2016/2/21━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 幽玄の森羅万象の散歩道 動物行動学からの性♂♀の話・動物・植物・環境・宇宙・時間・哲学 興味のおもむくまま“みかりん”の しゃべりんぐ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━目指せ1万部! ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆         やまねこ通信 E=MC二乗                                vol.240 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ こんにちは。 みかりんです。 真冬の北海道って、あまり音がないです。(街中のことじゃないよ。郊外とかね) 雪が音を吸い込むからです。 冬の森の木々は葉を落としているから葉摺れの音もありません。 生き物の気配は雪原にテンテンと残っている足跡だったり。 でも鳥たちは葉がないぶんよく見えます。 冬期間限定で庭のバードテーブルにヒマワリの種を置いています。 今日は私の知らなかった鳥にまつわる話を中心にお話していきます。 ここに↓バックナンバーがあるよ。『内容一覧』という所をクリックしてみて。 http://www.phoenix-c.or.jp/~daichi-m/yamaneko/yamaneko.htm 「ラジオ山猫通信」も、ここから聞くことができます。↑ ━■鳥のその周辺の話━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 鳥が哺乳類と大いに違う所は…?という問いがあると 普通「飛ぶこと」と答えるよね。 そうなんだけど、ほら、他にもあるじゃん、決定的に哺乳類と違う所、ほれ、言ってみ? などと答えをせかされると、この人は何を言わせたいのだろうと少し考える。 もしかして、アレ?アレを言わせたいのか? そう。正解です。アレを言わせたいのです。 鳥の交尾は、オスがメスの上に乗りかかって総排泄腔を密着させておこないます。 ニワトリやカモメは地面の上で、スズメは電線の上で、ツバメは空中を飛びながら交尾します。 まぁ、ほんの一瞬で終わってしまいます。 鳥類は、糞もオシッコもタマゴも精子も、体外に排泄する穴はひとつで 全部、総排泄腔という穴で済ませてしまいます。(中で枝分かれしてるんだけどね) そう。鳥のオスにはペニスがないんです。 私は、すべての鳥類の交尾は総排泄腔の密着だけで交尾終了〜。って思っていました。 ある時、本を読んでいたら総排泄腔の密着交尾ではない鳥がいると知りました。 ペニスがある鳥です。哺乳類と同じ、挿入する交尾です。 まずアヒルです。 アヒルは長いペニスをメスにねじ込むように交尾するんですね。 アヒルのペニスはコルクを抜くスクリューのように時計回りの螺旋状にねじれています。 普段は総排泄腔の内部にしまわれているけれど、交尾の時には40cmもの長さになります。 交尾時にペニスが大きくなる仕組みはヒトとは違います。 ヒトは海綿体に血液が充満して硬く大きくなる仕組みだけど、 アヒルは、リンパ液の作用で、ええと昔、子どもの頃に遊んだピロピロ笛のように 瞬く間に伸びるんですね。 精液が通る部分は、溝(みぞ)になっていいます。精液溝といいます。 射精の時に両側が折り重ねられて筒状になります。 調べてみるとペニスを持っている鳥類は他にもいました。 アヒルのような水禽類全般(ハクチョウ、ガン、カモ、ガチョウ、オシドリなど)と ダチョウやキーウィのような走鳥類です。 そもそも魚類と両棲類のオスにはペニスがありません。 そして爬虫類にはほとんどの種にペニスはあります。 でもムカシトカゲのような原始的な爬虫類にはありません。 ということは、ペニスは爬虫類の進化の過程で出来てきたと考えられます。 さて。ペニスのある爬虫類から、鳥類と哺乳類が進化しました。 鳥類は私が思い込んでいたように、大部分はペニスがありません。 鳥のペニスは、何らかの理由によって失われる方向に進化したって事です。 ペニスがある鳥である水禽類(カモ、アヒル、ハクチョウなど)や 走鳥類(ダチョウ、キーウィなど)と、ペニスがない他の大部分の鳥と何が違うのでしょうか。 