2016/10/9━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 幽玄の森羅万象の散歩道 動物行動学からの性♂♀の話・動物・植物・環境・宇宙・時間・哲学 興味のおもむくまま“みかりん”の しゃべりんぐ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━目指せ1万部! ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆         やまねこ通信 E=MC二乗                                vol.245 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ こんにちは。 みかりんです。 今日はさかのぼること4億7000万年前から始まる植物の戦略の話をします。 途中、恐竜もでてきます。 まぁ、浮世離れしてますね。(笑) 話は寄り道して、植物が光合成に使う色の話もします。 今宵、やまねこ通信で日常を離れて脳内時間旅行の旅をどうぞ〜。 ここに↓バックナンバーがあるよ。『内容一覧』という所をクリックしてみて。 http://www.phoenix-c.or.jp/~daichi-m/yamaneko/yamaneko.htm 「ラジオ山猫通信」も、ここから聞くことができます。↑ ━■植物の数億年の戦略と恐竜の衰退の話━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 地球が出来たのは約46億年前です。 生命が生まれたのは38億年前。生命と言っても微生物です。 その棲みかは海の中で、微生物たちは酸素がない所で生きていました。 それから30数億年ほど経ったいまから約5億年前になると、 マントル対流によって巨大な陸地が出来ました。 生命はこの陸地を目指します。 生命の進化の図鑑などを見ると、足の生えた魚類が上陸している様子が描かれています。 そして図にはすでに植物が描かれています。 そう。先に植物が上陸しています。それが4億7000万年前くらいと言われています。 陸地が出来て数千万年で植物が上陸したんですね。 現在の陸上の植物が緑色の葉を持っているのは、 青と赤の光を光合成に用いる緑藻類が祖先だからです。 光合成をするために浅瀬に棲んでいた緑藻類が、陸上が隆起して浅瀬が干上がっていく中で 陸上への適応を迫られていったのでしょう。 海中の藻類には、緑色をした緑藻類、褐色をした褐藻類、赤い色をした紅藻類などがいます。 緑藻類が緑色に見えるのは、緑色を吸収しないで反射しているって事です。 光合成を行う上で効率が良いのが青と赤の光なんです。 だから日の当たる浅瀬に棲む緑藻類は青と赤の光を吸収しているんですね。 ついでに褐藻類と紅藻類の説明もしましょう。 褐藻類。 海の底の方では赤い光が届きません。だから褐藻類はしかたなく青い光を吸収して光合成に 使っています。使わない緑と赤は反射しているので褐色になるんです。 キンメダイやカサゴなど海の深い所にいる棲む魚が赤い色をしているのは、 海の底は赤い色が届かないので赤い色をしていれば姿が見えづらいからなんですね。 紅藻類。 水面に植物プランクトンがあると先に青い色が吸収されてしまって 光合成を行う青い光も海の底には届かなくなります。 それで本当にしょうがなく、光合成の効率が悪い緑色の光を吸収しているのです。 そういう訳で光合成を行う緑藻類にとっては光を存分に浴びることができる陸上は とても魅力的だったんです。 ただ問題がありました。当時の地上は生物にとって有害な紫外線が降り注ぐ世界でした。 生き物たちがおいそれと陸上に進出できません。 でもこの問題はとてつもない時間をかけて解決されていきます。 海中で光合成を行う細菌や植物たちが放出する酸素によって オゾン層が形成されるようになって そのオゾン層が紫外線を地上に降り注ぐのを防ぐようになりました。 先に述べたように、植物の上陸は4億7千万年前と言われています。 魚類が上陸するのが3億6千万年前と言われているので、植物の方が1億年以上も早いんですね。 最初に上陸したのはコケに似た植物と考えられています。 コケは体の表面から水分や養分を吸収します。これは水中の緑藻類と同じ方法です。 だからコケは水辺から離れて暮らすことが出来ませんでした。 陸上生活に適するように進化したのがシダ植物です。 