2014/11/30━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 幽玄の森羅万象の散歩道 動物行動学からの性♂♀の話・動物・植物・環境・宇宙・時間・哲学 興味のおもむくまま“みかりん”の しゃべりんぐ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━目指せ1万部! ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆         やまねこ通信 E=MC二乗                                vol.212 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ こんにちは。 みかりんです。 季節の移り変わりは早いですね。 天気予報にも雪だるまが出てくる時期になってきました。 こうやって気温が下がってきても、私は時々動物園に行っています。 必ず見るのが、オオカミ、ヒグマ、エゾシカ、シマフクロウです。 どれも北海道の動物でわざわざ動物園で見るまでもないかな。 あ、オオカミはエゾオオカミが絶滅しているので北海道の動物じゃありませんね。 札幌円山動物園にいるオオカミはシンリンオオカミというカナダやアラスカの 森林地帯に棲んでいる種類です。 ヒグマは動物園以外ではあまり会いたくないですし、 シマフクロウは、滅多に見る事が出来ない特別天然記念物です。 道内なら、エゾシカは野生のものが動物園じゃなくても見れますね。 動物園のオオカミが気になるのは、やっぱり私はイヌが好きだからです。 イヌの原点がオオカミにありますから。 オオカミを何万年も前に飼いならしたものがイヌだといわれています。 他にもウシやヒツジなど今となっては家畜として飼われている動物たちも、 もとは人に慣れていない野生動物でした。 家畜化しやすい動物、家畜にできない動物ってあるんでしょうか。 家畜化された動物に共通点はあるのでしょうか。 今日のお話は「動物の家畜化の話」です。 ここに↓バックナンバーがあるよ。『内容一覧』という所をクリックしてみて。 http://www.phoenix-c.or.jp/~daichi-m/yamaneko/yamaneko.htm 「ラジオ山猫通信」も、ここから聞くことができます。↑ ━■家畜化の話━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ やまねこ通信vol.170でリスの話をした時、 リスは可愛いけれど季節によってとても凶暴になる時期があって、 ペットとして飼うのは大変だという話を紹介したことがありました。 それから日本にはいないはずのアライグマも元は、ペットとして飼われたものが 逃げ出したり、手に負えなくなったものを逃がしたりしたものがそもそもです。 アライグマを飼っていた人の文を何かで読んだ事があります。 アライグマと一緒に日の当たる縁側でお昼寝したいというイメージで飼いはじめたのが そもそもの動機で、その後、何年にも渡ってアライグマとの壮絶なバトルの日々を経て、 アライグマが年老いて晩年になった頃、 やっと当初の望みであるアライグマのいる穏やかな生活になったと書かれていました。 野生動物って手ごわいのです。 見た目の可愛らしさに騙されてはいけません。 子どもの時は懐いているようでも、ある時期を迎えると本来持っている野生の性質が 出てきて、手に負えなくなってきます。 そういう野生の動物を時間をかけて扱いやすくしたのが、 オオカミからイヌであり、もう絶滅してしまったけれど オーロックスという野生のウシから今の乳牛や肉牛を作り出し、 ムフロンというヒツジの祖先から、現在の多くの種類のヒツジたちを作り出しました。 最初の動物の家畜化が起きたのは、 1万年以上も前のイヌ、そしてヒツジだろうと言われています。 一説によると、イヌがオオカミと別れたのは5万年前とも言われています。 動物の骨や石器などの遺跡から、それぞれの動物が いつどこで人間と共存するようになったかは、 なんとか判るにしても、野生の動物の家畜化がどうやって行われたかというのは、 未だに謎だらけなんです。 たとえば、好奇心の強いイノシシが集落に近づいてきて、 残飯をあさるようになったのか?