鳥は空を飛ぶために、骨をスカスカにし、脳も小さくしました。 体を軽くするために、食べたものはすぐ消化して糞にして外に捨てるように、 とにかく体を軽く、無駄なくの方向へ進化していきました。 そう考えると、ペニスをなくする方向も体を軽くする作戦のひとつだったかもしれません。 鳥の交尾は、ペニスありとなしでは決定的に交尾時間が違います。 ペニスありで30秒ぐらい、ペニスなしでは1秒〜2秒です。 ペニスがなくなった事で、鳥は素早く交尾できるようになりました。 鳥の体の最大の特徴をペニスを失ったこととするなら、 行動の最大の特徴は浮気の激しさをあげる事ができます。 鳥はオスだけじゃなくメスも積極的にツガイ以外の相手と浮気します。 何しろ1秒〜2秒で事が済んでしまうんですから。 でも、水禽類と走鳥類は何故ペニスを捨てなかったのか?という問題が残ります。 ここからは想像になるけれど、水禽類は精子が水に流されるのを防ぐため? 確実にメスの体の中に精子を届けるにはペニスを捨てられなかったって事なのかな。 わからないけれど、水鳥だということに理由があるような気がします。 それじゃぁ、走鳥類は? あぁ、これはわかるような気がします。 ダチョウやエミューやキーウィは飛ぶことを諦めたので、 体を軽くする方向に進化しなかったって事じゃないかな。 ペニスを捨てる必要はなかったんです。 次に鳥の視覚、見え方についてお話しします。 鳥は視力が良いイメージがあります。 鳥はどのくらい視力がいいのかと調べようにも、 「C」の字を見せてどっちが切れているかという、あの視力検査には非協力的です。 でも視力検査としてこんな実験をした人がいます。 ふたつの点を接近させていったら、どこまでが2点に見えるか、 どこから1点になって一緒くたになってしまうか、という2点分解の能力です。 「見せられたのが2点ならボタンを突っつく。1点なら突っつかない。正解にはご褒美」という ルールを覚えさせると動物でも視力検査がある程度はできるといいます。 その実験結果は、ニワトリの視力は1.0あるかどうかで、ハト、スズメ、カラスなども ヒトと同じくらいで、圧倒的に良いのは猛禽類で3.0から5.0という双眼鏡なみの視力です。 でもこれってヒトの視覚の視力検査です。鳥類はヒトとは違う範疇で世界をみています。 種類にもよるんだろうけれど、鳥がヒトより断然優れているのが 高速で動くものを目で捉える能力です。これを時間分解能といいます。動体視力ですね。 時間分解能が優れているってことは、ヒトの目にはブレてしまって何だかわからなくても、 鳥にはちゃんと見えているって事です。 これを計る指標のひとつが1秒間に何回までの点滅がわかるかというものです。 ヒトは、頑張っても1秒間に50回の点滅あたりで認識できなくなって連続した光と感じるように なります。 これを利用したのが動画ですね。 残像が残っている間に次のコマを見せて連続した動きに見せているのが動画です。 テレビやビデオは普通、1秒間に 30フレーム(画面)を表示してます。 通常の映画は 1秒間に 24フレームです。 でも、フレーム数が増えると、それだけデータ量が増えるんで 1秒あたりのフレーム数を 15くらいまで落とすことがあります。 これだと、少し滑らかさに欠けるけど、まぁ、動画に見えます。 これより少ないと、動きがギクシャクしてコマ送りの感じに見えます。 現在の高精細度テレビジョン放送では、1秒間に60フレームまで実現されているといいます。 鳥は、1秒間に100回は見分けます。ヒトの倍です。 鳥たちにとって、私たちが楽しんでみている動画は、 私が子どもの頃、教科書のカドで作ったパラパラ漫画のように、 いや、それ以下のコマ送りとして見切っているって事です。 自分自身も高速で飛びながら、同じく高速で飛ぶ鳥を捕まえる、または逃げるという生活を している鳥たちにとって、ヒトの1秒間に50回が限界って、ずいぶんぬるい話なんですね。 鳥の網膜の構造からみても、 視野に写った対象物のわずかな動きでも検知できていると考えられてます。 ヒトの言うところの視力よりも、とても大事な能力です。 鳥は、色彩の分析能力もヒトより高いです。 ヒトには同じに見える色も、鳥は見分けます。 ヒトの色覚は、赤緑青の3原色です。 鳥の場合は、赤緑青に加えて紫外線を感じる細胞を持っています。 