2015/7/5━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 幽玄の森羅万象の散歩道 動物行動学からの性♂♀の話・動物・植物・環境・宇宙・時間・哲学 興味のおもむくまま“みかりん”の しゃべりんぐ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━目指せ1万部! ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆         やまねこ通信 E=MC二乗                                vol.226 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ こんにちは。 みかりんです。 夏です。 星空を眺めていても寒くありません。 あ、ちょっと疑問が浮かびました。 流れ星と彗星と隕石ってどんな違いがあるんでしょう。 ただ漠然と同じようなものだと思っていたのですけれど調べると全然違うものでした。 そうですよね、隕石落下のときに願い事をって訳にはいきませんし、 天の一点に動かずに止まって尾を引いている彗星に、願い事はしませんものね。 今回のやまねこ通信を読んで、このあたりの区別をつけるようになって これからの夏の夜空観察の参考にしてください。 今日のお話は「流れ星と彗星と隕石の話」です。 でも半分以上は隕石の話です。 ここに↓バックナンバーがあるよ。『内容一覧』という所をクリックしてみて。 http://www.phoenix-c.or.jp/~daichi-m/yamaneko/yamaneko.htm 「ラジオ山猫通信」も、ここから聞くことができます。↑ ━■流れ星と彗星と隕石の話━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 時々隕石が落ちたとニュースになります。 記憶に新しい所では2年前の、ロシアに隕石が落ちて、 多くの人がその映像をyoutubeにアップして世界中の人がその凄まじい破壊力に驚きました。 ところで隕石って何なんでしょう。 流れ星が燃えつきずに地球に落下してきたもの?  鉄の塊みたいなもの?  宇宙からやってきたことは確かです。 あらま。私は隕石についてろくな知識がない事に気がつきました。 それで隕石について調べてみました。 隕石とは宇宙空間から地球に落下してきたもので 1mmより大きな固体物質を隕石といいます。 1mmより小さいものは宇宙塵といいます。 隕石は地球の大気圏突入の時に、大気との摩擦熱で表面が溶けるので、 表面は黒いガラス光沢のようになって覆われています。 と、ここまでは調べて納得で全然問題はないのですけれど、 流れ星と隕石の関係。ここ、私は重大な誤解をしていました。 夜空をスーッと光って消える流れ星。 あの流れ星が宇宙からやってきて岩石の小さいものは地球の大気中で燃え尽きてしまって、 大きなものが地上まできて隕石と呼ばれている…。ってなんとなく思っていました。 違うんですね。 でもそう思っていたのは私だけじゃなく、割と近年まで人々はそういう認識だったようです。 まず、流れ星がたくさん現われる時ってあるでしょ。 しし座流星群、ベルセウス座流星群などが話題になりますよね。 こういう流星群やそれよりももっと多い流星雨っていう時に、 隕石が多く降ったという例がないのです。 それともうひとつ。 流れ星の密度が1立方センチメートルで0.3gなんですけれど、 隕石の密度は1立方センチメートルで、平均して3.5gです。 差がありすぎるんですね。  だから流れ星と隕石は違うのでは?という疑問が生まれたんです。 1970年代にアメリカやカナダに落ちたいくつかの隕石の落下を カメラで捕らえることに成功して、その軌道を計算したんです。 すると火星と木星の間にある小惑星帯から来たものと考えて間違いがないだろう という事になりました。 惑星のでき方として現在有力な説では、 星の素となるチリや氷の粒が、はじめは静電気で集まって、 それから重力で衝突して合体して成長して微惑星と呼ばれるものになります。 この微惑星同士も激しい衝突を繰り返して、惑星に成長します。 それで、火星と木星の間にある小惑星帯は、 惑星になる最終段階を木星の強い重力に阻まれて惑星になりきれなくて、 そのまま星くずとなって太陽の周りを回っているものと考えられています。 小惑星探査機ハヤブサが降り立ったイトカワも無数にある小惑星の中のひとつです。 イトカワは500mほどの小さな岩と砂のかたまりです。 小惑星の大きなもので1kmほどの大きさになります。 