シダ植物はまず茎を発達させました。 それまで水中では体を支える仕組みは必要なかったんです。 そして乾燥に耐えられるために堅い表皮を発達させました。 でも表皮を発達させると水分が体から出て行かないかわりに、外から水分が入ってきません。 そこで根の発達です。 根から吸収した水分を体中に行き渡らせるための維菅束を発達させました。 維菅束を使って効率よく体中に水を運ぶことができるようになったシダ植物は、 枝を茂らせて葉から光合成を効率よくできるようになります。 こうしてシダ植物は巨大で複雑な体を持つことができるようになって、 古代の大陸はシダ植物の大森林に覆われることになりました。 この頃は、いまよりもかなり暖かくて、湿度の高い熱帯気候ではシダ植物が大繁栄しています。 高さ約40m、直径は2mにも達したと考えられています。巨大な昆虫もいました。 この頃を石炭紀とも言います。そう、今も採掘している石炭はこの頃のものです。 あ、ちょっと時間を数千万年戻しますね。(←簡単に言うね。(笑)) 土に根を張って水分をって今書いたけど、もともと地上には土はありません。 地上にあったのは、岩石や細かい石や砂です。 土っていうのは有機物からできています。生物の死骸などが分解して土になるのね。 だから地球に陸地ができたばかりの時は土はまったくありません。 だからコケが世代を繰り返す中で分解して蓄積されて陸地に土が出来ていきました。 その土を足がかりにシダ植物が根を発達させて、生息域を広げていきました。 気の遠くなるような膨大な時間をかけています。 こうして時間をかけてシダ植物が湿地を中心に陸地へ広がっていくと それまで水辺で暮らしていた両生類から、爬虫類に進化したグループが現れました。 シダ植物の種類と量が多くなってくるにつれて 植物を餌とするさまざまな爬虫類も種類を増やしていきました。 草食の爬虫類の種類と数が増えてくると、肉食の爬虫類も発達します。 こうしてシダ植物の繁栄によって豊かな生態系が築かれていきました。 動物たちの進化と繁栄は、いつも植物の進化と繁栄と共にあります。 でもシダ植物が陸上に進出を果たしたといっても、 まだ水辺から遠く離れることは出来ないでいました。 そして古生代の末期になって登場したのが裸子植物です。 ここで、古生代って何? いつごろ? って疑問がわきます。 ちょっと説明します。 先カンブリア代         5億9千万年前 カンブリア紀           古生代         5億年前 オルトビス紀           古生代                   4億4千万年前 シルル紀             古生代           4億1千万年前 デボン紀             古生代          3億6千万年前 石炭紀              古生代         2億9千万年前 ベルム紀             古生代         2億2500万年前 三畳紀              中生代         2億1千万年前 ジュラ紀             中生代         1億4千万年前 白亜紀              中生代         6500万年前 第三紀              新生代         163万年前 第四紀              新生代         現代         図にするとこんな感じです。     ↓ http://www.phoenix-c.or.jp/~daichi-m/yamaneko/245.htm 現代は新生代の第四紀なんですね。 恐竜の繁栄したのは中生代の、三畳紀、ジュラ紀、白亜紀です。 地上に進出したシダ植物は、受精のために精子が泳ぐ水が必要なので じめじめした水辺でないと増えることができなかったんです。 目の前に広大な大陸があるのにそこは乾燥していて進出できません。 ベルム紀の終わり、2億2500万年前頃に、乾いた広大な土地に種をつける裸子植物が 出現しました。 この仲間が現代に残っているものに、ソテツ類、イチョウ類やマツやスギも裸子植物です。 裸子植物は精子を花粉の中に入れて、水がなくても風で花粉を飛ばすことで、 精子を卵細胞へと届けることができるようにしました。 さらに種を作ることで、乾いた場所でも雨が降るまで種の姿で耐えられるようになったのです。 こうして植物は、乾いた土地に広がっていって、巨大な森を作っていきました。 