2001/6/8━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 幽玄の森羅万象の散歩道 動物行動学からの性♂♀の話・動物・植物・環境・宇宙・時間・哲学 興味のおもむくまま“みかりん”の しゃべりんぐ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━目指せ1万部! ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆        週刊 やまねこ通信 E=MC二乗                                vol.26 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ こんにちは。 みかりんです。 本州以南にお住まいの方々は、そろそろ蒸しているのでしょうか。 梅雨入りだったりするのでしょうか。 梅雨のない北海道は、さらさらしています。うふふん。 エゾハルゼミが鳴いています。 カモが子連れで泳いでいます。 新緑の緑が日に日に濃くなってきます。 短い北国の太陽を動植物が糧とし謳歌しているのがわかります。 鳴き疲れて弱ったセミが、私の足元に飛んできて地面でじじじと鳴きました。 感傷に浸るヒマもなく、連れていた犬がそのセミを噛んでグジャグジャにしてしまい ました。 一瞬のことでした。 新しく登録して下さった人、はじめまして。  バックナンバーがあるので、ここ↓チェックしてみてね。 自己紹介もあるよ。 http://www.phoenix-c.or.jp/~daichi-m/yamaneko/yamaneko.htm ━■コウモリの話━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 18世紀の終わりにイタリアで起こったコウモリの超能力論争は、19世紀中には 決着がつかず、20世紀中頃にやっとケリがついた。 1940年頃、アメリカやオランダの音響学者たちが、コウモリ探知機という機械を 使って鳴き声を記録したんだ。 1940年といえば、日独伊三国同盟ができて第二次世界大戦が始まった年。そうい う非常時に、のんびりとコウモリの声を聞いていたなんて! でも実はそういう事で はなく、その頃やっきになって開発していたレーダーと関係があるらしい。コウモリ 研究は軍事研究だったんだ。コウモリの超音波を電波に置き換えるとレーダーそっく りになるんだ。 始めのうちは、コウモリが超音波を出すのは、ライオンがほえるのと同じ、威嚇か警 告音じゃないのか? と考えられていた。 でも、それはただ鳴いているだけではなく、自分の声が何かに当たって反射してくる エコーを聞き、それから反射した相手の事を知る、ソナーシステムであることが分 かってきたんだ。 同じようなソナーシステムを使うもので有名なのはイルカがいるか。(駄洒落ではな い!) コウモリの好物は蛾だ。 昆虫には超音波が聴けるものがいるけれど、蛾は特に高い感度を持っている。これは コウモリのパルスをいち早く聞きつけた蛾だけが逃げて生き延びることができる、と いう淘汰の原理に基づいていると考えられているんだよ。 蛾の体はふわふわの毛で覆われて多くの粉がついている。これは超音波を吸収してエ コーを返しにくい構造なんだ。(カブトムシのようにつるつる表面はソナーにかかり やすいんだけれど、コウモリの好物ではないんだ) それだけじゃない。蛾はソナー撹乱用妨害音波を出すんだ。超音波のみに頼っている コウモリの盲点をうまくついた弱者蛾の武器だね。 だけどコウモリも蛾が超音波を聴ける事を知っている。それで逆手を取る作戦にでる んだ。至近距離に来たとき。強烈なパルスを浴びせると、蛾はなまじ超音波に感度が あるので痺れて動けなくなってしまう。 そこを余裕で捕らえて食べる。 私たちの知らない所で、コウモリと蛾は“超音波戦”をしていたんだね。 コウモリが超音波を使い蛾を好むという性質が、蛾を変化させたんだ。 日本人は、世界のどこの人よりも、エビ、マグロを好む。 世界中の海から、エビ、マグロをさらい、生で煮て焼いて揚げてすり身で喰う。 エビ、マグロの天敵は日本人である。 そのうち、エビ、マグロの体内に、日本人だけによく当たる毒素ができたりし て……。(笑) ━■動物行動学からの性♂♀の話 (24)━━━━━━━━━━━━━━━━ 「何故、性は3つでも4つでもなく2つなのだろう? (2)」 先日ある本を読んでいたら、西ドイツのW・ヴィックラーという人が、大変ややこし いけれど、納得のいく説明をしているのを発見。 