だから鳥たちの見える世界は、赤緑青に紫外線色を加えた4原色です。 鳥の見る色合いはヒトよりもきめ細かいんです。たぶん。 ヒトよりも広い範疇の色を見ることができるって、 鳥には世界はどう見えているんでしょう。 これね、考え方が2つあるんです。 ひとつはヒトには認識できない紫外線色が紫の向こうに存在しているという世界の見え方。 この場合、ヒトには紫外線色を想像することは全くできません。 もうひとつが、色はヒトと同じように赤から紫のグラデーションに収まっているんだけど 各色の区切りが少しずれていて紫外線領域まで収まるっていう考え方です。 わかりやすくいうと、鳥にとっての紫とは紫外線付近であって、 鳥の青紫がヒトにとっての紫になるっていう意味です。 まぁ、鳥とヒトは世界は違うふうに見えているって事です。 鳥に限らないけどね。 紫外線が見えるという事は、人間には見えないものが見えるという事です。 たとえば花の中心に向かって放射線状の模様があったり、明確に濃淡があったり。 これは紫外線が見える昆虫たちに対して、花が「ここに着地してね」「ここに蜜があるよ」と 宣伝しているって事です。 ヒトの目には、モンシロチョウのオスメスなど見分けづらいですけれど 紫外線が見える目には簡単です。モンシロチョウのオスは紫外線を反射しないし、 メスは紫外線を反射しています。 蝶たちにとってオスメスの判断なんて一目瞭然なんです。 世界はヒトなど眼中にない生物がたくさんいるって事なんです。 それでは鳥は紫外線をどのように使っているんでしょう。 紫外線が見えないヒトが精一杯、観察してわかったことのひとつが 「チョウゲンボウ(ハヤブサの一種)は、ハタネズミの糞尿が見える」というものです。 ハタネズミは、草原に棲む野ネズミの仲間です。 彼らはマーキングを兼ねて巣の外で排泄します。この排泄の痕跡が紫外線を反射して チョウゲンボウは草原の上を飛び回りながら効率よく狩りを行っているという説です。 でも、上空から草原を背景にして糞尿が明瞭にみえるって無理じゃないか?っていう 反論もあります。 私たちの目に見えない紫外線を、ヒト以外の動植物がどのように利用しているのか どう頑張っても想像の域をでません。 こんな実験があります。 カラスに食品サンプルを見せる実験です。 不思議な事にポテトフライだと騙されるのに、豚肉は見分けてしまう。 何故だろう。不思議だ。と、実験が行き詰った時に、「もしかして紫外線じゃない?」って 気がついたという話。 ポテトフライはホンモノでも紫外線反射が小さいのに対して、本物の豚肉の脂身部分は 紫外線反射が強いことがわかったんです。 食品サンプルはどちらも紫外線を反射してません。 食品サンプルは人間相手の見本だからね。 ヒトにはそっくりに見えても、鳥にはまったく似てないように見えるんですね。 カラスにとってヒトが一生懸命やってる実験はバカらしいと思えるんでしょうね。 同じような事にハトの実験があります。 鳥は瞬間的なパターン認識がとても得意です。 ヒトなら見過ごすような細かい特徴を写真のように覚えている可能性があるんです。 例えば、条件付け学習実験で、簡単に識別できなさそうな課題をハトがあっという間に解いて しまったことがありました。 実は、ハトは課題を解いていたんじゃなくて、箱についたわずかな汚れのパターンをみて 正解の入った箱を記憶していただけだったんです。 こういう能力は、上空から地上を見下ろしながら飛ぶ能力や、星空を見上げて方角を知る 能力と関連しているのかもしれません。 ヒトの計る視力検査で鳥の何がわかる?って話ですね。 次にカレドニアカラスの話をします。 南太平洋のニューカレドニア島に棲む森林性のカラスが 「野生状態で道具を作って使う」んです。 野生状態で道具を使う動物はいくつか例があります。(飼育下だともっといます) チンパンジーは、石でナッツを割ります。 アリ塚に枝を差し込んでアリを釣って食べます。 キツツキフィンチは、サボテンのトゲをくわえて樹皮の隙間や穴に住む昆虫を つっつき出して食べます。 エジプトハゲワシは、石を落としてダチョウの卵を割ります。 ハダカデバネズミは、石をくわえて硬い地面に穴を掘ります。 ラッコは、仰向けに海に浮かんで貝を胸に置き、石を前足で持ち上げて振り下ろして 貝を割ります。 