隕石の故郷が小惑星帯なのはわかりました。 それでは流れ星って何なんでしょう。 流れ星とは、 宇宙の小さなチリが地球に入ってくると、空気との摩擦で燃えて輝きます。 その大きさは1mmから数センチです。 光っている時間は1秒ないくらいです。 願い事が難しいわけです。 流れ星には2つのタイプがあります。 いつ現われるかわからないものと、毎年決まった時期にたくさん現われる流星群です。 よく話題になるしし座流星群は毎年十一月14日頃から24日頃までに出現します。 ベルセウス座流星群は7月下旬から8月下旬にかけて現われて、ピークが8月13日です。 ちょうどお盆の頃ですね。 夏休みだし、夜空を観察していても寒くないしで、最も観測しやすい流星群です。 この流星群っていうのは元になっている彗星があります。 太陽の周りを大きな楕円を描いて周っている星です。 有名なところではハレー彗星がありますね。 彗星は氷やチリでできていて、太陽に近づくと溶けるんですね。 だから、彗星の軌道上にたくさんのチリを残していきます。 そこを地球が通ると地球の大気とぶつかって流星群になるんです。 しし座流星群とかベルセウス座流星群と言っているけれど、 しし座からやってくる星のかけらではありません。 地球から見て、しし座の方向から降ってくるように見える流星群という意味です。 こういう季節が決まって観察できる流星群には素になる彗星があると先ほどお話しました。 しし座流星群の素になっているのは、 テンペル・タットル彗星で、33年周期で太陽の周りを回っています。 しし座流星群で一番古い記録は西暦902年のスペインのものです。 中国や日本、ヨーロッパなどでも繰り返し記録されています。 中でも1799年のものは1時間あたり1000万個の流星が見られたというものや、 1833年の北アメリカを中心に、1時間あたり5万個の、まさにどしゃぶりの雨が降るような 大出現の記録もあります。 近年で多かったのが2001年のもので1時間あたり数千もの流星群が観測されました。 こうなると、流星群というよりも、流星の雨、流星雨と言った方がいいですね。 私は見たことがありません。 しし座流星群は十一月ですものね。 その頃の北海道は寒いんです。 人工の光がまったくない所で見ると、 夜空はまさに豪華で絢爛で地上はとても地味な存在なんでしょう。 私は星影に少し憧れているんです。 月影は見る事ができます。 冬の月が明るい時、月の光の影が青くなって雪に伸びるんです。 影が出来るほどの星の光とその影。一生のうちに見る事ができたらな。 流れ星と隕石が全然違うものという事がわかりました。 次は隕石の話をします。 2年前。2013年2月、冒頭でもお話した、ロシアのウラル地方に巨大隕石が落ちて 多くの被害者が出たことは記憶に新しいです。 今では誰でもケータイやスマホで写真や動画を気軽に撮る時代です。 このウラル地方の隕石落下は、今までと違って、圧倒的な量の動画や写真で記録されています。 そしてロシアは車にドライブレコーダーを搭載している率が高いです。 ドライブレコーダーっていうのは、交通事故にあった時のために正確な記録が残るように 走行中の映像を撮ることができる機械です。 ロシアのウラル地方に落ちた隕石は、たくさんのドライブレコーダーに 多くの隕石落下の映像が記録される事になりました。 ドライブレコーダーだけではありません。 防犯カメラにも、隕石落下直後の強烈な閃光と爆風の様子が映し出されています。 今でもこの時の隕石落下の動画がたくさんネット上で見る事ができます。 とてつもなく強い光の塊がロシアの空を相当なスピードで移動していきます。 その直後の閃光と爆音と爆風。 ロシア時間で午前9時20分過ぎのことです。 この隕石は落下途中の上空約20km地点で複数の破片に分裂しました。 分裂しながらも隕石は超音速で大気圏を通過してさらに分裂しました。 こうやって分裂して小さくなると表面積が広くなって、さらに光は強くなります。 壊れた建物や割れたガラスを浴びるなどで1500人ほどが重軽傷を負いました。 しかも被害の範囲は隕石落下地点から100kmも離れた所でも起きました。 この隕石はロシアウラル地方の湖に落ちました。 推定10トンの大きさ隕石です。 隕石の大部分は大気中の摩擦で燃えたり蒸発したり分裂したけれど、 一部はこの湖に落下しました。 ロシアの2月ですから湖には厚い氷が張っていたけれど、 直径6メートルの穴が開いていました。 ダイバーによって湖の底13メートルから引き上げられた隕石は 長さ1.5m重さが570kgありました。 推定10トンの隕石は570kgまでになってしまったけれど、 これまで見つかっている隕石の中でトップ10に入る大きさになります。 