2015/3/15━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 幽玄の森羅万象の散歩道 動物行動学からの性♂♀の話・動物・植物・環境・宇宙・時間・哲学 興味のおもむくまま“みかりん”の しゃべりんぐ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━目指せ1万部! ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆         やまねこ通信 E=MC二乗                                vol.219 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ こんにちは。 みかりんです。 3月になって、これから暖かくなるのかと思うと嬉しいです。 けれど北海道は、まだまだ寒い日が続きます。 2015年になって世界情勢がまた新しい局面を迎えています。 中東情勢の不安定さが世界的に危機感を持って伝えられています。 中東情勢が複雑にそして過激になっていった背景には 石油の利権を巡る争いから始まっています。 石油の価格は北海道民はとても関心があります。 道民はいつも灯油の心配をしています。 価格が上がったとか、残り少なくなったとか。 暖房は電気や石炭でという人もいるでしょうけれど、やはり灯油が主流です。 灯油というと石油です。 石油は地球の地下に埋蔵されています。 でも石油っていったい何なんでしょう。 石油について調べてみました。 今日の話題は「石油の怪しい話」です。 ここに↓バックナンバーがあるよ。『内容一覧』という所をクリックしてみて。 http://www.phoenix-c.or.jp/~daichi-m/yamaneko/yamaneko.htm 「ラジオ山猫通信」も、ここから聞くことができます。↑ ━■石油の怪しい話━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 私が子どもの頃「石油はあと40年しか持たない」と学校で教わりました。 子どもだった私はその事を父に伝えました。 すると父はこんな事を言ったのをハッキリ覚えています。 「石油が40年しか持たないだと?それじゃぁ、じゃんじゃん使ってやれ!  どうせ40年後は俺は生きてないし俺が死んだあとの事は知らねぇ」 あれから40年経ちましたが、石油は枯渇していませんし、父も生きています。(笑) いったいいつ石油はなくなるんでしょう。 というか石油っていったい何なんでしょう。 石炭はわかります。 あれは大昔に植物だったものです。 石炭は今から数億年前の植物が、分解される前に水中に沈んで そのまま泥の中に埋まって地中深く閉じ込められたものです。 石炭を良く見ると植物の年輪も判りますし、 顕微鏡で見ると植物の細胞の痕跡もわかります。 石炭は世界中で採掘されています。 どこの国でも取れるんです。 これって政治的な影響を受けにくいって事なんです。 こういう所は石炭の良い所ですね。 それでは石油はいったい何なのか。 実は石油になる途中段階っていうのはまだ発見されていないんですね。 石炭のようにたとえば植物だったというような、 そういう直接の証拠が見つかっていないというんです。 だから何がもとの材料だかわかっていません。 そのためさまざま説が唱えられています。 現在言われている主な3つの説を紹介します。 【その1、生物由来説】  この説は日本で当たり前に言われている説です。  2億年以上前の浅い海に存在したプランクトンなどの死骸が、 条件が重なって腐敗せずに地中に埋もれていった説です。 プランクトンと恐竜の違いはあるけれど、生物由来という所では同じなので、 私が子どもの頃習ったたのはこの説ですね。 私はこの説に最初から激しい違和感を持ちました。 たとえば普段目にするプラスチックやビニールなどが生物由来って…。 それはないでしょって。もう理屈も何も直感的なものです。 大人になった今ではその違和感をもうちょっと言葉で説明できます。 原油のっていうか油田の分布が生物の分布と違います。 中東のあたりがそんなに生物が多かった地域とは到底思えません。 