2014/9/14━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 幽玄の森羅万象の散歩道 動物行動学からの性♂♀の話・動物・植物・環境・宇宙・時間・哲学 興味のおもむくまま“みかりん”の しゃべりんぐ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━目指せ1万部! ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆         やまねこ通信 E=MC二乗                                vol.207 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ こんにちは。 みかりんです。 秋の気配をあちこちに感じられるようになってきました。 これからだんだん空気も澄んできて夜の星が良く見える季節になってきます。 今日は夜空の星に目を向けましょう。 と言っても好きなだけで星については詳しくありません。 私が断然好きな星は月です。 でも月のない夜には星を見る事もあります。 今日はいつもと違った観点で星にまつわる話をします。 最初はあの勇名な「星の王子さま」 それからフンコロガシの話です。 ここに↓バックナンバーがあるよ。『内容一覧』という所をクリックしてみて。 http://www.phoenix-c.or.jp/~daichi-m/yamaneko/yamaneko.htm 「ラジオ山猫通信」も、ここから聞くことができます。↑ ━■大切なものは見えない星の話━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ よく世界の三大ベストセラーは?という問いに 「聖書」、マルクスの「資本論」、 そしてサン・デグジュペリの「星の王子さま」と言われます。 「星の王子さま」なんて読んだこともなければ手にとった事もないという言う人でも、 あの表紙を見たことがない人はいないと思います。 すごく小さな星に男の子がぼうっとして立っているイラストです。 このイラストは作者のサン・デグジュペリ本人が描いたものです。 表紙のイラストの男の子の目はうつろで、どこをみているかわからなく、 背景には落書きレベルの描写のいくつもの星が適当に描かれているように見えます。 この背景に描かれている星について、 日本のアマチュア天文研究家が2000年に発表した説があります。 表紙絵には背景に星が十一個描かれています。 そのうち8つは角が尖っている、いわゆる星型の星です。 残りの3つの星はマルで表現されています。 この3つのマルの内のひとつは輪があるのでこれは土星だという事がわかります。 あとのふたつのうち一つはかなり大きいです。 これを木星として、あとひとつが牡牛座の一等星アルデバランにすると、 土星と木星とアルデバランの作る三角形ができるんです。 2000年12月に星空をスケッチしていた日本のアマチュア天文研究家が この三角形に気づき、調べるとこの三角形が出来るのが60年に一度なんです。 この三角形を発見した2000年から60年前というと1940年になります。 星の王子さまが発表されたのが1943年です。 飛行機の操縦士として夜間飛行もこなしていたサン・デグジュペリは、 星にもとても詳しい人でした。 とすると、この表紙の星は土星と木星と牡牛座の一等星アルデバランなのかも しれませんね。 星の王子さまは子供向けの絵本の形を取っていますけど、内容は大人向けです。 お話のテーマは「一番大切なことは目に見えない」です。 それではざっとストーリーを追ってみましょう。 主人公の飛行機乗りである僕はサハラ砂漠に不時着します。 そこでひとりの少年と出会います。 少年はある小惑星からやってきた王子でした。 王子は小さな星で暮らしていました。 そしてよその星からやってきた1輪のバラを美しいと思って大事にしていました。 バラは自分の美しさを鼻にかけて、無邪気で根は優しいけれど気紛れで高慢でした。 でもある日、その大事なバラとケンカしたのをきっかけに、 王子は他の星の世界を見に行く旅にでます。 でも王子は旅にでてもずっとバラにこだわり続けていました。 王子は色々な星に行って色々な人に会いました。 他人に賞賛されるためだけに生きている大物気取りと出会いました。 別の星では、星の数を数えて自分のものだといって忙しく管理する実業家にも 会いました。 次の星では酒を飲むことを恥ずかしく思い、それを忘れるために酒を飲む人に会います。 