生物には、かつて無性生殖しかない時代があった。分裂や出芽などによって増えるや り方で、子孫はすべて遺伝的に均一で、つまりは今流行りのクローンということだ。 クローンは、環境に良く適応しているのなら、とても効率の良い方法だ。遺伝的にベ ストな状態を保てるし、同種の相手を探すという手間がいらない。 でも環境が急変したら一族の大絶滅の危機がやってくるし、それよりも脅威なのがウ イルスなどの身近に存在する生き物。それらは頻繁に遺伝子を組み直して、毎回戦法 を変えるという術をもっている。 そこで多少の失敗は気にしないという事にして、とにかく遺伝子を混ぜ合わせて、子 孫にバリエーションをつける繁殖システムが生まれた。 これが性のはじまりである。                   それでは-----何故、性は3つでも4つでもなく2つなのだろう?  最初はそれぞれの個体が他の遺伝子をやりとりするための細胞、つまり生殖細胞の大 きさは不揃いだったであろう。 非常に大きいものもあれば、やや大きいもの、中程度のものや、小さいものや、極小 のもの。 数は大きさに依存し、大きいもの程少なく、小さいもの程多いという傾向にあっただ ろう。 そして大きいものほど動きにくく、小さいもの程身軽に動き回るという性質もあっ た。 結論から言えば、これら生殖細胞は極端に大きいものか、極端に小さいかのどちらか に二極分化を起こしたのである。 今日一般に極端に大きくて数が少なく、じっとして動かない生殖細胞は“卵”と呼ば れ、極端に小さくて数が多く、しかも卵を探して活発に動き回る生殖細胞を“精子” と呼ばれているんだ。 大きいものは数が少なくあまり動かないので、大きいものどうしでは出逢うことがで きない。 小さいものは数も多いし、よく動くので頻繁に出逢う。大と小、大と中、中と中、中 と小などの組み合わせがあるけれど小と小の組み合わせが一番大きい。 でもここに重大な問題がある。小と小ではダメなんだよ。仮に生殖細胞どうしが合 体しても、生存し、増殖までできるためにはある程度の大きさが必要なんだ。 だから小と小、小と中は大きさが足りずに淘汰されてしまった。 大と中、中と中は、出会いの頻度が低く不利。 で、残ったのが大と小。これが卵子と精子だ。 生殖細胞は二極分化を起こしたのである。 ━●みかりんの叫び━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 「アトムの時代 2」 人間と自然に対話し、簡単な手伝いもできる家庭用ロボットが近く相次いで発売され るという。 約10人の顔を認識し、親密度に応じて行動を変え、ダンスやなぞなぞで人を喜ばせ る。 20億通りの文章をしゃべる。直前の会話内容を記憶して変じに反映させる。複雑な 受け答えが可能。 ロボットに癒される時代が到来……だそうだ。 ロボット犬「アイボ」をつくったSONYの土井利忠・上席常務の弁。 「人間に対して注意と愛情を向けるけれども、ときには反抗的な態度をとる」 「人間の愚痴を辛抱強く聞くけれど、ときには憎まれ口をきく」 必ずしも命令通りに動く訳ではなく、相手を怒らせるような言葉を話すロボットを設 計するのは至難のワザらしい。 インターネットだけで受講できる大学のシステムが認可された。 外に一歩も出ることなく、人と一言もしゃべらずにインターネットで必要なものが注 文できる。 人は便利を追求するあまりに「人間同士のふれ合いと人間らしさ」を排除する方向を 模索した結果「ロボットに人間らしさを求める」ようになってしまうのだろうか? 人が出来ることは人がやった方が良いんじゃないかなぁ…雇用の問題もあるし……な んて事をつぶやく時点で時代に逆行しているとしたら……。 人が人を排除する方向に時代が動いているのだとしたら……。 それは仮想が増殖して、一方で実体験が失われていく方向に向かっている。 私が子どもの頃、夢みた21世紀アトムの時代は、そんな味気ない世界だったのだろ うか。 アトム! この閉塞感の時代の中で迷っている私たちを助けに来て。アトム! アトム誕生まであともう少し。2003年4月7日に天馬博士がアトムを作った日。 ━▲やまねこ投書箱━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ [kuniko]  アトランティスで思い出したのですが、1992年にトルコへ旅行に行った時にトロイ  の遺跡に立ち寄ったんですね。  たまたまついてくれたガイドさんが、大変歴史に詳しい方で(日本語も完璧でした  !