それから化石とは思えないほどの深い穴を掘って原油を取り出しています。 まだあります。 原油の成分が遠く離れた油田でもだいたい同じっていう所も変です。 生物はその場所によって種類が違います。 材料が違ったら出来上がるものも違うでしょう。 調べると原油にはヘリウム、ウラン、水銀、ガリウム、ゲルマニウムなどが 含まれています。生物が由来だとすると説明しにくい成分が含まれているんです。 ね? こうして並べてみると石油が生物由来って違うんじゃないの?って思えてくるでしょ。 あぁ、やっとスッキリした。 小学生のときからずっともやもやしていたんです。 生物由来じゃないとすると他にはどんな説があるか。 あと2つ紹介しますね。 【その二、無機由来説】  これは古くからロシアや東ヨーロッパで言われている説です。 無機由来説っていうのは生物由来ではないっていう事です。 地球内部には石油の主な成分である炭化水素がたくさんあって、 それが高温高圧で原油に変化して、原油は軽いので地上に浮上してくるという理屈です。 ひと言で説明すると 「地球内部で原油が作られて、それが地表付近に湧き上がってくる」という事です。 つまりね、地球から染み出してくるって言ってるんですね。 この説なら、一度枯渇した油田でもしばらく放置すると再び原油が出てくることへの 説明もつきます。 そう。枯渇した油田から再び原油が出てくる例が結構あるんです。 この無機由来説ではこんな疑問にも答えてくれます。 なぜ石油産出国が中東に集中しているかというと、中東は原油が浅い位置まで湧いて きているから現在石油産出国なだけで、本来ならどこを掘っても原油はでてくるかも という夢のような説です。 しかもこの説だと地球内部に含まれる炭化水素が由来なので、量は無限なんです。 素敵です。 それでは残るもうひとつの説。 【その三、細菌の内部で作られている説】 静岡県の相良油田の話をしますね。 ここは日本の太平洋岸の唯一の産油地だったんです。 明治5年に油くさい水が出るという事から発見されました。 最盛期の明治17年には600人が働いていたという油田です。 その後産油量が減ったことや、安い原油が入ってきた事から 油田は昭和30年に廃止されました。 この相良油田は世界的にも、とても珍しいタイプの油が取れたんです。 精製しなくてもそのままで自動車が動くほど質のものが取れていたそうです。 今から20年とちょっと前にこの相良油田から石油分解菌という微生物が発見されました。 この微生物は、通常では石油を分解する能力を持っているんだけど、 石油も酸素もない環境におかれると、細胞内に原油を作り出すというんです。 メタンハイドレードはこの微生物が関係しているんじゃないかといわれたりしています。 ここまで石油の成り立ちの説を3つ紹介しました。 ・化石燃料で生物由来のものである説。 ・地球内部から湧いてくる説。 ・石油分解菌のしわざだという説。 この3つのどれが正しいのか、間違っているのか、または別の理由があるのか、 結局判らないことだらけなんです。 石油がいったい何なのか判らないのに、 地球から石油がなくなるまであと何年なんて言えないんですよ。 実は地球上の石油の埋蔵量は年々増えています。変でしょ。 それには理由があります。 従来はコスト的に合わないため本格生産されなかった原油が 最新技術で取れるようになったからです。 こういう原油の採掘技術の進歩で、意外な国が石油生産ブームに沸いています。 それは北アメリカ大陸と南アメリカ大陸、そして中国です。 他にもアフリカでも原油が眠っているといわれています。 これらが本格化すれば、現在は圧倒的な埋蔵量を誇る中東ですけれど、 その中東をも脅かす大きな市場になってしまいます。 世界の石油の勢力地図が塗り変わる事もありえるんですね。 先に説明した石油の由来説、日本は生物由来説を一推ししている国ですから、 石油はこの先無くなるという前提です。 でも、世界には石油は無尽蔵にあるという事が前提の国もたくさんあるんですね。 日本はもともと資源の少ない国ですから、少ないものは節約すれば良いと考えます。 元来日本人は節約とか大事に大事にちょっとずつっていうやり方は性に合っています。 貧乏性っていうかね。 