他の星では他人の探検話を書き留めるだけで自分ではどこにもいかない地理学者に 出会います。 このあたりは風刺になっていますね。 賞賛されることに汲々とする政治家や数字ばかりを追っている、たとえば サブプライムローンなんてものを生み出した経営者などが浮かびますね。 そうして6番目に行った引きこもりの地理学者に勧められて7番目の星、 地球にやって来ます。 そこで数千本のバラの群生に会います。 それを見て王子は、自分の星のバラを特別に思っていたのに、 実はありふれた、つまらないものであったかと思って悲しみます。 悲しんでいる所にキツネがやってきます。 キツネとの会話の中で、いくら他にたくさんのバラがあっても、 自分が美しいと思って精一杯お世話をしたバラは、 やはり自分にとって一番のバラなのだと王子は悟ります。 王子はキツネに 「ものごとは心で見なくちゃよく見えない。大切なものは目に見えない」という 秘密を教えられます。 そんな話をサハラ砂漠に不時着した主人公のぼくに聞かせます。 そうして主人公と王子の別れのときがやってきました。 主人公の不時着した飛行機が直り、王子が自分の星に帰るときがきたのです。 王子は主人公に言います。 「きみが星空をみあげると、そのどれかひとつに僕が住んでいるから、  そのどれかひとつで僕が笑っているから、  きみには星という星が全部笑ってるみたいになるっていう事。  ぼくはきみに笑う星をあげるんだ」 主人公は、王子と別れた寂しさを抱えながらも、 夜空を見上げて星々の笑い声に耳を澄ますのが好きになります。 王子と出会って、たった数日間の思い出によって、空の見え方が変わって、 世界が違ってみえるようになります。 本当に大切なものと出会う。 しかもキツネによると本当に大切なものは目に見えない。と教えてくれています。 ね?ちょっと哲学的なオトナの本でしょ。 作者のサン・デグジュペリは第二次世界大戦で、 ひとりで偵察機を操縦して地中海の上空で行方不明になります。 終戦の前の年のことです。 その行方は長らくわからなかったんですけれど、 1998年にトロール船がひとつのブレスレットを引き上げました。 ブレスレットにはサン・デグジュペリの名前と妻のコンスエロの名前と、 それと星の王子さまを出版した版元の名前が刻まれていました。 それから2000年になってブレスレットが見つかったあたりを広範囲に捜索して、 サン・デグジュペリが乗っていた飛行機が発見されました。 2000年といえば、星の王子さまの表紙のイラストの星が作る三角形が、 土星と木星とアルデバランじゃないかという説が日本から世界に発信された年でも あります。 さて、妻の名前が出てきました。コンスエロです。 星の王子さまは、大切にしていたバラとケンカして旅に出て、 本当に大切なものの意味を理解します。 バラはコンスエロのことです。 でも「星の王子さま」をよく読んだら、あのバラのモデルだと言われても喜べません。 五千ものバラの大群と別れて、王子は1本のバラのもとに帰って行きました。 さて、妻のコンスエロは夫が亡くなってからも30年以上の歳月を生きます。 彼女が亡くなったのは1979年です。 コンスエロが亡くなって20年ほどの歳月が経ったとき、 彼女が書いた原稿が見つかりそれが本になりました。 タイトルは「バラの回想」です。 それまで妻のコンスエロは、伝記作家に無視されるか悪妻として酷評されてきたけれど、 この本によって評価は一変しました。 コンスエロは南米のエルサルバトル出身の才能に恵まれた美しい女性で、 パイロットだったフランス人のサン・デクジュペリは、出逢った瞬間に恋に落ち、 強引に求愛して結婚します。 けれどテクジュペリは、幾度も妻を打ち捨て逃げるんですね。 妻が別れを決意して他の男のもとへ去ろうとすると、 舞い戻ってきて連れ去るんだけど、また逃げ出すんです。 妻が逃げ出すとどんな遠くからも命を投げ出すようにして追いかけてくるんです。 タチ悪いですね。(笑)  その繰り返しで最後まで絆を断ち切る事が出来なかったというのが、 このふたりの物語なんです。 コンスエロの書いた「バラの回想」では、 身勝手で、無邪気で、恩知らずで、破天荒で、病的な浮気者で、破滅的で、破壊的で、 もろくて、絶望感を漂わせ、気紛れで、不安定で、エゴイストで。 そんな複雑な内面を抱えたサン・デクジュペリの実像がいきいきと描かれています。 「だれかが何百万もの星のどれかに咲いている、たった一輪の花が好きだったら、  その人は、たくさんの星をながめるだけでしあわせになれるんだ」 でも、バラは自我を持ったひとりの女だったんです。 