2015/4/19━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 幽玄の森羅万象の散歩道 動物行動学からの性♂♀の話・動物・植物・環境・宇宙・時間・哲学 興味のおもむくまま“みかりん”の しゃべりんぐ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━目指せ1万部! ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆         やまねこ通信 E=MC二乗                                vol.221 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ こんにちは。 みかりんです。 ちょっと前に配信したvol.217のメイン記事は「健気な外来動物の話」でした。 配信したあとで、ちょっと書き足りない感じがしていたのです。 だから今日のメイン記事は「健気な外来動物の話」第二弾みたいな話です。 人間の作り出した人工的な環境に進出した動植物たちの話です。 ここに↓バックナンバーがあるよ。『内容一覧』という所をクリックしてみて。 http://www.phoenix-c.or.jp/~daichi-m/yamaneko/yamaneko.htm 「ラジオ山猫通信」も、ここから聞くことができます。↑ ━■シナントロープの動物たちの話━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 人間社会の近くに棲息して、人間の作り出した環境に適応して 生活している動物や植物をシナントロープと言います。 はい。聞きなれない言葉ですね。 私も知らない言葉でした。 色々調べていて知りました。 シナントロープ。 ギリシア語で「人間と共に」みたいな意味です。 人間社会の近くに棲息して、人間や人工物の恩恵を受けて 人間と共生する野生の動植物たちのことをいいます。 人工物には庭や公園や田畑も含まれます。 シナントロープの代表的な動物たちに、クマネズミ、ドブネズミ、ハト、カラス、 スズメ、ツバメ、カモメ、ゴキブリなどがいます。 特にスズメはその代表格と言われています。 スズメの原産地はナイル川流域です。 古代エジプトにおきた農耕の発達で人間が世界中に移動して広がるのと一緒に、 スズメも世界中に広がりました。 去年配信した「やまねこ通信 vol.197」でスズメの話をしました。 人がいる所にスズメはやってきて、その場所に人が住まなくなると スズメも姿を消してしまう話を紹介しました。 典型的なシナントロープです。 シナントロープの動物たちは、人間の文明の利用できる部分を ちゃっかり利用することができる動物たちです。 私は2000年12月からこのメルマガを書いてきました。 特に最近話題にした、大陸が移動して分断された動物の話、動物の進化の話、 地球のしくみと地震の話、外来動物の話。地球環境の変化の話、 動植物が互いに共生しあって関わりあって生きていっている話など。 これらの話をしているうちにだんだんある思いが湧き上がってきたんです。 たとえばね、自然災害で大きく環境が変わることは大昔から普通にあったわけでしょう。 火山の爆発や山崩れや地震や津波や気候変動などで環境はいつも変化していきます。 その中で環境変化に耐えられなかった生き物たちは、 別の場所に移動するかまたは生き残ることができないか、 または自分自身を変えていくかなど選択を迫られます。 シートン動物記で、コヨーテが大型動物と命のやり取りをしている様子の描写の後半に、 最近近くに工場ができて環境が変わっていって、大昔から続いていた命のやりとりが、 尻切れトンボになった様な話がありました。 19世紀でこれです。多くの野生動物にとって人間はなによりも驚異です。 一対一の勝負なら対等です。1対複数でもまぁ対等でしょう。 でも人間は環境のほうを大々的に変えてしまう恐るべき生き物です。 vol.217の「健気な外来動物の話」では、生まれ故郷とは違う環境に動物たちは なんとか頑張って生きている、という見方もある話をしました。 突然違う環境に連れてこられたというのと、突然の自然災害というのと、 突然人間が自然を開拓して環境を変えてしまったっていうのは、 野生動物にとって、環境が激変したという意味では同じではないのではないか。 そう思ったのです。 