日本と同じ価値観を持った国ばかりなら問題はないんだけど、たぶん違います。 たとえば資源が少なくなってきたとして、いろんな国がたくさんあると、 国同士の資源の取り合いになります。 パンがたくさんある時は子どもたちにゆっくり食べさせても良いけれど、 パンが少なくなったら争って取らなきゃダメなんですね。 石油がなくなった後の社会を作るには、石油があるうちにしか作れないんです。 と、ここまで考えたとき、昔、私の父が言った 「石油があるうちにじゃんじゃん使え!」という言葉を思い出します。 もしかしたらちょっと深い言葉だったのか? いや、絶対深い意味で言った訳ではないのはわかっているのだけれどね。 石油は有限である。いずれは無くなる貴重なものである。とした方が、 石油の価値は高くて産油国の言い値で売ることが出来ます。 そもそも石油が何で出来ているか何の由来なものか未だにわかっていないのだし、 産油国ではない日本など、ただただ脅されているだけなんですね。 そしてどうも日本で言われている生物由来でもなさそうだし、 残るふたつの説は、ひとつは石油無尽蔵説だし、もうひとつは微生物由来だとすると、 そうそう怯えなくてもよさそうな気がしてきます。 ここでちょっと疑問が出てきました。 石油は無尽蔵にあると考える国は、冷戦時代のソビエト連邦を中心とする東側諸国です。 石油有限説はアメリカを中心とする西側諸国です。 どうしてこんなに社会体制で石油の由来説が、スパッと分かれているんでしょう。 その疑問を解いていきます。 世界でいう所の東西という言い方は、イギリスを基準にしています。 ヨーロッパ大陸を中心にして、北を上とした時に、左が西側諸国で右が東側諸国です。 西側諸国はアメリカ、西ドイツ、フランスなどです。イギリスも入ります。 東側諸国はソ連、東ドイツ、中国などの共産圏をいいます。 日本はヨーロッパから見ると右側の奥も奥ずっと奥です。 極東といわれるゆえんです。 東の奥すぎて一周回って日本は西側陣営です。 まずこの事を念頭において置いて話を聞いてください。 石油って実は紀元前からさまざまな用途に使われているよく知られた存在だったんです。 でも、とても不思議なんですけれど アリストテレスをはじめ、ギリシア・ローマ時代の哲学者でその由来について 書き残した人はいないんですね。 石油の由来について科学的に考えられるようになったのは18世紀に入ってからです。 今、日本で主流の生物由来説は、歴史が長いです。 18世紀のロシアの詩人でもあり科学者でもあったミハイル・ロモノーソフさん、 ロモさんと呼びますね。ロモさんがこう言ったんです。 「石油は海の非常に小さい生き物の堆積物の死骸でできている。  想像を絶するほどの長い時間に渡って高い温度と圧力で石油になったものだ」 ロモさんの肩書きが詩人と科学者というのも、 現代人の私たちから見たらちょっと突っ込みどころがありますね。 19世紀になると、生物がまったく関わらなくても 石油は出来るのではないかと考える科学者がちらほら現われ始めます。 化学が進歩して、石油を化学的に捉えることができるようになりました。 石油の主な成分の炭化水素は実験室でも簡単に合成できてしまいます。 地球の深い所には炭素や水素といった材料は豊富にあるし、 生物がいなくても石油くらいできても不思議ではないというんですね。 生物や有機物とは関係なく石油は形成されますよという考え方は、 石油無機成因説と呼ばれました。 この考えの第一人者が、元素の周期表を編み出したドミトリー・メンデレーエフさん。 メンさんと呼びますね。 ロモさんもメンさんも旧ソ連の人です。 メンさんは、地球の深い所で無機的に合成された炭化水素が、 地下の裂け目を通して地表付近に来たと考えました。 旧ソ連の科学者たちは、メンさん以降、石油は無機的に生じるものという考えを 受け継いでいきます。 そうして20世紀に入り、第二次世界大戦後、世界はふたつに分かれます。 アメリカを中心とする資本主義・自由主義陣営と、 ソ連を中心とする共産主義・社会主義陣営との対立構造の冷戦時代です。 この世界を二分した冷戦の影響は、政治には関係ないはずの科学の世界にも 影響を与えました。 欧米で開かれる国際会議には、ソ連をはじめとする東側諸国の研究者は ほとんど参加せず、逆に共産圏で開かれる学会には 資本主義の西側の研究者は不参加という時代が長らく続いたんですね。 