とか、 そして世代を重ねるうちに、人間の食料として利用されるようになったの?とか。 または今のニワトリの祖先はヤケイという鳥の仲間なんだけど、 最初のきっかけはヒトがヤケイを捕まえたのか? または向こうから近づいてきたのか?とか。 地球上に棲息する大型の哺乳類は約150種類ほどいます。 家畜に出来たのは15種類なんです。 イヌ、ヤギ、ヒツジ、ウシ、ウマ、ブタ、カイコ、アヒル、ネコ、ニワトリ、ロバ、 ラクダ、ウズラ、ヤク、カイウサギの15種類です。 (カイコ、ニワトリ、ウズラは哺乳類じゃないけどね。) これはどうしてなんでしょう。 実は、どんな動物も一代限りの個体レベルだったら、 訓練次第で飼いならすことはできます。 たとえばトラを赤ちゃんの時から育てて、人間を家族と思うように育てることは できるんです。 でも飼いならされたトラから生まれた子どものトラは、野生の獣そのものなんです。 これに対して、家畜化された動物は飼いやすい性質が集団に植えつけられています。 野性の本能が、全部消えたとは言わないまでも、かなり失われているんです。 家畜化っていうのは遺伝子レベルで起きる変化なんですね。 それからアジアゾウのように、人間によって飼いならされて物を運ぶなどの役目で 使われていても、繁殖が人間の管理下にないものは、家畜化という言葉は使いません。 と、あちこちに書かれていました。アジアゾウは野生のものでも調教が可能なんですね。 そして人による繁殖は難しい動物でもあるようです。 ちょっと話は変わりますが、私は子どもの頃、シートン動物記が好きで 子ども版シートン動物記は暗記するほど読んでいました。 その中に「スプリングフィールドのキツネ」という話がありました。 仔ギツネが巣穴のまわりで遊ぶ様子を描写した場面があって、 キツネは用心深いので、仔ギツネが巣穴の周りで遊ぶ姿を人が見る事ができるのは 奇跡に近い事というような記述があったのです。 子どもの私は、「そうかキツネは用心深くて人に心を許さない動物なのだな」と 覚えました。 この話の主人公はビクセンというメスのキツネです。 ビクセンはつがいの相手のオスギツネと何匹かの仔ギツネを人間に殺されしまいます。 1匹残った仔ギツネは人間に捕まって、 首輪と鎖で人間の住みかの庭につながれてしまいます。 母ギツネのビクセンは危険を冒して、仔ギツネのもとに通って、 おっぱいをあげて、餌を運んで育てようとします。 そして我が子を鎖から自由にしようと悪戦苦闘するのです。 でもビクセンはどう頑張っても仔ギツネを鎖から開放させてやれません。 ビクセンは、仔ギツネはもう自由にならないのだと悟ります。 そして決断するのです。 ビクセンは捕らわれた仔ギツネにわざと毒の餌を与えたんです。 毒餌はキツネを取るための罠から手に入れました。 ビクセンから毒餌の教育を受けていなかった仔ギツネは 何の疑問も抱かずにそれを食べて死んでしまいます。 その後、その森からビクセンは去っていきました。という話です。 「人に媚びるくらいなら死を選ぶ。これが野生動物の生き方なんだ。 そしてキツネは絶対に人には懐かない動物なんだ」っていうのが、 幼い頃に読んだシートンの動物記から受けた私の認識でした。 そんな私がいまから数年くらい前に驚くべき実験を知ったのです。 それはキツネの家畜化実験です。 何それ。そんなの無理でしょっていうのが私が真っ先に思ったことでした。 20世紀の半ばのロシアでの実験です。 実験の動機は、たくさんの品種があるイヌは同じオオカミを祖先に持つはずなのに、 何故これほど多様化したのかという所から発しました。 当時の技術では、動物の遺伝子解析はまだ無理だったので、 それでは歴史を再現しましょうという事で、 イヌに近い種類でありながら、家畜化されたことがないギンギツネを使って 実験が始まりました。 1958年、毛皮用のキツネ飼育場をあちこち訪ねて、おとなしいギンギツネを集めました。 これらのキツネが実験場の基礎集団になりました。 人を恐れないキツネを選んで交配させて世代を重ねていって 1960年代半ばには、人を恐れないどころか積極的にふれあいを求めてくるキツネが 生まれてくるようになったんです。 中には、人を見ると尻尾を振って喜ぶキツネまで現われて、 やがて一番人懐こいキツネは、研究者の腕に飛び込んで顔を舐めるまでになったんです。 