人間の開拓した環境のため数を減らしていく、 または絶滅まで追い込まれた動植物はたくさんいます。 でも、ならば適応しようと人間の作り出した環境をちゃっかり利用し始めた動物たちも たくさんいるんです。 ここでは環境破壊ともいえる人間の行いの良い悪いの話をしているのではありません。 たとえば川魚を獲って暮らすカワセミが、 人の住む家のベランダの水槽から魚を獲ってしまったという報告があります。 ハヤブサの仲間のチョウゲンボウは、高層ビルや橋げたに巣を作るようになっていると いう報告されています。 人工の建築物を自然の崖に見立てているんですね。 すごいのはツバメです。 ツバメが自動ドアの開閉センサーの前でホバリングして 扉を自在に開け閉めできることを覚えて、 人のいる建物のドアガラスの内側で安全に子育てをしている報告もあるんです。 凄いですね。すっかり使いこなしていますね。 スズメ、ハト、ツバメやトビはもともとシナントロープ化していて、 都市に生きる鳥だったんですけれど、 もっと自然度の高い環境に棲む鳥たちも最近は都市に進出してきています。 私たちが観察しやすい所で言えば、ええとハクセキレイをここ十数年ほんとうに よくみかけるようになりました。 ハクセキレイって、駐車場とかに単独でととととと走るように移動しているあの鳥です。 ちょっと長めの尻尾を上下にフリフリして歩きます。 人を恐れなくて4〜5m近づいても逃げないです。 それ以上近づくと逃げるけど、遠くまでは逃げていきません。 他にもキジバト、ヒヨドリ、メジロ、コゲラなども続々と都市に進出してきています。 開発で棲むところを奪われて数を減らしている鳥が多い中で、 たくましく都市化に順応している鳥もいるんです。 「健気な外来動物の話」では、 与えられた環境で健気に生きていく外来動物の話をしました。 外来動物には、人間に連れてこられてしかたなく未知なる環境で頑張って 生きていっている動物たちがいます。 多くは害獣とされています。 この他に侵入動物というジャンルもあります。 船や飛行機などで運ばれた荷物と一緒に入ってきてしまった密航組の動物たちです。 この密航組のほとんどが「人の家につく動物」です。 原産地で人の住んでいる家に棲み付く性質を獲得して発達させていたから、 積荷にまぎれる事になってしまうんですね。 日本は海に囲まれた島国です。その上、江戸時代には鎖国していました。 日本は外来種の上陸はかなり制限されていた国なんですね。 でも鎖国と言っても、世界に対して完全に引きこもっていた訳でもありません。 オランダ、中国、朝鮮以外の外国が鎖国の対象ですから、 この3国の貿易はOKだったんです。 でも貿易に使われた港は長崎港のみです。 例えるならば、真っ暗な中にかすかな小さな穴から光は漏れていた状態です。 漏れ出た光の小さな穴からも外来種はやってきました。 貿易船で品物と一緒に密航してきた動物がいるんです。 サソリ、ゴキブリ、ジャコウネズミ、ヤモリなどです。 ゴキブリを食べるクモもバナナと一緒に入ってきました。 どうもね、人間と同居したり人家に侵入してきたりする動物のほとんどが 外来種かまたは外来種の可能性がとても高いんです。 シナントロープの動物たちですね。 日本にはニホンヤモリとよばれているヤモリがいたんですけれど、 近年、二種類のヤモリをニホンヤモリと呼んでいたとわかったのです。 それでこの二種類のヤモリをミナミヤモリとニホンヤモリのふたつに整理しました。 この二種類は棲む場所が違います。 ミナミヤモリが山地に棲んでいて、 ニホンヤモリが平野部の都市や農村などの人の目につく所に棲んでいます。 ニホンヤモリの方が人間臭い所に棲んでいるんですね。 シナントロープ化しているんです。 そして今ではこのニホンヤモリの方が江戸時代に貿易船を通しての密航組じゃないかと いわれています。 ニホンヤモリと名付けた方が外来種だという事になってしまいました。 ゴキブリの話なんか聞きたくないという方も多いと思いますけど、 ちょっと聞いてください。 在来種のゴキブリに、ヤマトゴキブリというのとモリチャバネゴキブリというのが いました。 江戸時代に密航組のゴキブリがやってきました。 ヤマトゴキブリはクロゴキブリに置き換わり、 モリチャバネゴキブリはチャバネゴキブリに置き換わったようにみえました。 それまでヤマトゴキは、屋内と屋外両方に棲んでいたんですけれど、 1970年ごろから屋内はクロゴキに取って代わってしまいました。 ヤマトゴキは、もともと屋外種だったんですけれどだんだんとシナントロープ化して きて人間の住居をも棲みかとする性質をつけつつあったんですね。 