この影響の直撃を受けたのが石油の由来についての研究だったんです。 しかも生物由来とする化石燃料という事であればそれは有限なので 莫大な利権が絡んできます。 戦争や国家戦略にとても重要な意味があるのでなおさらなんです。 この冷戦が科学の世界に影響を与えたために、 西側の研究者には、戦後のソ連で急速に発展した石油無機成因説が伝わりませんでした。 冷戦は1945年から1989年までの44年間続くんですけれど、 まだ冷戦中の1970年代に入ると、ひとりの強烈な個性の天文学者が現われます。 オーストラリア生まれのアメリカの天文学者トーマス・ゴールドさんです。 ゴールドさんは石油無機成因説を強力に主張します。 西側諸国では異質の主張です。 しかも単に旧ソ連の考えを受け売りにした訳ではありません。 天文学者であるゴールドさんは、 石油の由来の炭化水素は宇宙空間からやってきたと主張したのです。 惑星が誕生するときには必ず大量の石油の材料である炭化水素が含まれる。 この炭化水素が惑星内部の高温高圧を受けて石油が生まれて、 地上を目指して浮上してくる。というのです。 ゴールドさんは自分の説を主張するときに、地質学者の頭の固さをなじりました。 結局ゴールドさんは生物由来説を信じる西側の地質学者をすっかり怒らせてしまって、 アメリカで出版される石油関連の専門誌から排除させられてしまいます。 西側諸国で石油無機成因説を信じる学者は少なかったけれど、 冷静な議論ができない程、両者は感情的になってしまったんです。 この一連の流れが、現在未だに東側で無機成因説が信じられ、 日本を含む西側で生物由来説が言われている理由です。 世界にさまざまな影響を与え、論争にあけくれたゴールドさんは 2004年に84歳で生涯を閉じました。 ゴールドさんと激しい論争を繰り広げた西側の地質学者たちも世代交代しつつあります。 21世紀に入って長年の対立構造も、やっと溶けかかってきています。 もちろん冷戦の時代はとっくの間に終わっていますし、 研究者たちはさまざまな研究会を開いて、 純粋に科学的にその可能性をついて論じるようになりました。 それで、実際のところ石油って何のなのっていうそもそもの疑問が残ります。 私が調べたもので一番新しいのが2011年のものですけれど、ええと4年前ですね。 やっぱり生物由来説っていうんですね。 その生物は何かと言うとシアノバクテリアっていう植物プランクトンの仲間です。 これが1億年くらい前に世界中の海で大発生して何度も赤潮を引き起こし、 一回の赤潮は数十万年にも及び、赤潮によって海は広範囲に酸欠状態になって 大量のヘドロが溜まって、一億年の間に地熱で熟成されて石油へと変質していった という説が有力です。 それでも、ほとんどの学者は無機的にも石油ができることも認めているんです。 そしてその確かな証拠も揃いつつあります。 有機物由来でも、無機物由来でも同じようなものが出来るっていうことなのかなぁ。 そんな事ってあるのかなぁ。 石油の由来について、ひとつめとふたつめが同時に存在すると、学者が言うのなら、 3つ目はどうなの?って思います。 細菌の内部で作られている説。 これは実際に細菌の内部で原油が作られているのを発見したという研究発表があります。 長々とお話してきましたけれど、 結局の所わかってないんじゃない?っていう結論になりそうです。 ただちょっと注意したいなと思ったことがありました。 現在はやっぱり生物由来の有機説が主流ですけれど、 これって最初の疑問に答えていないんです。 地層よりもさらに下の岩盤や地層がない花崗岩からも石油が採掘される。とか、 一度採掘しつくした油田がしばらく経つとピークまで回復するという現象です。 東西冷戦の影響で石油の成り立ちの研究が影響を受けた事や、 ゴールドさんや地質学者たちの論争が、 今の私たちから見ると少し滑稽に見えてしまうのと同じ事が 今も起きているかもしれないという事です。 石油をはじめとするエネルギー資源は、大企業によって統括されています。 世界のエネルギー業界を牛耳っている大企業にとって、 無機由来説は、石油は無尽蔵にあるんだという説なので、 彼らの思惑を吹き飛ばしてしまうんです。 