だからこそ夫の長い不在を生き抜いて、友を得て、彫刻をし、絵を描いて、 自立することができたんです。 「あの花がたいせつなのは、ぼくが水をやり、ぼくが育てた特別なバラだから」と 王子さまは繰り返します。 バラは、バラ自身が自らの力で咲いているからこそ誇り高く、美しいんです。 彼はそれを認めたくなかったのかもしれないけれど。 フンコロガシっていう虫を知っていますか? インパクトの強い名前の虫なので一度聞いたら忘れようもないですね。 今日は星の話題のはず。 何故フンコロガシなんか出てくるのか。 大丈夫です。フンコロガシは、ちゃんと太陽や星と深いかかわりがあります。 動物のフンは、色々な生物に利用されてそして分解されていきます。 フンを餌にするのはフンコロガシだけではありません。 でもフンをちゃんと丸い団子状にして転がすフンコロガシは、 フンを利用するほかの生物の中でも、なかなかユニークですよね。 自分よりも大きなフンの団子を作って、 前脚を地面につけて後ろ脚と真ん中の脚を使ってフンを挟みこんで、 逆立ちしているような体勢で転がしていきます。 フンはころがして地下に掘った穴に運び込みます。 運んだ団子状のフンは食料にしたり、中にタマゴを産んで幼虫がそのフンを食べて 成虫になります。 新鮮なフンがあるとすぐに見つけて団子を作って転がしていきます。 フンコロガシのこういった習性は重要です。 まずフンが土に埋められて、分解が早まって土が豊かになります。 それから大型哺乳類のフンの中には色々な植物の種が入っていて、 それを丁寧に土に埋めてくれるので発芽率が上がるんです。 オーストラリアはハエの大陸と言われるくらいハエがたくさん発生しています。 数がすごいんです。 もともとオーストラリアはハエのいない大陸だったんですけれど、 移民した人たちが持ち込んだウシやヒツジが出す、 おびただしい量のフンがハエにとって棲みよい環境だったようで、 200年ほどの間にあの広い大陸がハエだらけになってしまったんです。 たとえば、砂漠や荒野の真ん中でバーベキューをやろうと肉を出したとたん ハエがたかって肉が真っ黒になるという感じです。 それで1950年代にハエ対策として、 アフリカやヨーロッパからフンコロガシが輸入されて、 オーストラリア向きに改良されて、農場や牧場にばら撒いたんです。 フンコロガシは仕事しましたよ。 少なくとも農場や牧場ではハエは減少したそうです。 オーストラリアといえばオージービーフが思い起こされます。 北海道民のソウルフードであるジンギスカンのヒツジの肉も、 オーストラリア産がほとんどです。 そのたくさんのウシやヒツジのフンが、フンコロゴシのおかげでだいぶ地面から 消えてハエの大量発生が一時よりも収まってきました。 小さなフンコロガシのまさに大奮闘でなんとかバランスを保ったんです。 本来オーストラリア大陸にいなかったウシやヒツジやハエやフンコロガシは、 すべて人間が持ち込んだものです。 現在ではオーストラリアに入ってきそうな動植物は厳しくチェックされています。 このフンコロガシは、古代エジプトでは神様でした。 エジプトの壁画に頭がフンコロガシになっている男性の図があります。 どうもフンコロガシは太陽の神様のひとつとされていたようなんです。 フンコロガシは夜明けの地平線からよみがえる太陽と結びつけて考えられたんです。 あ、やっと話しにまず太陽が出てきました。 もう少しで星も出てきますよ。 古代エジプト人は、フンを丸くして転がしているフンコロガシを見て 「天体を転がしている」と見立てて、 そこから「太陽の運行を司っている」と連想したんです。 それと転がしていたフンの中から誕生するのを見て、 何もない所から産まれてくるよーと感動したのかもしれません。 かくして沈んでゆく死せる太陽は、 フンコロガシの力によってよみがえり朝を迎えるように、 死んだ者を埋葬する時にもフンコロガシの置物を心臓近くに置いて、 置物には復活を願う呪文が刻まれることになったのです。 古代エジプトでは再生と生命力の象徴となった太陽の神のフンコロガシ。 オーストラリアのウシとヒツジの膨大な量のフンをどんどん土に埋めていって 土を豊かにして、ついでにハエも減らしたフンコロガシの実力。 フンを転がしている内になんだかすごいことになっています。 フンコロガシ自体は、本能の赴くまま目の前のフンを転がして どんどん土に埋めているだけなんですけれどね。 フンコロガシは実は日本にもいます。 マメダルマコガネといってちゃんとフンを転がします。 