で、屋内はクロゴキさんに譲った形になりました。 在来種のモリチャバネゴキは関東より南に分布していて、 外来種のチャバネさんとは違って、最初から人家には入ってこないゴキさんです。 遠いどこかの外国で人の住む所に居付く能力を獲得してから、 荷物にまぎれての密航組です。 これらは一見、外来種組の方が競争に勝ったように見えます。 でも、そういう訳では決してないんです。 ヤマトゴキがクロゴキに追われたように見えても、彼らは滅びてはいないんです。 ヤマトゴキさんはクロゴキさんよりも寒さに強くて、 家の中じゃなくても十分野外で生きていけるんです。 でも、クロゴキさんは、文明との絆が切れてしまえば、 寒さに対する耐性がないぶんこの日本で生きていけるかどうかわかりません。 人間が繁栄する限り一緒に繁栄はできるけれど、 野外での生活能力は弱まっていると思われます。 すでに外来種のチャバネゴキさんはシナントロープ化が進みすぎて、 野外ではみかけることはなくて、本来の故郷はいったいどこだったのか 追跡さえできないようなありさまです。 最終的に生き残るのは、人間の住居なんか関係なく野外でも生きていける在来種の ゴキブリさんの方だと思います。 次にカマドコオロギの話を紹介します。 コオロギの原産地は熱帯です。 そのコオロギが日本のような温帯に進出するには、 冬をどうやって越すかという問題を解決しなければなりません。 コオロギは一生のうちどこかで休眠時代を迎えます。 どこで迎えるかはコオロギの種類よって違うんですけれど、 卵時代に休眠する種類と幼虫時代に休眠するものが多いです。 この休眠時代は寒さに強いという性質があります。 コオロギたちはこの休眠時代を使って日本の寒い冬を越えています。 これが一般のコオロギたちの性質です。 今紹介しようとしているカマドコオロギは、 コオロギ界の中でもシナントロープ化しています。 カマドコオロギは一年中成虫を見る事ができて、季節に関係なく産卵するので、 いつでも成虫も幼虫も見る事ができます。 熱帯型そのままの生態で日本の気候にまったくあっていないコオロギです。 だからこのカマドコオロギは、昔から日本にいたのではなくて 新参者だったという事がわかります。 このコオロギはどこにいたかといえば、名前の通り都市ガスやプロパンガスが 普及する前の、一般家庭のかまどのあたりです。 熱帯原産のカマドコオロギにとって季節に関係なく毎日使われるかまどは これ以上ない快適な場所だったんでしょうね。 夜になって火を落としても余熱で寒さを凌げたんです。 そしてかまど付近に居ついていると薪などに潜り込んでいたものが運ばれて、 日本中に分布を広げていきました。 休眠技を習得しないまま熱帯原産のカマドコオロギが青森県まで進出できたんです。 人の活動とともに生息域を広げるコオロギ界のシナントロープ化の成功者です。 けれどその勢いもある時を境に一変しました。 明治大正時代まで盛んに使われていたかまどが、 関東大震災を境に一般家庭から姿を消してしまったんです。 それでも東京ではトウキョウコオロギという別名があったくらい、 戦前はそば屋、豆腐屋、煮物屋などのかまどのあるお店から、 カマドコオロギが鳴く声が聞こえてきたといいます。 しばらくは田舎の農家でも鳴き声が聞こえていました。 カマドコオロギの衰退の直接の原因は、都市ガスやプロパンガスの普及でした。 それまでの台所の風景がすっかり変わってしまったんです。 ゆっくりとそして確実にかまどは消えていきました。 カマドコオロギの棲める場所はなくなっていきました。 人間の作り出した環境など人間の都合で明日はどうなるかわかったもんじゃありません。 このカマドコオロギの栄枯盛衰の物語は、シナントロープ化した生き物の宿命です。 ではまったく日本ではカマドコオロギが見られなくなったかというと そうでもありません。 一般住宅にはいないけれど、動物園の熱帯動物館や、温泉地の温泉パイプ付近などの 年間を通して冷え込まない場所で生き残っています。 もうひとつ昆虫を紹介します。 アオマツムシという昆虫です。 北海道以外で勢力拡大している昆虫で、 夕暮れになるとリィーリィーという甲高い声で鳴きます。 明治三十一年、東京の赤坂でこれまで聞いたことのない虫の鳴き声が注目されたのが 最初と言われています。だから新参者ですね。 当初はこの虫の正体がわからず新種という事で アオマツムシとして日本の昆虫としてデビューしました。 