でね、「道具を作って使用する」のはチンパンジーでしか確認されていませんでした。 それがカレドニアカラスは3種類の道具を作っているという事がわかったのです。 ひとつめ。【フック・ツール】 葉っぱをちぎって葉柄(ようへい)を残して、 その先をJ字型に曲げてフック・ツールと呼ばれる道具を作ります。 葉柄というのは、茎・枝につながる柄(え)のような所のことね。 これを朽木に差し込んで、中に潜んでいるカミキリムシの幼虫を捕獲して食べます。 この行動をはじめて見つけた学者は、当初、カミキリムシを引っ掛けて捕獲していると 考えていたんだけど、日本のテレビ番組の撮影チームがとらえた映像から カミキリムシの幼虫を釣ってることが判明しました。 力任せにツールで突っつくと幼虫は穴の奥に引っ込んでしまうんだけど 絶妙な力加減でコチョコチョとすると、幼虫が怒ってツールに噛み付く、そこをすかさず 引き抜くと幼虫が釣れるんです。 やり方はザリガニ釣りみたいなもんです。 これね。結構難しいらしくてヒトが真似しても簡単にはできません。 熟練が必要なんですって。 ふたつめ。【バンダナス・ツール】 アロエのようなギザギザの葉の縁を切り取って、細長いノコギリのような道具を作ります。 これは樹上の高い所で使っていて、用法はよくわかっていません。 何かを引っ掛けて取り出す道具だと考えられています。 みっつめ。【ナッツ割り】 これも日本の撮影チームが発見しました。 森の中にククイという木の実が割れて散乱している場所があって、 そこがナッツ割り場になっています。 森の中の岩の真上にちょうどよい枝があって、その枝の二又部分にナッツを 乗せて、クチバシでチョイって押して落とせば必ず割れるんです。 これは持ち運べる道具ではないけれど、位置決めも高さも絶妙な枝とセットになっていて、 簡単な手順を守れば必ず成功する装置になっているんです。 で、こういう行動がどのように子どもに伝わっていくのかと考えると、 私たちヒトは「親から子に教える」と考えがちです。「これをやってごらん」タイプですね。 動物って子どもの危険な行動は止めるけど、手とリ足とリっていうのはまずやりません。 自力で試して失敗して繰り返し覚えるしかないんです。 でも手本になる親の行動を間近でいつもみています。 「師匠の技を盗む」作戦ですね。 当たり前だけどカレドニアカラスの子どもも最初は道具作りも、道具使いも下手です。 長すぎるツールを突っ込んだり、先端の曲げが大きすぎて穴に入らなかったり。 観察していてこんな例があったそうです。 親鳥が巣立ちの子どもの前で、倒木にツールを差し込んだまま飛び立ちました。 これには子どもも大喜びです。親のツールをくわえてガシガシしていたけれど まぁ、力が入りすぎて上手に釣れそうにもなかったというんですけど、 それでも親の行動を見た直後に、親の作ったツールを使って学習できるというのは 良い経験です。 ヒトには「この道具をあげるからやってごらん」という物語にしかみえない事象だけど、 親鳥は単に他に気になることがあって、道具を差し込んだまま他所に行ってしまっただけかも しれないし、ヒトのように「あげるからやってごらん」なのかもしれないし、 親鳥がどんな気持ちでそんな事をしたかは判りません。 そしてこれら道具は樹上に置いておいて、繰り返し使っていることもわかっています。 出来の良い「マイ道具」は大事にしているようなんです。 カレドニアカラスの大好物は、カミキリムシなどの幼虫なんだけど、 これ、地元の人の大好物でもあるんです。 ニューカレドニアには大型の哺乳類がいなかったので、 幼虫は人間にとっても貴重なタンパク源だったんですね。 地元の人のカミキリムシの幼虫のとり方は、なんと!カレドニアカラスと同じ方法で 幼虫をとっているんです。 なんでも先祖がカラスの方法を見てまねて覚えたというんです。 カラスの真似をしてそして熟練したんですね。 今日は、私が今まで知らなかった鳥の話を中心にお話しました。 ━■みかりんの叫び━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 「キリンの首は何故長いのかの話(4)」 やまねこ通信vol.68、vol.69、そしてvol.103の3回に渡って 「キリンの首は何故長いのか」の話を書いています。 このたびまったく新しい視点でのキリンの首問題の話を見つけたので ぜひ紹介したいです。 