実験場では、キツネの子が生まれるたびに人間と接触させて反応を調べます。 そして動作や声などの行動を客観的に数値化していきます。 こうしたデータをもとに、人に慣れたキツネ、攻撃的なキツネ、その中間型という 血統の記録を作っていきます。 1970年代になると、研究所の職員がキツネを一時的に自宅に連れて帰って、 鎖や紐で繋ぐことなく散歩に連れ出して名前を呼ぶとたちまち戻ってくるキツネまで 出てきたんです。 こうなるとこの動物はもう私の知っているキツネという動物とは違う生き物です。 結果から言うと、かつて何千年もかかって起きた家畜化のプロセスを わずか十数年で再現してしまったんです。 このプロジェクトはあくまで科学実験なので、 人に慣れないキツネや攻撃的な性質が中途半端で、研究に不向きなキツネは、 頭数調整のため毛皮用として売られていきました。 そして最近では人に慣れたキツネの余剰分っていうと人聞きが悪いですけど、 まぁ、実験にはそんなにたくさんはいらないんですね、慣れたキツネの余った分は ペットとして販売できるように研究機関は、ロシア本国に掛け合っているという事です。 これが実現すれば、研究に適さないキツネに新たな居場所を見つけてやれるし、 研究続行の資金源にもなるんですね。 何十年という長いスパンでの研究には、こういう事も必要です。 実験を始めて二十数年経った1980年代のはじめ、外見に劇的な変化が現われてきました。 成長過程で耳がピンと立つ時期が遅くなってきて毛皮には白いブチの模様が 見られるようになってきたのです。 家畜化された動物には、野生と違う特徴が現われることはわかっていました。 体が小さめだったり、耳が立たないで寝ていたり、尻尾がくるりと巻き上がっていたり。 たとえばホルスタインの白黒のブチのような模様って、イヌでもネコでもいるでしょう。 あぁいった白や黒や茶色の大きなまだら模様になったり。 これらの特徴は家畜の表現型って呼ばれています。 イヌ、ブタ、ウシなどの哺乳動物はもちろん、ニワトリや金魚にもいますね。 それがキツネにも出てきたんです。 これはとても面白いですね。家畜化が進むと外見が変わる。 でもこのあたりは研究者の間でも意見が分かれるところなんです。 最初は扱いやすい個体を選んで交配させていって、 巻いた尻尾や体格の小型化やブチ模様といった家畜化の特徴が 引き出されたという意見がある一方、人に対して好奇心が強くて恐怖心が薄いという 性質が出発点だったとしても、そうした動物が人間のもとで暮らせば、 捕食動物に襲われにくくなるという考え方です。 自然界で白黒まだらのような目立つ特徴で生まれてくれば、 たちまち淘汰されてしまいます。 安全な環境ではそうした特長が消えずに残ることになります。 そうしてもうひとつ。 そういうちょっと目を引く特徴を持ったものを人がわざと残していったのかも しれないという説です。 うん。これも有り得ますね。垂れた耳同士の親で子を作ってみようとかね。 ここの実験的飼育場では、家畜化の仕組みを理解するために、 まったく逆の基準で人に慣れないキツネを選んで作ってもいます。 そのグループは人間が近づくと歯をむき出して威嚇してケージに飛びついてきます。 ここに、注目して欲しいあるキツネがいます。 そのキツネは唸り声をあげてものすごく攻撃的です。 このキツネは攻撃的な母親から生まれて、人に慣れたメスに育てられたキツネなんです。 キツネが人に慣れるかどうかは、育ち方よりも生まれつきの性質が重要だという事が わかる事例ですね。 行動を左右するのは遺伝子だという事です。 という事は人に慣れる遺伝子というものが存在するという事です。 研究チームは攻撃性の高いグループのキツネと人慣れしたグループのキツネのDNAを 解析したところ、ゲノムに明らかな違いが認められたんです。 判ってきたのは家畜化は一個の遺伝子ではなくて、 複数の遺伝子の変化が引き起こすらしいって事でした。 家畜化によってキツネの外見が変わった話を紹介しました。 それでは内面が変わった報告を紹介しましょう。 イヌという動物はとても人間に関心がある動物です。 家畜化しやすい動物の条件の中に、群れで生活するという 生活習慣を持っている動物であるという事があげられます。 家畜として代表的なウシウマヒツジヤギもその条件を満たしていますけど、 イヌはその中でも人間が好きで人間に興味があって、 だから人間の目の動きや指の動き、 つまり人間の仕草をよく見ていて、 その意味を読み取ろうとする性質が強いんです。 