原産地は中国のどこかとわかったのはずっと後のことです。 アオマツムシはこの東京赤坂の都心部から少しずつ分布を広げていって、 大正時代の中ごろには山の手一帯、 昭和初期には神田や銀座の盛り場でもその声が聞かれるようになっていました。 順調に勢力を拡大していた時に思わぬことが起きました。 関東大震災とその後の東京大空襲です。 東京が焼け野原になってアオマツムシは二度に渡って大打撃を受けました。 でも、絶滅はしませんでした。 かろうじて生き残ったアオマツムシに更なる試練が襲ってきました。 アメリカシロヒトリという蛾です。 カメリカシロヒトリが発見されたのが終戦から3ヵ月後です。 この蛾のサナギが進駐軍の物資についてアメリカから持ち込まれたのです。 この蛾がたちまち大増殖して、2年後には都心のほとんどに広がって、 街路樹に害を及ぼすようになります。 ですからアメリカシロヒトリの撲滅作戦として殺虫剤が盛んに散布されたのです。 街路樹をよりどころにしていたアオマツムシの声を聞く事はなくなりました。 ところが1970年代、都心に再びアオマツムシが復活したんです。 しかもあれよあれよという猛烈な勢いで増殖し始めました。 東京郊外にわずかに生き残っていたものがいっせいに分布を拡大しはじめたんですね。 アオマツムシが産卵する樹木の多くが街路樹や庭木として使われるものばかりです。 サクラ、梅、桃、柿、カエデなどの落葉樹と、 サカキ、ヒイラギ、ナンテン、シイ、カシ類などの常緑樹です。 アオマツムシのいる樹木が人によって動かされれば、卵も移動します。 いったん都心から姿を消したアオマツムシは再び都会へ進出しました。 在来の鳴く虫が都会から少なくなっているのに、アオマツムシだけは増えているんです。 都会は草むらが減っています。 在来のコオロギやキリギリスは草むらがなくなると生活できません。 アオマツムシは草むらが消えても街路樹だけで生きていく事ができるんです。 現代の輸送能力は昔とは違います。大量の苗木が短時間で移動します。 苗木が動けばアオマツムシも動きます。 現在、アオマツムシは、関東から東海地方を中心として西日本に広がっています。 もちろん自力で分布を広げているのではありません。 典型的なシナントロープの昆虫です。 生き物はたくましいなぁと思います。 でもどんなにたくましくても、シナントロープ化した生き物は、 人間の都合に振り回されます。 日本在来と言われる生き物のほとんどは、数万年数十万年、またはそれ以上の 長い年月をかけて日本の自然環境に馴染んで適応してきました。 冒頭で、スズメはシナントロープの代表的な生き物で、人間の農耕と同時に 生息域を広げてきたとお話しました。 だとするとスズメが鳥の仲間の中では、大成功しているように見えても、 日本のスズメは、たかだか2000年から3000年くらいの歴史しかありません。 人間が作り出した環境を利用して、勢力を広げているように見える生き物たちの、 なんと不安定なこと。 でもね、私はちょっとある予感を持っているんです。 この先、人間が宇宙に生息域を広げたら、きっと彼らも荷物にまぎれて 一緒に宇宙に生息域を広げていくと思っているんです。 宇宙に人類が進出するという事は、 人間だけが生息域を広げるという事ではないと思うんです。 宇宙ヤモリ、宇宙グモ、宇宙アオマツムシがお供してくれると思うのです。    * * * * *  * * * * *         火星に向かう宇宙船の中       必要最低限の人数しかいないのに       何かの気配を感じる       宇宙船内にクモの巣が張る       リィーリィーリィーと虫の声が聞こえる       視界の隅を横切ったのはヤモリか       どうやら船内に密航してきたものたちがいる       僕らが新しい星の宇宙人なら       君らも新しい星の開拓者だ       窓の外の漆黒の中の星々は動かない       それでもやがて宇宙船は火星に到着するだろう       君たちと共に新しい歴史を作る       ここでは命の重さは同等だ   ━■みかりんの叫び━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 「首なしマイク」 今年2月に配信したvol.216「魚は痛みを感じるかの話」で、 タイトル通り、魚に痛みはあるのかないのかの話しをしました。 その中で三枚におろされて頭と骨だけになっても水槽で泳いでるイシダイの 動画を紹介しました。 