ただね、2mmとか3mmでとても小さいんです。 北海道にはいません。いつかは見てみたい昆虫です。 さて。フンコロガシの話で今日とても伝えたかったのがこれからする話です。 フンコロガシは昼間は太陽の位置を手がかりに移動しています。 夜になると月明かりを頼りにして移動します。 昼も夜もフンを転がしているのですね。 月が雲でかげっていても、淡い月の光を感知して移動している事がわかっています。 私も月を見るのがとても好きですから、 フンコロガシのこういう習性を知ってとても嬉しいです。 月はすごく細い月からだんだん太っていって、満月になります。 そうしてだんだん細くなっていきます。 やがて新月になります。新月は月が見えません。 次の日の二日月のときも肉眼ではほとんど見えません。 三日月になると夕方西の空にとても細い月が見えます。 でも見え始めてからまもなく沈んでいきます。 4日月くらいから見つけやすくなります。 新月の前後は月のない夜の時間があります。 そういう月のない夜に、フンコロガシは何を頼りにしてフンを転がしているのか。 私たちヒトは建物や山や、そういう地上の目標物を目安にします。 フンコロガシはそういうものを手がかりにしていないので、 どうやって正しい方向へ進んでいるのかが謎だったんです。 去年の1月、月のない夜にフンコロガシは天の川を道しるべにして移動している事が わかったという研究が発表されました。 渡り鳥やアザラシが夜空の星を手がかりにしている報告はあったんですけれど、 天の川を手がかりにする昆虫が確認されたのは初めてでした。 地面を這う昆虫の複眼の目で宇宙の星を感知しているというよりも、 フンコロガシは宇宙を感じて生きているんですね。 「一番大切なものは目に見えない、心で見なくちゃよく見えない」 星の王子さまの言葉がよみがえります。 「だれかが何百万もの星のどれかに咲いている、たった一輪の花が好きだったら、  その人は、たくさんの星をながめるだけでしあわせになれるんだ。  あの花がこの星々のどこかにあるって思えるから」 フンコロガシは、大好きな一輪のバラが、たくさんある星のどこかにある、 大事なものは見えない秘密を知っているのかもしれません。    * * * * *  * * * * *                                                天体観測をして移動するフンコロガシは         古代エジプトには太陽を転がす神として祭られた         毎日追われる数字に汲々することや、         他人に見せ付ける大きな態度やプライドを守ることの         なんとちっぽけなことか         本当に大切なものってなんだろう             フンコロガシはフンの山からできるだけ早く         フンをまるめて転がしていかなきゃいけない         大事なフンをほかの虫に取られる前に         転がす方向は太陽と月と天の川を見て決める         バラに近づくことも         離れることもできない飛行機乗りは         地中海上空で消息を絶つ         一番たいせつなものは目に見えない          ━■みかりんの叫び━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 「山体崩壊」 東京の南、だいたい1000キロメートルの所に小笠原諸島の西ノ島という無人島があります。 西之島は、4000メートル級の山体をもつ海底火山の火口の縁が、 わずかに海面上に現れた島です。 この海底火山は噴火の記録はなかったんですけれど、1973年に有史以来はじめて(?) (まぁ、人間が記録した中でははじめてっていう意味ね)噴火して新しい島ができました。 これ、西之島新島と名付けられて、当時「新島ブーム」となって大きな話題になりました。 噴火は1年経って収まってきました。 せっかくできた新島は波で侵食されて、 どんどん海岸が後退して失われてしまいました。 でも、削られた土砂が波で運ばれて、西ノ島の湾内に堆積していったんです。 堆積の速さが侵食を上回ったってことです。 侵食されながらも面積が増加していったんですね。 1982年には、湾の一部が海から切り離されて湖のようになって、 その後もどんどん堆積を続けて、1990年頃には湾は無くなって島は完全に一体化しました。 その後は、島の付近では数年おきに海水の変色や蒸気の吹き上げが観測されていました。 そして去年(2013年)の11月に、40年ぶりに噴火を観測して、新しい陸地を形成しました。 