実は日本も隕石については世界記録をふたつ持っています。 ひとつは、日本は世界一の隕石保有国という事です。 隕石は地球上にまんべんなく落下します。 だから単純に言えば国土の広い国に最も落ちている事になります。 でも山の中や砂漠に落ちたってそうそう見つけられるもんじゃありません。 日本が隕石を多く持っている理由は、南極の昭和基地での採取です。 南極の3つの山脈の場所や、強風が吹いて雪が蒸発するなどの条件が重なって 隕石が見つかりやすいんです。 ちょっと資料が古いですけれど、2000年までに日本は16000個の隕石を南極で採取しています。 二位のアメリカは11500個です。 その他の基地ではほとんど見つかっていません。 昭和基地付近で一度の調査で3500個以上の隕石を発見したこともありました。 日本の国土で見つけられた隕石の総数は50個程度ですから、 昭和基地での発見数は凄いですね。 もうひとつの世界記録は、世界最古の落下記録のある隕石が日本にあります。 直方隕石(のおがたいんせき)と言って福岡県の神社の境内に落下しました。 816年といいますから今からだいたい1200年前の出来事です。 夜中、境内に隕石が落下し、翌日深くえぐられた土の中を掘り出してみると 黒く焼け焦げた石が出てきたので、桐箱に納めて保存したという話が伝わっています。 桐箱のふたの裏には「貞観三年四月七日に納ム」と墨で書いてあります。 この日付を今の暦に直すと861年5月19日になります。 重量は472gの隕石です。 隕石は小惑星帯から来ると先ほど説明しました。 小惑星帯は惑星になりきれなかった星くずたちです。 そう、いったんは惑星になりかけたんです。 惑星っていうのは中心部にコアと呼ばれる密度の高い金属部分があって、 その周りをマントルと言う密度の少ない岩石質で包まれています。 こういう惑星になりかけた星くずたちが衝突などで破壊されてたものが漂っているのが 小惑星帯です。 隕石は、このどの部分かで3つの種類に分類されます。 星のコアの中心部分が隕石としてやってくるものは鉄隕石です。 まずこれがひとつね。 もうひとつがコア部分とマントルの境界線のあたりの金属鉄と岩石が混じっているもの。 これを石鉄隕石と言います。 それからマントル部分の破片が隕石としてやってくるのが石質隕石です。 この石質隕石はコンドライトとエイコンドライトのふたつに分類されます。 世界最古の福岡県の神社の隕石はこのコンドライトと呼ばれるものに分類されるものです。 このコンドライトの隕石は、地球の物質にないものが含まれていて、 太陽系が作られる時の情報を持っていると考えられています。 凄いですね。 話のスケールがどんどん大きくなってきましたよ。 太陽系が作られるって46億年くらい前の事です。 話のスケールが大きくなったところで、ここでちょっと疑問。 隕石が自分の家に落ちたら自分のものになるの? 売るといくらになるもんなの?と思いました。 一気に話のスケールが縮みました。いきなり下世話な話です。(笑) 調べてみました。 日本では一般に最初に拾い上げた人が所有権を主張する事ができるようです。 でもよその私有地で見つけた場合、地面にめり込んでいたら土地の所有者の物とされて、 埋まっていないものを拾った場合は拾い主に権利があるとの事です。 この場合の私有地っていうのは、人の住んでいない山や空き地は含まれないというので、 見つけた隕石は自分のものにしてもいいらしいです。 それで、気になるお値段なんですけれど、 大きさ、希少性、断面の美しさにもよって価格もかわるんですけれど、 1g千円から60万円らしいです。 金が1g五千円くらいですから隕石ってなかなか高く売買されているようです。 隕石でも月由来のものは1g60万円クラスです。 それでですね、世界には隕石ハンターという職業の人がいて 世界を飛び回って隕石を拾ってはコレクターに売りさばいている人がいるんですね。 隕石落下の最新情報を集め、即座に世界に飛び、ガイガーカウンターやら金属探知機、 掘削機械など最新設備を駆使して隕石を探し回る仕事です。 過去には630gの月隕石を発見した隕石ハンターがいて、7億円になったという事です。 でも心底、宇宙や隕石への興味と好奇心がなければ とてもじゃないけど手が出せない世界のようです。 そうそう。先ほどお話した南極の隕石。 これまで南極からは14個の月の隕石が発見されていて、その内7個が日本隊による発見です。 隕石の故郷は火星と木星の間にある小惑星帯ですけれど、 たまに火星からやってきた隕石もあります。 火星に大きな隕石が衝突して、火星の岩石が宇宙空間に飛び出して 漂っているうちに地球の引力に引っ張られて落下してきたものです。 