時代は中生代の恐竜時代に入ります。 この頃、陸上の植物は裸子植物たちの全盛期で種類も豊富です。 そして恐竜たちの種類も、草食から肉食、大きさも大から小と あらゆるバリエーションに富みました。 裸子植物は花をつけません。花粉の運搬を風に頼っていて効率が悪いです。 スギは効率の低さを補うために大量の花粉を生産するので、 現代人が花粉症で悩まされていますね。 やがて白亜紀の終わりに恐竜たちは衰退します。(今から6500万年前) 今では巨大隕石がユカタン半島に衝突したのが 恐竜衰退の原因と常識のように言われています。 でも、隕石衝突の少し前から恐竜が衰退していたと判っています。 長々とここまで読んでくれてありがとうございます。 だんだん飽きてきたと思います。 たぶんほとんどの方は、ここまで読まずに脱落したと思います。(笑) お話はいよいよ佳境に入ります。 恐竜の時代(三畳紀、ジュラ紀、白亜紀)は、裸子植物全盛の時代です。 草食恐竜たちは裸子植物を食べていたって事なんです。 裸子植物は花を咲かせません。 恐竜全盛期の風景には花はないのです。 花を咲かせるのは被子植物です。 規模はそれぞれだけど、被子植物は、花と蜜と花粉を作り、種を果肉に包みます。 裸子植物と被子植物の違いは、その仕組みから話せば長くなるから、そこはすっ飛ばして、 一番の違いは、その世代交代の時間です。 裸子植物は、花粉が到達してから受粉まで1年かかります。 たとえばマツ。 春にマツボックリが出来る。→風で花粉を飛す→マツボックリが開いたときに花粉が侵入→ マツボックリ閉じる→翌年秋まで開かず中で受精。 裸子植物は、やってきた花粉を一度取り込んでから胚珠を成熟させているんです。 白亜紀になると出現した被子植物は、めしべを発達させました。 花粉が来るとすぐに受粉できるようになっています。 早いもので数時間、遅くても数日中には受精が完成します。 この違いがどういうことかというと、それだけ世代を更新するのが早いって事なんです。 花が咲く植物が現れたという事は、蜜や花粉や果実をを利用する昆虫や鳥や動物がいたという 事でもあります。 それらの動物を植物は、花粉媒体者や種子散布者として利用しているのですから。 来て欲しくない動物避けに、毒を作る植物もいたでしょう。 ハチだけに来て欲しい植物は花の構造を複雑にして、 昆虫の中で唯一、後ずさりできるハチの習性を利用したりしました。 世代交代が早いとこういう変化に素早く対応できるという事でもあります。 環境の変化に対しても順応できます。 これまでは裸子植物と恐竜たちの生態系で世界が作られていました。 この恐竜が繁栄した時代は、気候の変化があまりなかった時代と考えられています。 今よりずっと気温が高くて、光合成に必要な二酸化炭素濃度も高くて、植物は巨大化しました。 その高い木の葉を食べるために恐竜たちも巨大化する方向に進化したものもいました。 たぶん裸子植物と恐竜は競い合って大きくなる方向にいったという面もあったのでしょう。 白亜紀の終わり頃、恐竜が衰退する原因と考えられる大きな変化がありました。 それまで地球上にひとつしかなかった大陸が、マントル対流によって分裂して移動しはじめた んです。 分裂した大陸同士が衝突すると盛り上がって山脈ができます。 山脈にぶつかった風は雨を降らせます。 今まで長く安定していた気候が、不安定になっていきました。 山に降った雨は川となって下流で三角州ができます。 しょっちゅう環境が変る三角州で、草が誕生したと考えられています。 (木の出現のあとに草が出現しています!先に木なんです。) 不安定な環境でゆっくり大木になっていられない所で誕生した草は、 短い時間に世代交代をするのを武器に、あらゆる環境に適応して 爆発的な進化を遂げていきました。 陸上の哺乳類が再び海に戻ったクジラのように、 環境に適応して再び木に戻った草もありました。 20年ほど前のNHKサイエンススペシャル「生命40億年はるかな旅」の3集が 「花に追われた恐竜」というテーマで特集を組んでいます。 ものすごくざっくり説明すると、 もともと裸子植物を好む恐竜にとって、被子植物がはびこる世界はあまり適した環境ではなく、 花をつける植物が出現したので恐竜たちは白亜紀末にすでにかなり減っていて、 そこに隕石衝突でトドメをさしたという論調です。 恐竜は被子植物に適応できなかったのか。 いや、そんな事はない。生き物というものはとても柔軟なものだという印象を私は思っています。 