ここからは記憶に新しいですね。 私も「おおおお、勝手に領土が増えてる」って思いましたもん。(笑) 1973年と2013年のどちらの新島も、 はじめは西之島からは、ちょっと離れた別の島だったんだけど、 溶岩の噴出や堆積が進んで西之島と一体化してます。 現在は東京ドーム23個分にまで成長したようです。 (このたとえは東京ドームを知らない私には、よくわからないけどね) と、ここまでが「そうなのかー。すごいねー」で済まされる話。 で、話は続きます。 現在も、ものすごい噴火を続けていて、このまま不安定な地盤に、 噴火した溶岩が積み上がっていくと、崩壊の恐れが出てくるというのです。 まぁ、人も住んでないし、崩壊してもしょうがないよね。という事ではないんですね。 崩壊した部分が海に流れ込んで、西ノ島の東にある130km離れた父島に 津波が到達する可能性があるというんです。 http://youtu.be/MjK2j8jNb44 この報道のyoutube。↑ すごいエネルギーで噴火しています。 溶岩の流出量は1日約20万立方メートル。 これが続くと、円すい形の急斜面に積み重なって崩壊しやすくなるという事らしい。 津波って地震が原因で起きるものっていうものではないんですね。 地震に限らず、地形の変化によって起こる波が津波なんですね。        * * *     * * *     * * * 1792年に、現在の長崎の雲仙岳で火山性の地震が多発しました。 そして震源が徐々に普賢岳に移動していきました。 それからまもなく近くの眉山という山が崩壊しました。 山体崩壊で大量の土砂が有明海になだれ込んできて、 衝撃で10メートル以上の高さの津波が発生したのです。 津波は、島原の対岸の肥後天草にも襲いかかりました。 その後、肥後の海岸で反射した返し波は、島原を再び襲ったんです。 結局、津波による死者は島原で約10000人、対岸の熊本で5000人を数えると言われています。 これを島原大変肥後迷惑(しまばらたいへんひごめいわく)と言います。      * * *     * * *     * * * 今回、なぜ私がこんなにも山体崩壊について熱を込めて語っているかというと 今年の夏、私は富良野岳と富良野岳に連なる上ホロカメットク山に登ったんです。 上ホロの先には、十勝岳もあります。 この辺りの山は2000m前後の山々です。 十勝岳は今ももくもく水蒸気を吐く活火山です。 ここに、安政火口という所があります。 火口というから私はてっきり丸い形のイメージだったんですけれど、まったく違いました。 そこにあったのは、2000m級の山がひとつ噴火で山体崩壊した跡だったんです。 そしてあちこちから水蒸気が漏れていました。 あまりのダイナミックな光景と大きさの感覚がわからなくて、距離感が全然つかめません。 安政火口が歴史の登場するのは、安政4年(1857年)です。 それまで北海道には和人はいません。 この時、石狩川水源調査の人が十勝岳に登頂して、火山活動について記録しています。 その後ここは、大正噴火など何度も何度も噴火しています。 桜島の近辺に住んでいる方には、「だから?」って言われそうだけど 私は、地球のエネルギーを垣間見て、 今すっかりそのエネルギーの圧倒されている所なのです。 ※ このあとの編集後記の2つめで、この時の登山である野生動物との出会った話を   紹介しています。    ━●編集後記━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ★今回のメイン記事、あれれ?どこかで読んだことがある気がする…って思った人が  いると思います。(笑)  そう。2001年6月に配信した、やまねこ通信のvol.25の「みかりんの叫び」の  「“星の王子さま”を後ろまわし蹴りする」です。    ある日、私はやまねこ通信のネタになるような話を探しに本屋にいました。  そこで、すっごく面白いネタを見つけたのです。  感動しました。その話が今回のメイン記事の、星の王子さまの表紙の、土星と木星と  おうし座のアルデバランの話です。  よしよし、このネタで、昔書いた星の王子さまの文を使い回して、  膨らましてなんとか原稿を1本を書いてみよう。そう思ったんです。  で、星の王子さまの話を書いてるバックナンバーを探したんです。  そしたら…その話の冒頭に土星と木星とアルデバランの話をしているじゃありませんか。  ビックリしましたよ。本屋でその話を見つけた時、私好みの話を見つけた!と喜んだん  ですよ。