石油は有限だから我々が値段を決めて世界に供給するのだ。 というやり方ができなくなると、膨大な利益がなくなってしまうんです。 数十年後の人たちから現在の2015年の今の世界はどのように見えるのでしょうか。 あんな一部の人の口車に世界中の人が乗せられていたんだ。と 滑稽に思われるのでしょうか。 北海道は、まだまだストーブのお世話になる3月です。 そろそろ灯油が少なくなってきました。 今日はこの辺で。    * * * * *  * * * * *         ポータブルストーブに灯油を入れる       シュポシュポ シュポシュポ       これなんて名前だっけ?       ドクター中松の特許とったシュポシュポ       灯油のシュポシュポするヤツでいつも通じる       シュポシュポ シュポシュポ       炎が大きく赤くなる。暖かい。暖かい。       何?石油燃焼器具用注油ポンプだって?       それが正式名称だって?       シュポシュポでいいじゃん。       ところで石油って何からできてるんだっけ?       え?そんな事も知らないの?       宇宙だ。全部宇宙由来なんだ。       あなたも私もお前も君も       地球も太陽も石油もシュポシュポもだ。   ━■みかりんの叫び━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 「今年は冥王星の年になるかも」 ちょうど1週間前の3月8日の夜のNHK「サイエンスZERO」という番組が とても面白かったのです。番組を再現してみますね。 NASAの探査機ニューホライズンズが太陽系の秘境、冥王星に向かって出発しました。 2006年1月のことです。 9年半後の今年7月14日に探査機ニューホライズンズが いよいよ冥王星に最も接近するんです。 冥王星は人類が打ち上げた探査機の最遠いターゲットです。 冥王星は太陽から59億kmの所にあります。 地球と太陽の距離の40倍です。 水金地火木土天海 ←ここまでの惑星たちは太陽を中心に同じ平面上にあります。 でも冥王星は他の惑星とは軌道が傾いています。 直径は地球の衛星の月よりも小さいです。 表面温度はマイナス230度〜マイナス210度です。 ハップル望遠鏡で見ても、ぼやっとしか見えない遠い惑星です。 これ以上のことを知るためには近くで観察するしかないんですね。 それで探査機が向かっています。 探査機は木星経由で冥王星に向かいます。 木星までは1年で接近できたんです。 この時、観測機の練習もかねて木星の撮影も行われました。 木星って大きな大気の渦があるでしょ。 あの木星の大きな赤い渦は地球くらいの大きさがあります。 中赤斑っていうんですけれど、その撮影に成功しています。 木星の重力を使ってスイングバイをします。 スイングバイっていうのは天体の重力を利用して、探査機などの運動方向や速度の増速を する技術のことです。 私は、スイングバイという言葉と意味を、ハヤブサがイトカワに向かう時に知りました。 とにかく地球を出発した冥王星探査機ニューホライズンズは、1年後に木星に接近して スイングバイをして秒速23mkになりました。 そこから8年経ちました。 現在、冥王星まであと1億5000万kmまで近づいてきたのです。 あと4ヶ月、7月14日が冥王星に最も接近します。 探査機は冥王星の上空12500kmの所を飛行します。 もっとも近づいたときには、たとえば冥王星に野球場があったら認識できくらいの 超高解像度の画像を撮影して地球に送ってきます。 この探査機ニューホライズンズは2.7mほどの大きさのものです。 ええとグランドピアノほどの大きさですね。 これが冥王星の周りをまわって撮影するのかと思ったんですけれど どういう訳ではありません。 近づいた一瞬のチャンスに賭けて撮影するんです。 9年半もの長い時間を一瞬に賭けるんです。 その頃、探査機は秒速14kmになっています。 冥王星は小さいので重力も小さくて探査機は減速できないんです。 通過しながらの一発勝負の探査です。 地球のオペレーターは操縦できません。 冥王星が遠すぎるんです。電波通信すると往復で9時間かかるんですね。 