2020/3/29━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 幽玄の森羅万象の散歩道 動物行動学からの性♂♀の話・動物・植物・環境・宇宙・時間・哲学 興味のおもむくまま“みかりん”の しゃべりんぐ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━目指せ1万部! ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆         やまねこ通信 E=MC二乗                                vol.259 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ こんにちは。 みかりんです。 咳も出来ない世の中になってしまい、世界が急に一変してしまいました。 新型コロナのパンデミックになる直前まで、世界は環境少女グレタの話題で持ちきりでした。 私は、グレタの主張する意見にはかなり前から疑問を持つ者でして、 「反グレタ派」として、どうやったら「やまねこ通信」に記事として落とし込むことが できるのだろうかとずっと考えていました。 考えている内に世界はパンデミックになってしまい、 世界の関心は地球温暖化問題から新型コロナ対策にいかざるを得なくなってしまいました。 という訳で今日の話題は、「地球の気候10万年史」です。 タイトルに10万年と入れましたけれど、億年レベルの話もしています。 結局、「異常な気候」「正常な気候」って何なんでしょう。 地球環境は常に流動的なものです。 私たちは気候に何を求めているんでしょう。 突き詰めると哲学になっていきます。 今回は図も多用しました。 内容も図もすべて「人類と気候の10万年史」中川 毅さんの著作を参考参照しました。 ここに↓バックナンバーがあるよ。『内容一覧』という所をクリックしてみて。 http://www.phoenix-c.or.jp/~daichi-m/yamaneko/yamaneko.htm 「ラジオ山猫通信」も、ここから聞くことができます。↑ ━■地球の気候10万年の話━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 地球の過去には、現在の基準では「災害」としか表現できない気候が日常的に繰り返し起きて いた時代がありました。っていうかほとんどが「災害」レベルです。 「災害」には地震や津波や、火山活動や隕石衝突など色々ありますが、今回の話題は「気候」です。 実は現代は、地球の歴史の中では比較的珍しい、穏やかで暮らしやすい時代です。 言い換えれば、穏やかで暮らしやすい時代がちょっと続いたから、その隙をついてヒトの文明が 発達したとも言えるんですね。 近年、温暖化がとても話題になっています。 私の住む札幌も、今年の正月は雪がありませんでした。 雪がない正月など私は初めてでしたし、これまでそんな記録はなかったと思います。 まぁ、その後はなんとか雪は積もっていったのですけれど全体的に少雪という印象でした。 http://www.phoenix-c.or.jp/~daichi-m/yamaneko/259.htm ここの(図1)を見てください。 過去130年間の気温の変化の図です。 一世代で実感できるほどの温暖化が進行しているのがわかります。 日本の国土は南北に長いので、気候の違いを地理に結び付けて理解できます。 たとえば、20世紀の100年間で、東京は宮崎になったとか。 鹿児島市と札幌市の年平均気温の差は10度くらいなので、 日本の氷期は今より10度ほど低いので、氷期には「鹿児島が札幌のようだ」とかね。 http://www.phoenix-c.or.jp/~daichi-m/yamaneko/259.htm ここの(図2) 横浜の海洋研究開発機構が所有する「地球シミュレータ」は、ある時期まで世界最速の スーパーコンピュータでした。 その地球シミュレータをはじめ、世界の多くの研究機関がおこなった未来予測を ひとつのグラフにしたのが(図2)です。 多くの研究機関が今後100年間で数度から最大5度の気温上昇を予測しています。 ここで注意してほしいのが、「年平均気温」という言葉の重さについてです。 年平均気温の1度は、日々の変化の1度とは全然違います。 元旦から大晦日まで、1日の例外もなく1度温度が高くなった時に達成されるのが 「平均1度の上昇」なんです。 もし平均と変わらない日が6日続いたら7日目に7度高い日がないと、平均1度上昇が達成できない んですね。 だから(図2)の5度上昇という予想を多くの研究機関が出してきたのは迫力があります。 5度といえば東京と奄美大島の温度差です。 