2001/6/22━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 幽玄の森羅万象の散歩道 動物行動学からの性♂♀の話・動物・植物・環境・宇宙・時間・哲学 興味のおもむくまま“みかりん”の しゃべりんぐ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━目指せ1万部! ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆        週刊 やまねこ通信 E=MC二乗                                vol.28 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ こんにちは。 みかりんです。 6月ももう後半です。今年もそろそろ半分が終わってしまうんだね。 なんて早いんだろう。 時間が経つのは年を取るごとに早くなっているのは気のせいとは思えない。 小学校に上がるずっと前、やっと記憶が残っている幼き頃の午前中の長かったこと。 たくさん遊んでもまだ時間があって、時間はいつも無限にあって、あまりの時間の長 さに遊び疲れて寝てしまうのが昼寝だった。 目が覚めても夕方までの時間は、たくさんあった。 年齢を重ねると、時間の経つ速さが反比例していくように感じる。 この事を誰か数式で証明してくれる人っていないかなぁ。 新しく登録して下さった人、はじめまして。 バックナンバーがあるので、ここ↓チェックしてみてね。 http://www.phoenix-c.or.jp/~daichi-m/yamaneko/yamaneko.htm ━■キツネの話(1)━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 日本には、3種類のキツネがいる。 本州にいるホンドギツネと北海道に住むキタキツネの2種類と……あとは? そう じゃなくってさ。 「動物のキツネ」と、日本人の信仰の対象であった「稲荷のキツネ」と、それと「人 を化かすキツネ」だ。今回は「稲荷のキツネ」を。 「伊勢屋、稲荷に犬の糞」 それくらい江戸の町には、お稲荷さんが多かった。 あのキツネは神様の「つかわしめ」でご神体ではない。 お稲荷さんというのは、稲を荷なう、豊作を祈願する神様で稲作民族にとって一番身 近な存在なんだ。 稲荷信仰は農村からはじまった。それが都市部に受けた。理由はお稲荷さんは現世利 益だからなんだ。 つまり来世にいいことがある訳ではなく、今すぐに利を与えてくださる唯一と言って いい神様がお稲荷さんだ。 江戸時代中期以降、この現世利益的な所が都会の合理性にマッチして、稲荷信仰が急 速に広まった。 しかもとっても人間くさい所があって、お稲荷さんは契約神だ。 お願いするときに契約を交わす。この願いをかなえていただいたら鳥居を寄進します とか。人間はその約束をちゃんと守らなくちゃならない。 だから金無垢の三方を納めますなんて出来もしない約束をしてはダメ。 願い事がかなったのに放っておくとたちまちバチがあたるという実に分かりやすくて 付き合いやすい神様だ。 お賽銭を10円入れて、大学に入れますようになんてのもダメ。 まずは手付け金のお賽銭を入れて、願いが叶ったら見合う報酬を差し上げますという ように。 飢え死に寸前になったときでも、お稲荷さんの供物は、返せるめどがたたない限り食 べてはいけない。お地蔵さんはいいんだけれどね。 お願いする場合もランクがあって、願い事に応じて、これは伏見稲荷までいかなくて はダメ。これは近所の九郎助稲荷(吉原にあった稲荷神社)でいいだろうと江戸庶民 は使い分けていた。 お稲荷さんは無視されるのを非常に嫌う神様なので、町中の賑やかなところにある。 だからお稲荷さんの鳥居の前を横切る時は、願い事があろうとなかろうと、ペコっと 会釈しなくちゃいけない。 今はそんなことする人は見かけないけれど。 幕末に日本にやってきた西洋人も、日本人が鳥居の前を通り過ぎるとき会釈するのを 不思議がっている。信徒でもないのにって。 あちらの神様は絶対神だから、日本人のようにあっちの神様こっちの神様に挨拶する のを奇異に感じたんだろう。 それとお稲荷さんは、特に商人に信奉されていた。キツネが宝珠とか蔵の鍵をくわえ ているので、それで商人の財産を守ってくれるといわれ、霊験あらたかだったよう だ。 ━■動物行動学からの性♂♀の話 (26)━━━━━━━━━━━━━━━━ 「一夫一妻、一夫多妻、一妻多夫、形態は雌が選ぶ(3)」 「やまねこ通信」vol.16とvol.17で、モズを例にとって「一夫一妻、一夫多妻、一妻 多夫、形態は雌が選ぶ」というテーマで2回に渡って語ってみた。 で、ヒトについても、やはり形態はメスが選ぶという話しをしなければ、どうも収ま りがつかないような気がしてきた。 はじめは昆虫や鳥を中心に語ってきて、最近ヒト編になりつつある。本当はずっと虫 や鳥を語ってお茶をにごしていたかったなぁ……だってヒトは上手に料理しなかった ら下品になっちゃうんだもん。えへへ。 