https://youtu.be/mmWET02wIWQ この状態で最長3日間生き続けるそうです。 この時は、動画を紹介しただけで、話はこの動画の事は置いておいて、話を続けました。 というのは、この頭と骨だけになっても泳ぎ続けるイシダイを どう考えていいのかさっぱり判らなかったからです。 その後、もっとすごい例があるのを知りました。 首なしニワトリのマイクです。 結構有名な話だったようで私が知らないだけでした。 1945年アメリカのフロリダ州フルイタの町の農家でのこと。 食べるためにニワトリの頭を落としたんですけれど 頭を落とされたニワトリはそのまま歩いて 他のニワトリと一緒にエサを突っついて、羽を取り繕う仕草をはじめたんです。 翌日、切り落とされた首の上で眠って(!)いるニワトリがいました。 その姿をしばらく眺めていた農夫は、「わかった、それじゃぁ、エサと水をやろう」 という気持ちになって、マイクという名前をつけスポイトで水とエサを与えました。 マイクはいたって健康で、首を切られたときは1kg程度だったけれど 4kgになるまでまるまると成長。 「マイクは頭が無い事を除けば非常に頑健な素晴しい鶏だった。  大きくて、丸々と太った立派な鶏だったね。  きっと自分に頭が無いことなんか知らなかっただろうな。  他の鶏と何ら変わらない生活をしてたよ」 農夫の言葉です。 その後、農夫はマイクを「ミラクル・マイク」として見世物として全国行脚し、 多額のお金になったようです。 不幸は突然やってきました。 マイクは突然食道を詰まらせて窒息して死んでしまったのです。 首を落とされてから18ヶ月生きたマイクはギネス記録に残っています。 マイクが人気を博していた頃、第二のマイクをつくって一儲けしようと 多くの人がマネをしたけれど、どれも失敗したということでした。 今でもコロラド州フルイタの町では毎年5月の第三週のウイークエンドを 「首なしニワトリの日」と決め祝っているそうで、現在も首なしニワトリの マイクをプリントしたTシャツ、さまざまな記念品などを販売して 地元の町おこしに一役かっているとの事です。 これが首なしマイクの話です。 1945年の頃ですから動画はありませんが写真はたくさん残っています。 ニワトリの首を落としたら、落とされたままでその辺りを走り回るというのは よく聞く話ですけれど、マイクのような事も起きうるのですね。 マイクの動画がないものか検索したら、別の首なしニワトリのがありました。 https://youtu.be/yOJkF2tB8jc この動画を見るときは、ちょっと回りの子どもたちの声が大きいので、 音声を小さくまたは音声なしで見てみてください。 マイクだけに起きた奇跡ではなくて、ニワトリの生命力のすごさというか ニワトリの持っている能力のひとつなのかと思うしかありません。 で、最初の三枚におろされたイシダイよりももっと凄い動画がこれです。 https://youtu.be/2qTOG34I4ms インド洋に浮かぶモルディブ島の海で、漁師が釣った魚を食べられる部分だけを 切り落とし、残りは海へと捨てたんですけれどその魚はまだ泳いでいる動画です。 ほぼ頭部と胸ビレ、背ビレ、腹ビレだけとなってしまった魚が 海の中を泳いでいる姿をダイバーが撮影したものです。 もうね、痛いとか痛くないとかそういう次元の話ではありません。 マイクの飼い主の農夫は、言います。 「今だって町の語り草になっているんだ。でもそれは首がなかったという事ではない。  マイクがみせた生へ意志の強さに対してさ」 vol.151「鯉のぼりと鯉の話」で、ベニクラゲについて語っています。  ベニクラゲ、死んでないじゃん!って人が気がついたのが1994年。  日本に紹介されたのが1998年。  色々な事はまだ全然知られていなくて、  こういう死なないシステムで生きている生き物は  まだ他にもいるのかもしれません。 生き物の持つ生命力。 私たちはまだ何もわかっていないのかもしれません。 ━●編集後記━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ★「シナントロープ」知らなかった言葉でした。   知らないから言い慣れていないのです。   それで放送では前半ずっと「シンナトロープ」って言っています。(笑)   収録している時にガラスの向こう側でミキサーをしてくれているyasに   ヘッドホン越しに「シナントロープ!シンナトロープって言ってる!」って   指摘されて、途中から「シナントロープ」と言っています。   