笑)様々な神話や遺跡発掘についての話をたくさんして下さったのですが、  トロイの遺跡で発掘された出土品がロシアで見つかったそうです。  (シュリーマンが発掘したあと、トロイの遺跡の出土品は行方不明になっていま  した)  この出土品の中に、確かにアトランティス大陸との貿易をした証が残っていると、  何かの本で読んだ事があったので、このことを聞いたときは、すごくドキドキした  のをよく覚えています。 ----------------------------- トルコ(トロイ)とアトランティスが貿易。 地理的関係がわからないので地図を見てみました。 日本の地図は、大西洋を中心とする見方で構成している地図は少ないね。 で、ちょうど良い地図を見つけました。 大西洋を中心とする海洋山脈も載っている地図です。 その中央に中央大西洋海嶺(Mid-Atlantic Ridge)っていう海底山脈みたいなのがあ ります。 あぁ、これだな。 トルコからは地中海を越えて、ジブラルタル海峡(アフリカとヨーロッパの境の海 峡)にも行けるし、陸路からも行ける。 そしてトルコとロシアは近いんだね。 こうして地図を見ると世界は繋がっているよ。ドキドキするよ。 ----------------------------- [smilesforest]  粘菌の話し在りましたけど、こんな話もあります。  シャボン玉って在りますね。あのシャボン液に針金なんかで作った立体形を入れる  んです。そして取り出してみると、あら不思議その形は最小面積を取るんです。  立方体の最小面積図形、円錐の最小面積図形これがシャボン液と針金があれば解か  るってなんか幸せ。  そうか、考えてみると球って図形のなかで一番面積が小さいんですね。 ----------------------------- そうなんですよ! 粘菌の話と同時にそのシャボン液の話も知ったんだけれど シャボン液の方は記事にするほど詳しく判らなかったんで、粘菌の話に絞ったので す。 私も、このふたつの話はどこか似てるよなぁっていう印象を持ったんだ。 球ってのは、大きくなればなるほど体積に対して表面積が小さいんだ。 だから北の方に行けば行くほど、体温を逃さないために生物は大きく丸形になるらし い。 アフリカ人の手足が長いのも、体の表面積を大きく取るため(暑さ対策)だという。 日本人ってのは、アフリカ人に比べれば手足が短い。これは体温を逃がさないために 表面積を少なくするためだという理屈になる。北方系の体つきってことか。 ----------------------------- [やまねこ]  粘菌と聞いてあ熊楠かと思いましたらコンピュータだった。  それで熊楠はやはり優れていたのかと妙な納得をしました。  粘菌は植物でもないし,動物でもない奇妙な生物なそうな。  生物の神経細胞はすぐに最短距離を作るらしい。  勘がいい例かもしれない。  自分の馬鹿さ加減を棚に上げると,知識を増やしていくにつれて勘が無くなって  きたような気もする。 どちらも中途半端。 ----------------------------- 南方熊楠(みなかたくまぐす)は、是非いつか取り上げてみたい人物なんだけど 人物像が大きすぎてどういうフウにまとめて良いかわからないので、手をつけていな いんだ。 いつかうまくまとめる事が出来たらと思っているよ。 ━●編集後記━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ★コウモリの話しで「そのうち、エビ、マグロの体内に、日本人だけによく当たる 毒素ができたりして」とおどけて言ったけれど、そうふざけた言い分でもないんだ よ。 「ハチは黒いものに反応するからハチが興奮する季節には黒い服を着て山へ入らない こと。頭髪には黒以外の帽子を。」という注意をよく見かける。 あれはね、アジア人のハチの子を食べる習性が、アジア人の頭髪の黒に反応するよう なハチの習性になったんだという説を何かで知った覚えがある。その証拠にヨーロッ パのハチは黒に反応しないというんだ。 ★「アトムの時代 2」と“2”になっているのは、以前に同名のエッセイを書いた ことがあるからなんです。でもそれはやまねこ通信で発表しているエッセイではあり ません。 http://www.phoenix-c.or.jp/~daichi-m/atom.htm これ↑ 2000年の1月に書いたエッセイだからあれからもう1年半も経ってしまって、その頃 からみても時代は加速度的に動いているのを感じています。 ★やまねこ通信は、地雷ZEROキャンペーンを応援します。 http://www.tbs.co.jp/zero/ 関連ホームページです。 4月30日にオンエア−された「地雷ZERO 〜 21世紀最初の祈り」の 各系列局での再放送日時が以下の通り決定致しました。 (お知らせが間に合わなかった地域の方、すみません。先週告知すれば良かった。) <放送時間約 1時間25分> 局名 放送日 放送時間     局名 放送日 放送時間   HBC 6月17日(日) 14:00〜   ATV 6月10日(日) 25:35〜 IBC 5月29日(火) 25:05〜   TBC 6月17日(日) 14:00〜 TUY 5月30日(水) 25:20〜   TUF 6月 3日(日) 25:35〜 BSN 6月 3日(日) 10:00〜   SBC 6月 2日(土) 15:00〜 UTY 6月14日(木) 25:25〜   TUT 6月 3日(日) 14:00〜 MRO 6月30日(土) 14:00〜   SBS 6月 6日(水) 24:35〜 CBC 6月 3日(日) 25:10〜   MBS 6月 5日(火) 26:35 RSK 6月 2日(土) 26:10〜   RCC 6月 8日(金) 25:50〜 BSS 6月24日(日) 25:20〜   TYS 6月13日(水) 24:30〜 ITV 5月27日(日) 15:30〜   KUTV 6月21日(木) 25:10〜 RKB 6月17日(日) 14:00〜   NBC 6月 3日(日) 15:30〜 RKK 6月 3日(日) 15:30〜   OBS 6月17日(日) 25:20〜 MRT 6月 2日(土) 14:30〜   MBC 6月 3日(日) 15:30〜 RBC 6月17日(日) 26:00〜 坂本龍一のCD「ZERO LANDMINE」をよろしく! ★「やまねこ通信E=MC二乗」では、あなたからの投書を受け付けています。  動物・植物・環境・宇宙・時間・哲学このメルマガの趣旨に合うような投書を  気軽にメールに書いてね。 ★メルマガ相互宣伝です!  バックナンバーを読んでみて、気に入ったら登録すると良いよ。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┳━━━━┯┯┯┯┯┯━━━   窓<ココロ・言葉・体の不思議なドラマ> ┃   事実は、小説より  ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛    <気>│なり!?  心、言、体の間で境界線の切れた不思議な臨床記録!  └┘└┘└┘  整体による「簡単で効果的な手当て法」「体の季節変動を健康法に‥」 登録: http://www.melonpan.net/melonpa/mag-detail.php3?mag_id=000108 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ それじゃ、今週はここまで。 あなたのお便り待ってるよ。 daichi-m@phoenix-c.or.jp じゃね。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 久しぶりに外でスケッチ。 羽虫と鴨が覗きに来る。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ○週刊 やまねこ通信E=MC二乗 vol.26  2001年6月8日発行 http://www.phoenix-c.or.jp/~daichi-m/yamaneko/yamaneko.htm ○発行編集者 みかりん daichi-m@phoenix-c.or.jp ○発行システム: ◆インターネットの本屋さん「まぐまぐ」ID:0000052530 http://www.mag2.com/ ◆メルマガ発行サービス「メルマガ天国」ID:3743 http://melten.com/ ○登録/解除 http://www.phoenix-c.or.jp/~daichi-m/yamaneko/yamaneko.htm ○週刊やまねこ通信は、素人みかりんが趣味で発行しているもので、情報の正確さに はまったく自信がありません。引用して弊害が起きても責任は持てないよ。 それから誤字脱字変換ミスは大目に見てね。気を付けるけれどさ。えへ。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━