それでは、ちょっと私たちの天気予報の付き合い方を振り返ってみてください。 「明日は夕方から夜にかけて局地的な豪雨のおそれがあります」と天気予報に言われれば ほぼ言葉通りに受け止めて明日の予定を考えます。 でも「再来年の夏は冷夏でしょう」と言われても、その予報を暮らしに反映させたり、 経営者なら設備投資を始めるかというと、そういう事はないと思うんです。 天気予報との付き合い方を経験則的になんとなく知ってるんです。 でも、100年後の未来予測については、どうとらえていいのか。経験則は持っていないんですね。 そして冒頭でもちょっと触れたように、私たちは気候に何を望んでいるんでしょうという 問いかけです。 2000年代に入ったあたりから、気候変動への関心は、研究者だけではなく、社会まで巻き込み はじめていきました。エコとかグリーンとかが商品イメージ的に大事になっていきました。 資本主義の法則が環境問題の解決に利用する傾向というか。 「これを買えば、環境にやさしい」が拡大解釈されて「気候変動をとめよう」まで行くというか。 1980年代に数百万人の命を奪ったアフリカの干ばつは、当時は「異常気象」と言われました。 現代の日本でも、暑い日が続くと、または札幌に雪のない正月がくると人は「異常気象」という 言葉を使いたがります。 気象が異常であるとはどういう事なんでしょう。 言い換えれば、正常な気象とは何なんでしょう。 それでは、地球にとって何が正常であるかを考えるために、 過去の地球がどんな状態だったかを見てみましょう。 いったん、人間社会の話から離れますね。 http://www.phoenix-c.or.jp/~daichi-m/yamaneko/259.htm (図3)は、5億年前から現在までの地球の気候変動を表しています。 このタイムスケールで見る限り、地球の気候は常に変化し続けていて、現代は寒冷な時代だと いう事が判ります。 現代は氷期が終わったあとの温暖な時代だけど、それでも南極と北極には夏でも消えない氷が 残っています。 そして今から1億年前から7000万年前の頃の地球は、今よりもはるかに暖かくて、南極と北極に 氷床は存在しませんでした。 (図2)のスパコンが予想する100年後の地球よりもはるかに温暖な状態です。 そこまで温暖化していた地球は、生物にとって悪い時代だったんでしょうか。 まだヒトは出現してないので「蒸し暑くてやってられんわ」という苦情は聞こえてきません。(笑) この時代は、恐竜の時代でした。 地球の歴史の中でも例がないほどの豊かな生態系が成立していました。 生態学では、多様性と生産性を「是」と考える傾向にあります。 同様に、今からおよそ2億7000万年前〜2億5000万年前頃も、きわめて温暖な時代でした。 地質学的にはベルム期と呼ばれるこの時代は、地球の平均気温は、温暖化と言われる現代よりも さらに10度近く高かったんです。 ベルム期は、世界中でシダ植物の大森林が繁茂し、その間を巨大な昆虫類が飛び回っていました。 生産性と多様性の豊かな時代です。 (図3)から判る事のひとつに、温暖な気候には限度があるという事です。 極地の氷がなくなる事があっても、海の水が沸騰するような極端な事にはなっていないんですね。 何かのメカニズムで、温暖化の上限が設定されているのが判ります。 このグラフからは外れているけれど、生命が大躍進を始める前の6億5000万年前、 地球は、北極から南極まで赤道付近も含めてあらゆる場所が氷河におおわれた「全球凍結」に なる現象がありました。 全球凍結については、「やまねこ通信 vol.116」の、みかりんの叫びで語っています。 温暖化は暴走しないけれど寒冷化は暴走するんですね。 5億年前の地球の話はロマンに満ちていますけど、さすがにヒトの時間とは かけ離れすぎています。(笑) それでは徐々に日常の時間感覚に近づいていきましょう。 http://www.phoenix-c.or.jp/~daichi-m/yamaneko/259.htm (図4)は、最近の500万年の温度変化です。 このスケールでみると、現代は、300万年前くらいから寒冷化に向かっている事がわかります。 それと気候の振幅が激しくなっている事がわかります。 500万年前には北極や南極に氷もなかったのに、300万年前からは時々寒い時代がやってきています。 現代は、不安定な中ではもっとも温暖な時代な事がわかります。 それではもうちょっとタイムスケールを身近にしてみましょう。 http://www.phoenix-c.or.jp/~daichi-m/yamaneko/259.htm (図5)は、最近の80万年に注目したグラフです。 80万年は、日常の感覚では「大昔」だけど、地質学的には「最近」です。 氷期と温暖期(間氷期)がリズミカルに繰り返しています。 このスケールで見ても現代は例外的に温暖期なことが判ります。 