中心の一本軸  なんばは、軸足中心の二本軸  意識して階段の昇降の体のこなしを理解すれば、なんばのイメージ  現代歩行は、身体構造と動作の関係では不合理な方法  江戸の人々は、走らなかった、その必要もなくなんば歩きで移動していた  飛脚は走るが、高度に習得されたなんばで走った  無理ない動きで疲れないなんば走り  (マラソンの)為末と高橋みたい  常歩は、なんばを更に理論的に突き詰め完成に近づける考え方や方法論  ==== 佐川急便の飛脚のマークがあるでしょ。荷物を持って走っている飛脚の。 あれ、右足と右手が一緒に前に出ている「なんば」で移動している飛脚になっています。 日本で絶滅に瀕している歩き方「なんば歩き」が、 遠くナミビアのヒンバ族のみなさんが採用しているとは。 文化の多様性と効率性優先の世界のグローバル化。 グローバル化が進めば進むほど、滅び行くものが多くなる。 もう取り返しのつかないものが多いんだけど それでもこうやって写真集で紹介されて、パソコンの前で世界の多様化をしる事が できる。 蛇口をひねればお湯が出る生活をし、クリックひとつで世界の風景をみることが できる「こっち側」にいる私たちだけど、どうかなくならないでと願うのは ものすごく矛盾しているのかなぁ。 ━●編集後記━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ★やっぱりね、動物が好きなんですよ。  やまねこ通信で扱う分野は多岐に渡っていて、もう全部好きすぎて  こうやってメルマガでお話しているんですけれど、  それでも動物の話の時は嬉しいんですね。  嬉しいので今回のメイン記事に出てきた動物名を並べて見ましょう。  モモンガ(エゾモモンガ、ニホンモモンガ、タイリクモモンガ)、フクロウ、  ムササビ(オオアカムササビ)ネコ、ネズミ、リス、ヌートリア、ハクビシン  カピパラ、アライグマ、ムジナ、イヌ、タヌキ、マミ、イタチ、カワウソ、  カモシカ、キツネ、シカ、テン、アナグマ(ニホンアナグマ)、モマ  おおお、すごい。やっぱり最高記録だね。嬉しい嬉しい。  って事で、お話がムジナまで行ってしまって、すっかり獣臭くなってしまったので  次回は、星の王子さまとフンコロガシの話をします。  テーマは、「大切なものは目に見えない星の話」です。   ★ラジオ山猫通信がリアルタイムで、  パソコン、スマートフォンから聴けるようになりました!  http://www.radiokaros.com/simulradio/  ↑ここがカロスのサイトの「インターネット放送聴取方法」のページです。  パソコンからスマートフォンから、カロスの放送を聞く方法が載っています。  http://www.simulradio.jp/  ↑ここがサイマルラジオのサイトです。  ここから全国のコミュニティーラジオが聞けるようになっています。    このサイトを開いたらちょっとスクロールすると「北海道」という場所があって  その下の方に「ラジオカロスサッポロ」という場所があります。  そこの「放送を聴く」をクリックするとメディアプレイヤーが立ち上がって、  リアルタイムに放送を聴くことが出来ます。  ラジオ山猫通信は、第一月曜日と第三月曜日の19:00〜19:30です。  明日19:00に「大事なものは見えない星の話」が  リアルタイムで聞くことができます。  バックナンバーは、「やまねこ通信 E=MC二乗」のサイトの「ラジオ山猫通信」の  場所から、いつでも好きな回のお話を聴くことが出来ます。   ★今回のこの「ムジナとモモンガと妖怪の話」は、  ネットでいつでも好きな時に聞くことができます。  http://www.phoenix-c.or.jp/~daichi-m/yamaneko/yamaneko.htm  ここの右側「ラジオ山猫通信」をクリックしてスクロールして  「ムジナとモモンガと妖怪の話」をクリックすると聞けます。  すぐに聞けない人は、じっと待ってみて。きっと聞けます。  http://crashlanding.under.jp/rajiyama0818.mp3  直接URLはここです。  今回の文は、おおむねラジオ原稿そのままです。  ラジオ用をメルマガ用に書き換えているけどね。 ★vol.206の参考書籍&参考サイト   日本いきもの小百科  著/半田剛士  平凡社新書   山口敏太郎の妖怪・都市伝説・UMAワールド「ブログ妖怪王」   http://blog.goo.ne.jp/youkaiou/e/4a38d8c153a40197900207f4486f5b0e   「たぬき・むじな」事件(大正14年判決)と「むささび・もま」事件   https://ssl.okweb3.jp/itojuku/EokpControl?&event=TE0008   タヌキ・ムジナ・マミ … でもアナグマは可愛い。。   