59億kmっていう距離はそういう距離なんですね。 ですから何を観測するのかは決まっていて、探査機ニューホライズンズが 自分で自動観測するという探査機任せで、しかも一発勝負なんです。 冥王星は小さいけれど5個の月(衛星)を持っています。 ミリメートルサイズの破片でも探査機を破壊する可能性もあります。 探査機は、これら衛星の内側を通って冥王星の向こう側に抜けながら観測するのです。 2006年1月の打ち上げた後、8月に冥王星は惑星から準惑星になりました。 ニュースで、降格というイメージで伝えられて残念な気持ちになったのを覚えています。 観測されていない最果ての惑星を探査する!という事で出発したのに。 でも、そういう事でもないんですね。 その後、もっと色々なことがわかってきて、 出発時よりもさらに、冥王星探査は大変意味ある事になっていきます。 1992年、冥王星の軌道のすぐ近くに冥王星の10分の1の大きさの天体が発見されました。 されにその後も新しい天体が次々と発見されました。 2003年に冥王星より大きい天体が発見されました。 この天体はエリスと名付けられて冥王星をこのまま惑星の仲間にしておく事に 疑問が持たれてきました。 そして2006年8月、冥王星は惑星から準惑星になったのです。 冥王星の近くの天体はその後も発見され続けて今ではおよそ1500個にもなりました。 これらを太陽系外縁天体と言います。 太陽系は46億年前に、微惑星や小天体が衝突して惑星として成長しました。 太陽系の外側では、微惑星は成長に時間がかかって、大きな惑星に成長できないまま 取り残されたのです。 それが太陽系外縁天体で、冥王星はその代表というポジションなんです。 決してそれは惑星から準惑星に「降格」というものではないんですね。 この太陽系外縁天体たちは、できてからほとんど成分が変っていないと考えられていて これらの天体を探査する事で、46億年前の太陽系で何が起きたのかという 手がかりを手に入れることができるというのが今回の探査機ニューホライズンズの 仕事に期待が集まっているんです。 冥王星って、惑星と小惑星の間の大きさで、色々知りたいことが詰まっている天体です。 どのくらい成長したら溶け出して丸くなるのか。 月を持つのはどのくらいの大きさなのか。 プロセスがわかって謎が解けるかもしれないんです。 出発時よりも、冥王星を探査するという重要性は増したくらいです。 冥王星の中心部は岩石で表面は氷です。 その間は海があるという学者もいます。 太陽系からは遠いけれど、有機物がいる可能性があるという学者もいます。 探査機ニューホライズンズが、最も冥王星に接近するのが今年7月14日。 今年後半は、冥王星が注目される年になるかもしれません。 ━●編集後記━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ★石油って利権が絡みます。  現代史は、石油の利権が底にあるんだろうなぁ。  でもこの先、もしかしたらこの石油利権の世界バランスが崩れる事もあるかもね。  そんな可能性もあるかもよっていう話が今回のメイン記事でした。   ★冥王星が準惑星となった時、占星術師の協会がこの決定に衝撃を受けたんです。  そりゃぁ、ビックリしたろうね。  まさかこんな目に遭うなんて占いでも判らなかったんだね。 ★2009年9月からラジオ山猫通信が始まりました。  月曜日の第一第三月曜日の19:00からの30分番組です。  この3月で5年半になります。  山猫の終わった19:30から20:00までの30分は「ワンボックスラジオ」という番組で  NHK札幌のリポーターの岩尾さんと、民放のHTB(北海道テレビ)のリポーター岩田君の  岩岩コンビの番組で、同じ2009年9月から始まったんです。  諸般の事情で「ワンボックスラジオ」が3月16日の放送で終了となります。  ずっと一緒にやってきた番組がなくなるのは寂しいものがありますけど  年度末にはこういうことが付きものですね。  この最終回の「ワンボックスラジオ」に私みかりんがゲスト出演しています。 http://www.phoenix-c.or.jp/~daichi-m/yamaneko/iwaiwa.htm  明日の3月16日、19:00から「ラジオ山猫通信」で19:30から「ワンボックスラジオ」です。  