この回は他にも言いづらい固有名詞がありました。   「アメリカシロヒトリ」です。    この回、この固有名詞は何度も言っていますが、一番最初のが   「アメリカヒトヒトリ」みたいになっています。   なんかアメリカの劇団ひとりみたいな。(笑)   アメリカシロヒトリは、このあと「食う食われるの話」にも再び登場します。   次はちゃんと発音できるのでしょうか。 色々滑舌に問題ありな今回の「シナントロープの話」は   ここをクリックすると聞けます。↓   http://crashlanding.under.jp/rajiyama0406.mp3   この話、面白いんだけど、話して聞かせるものではなくて   読み物なんだよね。   つくづくやまねこ通信って読み物だと思う。   ホント色々クチが回らない。(言い訳してみる) ★今回のメイン記事。  長々と書いているけど、長らくやまねこ通信の読者であられる皆さまは  すでに見抜いていると思います。  今回のメイン記事、書きたかったのは最後の数行。  この数行を書きたいがためだけに書いたに違いないと。    「でもね、私はちょっとある予感を持っているんです。   この先、人間が宇宙に生息域を広げたら、きっと彼らも荷物にまぎれて   一緒に宇宙に生息域を広げていくと思っているんです。   宇宙に人類が進出するという事は、   人間だけが生息域を広げるという事ではないと思うんです。   宇宙ヤモリ、宇宙グモ、宇宙アオマツムシがお供してくれると思うのです」  はい、そうです。(にこっ)  その通りであります。  この数行を書きたいためだけであります。  長い長い前振りでした。(笑) ★ラジオ山猫通信がリアルタイムで、  パソコン、スマートフォンから聴けるようになりました!  http://www.radiokaros.com/simulradio/  ↑ここがカロスのサイトの「インターネット放送聴取方法」のページです。  パソコンからスマートフォンから、カロスの放送を聞く方法が載っています。  http://www.simulradio.jp/  ↑ここがサイマルラジオのサイトです。  ここから全国のコミュニティーラジオが聞けるようになっています。    このサイトを開いたらちょっとスクロールすると「北海道」という場所があって  その下の方に「ラジオカロスサッポロ」という場所があります。  そこの「放送を聴く」をクリックするとメディアプレイヤーが立ち上がって、  リアルタイムに放送を聴くことが出来ます。  サイマルラジオは数分時間がズレて聞こえることがよくあります。  ラジオ山猫通信は、第一月曜日と第三月曜日の19:00〜19:30です。  明日の月曜日19:00に「ナキウサギと氷河の風の話」が  リアルタイムで聞くことができます。  バックナンバーは、「やまねこ通信 E=MC二乗」のサイトの「ラジオ山猫通信」の  場所から、いつでも好きな回のお話を聴くことが出来ます。   ★今回のこの「シナントロープの動物たちの話」は、  ネットでいつでも好きな時に聞くことができます。  http://www.phoenix-c.or.jp/~daichi-m/yamaneko/yamaneko.htm  ここの右側「ラジオ山猫通信」をクリックしてスクロールして  「シナントロープの動物たちの話」をクリックすると聞けます。  すぐに聞けない人は、じっと待ってみて。きっと聞けます。  http://crashlanding.under.jp/rajiyama0406.mp3  直接URLはここです。  今回の文は、おおむねラジオ原稿そのままです。  ラジオ用原稿をメルマガ用に書き換えているけどね。 ★vol.221の参考書籍&参考サイト       スズメもモンシロチョウも外国からやって来た 著/中村一恵  PHP研究所         鳥と共に暮らす       http://www.kkj.or.jp/contents/event/autumn06/06_autumn02.html ★予告です。 4月19日放送「ナキウサギと氷河の風の話」  (ネットにUP予定は5月3日)(収録終わった) 5月4日放送「秀吉と地震の話」  (ネットにUP予定は5月17日)(書き終わった) 5月18日放送「食う食われるの話」  (ネットにUP予定は5月31日)(書き終わった) 6月1日放送「チョウとオサムシが教えてくれた話」  (ネットにUP予定は6月14日)(書き終わった) 6月15日放送「流れ星と隕石の話」  (ネットにUP予定は7月5日)(書き終わった) 7月6日放送「保護の罪の話」  (ネットにUP予定は7月19日)(これから書く) ★ラジオ放送が月二回隔週であります。  