http://teenaka.at.webry.info/200910/article_25.html   狸狢事件判決再考 https://m-repo.lib.meiji.ac.jp/dspace/bitstream/10291/16127/1/horitsuronso_85_2-3_327.pdf   たぬき・むじな事件   http://homepage3.nifty.com/hungryhunter/hanrei/mujina.html   タヌキ(狸)とムジナ(貉)とは、同じ? 違う?   http://m.zukan.net/blog/2012/10/101-2.xhtml ★予告です。 9月1日放送「大事なものは目に見えない星の話」  (ネットにUP予定は9月15日)(収録終わった) 9月15日放送「山と石ころのドラマの話」  (ネットにUP予定は10月5日)(書き終わった) 10月5日放送「ヒグマの話3」  (ネットにUP予定は10月19日)(書き終わった) 10月19日放送「太陽系とか宇宙とかの話」  (ネットにUP予定は11月3日)(書き終わった) 11月3日放送「家畜化の話」  (ネットにUP予定は11月17日)(これから書く) ★ラジオ放送が月二回隔週であります。  最初はメルマガを元に原稿を書いてたけど、  今は、書き下ろし原稿です。  それをメルマガに転用するという逆転現象が  最近のメルマガ版「やまねこ通信 E=MC二乗」であります。 ★どうぞお時間のある時に「ラジオ山猫通信」も聞いてみてください。  2009年9月から始まった「ラジオ山猫通信」  どこまで続くんだ?  ここまで来たらいける所まで行ってしまえ!  最近は、トチらずスラスラよどみなくしゃべっているように聞こえます。  慣れてきたのです! ウソです。(笑)  編集で直して貰っているんです。 そのためずいぶん聞きやすくなっています。  決して私のしゃべりが上達したのではありません。  編集がうまくなったのです!(キッパリ) ★私はいつも「やまねこ通信 E=MC二乗」の事が頭の隅にあります。  次回テーマは何にしようかと常に思っています。  「やまねこ通信 E=MC二乗」は、私みかりんを構成している大事な要素です。 ★「やまねこ通信E=MC二乗」では、あなたからの投書を受け付けています。  動物・植物・環境・宇宙・時間・哲学このメルマガの趣旨に合うような投書を  気軽にメールに書いてね。  過去に取り上げた記事からの話題も歓迎しています。 蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹     ★彡★彡★彡★彡★彡『蟹屋 山猫屋』★彡★彡★彡★彡★彡 生まれも育ちも北海道育の“みかりん”が、北海道の味覚を全国の方に広めるために 『蟹屋 山猫屋』を立ち上げました。一級品の道産品をお手ごろ価格でネット販売! 読み物としても楽しめるものを目指しているよ。    登録はここ→ http://www.phoenix-c.or.jp/~daichi-m/kani/   山猫屋の蟹は冷凍ガニではありません。ボイルしたてを食卓に直送! 蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹    ↑↑↑  私、みかりんのもうひとつのメールマガジン。  北の味覚。海産物。蟹おいしいよ〜。海水ウニもありますよー。  予算はこれくらい。食べる人数はこれくらい。と教えてくれたら、その中で  できる限りのご提案をします!山猫屋の蟹は冷凍物は扱っておりません!  さぁ、タラバ食べたいよう、毛ガニ食べたいようのメールをみかりんに書こう。  タラバも毛蟹も良いのが入荷してきています。  北の食材たちは脂が乗っておいしいです。  この機会に、どうぞ冷凍ではない蟹を!  ご贈答に、山猫屋の海産物を。 それじゃ、今回はここまで。 あなたのお便り待ってます。 daichi-m@phoenix-c.or.jp じゃね。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 長かった日が短くなってきた。 早く暗くなると楽しみがある。 それは三日月に会えること。 日が長いうちは三日月が見れる前に沈んでしまうからね。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ○ やまねこ通信E=MC二乗 vol.206  2014年8月31日発行 http://www.phoenix-c.or.jp/~daichi-m/yamaneko/yamaneko.htm ○発行編集者 みかりん daichi-m@phoenix-c.or.jp ○発行システム: インターネットの本屋さん「まぐまぐ」ID:0000052530 http://www.mag2.com/ ○登録/解除 http://www.phoenix-c.or.jp/~daichi-m/yamaneko/yamaneko.htm ○やまねこ通信は、素人みかりんが趣味で発行しているもので、情報の正確さには  まったく自信がありません。引用して弊害が起きても責任は持てないよ。  それから誤字脱字変換ミスは大目に見てね。気を付けるけれどさ。えへ。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━