文化人類学者のG・P・マードックによれば、人間の社会には一夫多妻制を認める例 が圧倒的だという。 彼は世界の849の民族、部族を調べ、そのうち708の社会で一夫多妻が公認され ていると言う。 一夫一妻制しか認めないのが137、一妻多夫制を認めるのが4という結果だ。 一夫多妻のなんと多いこと! でもそういう社会であっても一夫多妻を実行している 男は20%を越えない。認められていても男のすべてが複数の妻を持つ訳ではなく (それは無理だってば)、妻を持ってもほとんどの場合一人に留めるというのが現実 のようだ。 でも、複数の妻を持つ男の割合が40%を越えるという極端な一夫多妻社会が存在す る。 そのほとんどが西アフリカの赤道付近、南米アマゾン川流域など、高温多湿の地域に 集中しているんだ。 一夫多妻制の生じる原因として考えられるのは、男の経済力の格差、平たく言うと甲 斐性だ。 以前にこのコーナーでも紹介したように、縄張りを作る鳥などでは、オスの持つ縄張 りの質がメスを何羽手に入れることができるか。この一点にかかっている。これは基 本的には人間も同じだろう。 富める男は、もし許されるなら可能な限りの妻を持つことが出来る。 それでは超一夫多妻社会の西アフリカやアマゾンでは、貧富の格差がそんなに激しい んだろうか。 まぁ、小さくはないけれど、世界的に見て、貧富の格差の激しい社会なら他にもたく さんある。 アフリカの砂漠地帯や草原地帯、アジアのモンスーン地帯にも存在する。 でもそれらが著しい一夫多妻制をとっている訳ではない。 どうも貧富の差以外のもっと強力な何かが介在しているのではないか。                               次回につづく ━●みかりんの叫び━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 「幸せなブタは、おいしい」 学生作文コンクールなどで、よく優秀賞をとるパターンに「自分が可愛がっていた動 物(ウサギ、ヤギ、ニワトリ等)が、ある日いなくなったと思ったら親(又は祖父 母)に、絞められて夕食のご馳走になっていた。泣いて抗議をし自室に閉じこもって 半日。差し入れられた料理がおいしくて、泣きながら食べ、命について考えさせられ た」というテーマがある。 う〜ん。良い話しだ。私はこの手の話は割と好きだ。 以前、雑種ながら犬を飼ったという話しを、父にした。 「それは赤犬か?」と聞く。 「うん。まぁ、茶だからね」というと、 「でかした。それは良い。犬は、一赤、二黒、三ブチなんだ」と言う。 犬の毛色からみたうまい順番なのだそうだ。 いえ、私は食用で飼っている訳ではないんだけど……。 私の持論に「幸せなブタは、おいしい」というのがある。 清潔で快適な畜舎があり、土をほじくり回したり、泥遊びがふんだんに出来、走り回 ることが十分にできるスペースがあり、その恵まれた環境でそよぐ風の匂いを感じ、 太陽を浴び、豊富で栄養豊かなエサがあり、飼い主は愛情込めてブタに接し、ブタは 健康で幸せで。 ブタは幸せで、私たちはおいしく命をいただく。 幸せは伝播する。 飼い主は愛情を込め、ブタはおいしくなって飼い主に還元される。この健康的でポジ ティブな循環にどこに疑問の余地があるのだろうか? 先の学生作文コンクールの動物たちもさぞやおいしかったのだろうと容易に想像でき る。 そういう意味では、私の飼い犬もおいしいに違いない。赤犬だし……って食用ではな いんだってば!(笑) ━▲やまねこ投書箱━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ [Roid]  性についてですが、私の専門分野ではないので詳しくはないのですが、粘菌だか苔  の一種に性別が7つあるものがあるというのを聞いたことがあります。一体どうい  う組み合わせで生殖してるのやら。  生物の分野はあまり詳しくないのでこんな適当ですいません。 ----------------------------- 性別が7つ! それは知らなかった! 驚異だ! 機会があったら私も調べてみますが、読者の方で「粘菌だか苔の一種」の性別につい て何か知っている人がいましたらメール下さい。 ----------------------------- [なし]  満月に出産例が多いそうですが、私はまさに旧暦8月15日の満月産まれです。  今の暦では、19年に一度自分が産まれた時と同じ月齢になるそうです。  私も19の誕生日は中秋の名月でした。  誕生日に自分が産まれた時と同じ月を見ることができるって素敵だと思いません?  19年に一度ってなかなかめぐって来ないですけどね。 ----------------------------- 現代医学によって人体の周期的なリズムと月との関係が見直されてきています。 人の活動の元となる体内時計は、月が昇り来る24.8時間に一致しています。 また集中力がもっとも持続しやすいサイクルは体内時計サイクルの20分の1にあたる 約90分であり、睡眠の最小サイクルとも繋がっています。 単なる偶然として片づけられていた時代から、少しずつ科学的な解明が進められてい ます。 月がなかったら、私たちは今の私たちではなかったようです。 ━●編集後記━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ★またも江戸フリークの面が出てしまった。えへへ。 でもね、キツネっていうのは、それくらい生活に密着していた生き物なんだよ。 お稲荷さんってのは、直接キツネを信仰するものではないんだけれどね。 で、次回は、人を化かすキツネ。中国と日本のキツネを比べてみる。中国のキツネ は、妖艶な美女になって男を魅了し、魅入られた男は性の深淵に引きずり込まれ 骨抜きになってしまうんだ。 ★私の持論に「幸せは伝播し、不幸は連鎖する」というのがある。 幸せっていうのは、横方向に(平面的にまたは空間的に)広がるんだ。だから 伝播だし、不幸ってのは、縦方向に(時系列的に)繋がっていくんだ。だから 連鎖なんだ。だから不幸の連鎖はどこかで断ち切らないといけない。 たまたまブタの例で語ったからブタの例で不幸を語ってみようか。不幸なブタってい うのは、おいしくない。何故おいしくないかというと健康ではないからだ。不潔で過 密な畜舎、走り回ることなどできない。餌には抗生物質なんかが入っているから取り あえず病気はしないけれど生まれてからストレスを感じない時間はないブタ。 こういうブタを食べ続けた人間は健康でいることができるだろうか。 う〜ん。ちょっと例が適切じゃなかったかも。 でも、色々な局面でこの法則を当てはめてみて。 日々のニュースからも顧みることができるよ。 ★サブタイトルにあるように「動物・植物・環境・宇宙・時間・哲学」にマトを絞っ てお話していきたいのです。科学マガジンだし。(の、つもりだし) と、言いながら時々出てくる江戸話や文系よりの話しは、苦手な人もいるかも。 苦手な人、ごめんなさいね。 「科学マガジンだと思って登録したのに、なんだ!」なんて言わないで。 今後の予定では、フラクタル、コッホ曲線、カオス、なども取り上げようとしている んで、勘弁勘弁。 そうそう、「植物の話を載せて」と創刊以来何人かの読者の方に促されていました。 良い話しをいくつか仕入れましたので、その内、紹介できる予定です。 ↑言い訳モード。(笑) ★「やまねこ通信 E=MC二乗」は月4回配信です。 来週は金曜日が5回あるためお休みです。 こいう期間はストック分が減ってきたので充電期間に当てています。 次回配信は7月6日です。感想メール、応援メールどうぞお気軽に。 ★「やまねこ通信 E=MC二乗」では、あなたからの投書を受け付けています。  動物・植物・環境・宇宙・時間・哲学このメルマガの趣旨に合うような投書を  気軽にメールに書いてね。 ★メルマガ相互宣伝です!  バックナンバーを読んでみて、気に入ったら購読すると良いよ。 ==== メルマガ ======================================================== □    『宇宙飛行士への挑戦、宇宙関連ニュースで学ぶ英語』 □ ■ たった1つのルールをくり返し使うだけで英語が読めるようになる。 ■ □ 大学受験、TOEIC,TOEFLなどの枠を超えた英語のエッセンスをお届け。 □ ■ 宇宙の不思議、未来を英語を通して読んでいきます。        ■ □ 将来の宇宙飛行士を目指すトビーと一緒に宇宙を読んでいきませんか?□ ■ URL: http://www.chem.ufl.edu/~mtobita/magazine.html ■ ======================================================== [ ▲PR ] ==== それじゃ、今週はここまで。 あなたのお便り待ってるよ。 daichi-m@phoenix-c.or.jp じゃね。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 空き地に家が建つ。 窓から見える風景が変わってしまう。 空が狭くなる。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ○週刊 やまねこ通信E=MC二乗 vol.28  2001年6月22日発行 http://www.phoenix-c.or.jp/~daichi-m/yamaneko/yamaneko.htm ○発行編集者 みかりん daichi-m@phoenix-c.or.jp ○発行システム: ◆インターネットの本屋さん「まぐまぐ」ID:0000052530 http://www.mag2.com/ ◆メルマガ発行サービス「メルマガ天国」ID:3743 http://melten.com/ ○登録/解除 http://www.phoenix-c.or.jp/~daichi-m/yamaneko/yamaneko.htm ○週刊やまねこ通信は、素人みかりんが趣味で発行しているもので、情報の正確さに はまったく自信がありません。引用して弊害が起きても責任は持てないよ。 それから誤字脱字変換ミスは大目に見てね。気を付けるけれどさ。えへ。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━