「これまでのあらすじ」として簡単にまず説明しましょう。 首が長いキリンは、首の短いキリンよりも、より高い所の葉を食べられるだけじゃなく 遠くにいる捕食者も早くに見つけることができるし、オス同士の首を使っての戦いにも有利。 色々有利だからキリンの首はだんだん長くなった説。 この「キリンが高い所の葉っぱを食べようと頑張ったから、色々有利だから首が伸びた説」は 今では否定されています。 首の長さに関わる遺伝子に変異が起きない限り、子どもにその性質は伝わりません。 実は、何故キリンの首があれほど長くなったのかはわかっていません。 結局よくわからないんだよって事を3回にも分けて書いたんですね。(笑) でですね、今回私がみつけたのは動物行動学者の竹内久美子さんの説です。 ちょっと面白いです。 キリンというと、そうしても長い首に注目しますが、他にも他の動物にない特徴的な部分が あります。 それは前脚です。前脚がとても発達しているんです。発達しすぎて後ろ脚よりも長いんです。 だからキリンのお尻は下がり気味になっています。 前脚の発達は、前足でライオンなどを蹴って追い払うのにも使っています。 普通、草食動物って蹴るとしたら後ろ脚を使うんですよ。 シマウマ、ヌー、ウシの仲間やウマの仲間もです。 キリンは前脚で蹴るという珍しい性質を持っているんですね。 そうすると前脚が発達します。首はそれに伴って首が長くなったのではないかと考えることが できるというのが竹内久美子説です。 前脚の発達は攻撃や守備に直接使うので、前脚の発達は生きるか死ぬかの大問題なんです。 それに比べたら首の長さなんて生死に直結した問題ではありません。 捕食者に命をとられるかどうかの方がずっと緊急性は高いんです。 首よりも先に前脚が発達したんじゃないかと考えられるのは、水を飲むときの姿勢です。 キリンが地面の水溜りから水を飲むときに、前脚を横に大きく広げる姿勢になります。 もし首が先に伸びたなら、前脚を広げなくても口が地面に届くはずなんです。 でも前脚を広げてる。これは先に前脚が伸びたからではないのか。 前脚が伸びたので、地面に口が届くように首を伸ばすしかなかった説です。 高い所の葉っぱが食べられるようになったり、遠くの敵を見つけやすくなったのは オマケなのです。 という説であります。 なんか一理あるような気がします。 この竹内久美子説をここに書き写していて、私も思うことがありました。 キリンが前脚で攻撃する性質の特徴は、前脚が後ろ脚よりも発達していて その結果、キリンのお尻は下がっているというのなら、 他にもお尻が下がっている動物はいないか。できれば草食動物で。って考えた時に ゾウはどうだろうって思ったんです。 キリンほどではないにしてもゾウもお尻がちょっと下がり気味です。 ゾウを真横から見たら、前脚の方が後ろ脚より発達しているのがわかります。 ゾウが攻撃している印象も、鼻の他には前脚を使っている印象が強いです。 そしてゾウは水を飲むとき、キリンのように前脚を広げて首を伸ばさずとも その長い鼻を使います。 前脚攻撃をするために、前脚が後ろ脚より長くなったキリンとゾウは、 水を飲むためにキリンは首を伸ばし、ゾウは鼻を伸ばした。 キリンもゾウも高い所の葉っぱを食べることができたのはオマケである。 みかりん説、どうでしょうか。((にこっ)←笑顔で曖昧さをごまかそうとしている。) ━●編集後記━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ★2月12日に、重力波を初観測したというニュースが世界を駆け巡りました。  1916年に、アインシュタインが一般相対性理論で予言した数々の事象のうち  重力波は最後に残されたもので、直接検出できたらノーベル賞級と言われていました。  だから重力波の観測は「アインシュタインの最後の宿題」と言われていたもので、  予言からちょうど100年後の今年になって観測されたというニュースです。  重力波っていうのは、ブラックホールなど質量の大きな物体が動く時、  周りの時間と空間がゆがみんで、そのゆがみが波のように伝わる現象のこと。  これまで見ることのできなかった宇宙の現象を調べることができるようになり、  宇宙の始まりまで観測できるようになる可能性があるというんです。  この分野は興味津々なんだけど、残念ながら理解が追いつかないです。