この火星由来の隕石は、小惑星帯の隕石とは全然違います。 小惑星帯の隕石は太陽系ができた40億年以上前に形成されたものですけれど、 火星由来の隕石はもっと若いんです。 マグマが固まって出来た火成岩で、つい最近まで火山運動していた天体のものなんですね。 そして重力のある所で形成された痕跡もあります。 これ金星か火星か、またはどこから来たんだろうと思われていたんですけれど、 1976年に火星探査機バイキングによる火星の大気成分と完全に一致したんです。 それではじめて、火星から地球に隕石が来るんだって判ったんですね。 今まで30個ほど見つかっています。 火星から隕石が来るのなら月からも隕石が来てるんじゃないか?という事になって、 月の隕石も南極で発見されました。 だから順番としては火星の隕石の方が先だったんです。 月の岩石は、旧ソ連時代のルナー計画で地球に持ってきたのが300g。 アメリカのアポロ計画によるものが全部あわせて400kgありました。 南極から得られた月隕石は全部合わせると2kgほどになります。 アポロ計画などで採取された月の石は、月のここから採ると決めた限られた所のものです。 月隕石は違います。 月の色々な所から飛び出して地球にやってきています。 月隕石の中には月の裏側から来たとされる隕石もあります。 人が月から持ち帰った岩石はすべて表側のもので、 それが月の岩石を代表するものと考えられていたんですけれど、 月の裏側の事情はまた違うようです。 月の裏側から来た隕石が、知らなかった月の秘密を教えてくれるかもしれません。 発見された隕石には名前がつけられます。 その名付け方法はちょっとユニークで理にかなった方法です。 落下地点を配達する郵便局の名前がつけられるのです。 たとえば発見者の名前をつける事にすると、 誰が発見者かと争うことになりかねないですもんね。 隕石はどこに落ちるかわかりません。 たとえば砂漠に落ちた場合、その地区を管轄する警察署や消防署が存在しないこともあります。 でも、どんな地域でも配達する郵便局だけはどこの国にも必ず存在するんですね。 ですから配達受け持ち郵便局の名前を隕石の名前とする事が世界的な慣わしになっています。 同じ地域に2個以上の隕石が落下した時は郵便局の名前の次にa.b.c.とアルファベットが 付いていきます。 南極隕石だけは例外です。 日本の南極観測隊が発見した隕石は、当初は規則どおりa.b.c.とつけていたんですけれど、 数が多すぎるので、発見した年とその順番の数字の組み合わせです。 地球にまんべんなく落下する隕石を、 国土の狭い日本が一番たくさん持っているっていうのもちょっと良いですね。 それでも隕石は巨大になったら怖いです。 2年前のロシアの隕石落下も広いロシアの誰も住んでいない所だったから あのくらいの被害で済みました。 どこかの国の都市部に落ちていたら大惨事です。 大惨事ですまない場合もあります。 地表の生物の8割9割が絶滅というパターンの引き金になる事もあるんですから。 流れ星を見つけたら「隕石が落ちてきませんように」と願うことにしましょう。 隕石ハンターは「隕石が落ちてきますように」と願うかもしれませんけど。    * * * * *  * * * * *         夜だから目立つだけで       昼間もまんべんなく落ちてきている流れ星       彗星の尻尾から生まれる流星群       大気圏で輝く流れ星       流れ星の雨が降る夜は心がざわめく       降る降る降る流れ星が降る       流れ星の雨は影を作る       星明りが星影を作る       あなたと私の影を作る       踊りましょうよこんな日はワルツがいいわ       あなた腕の中で私はささやく       これから隕石を探しに行かない?       あなたならきっといっぱい見つけるわ       隕石ハンターでひとやま当てましょう   ━■みかりんの叫び━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 「土星の輪をみる」 札幌に住んでいると、満天の星を見たくてでもなかなか本物をみるのは難しいです。 札幌の空は夜でも明るすぎます。 満天の星を見るには、札幌からできるだけ離れたほうが良いのです。 都合つけて札幌から離れた所に行っても、雲がない夜空になるとは保証はないし。 それで去年、札幌青少年科学館のプラネタリウムを見に行ってきました。 素晴らしかったです。 見終わって呆然としていると解説員の人が終わり際に小声で言ったのを 私は聞き逃しませんでした。 