最初はメルマガを元に原稿を書いてたけど、  今は、書き下ろし原稿です。  それをメルマガに転用するという逆転現象が  最近のメルマガ版「やまねこ通信 E=MC二乗」であります。 ★どうぞお時間のある時に「ラジオ山猫通信」も聞いてみてください。  2009年9月から始まった「ラジオ山猫通信」  どこまで続くんだ?  ここまで来たらいける所まで行ってしまえ!  最近は、トチらずスラスラよどみなくしゃべっているように聞こえます。  慣れてきたのです! ウソです。(笑)  編集で直して貰っているんです。 そのためずいぶん聞きやすくなっています。  決して私のしゃべりが上達したのではありません。  編集がうまくなったのです!(キッパリ) ★私はいつも「やまねこ通信 E=MC二乗」の事が頭の隅にあります。  次回テーマは何にしようかと常に思っています。  「やまねこ通信 E=MC二乗」は、私みかりんを構成している大事な要素です。 ★「やまねこ通信E=MC二乗」では、あなたからの投書を受け付けています。  動物・植物・環境・宇宙・時間・哲学このメルマガの趣旨に合うような投書を  気軽にメールに書いてね。  過去に取り上げた記事からの話題も歓迎しています。 蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹     ★彡★彡★彡★彡★彡『蟹屋 山猫屋』★彡★彡★彡★彡★彡 生まれも育ちも北海道育の“みかりん”が、北海道の味覚を全国の方に広めるために 『蟹屋 山猫屋』を立ち上げました。一級品の道産品をお手ごろ価格でネット販売! 読み物としても楽しめるものを目指しているよ。    登録はここ→ http://www.phoenix-c.or.jp/~daichi-m/kani/   山猫屋の蟹は冷凍ガニではありません。ボイルしたてを食卓に直送! 蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹    ↑↑↑  私、みかりんのもうひとつのメールマガジン。  北の味覚。海産物。蟹おいしいよ〜。海水ウニもありますよー。  予算はこれくらい。食べる人数はこれくらい。と教えてくれたら、その中で  できる限りのご提案をします!山猫屋の蟹は冷凍物は扱っておりません!  さぁ、タラバ食べたいよう、毛ガニ食べたいようのメールをみかりんに書こう。  タラバも毛蟹も良いのが入荷してきています。  北の食材たちは脂が乗っておいしいです。  この機会に、どうぞ冷凍ではない蟹を!  ご贈答に、山猫屋の海産物を。 それじゃ、今回はここまで。 あなたのお便り待ってます。 daichi-m@phoenix-c.or.jp じゃね。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 父は(85)は杖をついて歩く。 家用の杖が欲しいというので買い行った。 購入した杖に買ったという印のテープを貼って手渡された。 さて。この杖どうしよう。父が持つと両手に杖になる。 それも変なので私が持つことになる。 すると親子で杖をついている図になった。(笑) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ○ やまねこ通信E=MC二乗 vol.221  2015年4月19日発行 http://www.phoenix-c.or.jp/~daichi-m/yamaneko/yamaneko.htm ○発行編集者 みかりん daichi-m@phoenix-c.or.jp ○発行システム: インターネットの本屋さん「まぐまぐ」ID:0000052530 http://www.mag2.com/ ○登録/解除 http://www.phoenix-c.or.jp/~daichi-m/yamaneko/yamaneko.htm ○やまねこ通信は、素人みかりんが趣味で発行しているもので、情報の正確さには  まったく自信がありません。引用して弊害が起きても責任は持てないよ。  それから誤字脱字変換ミスは大目に見てね。気を付けるけれどさ。えへ。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━