このグラフの「0」は現代の平均を基準としています。 グラフからわかる事は、現代と同等あるいはそれより暖かい時代は、全体の1割ほどしかなくて、 残り9割は氷期って事です。 数十万年スケールで見た場合、正常な気候は氷期って事なんです。 そして(図5)は、最近の1万年は温暖で、そのひとつ前の温暖期はおよそ10万年前、 その前は20万年前、30万年前、40万年、50万年…と、驚くほど等間隔に10万年周期で 繰り返しています。 これはどういう事なんでしょう。 現在、もっとも広く受け入れられている説が、地球の公転軌道に原因を求める説です。 http://www.phoenix-c.or.jp/~daichi-m/yamaneko/259.htm (図6-1)を見てください。 太陽のまわりをまわる星々は、厳密には円ではなくて楕円なんです。 ハレー彗星などは極端で判りやすいですけれど、地球などの惑星もわずかに楕円なんです。 この楕円も一定ではなくて、時代によって扁平になったり、円に近づいたりします。 軌道が扁平な時代は温暖期で、軌道が円に近づくと地球に氷期が到来します。 約10万年かけて、地球の公転軌道は円くなったり細長くなったり、輪ゴムのように形を変えながら 振動しているんですね。 「地球の公転軌道と気候に関連がある」と最初に指摘したのが、セルビアの地球物理学者 ミランコビッチです。 この軌道要素と気候を結び付けて考える理論を「ミランコビッチ理論」と呼びます。 地球と太陽の位置関係のうち、時間とともに変化するのは公転軌道の他に地軸の向きや 傾きの大きさもそれぞれ独自の周期で規則的に変動しています。 そしてそれらはすべて地球の気候に大きな影響を与えています。 http://www.phoenix-c.or.jp/~daichi-m/yamaneko/259.htm (図6-2)と(図6-3)をみると2万3000年周期があると判ります。 この「2万3000年周期」というのをちょっと覚えておいてください。 あとでまた出てきます。 天体の軌道と傾きが気候に関係するというミランコビッチ理論は、1920年代に出てきた説で 最初から歓迎された説ではありませんでした。 氷期が天文学的なリズムを反映していると反論の余地なく証明されたのは、 1970年代の後半でした。 決定打になったのは、海洋底に溜まった泥に含まれる酸素の同位体の分析結果でした。 非常にゆっくりと泥が堆積して、その中にプランクトンの化石が含まれていて、 その化学組成は当時の気候を反映していたのです。 http://www.phoenix-c.or.jp/~daichi-m/yamaneko/259.htm (図7)を見てください。 1970年の時点で観測されていた気候変動とその予測です。 当時、人々はどちらかと言うと寒冷化の心配をしていたのです。 私は、この頃の事を覚えています。 これから寒冷化な時代が来るのか、または温暖化なのか。 子ども雑誌でもそういう特集があったと記憶しています。 (図7)では、1970年の視点でみると温暖化のピークは1940年頃で、それから寒冷化に 向かっています。ほどなく氷期に突入です。 人間の考える「癖」に「二度ある事は三度ある」というのがあります。 そしてもうひとつ「これまで続いたことは今後も続く」と考える「癖」も持っています。 1970年の時点で寒冷化の予測は外れ、実際はこうなりました。 http://www.phoenix-c.or.jp/~daichi-m/yamaneko/259.htm (図8)です。 地球の気温は1970年から一転して上がり続けてその傾向は現在まで続いています。 ここで言いたいのは、1970年の時点では、寒冷化と温暖化という正反対の学説があって そのどちらもが「本当らしく」見えたという事です。 私たちの直感は、時としてとても脆弱な根拠の上に成り立っているという事です。 天気予報に対する信頼と距離間のバランスと似たものを、気候の将来予測についても 養っておく必要があるという事でもあります。 単純な予測モデルはとても受け入れやすいけれど、そのまま気候未来予測に当てはめるのも 危険なことが判りました。 実際、過去の地球の気候変動が、直線的でも周期的でもなかった時代もあります。 http://www.phoenix-c.or.jp/~daichi-m/yamaneko/259.htm (図9)を見てください。 今度は6万年前からの図です。まだまだ大昔ですけれど、5億年、500万年、80万年からみたら だいぶ身近になってきました。 この表は、グリーンランドの氷床から取ったデータから過去の気候変動を表したものです。 この表はざっくりとしたものですけれど、データのグラフを拡大すれば、何万年も前の気候を 数年刻みで復元できるようになりました。 