「今日、中島公園にある札幌天文台で観望会があって土星の輪をみれます。  時間に余裕がある方はどうぞ行ってみてください」 え?何それ! 中島公園に天文台がある? 見せてくれるの? 何時から? え?え? お金は? 私は解説員さんに疑問をすべてぶつけました。 中島公園というのは、札幌の繁華街すすきのの隣にある公園です。 年に何回か観望会というものをしていて、スタッフさんが何人もいて 大望遠鏡で星を見せてくれるというんです。 事前の申し込みとか何も必要なくて、お金はかからず、星に関する何でも説明してくれて 星は見放題というものが年に何回か企画されているというんですね。 20時からというのでその日、さっそく行って来ました。 でもあいにくの曇天で土星どころか星はまったく見えず、 でも、解説員の方の豊富な映像や星の話を聞けて大満足で帰りました。 その後も観望会はあったのですけれど、土星を見るには時期を逸していて 去年はそれっきり観望会には行っていません。 私は土星の輪を見たいんです! 土星は6月7月に観測するのがいいらしく、私は2015年に賭けていました。 6月19日、20日、21日に札幌天文台で観望会があるのをネットで確認し、 今度こそと期待しました。 19日はちょっと用事があったので行けず、20日に行きましたよ、中島公園の札幌天文台。 私の家から自転車で1時間弱で行けることがわかって自転車で。 20時からだけど15分ばかり早く着いた私。 天文台の外にも、本格的な天体望遠鏡を置いて、ふたりのスタッフさんが 望遠鏡を調節していました。 「こんにちは!」 向こうから声をかけてくれました。 「今、月のクレーターがよく見えるように合わせた所ですよー。どうぞー」 「わぁ、いいんですかー」 その日の月は細い三日月です。 わずかな明るいところにクレーターが見えます。 それだけでも感激なんですけれど、私はちょっと欲張りました。 「望遠鏡を覗くココから、デジカメで撮れますか?撮ってもいいですか?」 「いいですよー」     パチリ。 「あれ?こんなんなっちゃった」 「あー。なるほど。ちょっと貸して」 スタッフさんにカメラを渡す。 カメラは、コンパクトデジカメってやつです。たいした性能ではありません。 「ええとあれ?あれ?」とひとりが写して満足できないらしく もうひとりが「貸してみ?」と、またあれこれやって素晴らしいのが撮れました! やったー! ↓これがそれ。まったく加工していないそのままです。 http://www.phoenix-c.or.jp/~daichi-m/yamaneko/226.htm このデジカメすごいじゃん。私は全然使いこなしていないんだな。 「望遠鏡越しに、どのカメラでもこんなふうに撮れるとは限らないのですよ。  僕が撮った中でもこれは一番の写りだな」 この日は土星のほかにもうひとつ見所があって、月と金星と木星が三角をつくるのです。 これが天文ファンにはたまらないイベントなのだそうです。 そして金星と木星はこれから毎日近づいていき、 「7月1日が一番近くなります。  これからしばらくそのあたりを気にして星を見てください」と言われました。 そんな事をしているうちに天文台の方の用意が整ったみたいです。 天文台の巨大望遠鏡で金星と木星を堪能しました。 金星は満ち欠けの「欠け」が見えました。 水星と金星は、地球の内側を周っているから「満ち欠け」現象が起きるのです。 木星は縞が見えました。それと木星の衛星が4つ見えました。 昨日は渦が見えたのに今日は縞だけだなってスタッフさんが言っていました。 でもこの日は土星が見える方角の空は雲がかかって、 土星を見ることができずに自転車で家に帰りました。 さて。翌日。朝からピーカンです。 今度こそ土星が見れるかもしれません。 夜、再び自転車で向かいました。 晴れています!見えるはず!もうわくわくです。 天文台に着きましたー。 見えましたー。土星です。土星の輪です!土星の衛星もひとつ見えました。 スタッフさんが言いました。 「地球の空気の揺れの加減なんだけど、ちょっと輪の右上を見ていてください。  線が見える一瞬があります」 おー。見えた。見えましたよ。輪に線が入ってる。 この線の部分は何もないんじゃなくて、粒子の密度が薄いんだそうです。 この線の事を「カッシーニ」と言います。(にわか土星知識を披露。(笑)) 札幌天文台に通って3度目でやっと土星の輪をみることができました。 この天文台の大きな望遠鏡はレンズが全部で7枚あるのだそうです。 私はメガネをかけているので全部で8枚のレンズ越しに土星の輪を見ることが できたという事になります。 レンズ越しとはいえ、映像ではなく生で土星の輪。 やったー! 