ボケてきたのか私。(笑) ★今年の夏、富良野岳に登りました。そこで安政火口に圧倒されました。  2週間後、上ホロカメットク山に登りました。  途中までは富良野岳に登るルートと同じです。だから2週間ぶりの安政火口です。  やぁ!2週間ぶりだねっていう感じです。(笑)  友人と一緒に登り、上ホロカメットク山で友人と別れました。  友人はそのまま十勝岳を目指して縦走。  私は、来た道を戻る予定でした。  でね、その時私、道を間違えちゃってね、富良野岳の縦走路の方に行ってしまったんです。  もう、安政火口がずうっと見えているダイナミックな景色に見とれていてね。  どんどん富良野岳が近づいてくる…絶対に道を間違えてる!と確信した時には  1時間経っていました。  1時間かけて来た所を1時間かけて戻ると決意した時は半泣きでした。  2時間のロスです。  半泣きの私の2m先に…信じられない事に、野生のナキウサギがいたのです。  まさかの泣き人間とナキウサギの遭遇。(笑)  ナキウサギに励まされて、2時間のロスながら無事に下山しました。  ずっと安政火口を見ながら。  色々衝撃的な夏の思い出です。  ★次回は、「山と石ころのドラマの話」と銘打っています。  これは、日高山脈のアポイ岳という山に登った時の経験から書いています。  別名「アポイ岳の話」です。  今回の「山体崩壊」もそうですが、今までやまねこ通信は、それほど「地学」的な  話題はあまりありませんでした。  2011年の3月11日の東日本大震災の以後あたりから、  私の興味が地学にも向いてきたようです。 ★ラジオ山猫通信がリアルタイムで、  パソコン、スマートフォンから聴けるようになりました!  http://www.radiokaros.com/simulradio/  ↑ここがカロスのサイトの「インターネット放送聴取方法」のページです。  パソコンからスマートフォンから、カロスの放送を聞く方法が載っています。  http://www.simulradio.jp/  ↑ここがサイマルラジオのサイトです。  ここから全国のコミュニティーラジオが聞けるようになっています。    このサイトを開いたらちょっとスクロールすると「北海道」という場所があって  その下の方に「ラジオカロスサッポロ」という場所があります。  そこの「放送を聴く」をクリックするとメディアプレイヤーが立ち上がって、  リアルタイムに放送を聴くことが出来ます。  ラジオ山猫通信は、第一月曜日と第三月曜日の19:00〜19:30です。  明日19:00に「山と石ころのドラマの話」が  リアルタイムで聞くことができます。  バックナンバーは、「やまねこ通信 E=MC二乗」のサイトの「ラジオ山猫通信」の  場所から、いつでも好きな回のお話を聴くことが出来ます。   ★今回のこの「大事なものは見えない星の話」は、  ネットでいつでも好きな時に聞くことができます。  http://www.phoenix-c.or.jp/~daichi-m/yamaneko/yamaneko.htm  ここの右側「ラジオ山猫通信」をクリックしてスクロールして  「大事なものは見えない星の話」をクリックすると聞けます。  すぐに聞けない人は、じっと待ってみて。きっと聞けます。  http://crashlanding.under.jp/rajiyama0901.mp3  直接URLはここです。  今回の文は、おおむねラジオ原稿そのままです。  ラジオ用をメルマガ用に書き換えているけどね。 ★vol.207の参考書籍&参考サイト 星の王子さま   著/サン=テグジュペリ  訳/河野万里子  新潮文庫        糞虫は星明かりで方向を知る    http://wired.jp/2013/01/28/dung-beetle-astronomy/     小笠原諸島・西之島で斜面崩落の可能性  父島に最大1mの津波も     http://www.scienceplus2ch.com/archives/4849403.html    西ノ島    http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A5%BF%E4%B9%8B%E5%B3%B6    島原大変肥後迷惑     http://ja.wikipedia.org/wiki/島原大変肥後迷惑 ★予告です。 