6万年前だと、もうホモ・サピエンスはいます。 私たちの直接の祖先がどんな風景をみていたのか、分かるようになってきたのです。 ロマンチックな地質学的な時間と、現実的な人間の時間がやっと接点を持ってきました。 この表から気が付くのは、氷期とその後の温暖な時代のコントラストです。 最近の1万1600年ほどは、こまかな変動はあるけれど、安定して温暖な状態を保っています。 対して氷期は、全然安定していません。基本的に寒冷なんだけど、急速に温暖化する時代を何度も 繰り返しています。 その変化は激しくて、ほぼ垂直な線も繰り返し訪れています。 温暖化事件とも言っていいこの現象は大小合わせると20回は起きています。 海底の泥の分析から見えていた氷期は、単に寒いだけと捉えられていたんですけれど グリーンランドの氷床の分析結果は、それまでの氷期のイメージを打ち壊しました。 氷期は、現在よりもダイナミックに温度変化が激しい時代だったのです。 世界に衝撃を与えたデータでした。 http://www.phoenix-c.or.jp/~daichi-m/yamaneko/259.htm (図10)を見てください。 地球の公転軌道がどれくらい細長いかを示す離心率の値と、南極の氷床から得た気温の変動を 比較したものです。 一致していると言えば一致しています。でも完全一致とはちょと言い難いです。 離心率変動が氷期のタイミングを決めているのは判ります。 でも両者の関係は単純ではないのが判ります。 それでは、先ほどの6万年の気候変動の(図9)に、IPPC(気候変動に関する政府間パネル)の 予測データを組み合わせると http://www.phoenix-c.or.jp/~daichi-m/yamaneko/259.htm (図11)になります。 グラフの右端で垂直に立ち上がる線が、今後100年の予想になります。 この図から見えてくるのは、今後の100年は、これまでの1万年とはまったく別のモードに 突入するという事です。 今までの1万年の経験則が、通用しない時代が来るかもしれないという事です。 IPPCが描く未来は、ここ1万数千年の安定期には存在していません。 でも、それ以前なら何度も訪れています。 それは表の中に矢印で表しています。 たとえば今から1万6000年前に氷期が突然終わりました。 この時、わずか数年で7度の上昇です。 7度と言えば、東京と那覇の平均気温の差です。 1万4700年前にも、温暖化事件は起きています。 この時には、東京がフィリピンのマニラになっています。 またはモスクワが東京にです。 温度の上昇で極地の氷が大量に溶けて、350年程の間に海の水位が20mも上昇しました。 平野部で暮らす世界中の人や動物は、ライフスタイルの変更を迫られたのは容易に想像できます。 話しは、ここで終わっても良かったんだけど、もうちょっとだけ続けますね。 グリーンランドの氷床って緯度は高いし、もうちょっと中緯度の日本に参考になるデータって ないの?って思った日本の研究者がいました。 今、私が参考にしている「人類と気候の10万年史」の著者の中川毅さんです。 福井県の水月湖(すいげつこ)で理想的なデータが採取できました。 水月湖の底を垂直に採取することで、この土地の15万年の植生の変遷が分かったのです。 植物が交代する原因は気候変動です。 その中で、ブナ林とスギ林が何度も交代しているのが判りました。 1回のサイクルがおよそ2万3000年なんです。 2万3000年。 http://www.phoenix-c.or.jp/~daichi-m/yamaneko/259.htm (図6-2)と(図6-3)です。 現在は地球の公転軌道は楕円から円に近くなっています。 太陽からの距離の近い遠いの差がほとんどない時期で、地球に届く太陽エネルギーの変動が 小さいって事です。 さて。 そろそろ話をまとめて行かなければなりません。 人類は氷期を生き抜いてきました。 そして地球気候が温暖期に入ってから農耕が始まり、ヒトは人口を増やしていきました。 氷期には農耕がなかったのかと言えば、そんなことはなかったみたいです。 あるにはあったけれど主流にはならなかったんです。 理由は、単純に考えれば寒いから。植物の生育が難しかったから。 でもそれなら氷期の頃の熱帯地方で農耕が発達した跡があってもいいはずです。 氷期のマニラは現在の東京ぐらいの温度だったんですから、農耕が始まらない説明がつきません。 理由は氷期の気候が寒いだけではなく、不安定だったからです。 その後の温暖な時代は単に気温が上がっただけではなく、気候が安定した時代になったからです。 農業は単一の植物に頼りがちになります。不安定な気候は作物が全滅する可能性があります。 狩猟採取生活は、多種に頼ります。去年と気候が違っても、多種のうちどれかが手に入ります。 