土星は地球に対して傾いていて、この輪が地球に対して真横にくると見えなくなる年が あるといいます。 前回が2009年で今度は2025年に見えなくなると言っていました。 15年周期ぐらいでそうなるそうです。 今年は輪が最大に見える2年前だそうです。(2年後に最大の傾きになるという意味) だから割とよく見える角度で傾いているんです。 この札幌天文台ってあまり知られていません。 こういう観望会が開かれているものあまり知られていません。 私は全然知らなかったんです。 どこかのサイトに札幌天文台は日本で一番小さな天文台と書かれていたので スタッフさんに聞いてみました。 「この天文台、日本一小さいって聞いたんだすけど」 「望遠鏡が?」(ちょっとムッとした感じで) 「いえ、望遠鏡じゃなくて、この屋根のマルがかな」 「あぁ、たしかに建物は小さいね」 「そうですね」 「あ、この天文台が日本一の所がある!」 「え?」 「たぶん日本で一番明るい所にある天文台だと思う」 あー。それは納得。 札幌天文台の立地が変なんです。 不夜城の歓楽街すすきのの隣の中島公園にあること。 その中島公園には「音楽堂キタラ」があって燦然と輝いていてまぶしい。 そのキタラの隣に札幌天文台があるんです。(笑) 天文台は、かろうじて大木に囲まれているので音楽堂の光は漏れ出るくらいで 直接は邪魔になっていません。でも葉が落ちる秋以降はかなりまぶしいらしいです。 それから大木に囲まれているので、星がすぐに木に隠れてしまう。(笑) 天文台としてはものすごく条件の悪い所にあります。 親切で知識豊富なスタッフと天体望遠鏡がある所に、 自転車で1時間以内で行けることを発見したのは、今年の大きな収穫です。 いつの日か、生の満天の星空を見ることができたら。 その時はまた報告します。 ━●編集後記━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ★南極隕石は地球にいながら月や火星や小惑星のことを知る貴重なものです。  メイン記事にも書いたように、昭和基地近辺の地形が隕石が集まるようになっていて  南極隕石は日本が一番保有していて、次がアメリカです。  他の国々の基地ではほとんど見つかっていません。  この昭和基地の場所は、日本が選んだわけではありません。  第2次世界大戦から十数年。  敗戦国が観測に参加することに対して反対する国もあったといいます。  最終的には参加が許されたんだけど、観測担当場所として割り当てられたのは、  氷の状況から船舶での接岸が非常に難しくて気候も厳しい場所だったんですね。  それでも国際的な観測の一端を任されたことは、  当時の日本にとっては国際復帰の大きな一歩だったんです。  国民を勇気づける出来事でもありました。  みんなが欲しがらなかった場所の昭和基地だから、世界一の隕石保有国になったんです。  ちょっと面白いですよね。 ★ラジオ山猫通信がリアルタイムで、  パソコン、スマートフォンから聴けるようになりました!  http://www.radiokaros.com/simulradio/  ↑ここがカロスのサイトの「インターネット放送聴取方法」のページです。  パソコンからスマートフォンから、カロスの放送を聞く方法が載っています。  http://www.simulradio.jp/  ↑ここがサイマルラジオのサイトです。  ここから全国のコミュニティーラジオが聞けるようになっています。    このサイトを開いたらちょっとスクロールすると「北海道」という場所があって  その下の方に「ラジオカロスサッポロ」という場所があります。  そこの「放送を聴く」をクリックするとメディアプレイヤーが立ち上がって、  リアルタイムに放送を聴くことが出来ます。  サイマルラジオは数分時間がズレて聞こえることがよくあります。  ラジオ山猫通信は、第一月曜日と第三月曜日の19:00〜19:30です。  明日の月曜日19:00に「保護の罪の話」が  リアルタイムで聞くことができます。  バックナンバーは、「やまねこ通信 E=MC二乗」のサイトの「ラジオ山猫通信」の  場所から、いつでも好きな回のお話を聴くことが出来ます。   ★今回のこの「流れ星と隕石の話」は、  ネットでいつでも好きな時に聞くことができます。  http://www.phoenix-c.or.jp/~daichi-m/yamaneko/yamaneko.htm  ここの右側「ラジオ山猫通信」をクリックしてスクロールして  「流れ星と隕石の話」をクリックすると聞けます。  すぐに聞けない人は、じっと待ってみて。きっと聞けます。  http://crashlanding.under.jp/rajiyama0615.mp3  直接URLはここです。  