時間のある方は、よかったら聞いてみてください。  サイマルラジオで、パソコンやスマートフォンから聞けます。  サイマルラジオの聞き方はここ。↓ ★ラジオ山猫通信がリアルタイムで、  パソコン、スマートフォンから聴けるようになりました!  http://www.radiokaros.com/simulradio/  ↑ここがカロスのサイトの「インターネット放送聴取方法」のページです。  パソコンからスマートフォンから、カロスの放送を聞く方法が載っています。  http://www.simulradio.jp/  ↑ここがサイマルラジオのサイトです。  ここから全国のコミュニティーラジオが聞けるようになっています。    このサイトを開いたらちょっとスクロールすると「北海道」という場所があって  その下の方に「ラジオカロスサッポロ」という場所があります。  そこの「放送を聴く」をクリックするとメディアプレイヤーが立ち上がって、  リアルタイムに放送を聴くことが出来ます。  サイマルラジオは数分時間がズレて聞こえることがよくあります。  ラジオ山猫通信は、第一月曜日と第三月曜日の19:00〜19:30です。  明日の月曜日19:00に「火星の風景の話」が  リアルタイムで聞くことができます。  バックナンバーは、「やまねこ通信 E=MC二乗」のサイトの「ラジオ山猫通信」の  場所から、いつでも好きな回のお話を聴くことが出来ます。   ★今回のこの「石油の怪しいの話」は、  ネットでいつでも好きな時に聞くことができます。  http://www.phoenix-c.or.jp/~daichi-m/yamaneko/yamaneko.htm  ここの右側「ラジオ山猫通信」をクリックしてスクロールして  「石油の怪しい話」をクリックすると聞けます。  すぐに聞けない人は、じっと待ってみて。きっと聞けます。  http://crashlanding.under.jp/rajiyama0302.mp3  直接URLはここです。  今回の文は、おおむねラジオ原稿そのままです。  ラジオ用原稿をメルマガ用に書き換えているけどね。 ★vol.219の参考書籍&参考サイト       「地球のからくり」に挑む  著/大河内直彦 新潮新書        石油の謎 〜宇宙より遠い身近な地球〜        http://copains.idns.jp/mini5/sekiyu.html        石油産油国とかいう真の勝ち組wwwwwwww        http://blog.livedoor.jp/nwknews/archives/4801093.html        相良油田        http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%9B%B8%E8%89%AF%E6%B2%B9%E7%94%B0        石油有機成因論と石油無機成因論 Add Star        http://d.hatena.ne.jp/orourke/20120310        化石燃料とよく使われますが本当に石油や石炭、ガスが化石から        変化したものでしょうか?        http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1168637946        それゆけ!石油探検隊        http://www.sekiyuexpedition.com/infomation/make.html        NHK「サイエンスZERO」太陽系の秘境 冥王星に迫る 2015.03.08 放送         ★予告です。 3月16日放送「火星の風景の話」  (ネットにUP予定は4月5日)(収録終わった) 4月6日放送「シナントロープの動物たちの話」  (ネットにUP予定は4月19日)(書き終わった) 4月19日放送「ナキウサギと氷河の風の話」  (ネットにUP予定は5月3日)(書き終わった) 5月4日放送「秀吉と地震の話」  (ネットにUP予定は5月17日)(書き終わった) 5月18日放送「食う食われるの話」  (ネットにUP予定は5月31日)(書き終わった) ★ラジオ放送が月二回隔週であります。  