たしかに裸子植物は被子植物より世代交代が遅い。その裸子植物に合わせたゆっくりした 変化しか恐竜は受け入れられなかった? 首の長い恐竜は裸子植物の大木と一緒に巨大化したかもしれません。 でもトリケラトプスはゾウよりちょっと大きいくらいで、頭は下向きについています。 クチバシみたいな口になっているけど歯もあって、たぶん花が咲く草も食べています。 進化の速度が速い被子植物は、食べられないようにさまざまな試みをします。 たとえばアルカロイドという毒成分を身につけたから、恐竜は対応できずに中毒死したのでは ないかという推測もあります。 この「花に追われた恐竜」説に反対する意見もあります。 まとめるとこんな感じです。↓  トリケラトプスのような角竜の口の構造からして  地面に生えているいわゆる下草を食べていたと考えられる。  彼らの体は大型だから、そんな下草は一気に食べつくされてしまう。  このようにしてどんどん食われていくとなると、  植物が生き残るためには世代交代が早くないといけない。  そして被子植物は世代交代が早い。  焼畑式にどんどん草を食べつくしていく恐竜のおかげで、  被子植物はより優勢になれたのではないか。 カナダのある地域では7500万年前の地層から トリケラトプスなどの角竜の化石が8種類もみつかっているのに対して、 その1000万年後の地層からは、角竜の仲間は1種類しか見つかっていません。 一方、哺乳類の化石は10種類から、20種類に増加しています。 これが被子植物のせいなのか、6500万年前に落ちた巨大隕石のせいなのか、それはわかりません。 被子植物が分布を広げていく中で、裸子植物は寒冷な土地へ分布を広げていきました。 裸子植物が寒冷地で生きられたのは、その時代遅れともいえる仕組みにあります。 被子植物は、水を効率よく運ぶ導管を発達させたんだけど、この新しいシステムは水の凍結に 弱いんですね。 裸子植物は、細胞と細胞の間に小さな穴があいていて、この穴を通して順番に水を伝えていく 方法で水を運んでいます。一気に水を通す導管に比べて効率が悪いんだけど、 凍てつくような場所でも水を吸い上げて生き残れるんです。 こうして裸子植物は凍結に強いという特徴を生かして極寒の地に広がりました。 現在でも、シベリアやカナダのタイガや、北海道のトドマツやエドマツの林など、 裸子植物の針葉樹は高緯度の寒冷地に分布しているイメージがあります。 地球環境は常に変化していくものです。 マントル対流による造山運動や大陸の移動。 それによって変る気候。 そういう変化に対応できた動植物が、その時代に繁栄します。 現在でも次の時代に繁栄するべき動植物が、小さく身を潜めて時期をうかがっているのでしょう。 ━▲やまねこ投書箱━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ちょうど1年ほど前、読者の坂手保弘さんからメールをいただきました。 月について長年持っていた疑問が氷解したので、その疑問と答えと感動したメールです。 月の話なので「来年のお月見あたりのやまねこ通信に掲載してください」との事でした。 今年の中秋の名月は9月15日でした。 先月、やまねこ通信を配信する事ができず、メールをいただいた1年後の今回にやっと掲載です。 ------------------------ [坂手保弘]さん 突然ですが、十五夜の記事を読んで言わなければならない衝動に駆られています。 月に関する話題(疑問)2点。 1、どうして一日の間に、満潮2回、干潮が2回あるのか? 2、どうして月はいつも同じ面を地球に向けているのか? 漠然と小学生のころから疑問に思っておりました。50を過ぎてこの疑問が解けました。 みかりんさんは知らないという前提で、知識として得たことがうれしくて、 知ったかぶりしてお教えします。 みかりんさんが知っていたとしても、私のような月に疑問を持っている人は他にも いると思いますので、ネタとして使ってください。来年の十五夜に(笑) 【1】満潮干潮それぞれ二回ある理由 私の疑問は、干満が月の引力の理由であれば、1日に満潮1回干潮1回のはずなのに、 2回ずつある不思議です。 太陽は関係ないと子供のころから思っておりました。 24時間の間に2回2回あるので、太陽の動きは関係ないハズです。 理由は簡単。 月と地球が回転しながら引力で釣り合っているのですが、 その回転の中心が地球内部にあるそうです。 地球の月側は、確かに月の重力で海面が盛り上がり満潮になります。 