この実験場の人懐こいグループの仔ギツネに、そうした仕草をやってみせた所、 同じ年齢の仔イヌと同じ反応があったんです。 恐怖心や攻撃性を取り除く方向で交配を続けていけば、 キツネは人に慣れるだけじゃなくて、 人間と社会的に結びつくイヌ並みの能力を発揮するかもしれない可能性も あるって事です。 気立ての良いキツネを目指していたら、賢いキツネが出来てしまったんです。 この場合の賢いっていうのは、人間の指示に従うっていう意味です。 家畜を持っているのは人間だけじゃありません。 やまねこ通信vol.181「社会性昆虫の話」というテーマでお話をしたことがありした。 ハキリアリが牧畜のように、アブラムシを飼っている話です。 アブラムシは植物の汁を吸って体から甘い汁をだします。 アリはこの汁が欲しいんですね。 それでハキリアリたちは、アブラムシのタマゴを見つけると巣に持ち帰って世話を します。 そしてアブラムシがタマゴから孵ると、植物に戻すんです。 そう。放牧ですね。 調べてみると他にもいました。 カドフシアリというアリは、アリノスササラダニというダニを見つけると さっさと食べてしまうんですけれど、 インドネシアに棲息するヒメカドフシアリというアリは、 アリノスササラダニを大切に家畜として飼育しています。 ハキリアリとアブラムシの関係は、甘い汁を貰うということなので、 私たちでいう所の乳牛のような関係です。そして方法は放牧です。 でもこのヒメカドフシアリとアリノスササラダニの関係は、 私たちでいう所の肉牛みたいなポジションなんですよ。 食料が少なくなると飼っているアリノスササラダニを食べ始めます。 ヒメカドフシアリは、アリノスササラダニの体を舐めまわして清潔にして、 脱皮や産卵の手助けまでします。 一般のササラダニよりも、体は柔らかです。 これってしっかり家畜化が起きていますよね。 生き物は条件さえ揃えば家畜化されるという事なんですね。 人間じゃなくてもアリでもできるんです。 冒頭から紹介したキツネの実験場はロシアでの事ですけれど、 ドイツではラットを使って家畜化の遺伝子の解明が進んでいます。 ラットでも、人に慣れる性質と攻撃性の性質の、ゲノムの領域は見つかりました。 でもまだ指令を出す遺伝子までは見つかっていません。 少しずつ絞り込んでいる段階です。 こういう研究が何に結びついていくのかは私にはわかりません。 ただ研究者はこんな事を言っています。 「家畜のブタと野生のイノシシの違いは何か。  ブロイラーとニワトリの祖先のヤケイはどこが違うのか。  この問いを突き詰めると、ヒトとチンパンジーの違いは何かという話に  行き着くのです。  それはもちろん、チンパンジーを家畜化したらヒトになったという単純な話では  ありません。  それでも家畜化のプロセスを遺伝子レベルで理解すれば、  人間の社会行動の起源について多くの事が判るかもしれない。  脳内の遺伝子は14000以上もあってその多くはまだ謎です」 研究者のこの言葉に、私はとてもビックリしました。 私はキツネを家畜化したらブチや耳折れや巻き尻尾が出てきたという話が面白くて 調べていたんです。 でも話は、どうやら人間は人間を家畜化したという話に行き着いてしまった らしいんですね。 ブチ模様や耳折れ巻き尻尾の他にも、家畜化に伴う共通の変化があります。 気性が大人しくなる。繁殖時期が長くなる。病気に弱くなる。 生活していくのに人の手が必要になる。 というような所は、人間の保護のもとにあることで、 自然選択されなくなったことで引き起こされるものと考えることができます。 でもこの家畜化で起きる変化って、同じ傾向が私たちヒトにも見られるんですよね。 ヒトはヒトを家畜化していたのか。こういう考えがあることに驚きました。 人間は過酷すぎる自然の中の生活から、便利な都市型の生活を手に入れてきました。 この都市型の生活って、ヒトの家畜化って言われてみれば、そうなのかもしれません。 ヒトはヒトを家畜化させてまでどこに向かっているのか。 家畜の持つ安楽さと悲哀を、現代人も持っています。    * * * * *  * * * * *                                                      最初の出会いはどんなだったのだろう         心細い顔をした君は、ぼくの差し伸べた手を舐めてくれた         それから長い旅に出た         君はずっと付いてきてくれた         海を砂漠を大陸を一緒に渡った         そこを風が吹き抜けていった         恐ろしい敵には一緒に逃げ惑った         夜は暖かさを求めて寄り添った         一緒に見た夕焼けは         やけに綺麗だった         君がいたからここまで来れた         これからもどうか一緒に         夢が覚めても傍らに君がいる         ぼくと君の物語は今も続いている          ━■みかりんの叫び━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 「絶滅させないために食べる」 ここ数日で似たような例に3つあったので、その事を書くべきだなと天の啓示を 受けた気持ちになりました。 ある日、何を検索していたかは忘れたけれど、行き着いたページはウシの事を 書いてあるページで、写真が載っていてそのウシはとても珍しい種類のウシだと いうのです。 その種類のウシはとても数が減っていて、絶滅から救うにはその種類のウシを食べる事を やめない事だと説明されているんです。「食べ続けること」です。 「食べ続ける=必要とされているから増やす意味がある」という図式です。 なんかこう感慨深いというか、申し訳ないとか、そういう気持ちになりました。 サイトを紹介できれば良かったんですけれど、いたたまれなくなってサイトを閉じて しまって履歴は残っていません。 晩秋のある日。 私は札幌から車で1時間ほど走った所にある南幌町という所に行きました。 私は南幌の米農家から直接お米を買っています。 その米農家の顧客サービスで、この時期、ダイコンを好きな時、好きなだけ抜いて いいんです。 ダイコン無制限持ってけ引っこ抜きは、毎年恒例になっていてこれをやって冬を 迎えるという私の季節イベントみたいになっています。 以前は車が傾くほどごっそり取ってきてたんだけど、ダイコンに追われる日々が つらくなって年々持ってくるダイコンは少なくなっています。 今年のダイコンはものすごく出来が良くて、超巨大で1本1本がずっしり重くて 素晴らしいダイコンばかりでした。 この米農家のすぐ近くにウマが放牧されています。道産子(どさんこ)です。 道産子っていうのは、北海道在来のウマの事で、北海道和種をこうよびます。 蒙古馬を起源としたみたいで、体力強健、粗放な管理に耐え、明治以後の北海道開拓に 貢献しました。 道産子はサラブレッドのようにシュッとしたウマではありません。 胴長短足でエラの張った面構え、太い前足、X脚の後足。 これがたまらなく可愛いんです。 「ドサンコは麻薬のようだよ。かわいくて、飼い始めたらやめられない」と多くの人が 言います。 北海道の開拓は道産子と共に進められたんです。 でも、道産子本来の活躍する場は現代にはありません。 数を減らす一方です。 肉用として乗馬用として流鏑馬用として何とか絶滅を防ごうと、道産子に魅入られた 人たちが頑張っているのが現状です。 で、このダイコンの日、私が会った道産子たちの写真を撮ってきました。 晩秋の道産子です。どうぞ見てやってください。 http://www.phoenix-c.or.jp/~daichi-m/yamaneko/212.htm この道産子たちは肉用なんだそうです。 その事を知った時、少し前に知った「絶滅させないために食べる」ウシを思い出しました。 そしてつい先ほど、何か検索していてゾウのページに行き着いたんです。 http://world-fusigi.net/archives/7616437.html ここ↑です。 このサイトのコメント欄で 「そういえばタイでは、昔から農作業や建築等に貴重な労働力として象を使っていて  大切に飼っていたんだが、昨今の経済成長やら機械化やらで象の仕事は機械に奪われた。  んで失業し、生活に困った象は、観光客向けに芸をやったり背中に乗せたりの  観光業で食べていくことになった。  そういうわけで、象の生活もなかなか大変なんだな。  『象さんを見世物にするな!』などと腹を立てずに象さんに会いに行ってほしい」 というのを読んで「あぁ、珍しい種類のウシと、道産子と同じだ」と思ったんです。 