(笑)  宇宙の成り立ちや、宇宙の現在のありようを  ヒトはどこまで知ることができるんだろう。  理解できるんだろう。  だってね、地球の景色でさえもヒトと鳥とではまるで違って認識しているという事を  今回のメイン記事で扱ったばかりだからね。  それでもヒトに与えられた感覚器官内でいいから宇宙を知りたいという気持ちは失せません。 ★メイン記事で、「花は人間を相手にしていない」という話をしました。  それに付随する話しで「キノコは人間をまったく相手にしてない話」を。  キノコには役に立たなそうな毒を持ったものが結構あります。  普通、植物とかの毒とか食べにくさっていうのは、種子が完成するまで鳥に食べられないよう  わざと不味くしています。  すっぱい、苦い、えぐい、臭いとかね。  防御のための毒もそういった感覚を利用して「毒だぞ。わかってるな」と教えています。  目的は相手を殺すことではなくて、自分を食わせないことです。  でもね、キノコの毒はちょっと違うんですよ。  たとえば、あるキノコと一緒にお酒を飲むとアルコールが分解されずに苦しむとか、  うまみ成分自体が毒とか、食べたのを忘れた頃に激痛で転げまわるとか。  これでは意味がわかりませんよ。(笑)  たぶんたまたまヒトにとって有毒なだけで、  キノコはまったくヒトなんか眼中にないんですね。  世界の中心はヒトではないんです。 ★vol.240の参考にした本とサイト      なぜニワトリは毎日卵を産むのか  著/森 誠    こぶし書房          カラスの補習授業           著/松原 始   雷鳥社      週刊文春(2004/4/15日)エッセイ   著/竹内 久美子 文芸春秋社      172回 ダーウィンが来た!「天才職人!道具を作るカラス」      http://cgi2.nhk.or.jp/darwin/broadcasting/detail.cgi?sp=p172      女性セブン(2015/10/28)エッセイ  著/竹内 久美子  小学館 ★ラジオ山猫通信の過去の放送 (2010年1月4日第9回放送〜2015年12月22日第152回放送)が、  パソコン、スマートフォンから聴けます。  http://www.phoenix-c.or.jp/~daichi-m/yamaneko/yamaneko.htm  ↑ここのラジオ山猫通信って所をクリックしたら聴けます。  1回〜8回の放送分は聴けません。  あまりにしゃべりがヘタ過ぎて、音源を貰えなかったんです。  後半になるにつれてどんどんしゃべりが上手になっているように聴こえます。  でも、それは編集がどんどんうまくなってきているんですね。(笑)  語るテーマによっては、とてもしつこくて何言ってるかわからないものもあります。(笑)  やまねこ通信ってのは読み物であって語るものではないんだなと思い知りましたよ。  でもラジオでしかやれない事もいろいろ挑戦しました。  どうぞお時間のある時に聞いてみてください。  そして過去のメルマガ版もどうぞ読んでみてください。   ★私はいつも「やまねこ通信 E=MC二乗」の事が頭の隅にあります。  次回テーマは何にしようかと常に思っています。  「やまねこ通信 E=MC二乗」は、私みかりんを構成している大事な要素です。 ★「やまねこ通信E=MC二乗」では、あなたからの投書を受け付けています。  動物・植物・環境・宇宙・時間・哲学このメルマガの趣旨に合うような投書を  気軽にメールに書いてね。  過去に取り上げた記事からの話題も歓迎しています。 蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹     ★彡★彡★彡★彡★彡『蟹屋 山猫屋』★彡★彡★彡★彡★彡 生まれも育ちも北海道育の“みかりん”が、北海道の味覚を全国の方に広めるために 『蟹屋 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まったく自信がありません。引用して弊害が起きても責任は持てないよ。  それから誤字脱字変換ミスは大目に見てね。気を付けるけれどさ。えへ。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━