その時180度反対側は、遠心力で海面が外に盛り上がる状態になるそうです。 干潮はその中間の状態です。 これで満潮2回干潮2回になるそうです。 そういう前提で、ネットで調べたら出ておりました。 実はサイエンスの8月号に小さく出ていたのがきっかけです。こんなこと知らなかった。 【2】月がいつも同じ面を向けている理由。 月から見ると地球は回っているように見え、いつも見えるところは違います。 それに比べ、地球から見る月はいつも同じ面です。 月内部は地球のようにマントルがあって…。 回転するたびに変形するのでその抵抗で同じ面を向けているのか?などと考えておりました。 徐々に見える向きを変えているのか? ん百年すればうさぎの向きは変わって別のお話ができるかもしれないなんて考えていたのです。 こちらもわかってしまえば簡単。 月の重心が球のド真ん中に無いことが原因となっている。とのこと。 地球を向いている側に重心が偏っており、ちょうど「起き上がりこぼし」の原理で、 お互いの重力で同じ側を向いているそうです。 それは、月の出来方と関係しているらしいです。 よく言われるところの、小惑星が地球の核までをえぐり取るくらいの衝撃で衝突したため、 重い鉄分を外に飛び出させ、飛び出した塊りにより月ができた。 その後、重力で丸くなる途中で偏心してしまったというストーリーです。 月のこちら側には「海」とか「山」とか呼ばれるところがあり、 内部の影響を受けているのではないかと言われているのに対し、 向こう側はクレーターこそあるものの全体にはのっぺりしているのはその理由である という事でした。 すみません、出所を控えませんでした。 本屋さんにある自然科学の棚に厚い本(=5センチくらい)で、 月の科学から、民間の昔し話、月に関する(人間の)歴史をまとめた本でした。 著者は日本人でなく、日本語訳でした。 あー、すっきりした。 ------------------------ [みかりん] メールありがとう! うわぁ、嬉しいなぁ、こういう自分の中の発見って誰かに教えたくてたまらないんですよね。 これ、これなんですよ、私のやまねこ通信の配信の原動力がまさにコレ! 私、完全な素人でして、自然科学系の学問を修めたこともないです。 だって専攻は油絵なんですよー。しかもネットで蟹を売ってるという。(笑) 坂手さんが、とにかくみかりんが知ってても知らなくてもそんなの関係ねーって、 勢いでメールくれたのって、私がやまねこ原稿を書いてるのとまったく同じ。 書いたあと、「あー、すっきりした」です。(笑) 月は好きですねー。 これ、キツネと同じように好きなんです。 動物としてのキツネも好きだし、民俗学的なキツネも好きなんです。 月もね、こういう天体としての月も好きだし、伝説民話な月も、 夜、ふと見上げるとそこにいるっていう月も好きすぎ。 でですね、知ってる人には当たり前なんだけど みかりん的に発見した月の秘密を、お返しに坂手さんにお話しますね。 三日月って夏には見えないんです。 秋も深まった今頃から冬にかけて見えます。 初夏とか夏とか絶対に見えないんです。 だから、細い三日月が見えたら 「おー、今年も三日月が見える季節になったか」と思っていいんですよ。 この理由は簡単。 三日月って西の空に出ます。 いや、ちゃんと言うと、どんな月だって東から出ます。 満月って東から出るでしょ。太陽もね。みんな東から出ます。 三日月が東から出るときはまだ空が明るいんです。 夕方薄暗くなって始めてヒトの目に見えるんですね。 それが、夏至を中心とする空が明るい時間が長いときには 三日月が東から出て西に沈むときまで、ずっと空が明るいんです。 夜が長くなってくる今頃には、東から昇った頃は空が明るくてまだ三日月は見えないんだけど 西の空に三日月がくる頃になると空が暗くなって見えるようになるんです。 西の空に見えて、だんだん沈んで行ってしまいます。 この事に気づいたのは、ここ数年くらい前なんですー。 それと水星と金星は、地球の内側を周っているでしょ。内惑星(ないわくせい)って言います。 これらの星は、ぜったい真夜中に見えることはないんです。 だって、内惑星は地球から見ていつも太陽の方向にいるって事なんですもん。 そりゃ見えないよ。見えるチャンスは「宵と明け」の時。 水星と金星が、太陽よりも東側にあるときは夕方の西の空、 西側にあるときは明け方の東の空に見えるんです。 金星は「宵(よい)の明星」「明けの明星」っていうでしょ。 