現代はとてもヒトが繁栄しすぎてしまって、ヒト以外の動物は生きづらいです。 ヒトに役立つと思われなければ、すぐに絶滅の危機です。 「絶滅させないために食べる」という事は「人が食べることで絶滅を防ぐことができる」 という事なんですね。 今回はメイン記事も家畜の話でした。家畜化の話でしたけど。 ━●編集後記━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ★「みかりんの叫び」で「道産子の起源は蒙古馬で」って書いたけど  日本在来馬は古墳時代に家畜馬として、モンゴルから朝鮮半島を経由して九州に導入した  ものです。  道産子のルーツは、東北の南部馬と言われています。  江戸時代にニシン漁でやってきた南部の人たちが、運搬手段のために連れてた南部馬を  冬になって本州にに引き上げるときにそのまま置き去りにしていったんです。  翌年またやってきた時に、生き延びて野生化した南部馬を捕まえて、新しく連れてきた馬と  酷使してまた置き去りにします。  この繰り返しで、耐寒、粗食、力持ちという道産子が出来上がったんです。  氷点下30度にもなる北海道の冬を、雪深い山中でひたすら春を待つんです。  食べるものは雪の中の笹。ひずめを使って掘り起こします。  道産子は「側対歩」という歩き方ができます。  右の前足と後足が同時に前に出るんです。ラクダとかゾウの歩き方です。  これって揺れが少ないんですよ。  あぁ、道産子。  いつか道産子について熱く語るかも。 ★ラジオ山猫通信がリアルタイムで、  パソコン、スマートフォンから聴けるようになりました!  http://www.radiokaros.com/simulradio/  ↑ここがカロスのサイトの「インターネット放送聴取方法」のページです。  パソコンからスマートフォンから、カロスの放送を聞く方法が載っています。  http://www.simulradio.jp/  ↑ここがサイマルラジオのサイトです。  ここから全国のコミュニティーラジオが聞けるようになっています。    このサイトを開いたらちょっとスクロールすると「北海道」という場所があって  その下の方に「ラジオカロスサッポロ」という場所があります。  そこの「放送を聴く」をクリックするとメディアプレイヤーが立ち上がって、  リアルタイムに放送を聴くことが出来ます。  サイマルラジオは数分時間がズレて聞こえることがよくあります。  ラジオ山猫通信は、第一月曜日と第三月曜日の19:00〜19:30です。  明日19:00に「永久凍土とマンモスの話」が  リアルタイムで聞くことができます。  バックナンバーは、「やまねこ通信 E=MC二乗」のサイトの「ラジオ山猫通信」の  場所から、いつでも好きな回のお話を聴くことが出来ます。   ★今回のこの「家畜化の話」は、  ネットでいつでも好きな時に聞くことができます。  http://www.phoenix-c.or.jp/~daichi-m/yamaneko/yamaneko.htm  ここの右側「ラジオ山猫通信」をクリックしてスクロールして  「家畜化の話」をクリックすると聞けます。  すぐに聞けない人は、じっと待ってみて。きっと聞けます。  http://crashlanding.under.jp/rajiyama1117.mp3  直接URLはここです。  今回の文は、おおむねラジオ原稿そのままです。  ラジオ用をメルマガ用に書き換えているけどね。 ★vol.212の参考書籍&参考サイト ナショナルジオグラフィック 2013年3月号      どさんこ 厳寒を生き抜く馬たち   著/佐久間 陽三 北海道新聞社    繁殖への新たな挑戦 肉用から乗馬用へ飼育の転換を決意    http://www.tokachi.co.jp/kachi/jour/03dosanko/1.html    ゾウと仲良し、ベトナムの6歳女児…野生のゾウと深い絆で結ばれる    http://world-fusigi.net/archives/7616437.html ★予告です。 