狩猟採取生活は、自然が持つ圧倒的な多様性の中から必要に応じて調達できる生活です。 気候が不安定という条件では、狩猟採取生活の方が生き延びることができる確率が 上がるって事です。 もちろん農耕生活の方が多くの人口を賄えます。 狩猟採取生活とは得るエネルギーが違いすぎます。 でも、氷期を生き抜いた私たちの祖先は、農耕を思いつかない哀れな原始人じゃなかったんです。 さて、これからの100年、1000年、1万年、数十万年。 私たちは、祖先が生き抜いてきたように、気候に合わせて生きていくしかありません。 ━■みかりんの叫び━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 「新型コロナのパンデミックから思った事」 新型コロナウイルスのパンデミックが起き、世界が一変しました。 毎日のように状況が変わり、報道されています。 中国の春節に札幌の雪まつりの時期が重なって、札幌が感染し、そして日本各地に。 今はヨーロッパ、アメリカ、アフリカ、オーストラリア、南米と世界中に広がっています。 こう、どんどん広がっていく様を毎日のように知らされていると、ヒトはとても活動家で、 移動し、集い、交流していってるのだなと良くわかります。 ホモサピエンスのそもそもである、出アフリカのエネルギーというかバイタリティーは 伊達じゃないって思いました。 ヒトの歴史は、移動し、集い、交流しの繰り返しの歴史であるって事です。 中世のコレラ、チフス、天然痘などのパンデミックと、グローバル化された現代社会の パンデミックは、広がる速さと規模が違いすぎます。 私は、「すべての環境問題は人口問題に行きつく」と考えています。 たとえば、ヤシ油が環境に良いからと言って、原生林を伐採し、地平線が見えるまで ヤシ畑にしてしまっては、環境に良いはずがないです。 地球環境の自浄作用を超えた急激な人口増加が諸悪の根源です。 世界人口は今、76億人くらいだそうです。 人口が多いって事は、環境破壊の負の面しかないと思っていたのですけれど、 今回のメイン記事の参考にした「人類と気候の10万年史」という本に 目からウロコの事が書かれていました。以下に意訳要約。 ========= 現在、世界人口は76億人くらいなんですけれど、このままいくと100億人時代の到来です。 これから予想不可の気候や、今回のパンデミックのような今までにないタイプの災害に対して 人類の希望として、すごく逆説的なんだけど、100億人という巨大な母数そのものかもしれません。 世界には実にさまざまな知恵を持ったものがいます。 気候が予測不可能で暴れる時代に、狩猟採集民が多様な生態系の中から食料を見つけていたように、 私たちは多様な思考の中から解決を探すことになります。 参考になる知恵とライフスタイルの数は、多ければ多い程望ましいって事です。 思いがけない時代を生きる知恵は、思いがけないな場所から見つかる可能性もあります。 ========= というような主旨のことが書かれていて、「だよな」と思ったのでした。 世界パンデミックが、ここまででなかった時(つい1〜2か月前)に、 今思えばちょい不適切な言葉ながら(悪意はない)私はこう言ったものです。 「新コロナで人がいなくなったら、引きこもりの人たちが出てくるよ。彼らは人が苦手な  だけだから人さえいなくなれば、出てくる。だから人類は新コロナでは絶滅しないんだよ。  引きこもりの人たちの存在意義っていうのは、絶滅回避のための保険みたいなもんなんだね。  だから多様性は大事なんだ」 私の意見と、ちょっとだけ似ています。 結論として「人類の多様性に期待しよう」ということであります。 ━●編集後記━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ★やっと私の「反グレタ」を書くことができました。  地球の気候を変えることが出来るとか、なんとおこがましいと思うのです。  温暖化阻止の大きな声は、経済としっかり結びついています。  マネーありきなのが見え見えで、10代の少女が利用され、踊らされていて見るに忍びないです。  もちろん二酸化炭素を排出しない社会を目指すのに反対はしません。  メイン記事では「ミランコビッチ理論(※)で、地球の気候が変遷する」と  書いていますが、もちろんすべてミランコビッチ理論理論で気候が  説明できる訳ではありません。  火山活動や造山運動や生物活動も関わってきますし、他にも説明できない事象は  たくさんあります。気候は複雑系ですから。  ※【ミランコビッチ理論】    離心率、地軸の傾き、歳差運動という地球軌道の3要素の長周期変動によって    北半球の夏の太陽放射量が変化し氷期と間氷期が繰り返されるという説で、   これら3点の組み合わせによって気候変化が起こると考える。 ★やまねこ読者には周知だと思うんだけど、ウイルスと菌はまったく別のもだからね。   菌は生き物。ウイルスは生き物の細胞内に入り込んでDNAを書き換えて、  細胞をウイルス増産体制にさせて増殖するもので、自分らで増えることはない。  ウイルスは、生き物か?  って言われると細胞に憑りついてからは生き物って言えなくもないけれど  憑りつく前は物質なんです。  生き物じゃないから抗生物質が効きません。  菌には抗生物質は効きます。  そして菌とウイルスは大きさがまったく違います。  ウイルスは、菌の大きさの10分の1から100分の1です。  (最近、小さい菌よりも大きいウイルスが見つかったニュースがありました。例外ってあるね)  菌もウイルスもヒトに疾病をもたらすから同じようなものと思われがちだけど  まったく違うものであります。 ★vol.259の参考にした書籍      人類と気候の10万年史  著/中川 毅  講談社   細菌とウイルスの違いとは? 千葉私立海浜病院 阿部 克昭   https://medicalnote.jp/contents/180508-002-CK      ★ラジオ山猫通信の過去の放送 (2010年1月4日第9回放送〜2015年12月22日第152回放送)が、  パソコン、スマートフォンから聴けます。  http://www.phoenix-c.or.jp/~daichi-m/yamaneko/yamaneko.htm  ↑ここの右側「ラジオ山猫通信」って所をクリックしたら聴けます。   ★私はいつも「やまねこ通信 E=MC二乗」の事が頭の隅にあります。  次回テーマは何にしようかと常に思っています。  「やまねこ通信 E=MC二乗」は、私みかりんを構成している大事な要素です。 ★「やまねこ通信E=MC二乗」では、あなたからの投書を受け付けています。  動物・植物・環境・宇宙・時間・哲学このメルマガの趣旨に合うような投書を  気軽にメールに書いてね。  過去に取り上げた記事からの話題も歓迎しています。 蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹     ★彡★彡★彡★彡★彡『蟹屋 山猫屋』★彡★彡★彡★彡★彡 生まれも育ちも北海道育の“みかりん”が、北海道の味覚を全国の方に広めるために 『蟹屋 山猫屋』を立ち上げました。一級品の道産品をお手ごろ価格でネット販売! 読み物としても楽しめるものを目指しているよ。    登録はここ→ http://www.phoenix-c.or.jp/~daichi-m/kani/   山猫屋の蟹は冷凍ガニではありません。ボイルしたてを食卓に直送! 蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹    ↑↑↑  私、みかりんのもうひとつのメールマガジン。  北の味覚。海産物。蟹おいしいよ〜。海水ウニもありますよー。  予算はこれくらい。食べる人数はこれくらい。と教えてくれたら、その中で  できる限りのご提案をします!山猫屋の蟹は冷凍物は扱っておりません!  さぁ、タラバ食べたいよう、毛ガニ食べたいようのメールをみかりんに書こう。  毛蟹の良いのが入荷してきています。  北の食材たちは脂が乗っておいしいです。  この機会に、どうぞ冷凍ではない蟹を!  ご贈答に、山猫屋の海産物を。 それじゃ、今回はここまで。 あなたのお便り待ってます。 daichi-m@phoenix-c.or.jp じゃね。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 新型コロナと言えば、ちょっと前までトヨタ車の事だったのにね。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ○ やまねこ通信E=MC二乗 vol.259  2020年3月29日発行 http://www.phoenix-c.or.jp/~daichi-m/yamaneko/yamaneko.htm ○発行編集者 みかりん daichi-m@phoenix-c.or.jp ○発行システム: インターネットの本屋さん「まぐまぐ」ID:0000052530 http://www.mag2.com/ ○登録/解除 http://www.phoenix-c.or.jp/~daichi-m/yamaneko/yamaneko.htm ○やまねこ通信は、素人みかりんが趣味で発行しているもので、情報の正確さには  まったく自信がありません。引用して弊害が起きても責任は持てないよ。  それから誤字脱字変換ミスは大目に見てね。気を付けるけれどさ。えへ。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━