水星は太陽にすごく近いので、日没直後か日の出直前の短い時間しか 見ることができないんです。 って事はですよ、地球より外の惑星から、地球を見た場合も、(地球が内惑星になると) 似たような状況になるんじゃないかと考えています。 火星から地球が見えるのは、宵か明けだけ? たぶん、専門家に言わせると「何をいまさら」な事なんでしょうけれど。 ━●編集後記━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ★満天の星空を見る。これ最近の私の目標です。  そしてこれが結構難しいって事に気付いています。  まず札幌の夜が明るい。かなり札幌から離れなければならない。  夏は大気中に水蒸気が多くて条件がよくない日が多い。  ねらい目の季節は秋や冬です。秋や冬の夜は寒いんですよ。(笑)  冬の夜の道は凍結しているし、札幌から離れた所となると夜中の凍結道路は運転が怖い。  夏でも高度の高い山なら見えるという情報もありましたけれど、山で一泊するような  水や食料や色々を担いで登山なんて無理。私の体力では無理無理。  他にも条件があります。満天の星空を見たいなら空に月がない日が良いです。  別に新月じゃなくてもいいんです。  三日月やそれ以降数日なら月はすぐに西の空に沈んでいきますんで。  まぁ、一生のうちのどこかで見ることができたらそれで良いかと、今は長いスパンで  満天の星空計画を考えています。 今年5月のある日、ラジオを聴いていたら「今日の北海道は全道的に星を見るのに最適な  夜となるでしょう」ってお天気ニュースで言っていて、矢も盾てもたまらず車に乗って  走り出したんです。  北へ向かいました。とりあえず目標は初山別天文台としました。  札幌から車を走らせること4時間半。  バカか私は。そんなに走らせなくても。(笑)  カーラジオを聞いていると何やら事情が変ってきます。  「今夜は全道的に星を見るのに最適な夜ですが、ただし道北は除く」   え?え?え? 何それぇ〜。そういえばなんだか薄曇っぽくなってきた…。  午後3時に思いつきで出発したもんだから初山別天文台に着いたのが午後7時半。  なるほど。真っ暗だ。札幌とは違う。街灯など皆無。鼻を摘まれてもわからない闇。  ここなら星が見えたらまぶしいだろう。  しかし今夜は薄曇。月が薄曇を通して見えるくらいだ。  初山別天文台へ入る。職員がひとり。客は私だけ。  ここで私は暇そうな職員と意気投合し、2時間しゃべり通す。(笑)    大きな展望鏡で木星の縞模様を見せて貰ったリ、写真を撮らせてもらったりした。  私の持ってるナンチャッテ1眼レフ(ミラーレス)では、展望鏡ごしにはうまく撮れない。  で、職員は私のデジカメのSDカードを抜いて、施設の専用デジカメに私のSDカードを入れて  木星や月を撮ってくれた。(木星と月以外は雲に阻まれて見えなかった)  なるほど〜。デジタルカメラならではの方法だね。  で、星の話や隕石の話や月の話を思う存分して、気づいたら2時間経っていた。(笑)  午後9時半だよ。どうするんだよ。札幌まで4時間半、こんな暗闇の中、走れないよ。  このあとどうしたかはまた別の話。(笑)  あの時、道北を目指さず、羊蹄山方面でも目指していたら、もっと近かったし、  たぶん満天の星空を見れたのだろう。  このように情熱だけではダメで、タイミングがものを言うものなのだという事を  思い知った出来事でありました。 ★ちょっと私の生活に変化があって、以前のような間隔で配信できていません。  でもいつでも「次回のやまねこ通信」の事は頭にあります。  どうぞ気長にお付き合いください。 ★vol.245の参考にした本とサイト     植物はなぜ動かないのか   著/稲垣 栄洋  ちくまプリマー新書     シダ植物から裸子植物へ     http://members.tripod.com/blue100_02/html/s_pt-gym.htm     大量絶滅の原因解明     http://daizetumetu.com/sekitanki     第3部 生命 第2章 生物の進化(2)     http://www.s-yamaga.jp/nanimono/seimei/seibutsunoshinka-02.htm     恐竜時代の花 〜きれいな花はどのように進化してきたか〜     http://www.spring8.or.jp/ja/news_publications/research_highlights/no_78/ ★ラジオ山猫通信の過去の放送 (2010年1月4日第9回放送〜2015年12月22日第152回放送)が、  パソコン、スマートフォンから聴けます。  