9月15日放送「山と石ころのドラマの話」  (ネットにUP予定は10月5日)(収録終わった) 10月5日放送「ヒグマの話3」  (ネットにUP予定は10月19日)(書き終わった) 10月19日放送「太陽系とか宇宙とかの話」  (ネットにUP予定は11月3日)(書き終わった) 11月3日放送「縄文の最先端技術の話」  (ネットにUP予定は11月17日)(書き終わった) 11月17日放送「家畜化の話」  (ネットにUP予定は11月30日)(書き終わった) ★ラジオ放送が月二回隔週であります。  最初はメルマガを元に原稿を書いてたけど、  今は、書き下ろし原稿です。  それをメルマガに転用するという逆転現象が  最近のメルマガ版「やまねこ通信 E=MC二乗」であります。 ★どうぞお時間のある時に「ラジオ山猫通信」も聞いてみてください。  2009年9月から始まった「ラジオ山猫通信」  どこまで続くんだ?  ここまで来たらいける所まで行ってしまえ!  最近は、トチらずスラスラよどみなくしゃべっているように聞こえます。  慣れてきたのです! ウソです。(笑)  編集で直して貰っているんです。 そのためずいぶん聞きやすくなっています。  決して私のしゃべりが上達したのではありません。  編集がうまくなったのです!(キッパリ) ★私はいつも「やまねこ通信 E=MC二乗」の事が頭の隅にあります。  次回テーマは何にしようかと常に思っています。  「やまねこ通信 E=MC二乗」は、私みかりんを構成している大事な要素です。 ★「やまねこ通信E=MC二乗」では、あなたからの投書を受け付けています。  動物・植物・環境・宇宙・時間・哲学このメルマガの趣旨に合うような投書を  気軽にメールに書いてね。  過去に取り上げた記事からの話題も歓迎しています。 蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹     ★彡★彡★彡★彡★彡『蟹屋 山猫屋』★彡★彡★彡★彡★彡 生まれも育ちも北海道育の“みかりん”が、北海道の味覚を全国の方に広めるために 『蟹屋 山猫屋』を立ち上げました。一級品の道産品をお手ごろ価格でネット販売! 読み物としても楽しめるものを目指しているよ。    登録はここ→ http://www.phoenix-c.or.jp/~daichi-m/kani/   山猫屋の蟹は冷凍ガニではありません。ボイルしたてを食卓に直送! 蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹    ↑↑↑  私、みかりんのもうひとつのメールマガジン。  北の味覚。海産物。蟹おいしいよ〜。海水ウニもありますよー。  予算はこれくらい。食べる人数はこれくらい。と教えてくれたら、その中で  できる限りのご提案をします!山猫屋の蟹は冷凍物は扱っておりません!  さぁ、タラバ食べたいよう、毛ガニ食べたいようのメールをみかりんに書こう。  タラバも毛蟹も良いのが入荷してきています。  北の食材たちは脂が乗っておいしいです。  この機会に、どうぞ冷凍ではない蟹を!  ご贈答に、山猫屋の海産物を。 それじゃ、今回はここまで。 あなたのお便り待ってます。 daichi-m@phoenix-c.or.jp じゃね。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 東京では蚊のために公園に人が寄り付かない状態という。 一方、私んちのすぐ近くの公園では熊が出たのでしばらく立ち入り禁止だ。 蚊にも熊にも弱いニンゲン様だぞ。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ○ やまねこ通信E=MC二乗 vol.207  2014年9月14日発行 http://www.phoenix-c.or.jp/~daichi-m/yamaneko/yamaneko.htm ○発行編集者 みかりん daichi-m@phoenix-c.or.jp ○発行システム: インターネットの本屋さん「まぐまぐ」ID:0000052530 http://www.mag2.com/ ○登録/解除 http://www.phoenix-c.or.jp/~daichi-m/yamaneko/yamaneko.htm ○やまねこ通信は、素人みかりんが趣味で発行しているもので、情報の正確さには  まったく自信がありません。引用して弊害が起きても責任は持てないよ。  それから誤字脱字変換ミスは大目に見てね。気を付けるけれどさ。えへ。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━