12月1日放送「永久凍土とマンモスの話」  (ネットにUP予定は12月14日)(収録終わった) 12月15日放送「見えない時間の話」  (ネットにUP予定は12月28日)(書き終わった) 1月5日放送「ヒトの歴史を作ったヒツジの話」  (ネットにUP予定は1月18日)(書き終わった) 1月19日放送「魚は痛みを感じるかの話」  (ネットにUP予定は2月日)(書き終わった) ★ラジオ放送が月二回隔週であります。  最初はメルマガを元に原稿を書いてたけど、  今は、書き下ろし原稿です。  それをメルマガに転用するという逆転現象が  最近のメルマガ版「やまねこ通信 E=MC二乗」であります。 ★どうぞお時間のある時に「ラジオ山猫通信」も聞いてみてください。  2009年9月から始まった「ラジオ山猫通信」  どこまで続くんだ?  ここまで来たらいける所まで行ってしまえ!  最近は、トチらずスラスラよどみなくしゃべっているように聞こえます。  慣れてきたのです! ウソです。(笑)  編集で直して貰っているんです。 そのためずいぶん聞きやすくなっています。  決して私のしゃべりが上達したのではありません。  編集がうまくなったのです!(キッパリ) ★私はいつも「やまねこ通信 E=MC二乗」の事が頭の隅にあります。  次回テーマは何にしようかと常に思っています。  「やまねこ通信 E=MC二乗」は、私みかりんを構成している大事な要素です。 ★「やまねこ通信E=MC二乗」では、あなたからの投書を受け付けています。  動物・植物・環境・宇宙・時間・哲学このメルマガの趣旨に合うような投書を  気軽にメールに書いてね。  過去に取り上げた記事からの話題も歓迎しています。 蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹     ★彡★彡★彡★彡★彡『蟹屋 山猫屋』★彡★彡★彡★彡★彡 生まれも育ちも北海道育の“みかりん”が、北海道の味覚を全国の方に広めるために 『蟹屋 山猫屋』を立ち上げました。一級品の道産品をお手ごろ価格でネット販売! 読み物としても楽しめるものを目指しているよ。    登録はここ→ http://www.phoenix-c.or.jp/~daichi-m/kani/   山猫屋の蟹は冷凍ガニではありません。ボイルしたてを食卓に直送! 蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹    ↑↑↑  私、みかりんのもうひとつのメールマガジン。  北の味覚。海産物。蟹おいしいよ〜。海水ウニもありますよー。  予算はこれくらい。食べる人数はこれくらい。と教えてくれたら、その中で  できる限りのご提案をします!山猫屋の蟹は冷凍物は扱っておりません!  さぁ、タラバ食べたいよう、毛ガニ食べたいようのメールをみかりんに書こう。  タラバも毛蟹も良いのが入荷してきています。  北の食材たちは脂が乗っておいしいです。  この機会に、どうぞ冷凍ではない蟹を!  ご贈答に、山猫屋の海産物を。 それじゃ、今回はここまで。 あなたのお便り待ってます。 daichi-m@phoenix-c.or.jp じゃね。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 年賀状の版画を彫って刷り終わった。 毎年この段階で燃え尽きる。 宛名まで書いて完成なんだけどね。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ○ やまねこ通信E=MC二乗 vol.212  2014年11月30日発行 http://www.phoenix-c.or.jp/~daichi-m/yamaneko/yamaneko.htm ○発行編集者 みかりん daichi-m@phoenix-c.or.jp ○発行システム: インターネットの本屋さん「まぐまぐ」ID:0000052530 http://www.mag2.com/ ○登録/解除 http://www.phoenix-c.or.jp/~daichi-m/yamaneko/yamaneko.htm ○やまねこ通信は、素人みかりんが趣味で発行しているもので、情報の正確さには  まったく自信がありません。引用して弊害が起きても責任は持てないよ。  それから誤字脱字変換ミスは大目に見てね。気を付けるけれどさ。えへ。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━