http://www.phoenix-c.or.jp/~daichi-m/yamaneko/yamaneko.htm  ↑ここの右側「ラジオ山猫通信」って所をクリックしたら聴けます。  1回〜8回の放送分は聴けません。  あまりにしゃべりがヘタ過ぎて、音源を貰えなかったんです。  後半になるにつれてどんどんしゃべりが上手になっているように聴こえます。  でも、それは編集がどんどんうまくなってきているんですね。(笑)  語るテーマによっては、とてもしつこくて何言ってるかわからないものもあります。(笑)  やまねこ通信ってのは読み物であって語るものではないんだなと思い知りましたよ。  でもラジオでしかやれない事もいろいろ挑戦しました。  どうぞお時間のある時に聞いてみてください。  そして過去のメルマガ版もどうぞ読んでみてください。   ★私はいつも「やまねこ通信 E=MC二乗」の事が頭の隅にあります。  次回テーマは何にしようかと常に思っています。  「やまねこ通信 E=MC二乗」は、私みかりんを構成している大事な要素です。 ★「やまねこ通信E=MC二乗」では、あなたからの投書を受け付けています。  動物・植物・環境・宇宙・時間・哲学このメルマガの趣旨に合うような投書を  気軽にメールに書いてね。  過去に取り上げた記事からの話題も歓迎しています。 蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹     ★彡★彡★彡★彡★彡『蟹屋 山猫屋』★彡★彡★彡★彡★彡 生まれも育ちも北海道育の“みかりん”が、北海道の味覚を全国の方に広めるために 『蟹屋 山猫屋』を立ち上げました。一級品の道産品をお手ごろ価格でネット販売! 読み物としても楽しめるものを目指しているよ。    登録はここ→ http://www.phoenix-c.or.jp/~daichi-m/kani/   山猫屋の蟹は冷凍ガニではありません。ボイルしたてを食卓に直送! 蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹    ↑↑↑  私、みかりんのもうひとつのメールマガジン。  北の味覚。海産物。蟹おいしいよ〜。海水ウニもありますよー。  予算はこれくらい。食べる人数はこれくらい。と教えてくれたら、その中で  できる限りのご提案をします!山猫屋の蟹は冷凍物は扱っておりません!  さぁ、タラバ食べたいよう、毛ガニ食べたいようのメールをみかりんに書こう。  毛蟹の良いのが入荷してきています。  北の食材たちは脂が乗っておいしいです。  この機会に、どうぞ冷凍ではない蟹を!  ご贈答に、山猫屋の海産物を。 それじゃ、今回はここまで。 あなたのお便り待ってます。 daichi-m@phoenix-c.or.jp じゃね。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 「ヒマラヤアリ」と「ヒラアヤマリ(平謝り)」が似てる!って気づいた。 残念なのは「ヒマラヤ蟻」なんていうものはいないって事だ。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ○ やまねこ通信E=MC二乗 vol.245  2016年10月9日発行 http://www.phoenix-c.or.jp/~daichi-m/yamaneko/yamaneko.htm ○発行編集者 みかりん daichi-m@phoenix-c.or.jp ○発行システム: インターネットの本屋さん「まぐまぐ」ID:0000052530 http://www.mag2.com/ ○登録/解除 http://www.phoenix-c.or.jp/~daichi-m/yamaneko/yamaneko.htm ○やまねこ通信は、素人みかりんが趣味で発行しているもので、情報の正確さには  まったく自信がありません。引用して弊害が起きても責任は持てないよ。  それから誤字脱字変換ミスは大目に見てね。気を付けるけれどさ。えへ。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━