最初はメルマガを元に原稿を書いてたけど、  今は、書き下ろし原稿です。  それをメルマガに転用するという逆転現象が  最近のメルマガ版「やまねこ通信 E=MC二乗」であります。 ★どうぞお時間のある時に「ラジオ山猫通信」も聞いてみてください。  2009年9月から始まった「ラジオ山猫通信」  どこまで続くんだ?  ここまで来たらいける所まで行ってしまえ!  最近は、トチらずスラスラよどみなくしゃべっているように聞こえます。  慣れてきたのです! ウソです。(笑)  編集で直して貰っているんです。 そのためずいぶん聞きやすくなっています。  決して私のしゃべりが上達したのではありません。  編集がうまくなったのです!(キッパリ) ★私はいつも「やまねこ通信 E=MC二乗」の事が頭の隅にあります。  次回テーマは何にしようかと常に思っています。  「やまねこ通信 E=MC二乗」は、私みかりんを構成している大事な要素です。 ★「やまねこ通信E=MC二乗」では、あなたからの投書を受け付けています。  動物・植物・環境・宇宙・時間・哲学このメルマガの趣旨に合うような投書を  気軽にメールに書いてね。  過去に取り上げた記事からの話題も歓迎しています。 蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹     ★彡★彡★彡★彡★彡『蟹屋 山猫屋』★彡★彡★彡★彡★彡 生まれも育ちも北海道育の“みかりん”が、北海道の味覚を全国の方に広めるために 『蟹屋 山猫屋』を立ち上げました。一級品の道産品をお手ごろ価格でネット販売! 読み物としても楽しめるものを目指しているよ。    登録はここ→ http://www.phoenix-c.or.jp/~daichi-m/kani/   山猫屋の蟹は冷凍ガニではありません。ボイルしたてを食卓に直送! 蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹    ↑↑↑  私、みかりんのもうひとつのメールマガジン。  北の味覚。海産物。蟹おいしいよ〜。海水ウニもありますよー。  予算はこれくらい。食べる人数はこれくらい。と教えてくれたら、その中で  できる限りのご提案をします!山猫屋の蟹は冷凍物は扱っておりません!  さぁ、タラバ食べたいよう、毛ガニ食べたいようのメールをみかりんに書こう。  タラバも毛蟹も良いのが入荷してきています。  北の食材たちは脂が乗っておいしいです。  この機会に、どうぞ冷凍ではない蟹を!  ご贈答に、山猫屋の海産物を。 それじゃ、今回はここまで。 あなたのお便り待ってます。 daichi-m@phoenix-c.or.jp じゃね。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ SEKAI NO OWARI というバンドあるでしょ。 こういうふうにローマ字表記にすると、 もしかしたら「世界の尾張」かもしれないよね。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ○ やまねこ通信E=MC二乗 vol.219  2015年3月15日発行 http://www.phoenix-c.or.jp/~daichi-m/yamaneko/yamaneko.htm ○発行編集者 みかりん daichi-m@phoenix-c.or.jp ○発行システム: インターネットの本屋さん「まぐまぐ」ID:0000052530 http://www.mag2.com/ ○登録/解除 http://www.phoenix-c.or.jp/~daichi-m/yamaneko/yamaneko.htm ○やまねこ通信は、素人みかりんが趣味で発行しているもので、情報の正確さには  まったく自信がありません。引用して弊害が起きても責任は持てないよ。  それから誤字脱字変換ミスは大目に見てね。気を付けるけれどさ。えへ。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━