今回の文は、おおむねラジオ原稿そのままです。  ラジオ用原稿をメルマガ用に書き換えているけどね。 ★vol.226の参考書籍&参考サイト  宇宙科学研究所キッズサイト  http://www.kids.isas.jaxa.jp/faq/solarsystem/ss10/000098.html            流星とは  http://homepage2.nifty.com/s-uchiyama/meteor/whatmeteor.html  隕石の話  http://www.nihongo.com/aaa/jewelry/j5inseki/meteorite.htm  地球への隕石衝突、過去数年間で想定の3?10倍に  2001年以来、原爆級の隕石衝突が26個  http://www.huffingtonpost.jp/2014/04/19/far-more-asteroids_n_5179888.html  ロシアに墜落して激突した隕石のとんでもない瞬間を撮影したムービーまとめ  http://gigazine.net/news/20130215-meteorite-crash-in-russia/  重さ570キロ、ロシアに落下した隕石の最大の残骸が発見  http://gigazine.net/news/20131017-meteorite-found-russian-lake/  隕石が自分家に落下したらもらっていいの?  http://matome.naver.jp/odai/2136121141888474801  倉敷市立自然史博物館  http://www2.city.kurashiki.okayama.jp/musnat/geology/meteorite/meteorite.html  国立科学博物館  https://www.kahaku.go.jp/index.php ★予告です。 7月6日放送「保護の罪の話」  (ネットにUP予定は7月19日)(収録終わった) 7月20日放送「トマトと植物の毒の話」  (ネットにUP予定は8月2日)(書き終わった) 8月3日放送「植物と動物の間の話と他の話」  (ネットにUP予定は8月16日)(書き終わった) 8月17日放送「ペンギンが友達になるまでの話」  (ネットにUP予定は9月6日)(書き終わった) 9月7日放送「強いものは弱いの話」  (ネットにUP予定は9月20日)(書き終わった) 9月21日放送「ネス湖とネッシーの話」  (ネットにUP予定は10月4日)(これから書く) ★ラジオ放送が月二回隔週であります。  最初はメルマガを元に原稿を書いてたけど、  今は、書き下ろし原稿です。  それをメルマガに転用するという逆転現象が  最近のメルマガ版「やまねこ通信 E=MC二乗」であります。 ★どうぞお時間のある時に「ラジオ山猫通信」も聞いてみてください。  2009年9月から始まった「ラジオ山猫通信」  どこまで続くんだ?  ここまで来たらいける所まで行ってしまえ!  最近は、トチらずスラスラよどみなくしゃべっているように聞こえます。  慣れてきたのです! ウソです。(笑)  編集で直して貰っているんです。 そのためずいぶん聞きやすくなっています。  決して私のしゃべりが上達したのではありません。  編集がうまくなったのです!(キッパリ) ★私はいつも「やまねこ通信 E=MC二乗」の事が頭の隅にあります。  次回テーマは何にしようかと常に思っています。  「やまねこ通信 E=MC二乗」は、私みかりんを構成している大事な要素です。 ★「やまねこ通信E=MC二乗」では、あなたからの投書を受け付けています。  動物・植物・環境・宇宙・時間・哲学このメルマガの趣旨に合うような投書を  気軽にメールに書いてね。  過去に取り上げた記事からの話題も歓迎しています。 蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹     ★彡★彡★彡★彡★彡『蟹屋 山猫屋』★彡★彡★彡★彡★彡 生まれも育ちも北海道育の“みかりん”が、北海道の味覚を全国の方に広めるために 『蟹屋 山猫屋』を立ち上げました。一級品の道産品をお手ごろ価格でネット販売! 読み物としても楽しめるものを目指しているよ。    登録はここ→ http://www.phoenix-c.or.jp/~daichi-m/kani/   山猫屋の蟹は冷凍ガニではありません。ボイルしたてを食卓に直送! 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