2001/10/5━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 幽玄の森羅万象の散歩道 動物行動学からの性♂♀の話・動物・植物・環境・宇宙・時間・哲学 興味のおもむくまま“みかりん”の しゃべりんぐ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━目指せ1万部! ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆        週刊 やまねこ通信 E=MC二乗                                vol.41 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ こんにちは。 みかりんです。 21世紀の始まりに、テロから誘発され派生していく世界の紛争問題を、武力で争う 事のない、哲学を見いだす努力を始めていく、きっかけになることを期待していま す。 「人より得をしたい、損をするのに耐えられない」という時代から、進歩しなければ ならないのだと思います。 新しく登録して下さった人、はじめまして。 自己紹介もあるよー。 バックナンバーがあるので、ここ↓チェックしてみてね。 http://www.phoenix-c.or.jp/~daichi-m/yamaneko/yamaneko.htm ━■心と言葉とイルカの話(1)━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 琵琶湖にイサザという小魚が住んでいる。 寿命は2年足らず、交尾は一生に一度。だから一世一代の大勝負だ。 イサザの雄イサオが、イサザの雌イサコを追い回す。イサコは気のないそぶりをしな がらイサオをじらす。そこに立派な体格の雌イサエ登場。イサオはグラマーなイサエ に乗り換えて後を追いかけ回す。 その時、イサコは背ビレを精一杯広げて全身を震わせてイサオに取りすがる。けれど イサオはつれない。このときイサコの哀れな姿ったらない。心はぼろぼろ。 「どうせ私なんか……。ダメな女よ」 他の雄が近寄ってきても、頑なに身を閉ざし続ける。 棚から落ちたネコの気まずそうな事。しばらくはその場所に行かない。 さて、動物に心はあるのだろうか? そんなのあるに決まっていると私などは思うのだけれど、「証拠をみせろ」と言われ るとちょっと困る。 心を司る臓器がある訳でもなし。イサザのイサコが本当に悲しんでいるのかイサコに 聞くしかないがその方法がない。 実証できないものは、科学として認めて貰えない。では科学的に証明できないもの は、存在しないか? 動物に心が「ない」という証明も「ある」という証明と同様に、ないんだから。 心とは、脳の機能だ。 心は、脳神経系のニューロン・ネットワーク上を走る情報だ。心が情報である限り神 経細胞をいくら観察しても心そのものは見えてこない。コンピュータIC回路を顕微鏡 でみても情報は見えてこないのと同じだ。 脳はタマネギの皮状に4枚の重層構造になっている。 一枚目「脳幹」は感覚、その上に「基底核」は運動機能、3枚目「基底辺」は感情、 4枚目「新皮質」が知的活動。 どうも3枚目が心っぽいんだけれど、3枚目と4枚目はしばしば矛盾するんだ。知性 の制御性をかいくぐって脳の奥底から古い心が顔をもたげてくる。ジェラシー、恋 心、喜怒哀楽愛憎などの感情は理屈でねじ伏せようとしてもストレスになって跳ね 返ってくる。 それじゃさ。ワニに心はあるの? あのノソノソあるいて突然噛みつくワニに豊かな 心が宿ってる? 人間はとかく“ヒトのような心”を動物に求める。ヒトのような心とは“言葉で了解 可能な感情”の事だ。 だけどね、“心”は言葉だろうか? 心は言葉よりずっと古い。その大いなる未開の心を、4枚目のタマネギの皮が一生懸 命に言葉化してるだけなんじゃないのか? 「くやしい」とか「切ない」とか言葉に置き換えることで未開な心を了解可能な心に 変換してるに過ぎないんじゃないのか? 言葉は心を解釈してるに過ぎないのでは? ヒトの心は、言葉によって媒介されて、ねじ曲げられた特殊な心と考えた方がいいの では? インターネット上でメガバイドで遊ぶホモサピエンスより、琵琶湖の湖底でジェラ シーでうち震えているイサコの方が“心豊か”ではないと誰が言い切れる? ━●みかりんの叫び━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 「旭山動物園はすごいかも(2)」 やまねこ通信vol.17のこのコーナーで北海道旭川市の旭山動物園について語った。 今年の夏、工夫されたいろいろな動物舎がどんどんオープンされる事を知っていた私 は、お盆の頃、旭山動物園まで行ってみたんだ。 すごく驚いたのは、動物と人間の距離がとてもとても近いこと! 手を伸ばせば届くペンギンやトラ!  話題のペンギンの遊泳は、水中トンネルから人間がペンギンを見上げる形で見る事が 出来る。 動物舎の中は雑草を生い茂らせて、少しでも自然に近いようにしているのが解 るし、何よりもどうやったら動物たちが退屈しないか工夫しているのが良く判る。 圧巻はオランウータン舎。   ┏━━━━━━━━━━━━┓   ┃            ┃   ┃            ┃ ←高さ16m   ┃            ┃   ┃            ┃ ||┃||        ||┃||←オリ ↑オリ      オリとオリの間は人間が通ることができる通路にもなっているんだ。      ちょうど行ったその日(8月12日)に、このオランウータン舎がオープンだったん だ。 私は、画期的なオランウータンのオリの事はこの夏公開という事は知っていてとっく にオープンしたとばかり思っていたんだ。 翌日新聞見たら、オランウータン舎は12日オープンになってるじゃないのさ。 ぎりぎりだったよ。なんて無謀な私。 13日式典が行われ、オランウータンは何度もオリを行ったり来たりしたらしい。 どうりで私が行ったときは、「何がなんだか」という顔をしていた呆然としていたオ ランウータン。 調べもせずに適当に行ったので、ホッキョクグマの新しいシステムの動物舎は見るこ とが出来なかった。ホントに無計画な私。 動物園は変わりつつある。 単に珍しい動物を見せ物的に見せるというやり方ではなく、動物展示が自然保護と 直結していなければならないという動物の種にあった“環境展示”という考え方だ。 動物と人間の関わり方は、その時代時代の人間の創りだした文化だと思うんだ。 産業動物(牛、馬、豚、鶏、etc)の作出やそれらとの関わり。 ペットや、動物園の動物たちや、セラピー動物たちとの関わり。 野生動物との関わり。 これらは共に人間の創りだした文化で、動物の現実と向き合うには、この3つの 交点に立って動物を見なければなぁと思うんですよ。 ━▲やまねこ投書箱━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ うっ……。投書が一通も来なかった……。 どうもテロ事件からこっち投書が来ない……。テロの影響はこんな所にも! え? テロは関係ない? そうなの? 困ったなぁ……。と思っていたら以前来ていた掲載漏れ投書を発掘発見! (何やってんだ。私……。) 民間の自然研究の団体がツキノワグマを捕まえたという話だったので見に行ったと いう報告です。 --------------------- [Cage]  ドラム缶を二つつなげた捕獲器にクマが捕らえられていて、ちょうど今から麻酔を  打たれるところでした。  その後、森の奥につれて行かれ、麻酔が覚めたあと鼻先に唐辛子の粉末のスプレー  を吹き付けて逃がしてやるそうです。  生きた野生のツキノワグマを見たのは初めてだったので結構興奮しました。  タイムリーなことに、その時に今回のやまねこ通信でも触れたマルハナバチの巣を  見せてもらいました。巣は森の中にあるのではなく、なんと建物の中でした。  大きなガラスの水槽に(もちろん水は入っていません)巣が入っていて、巣にいる  全てのハチに番号を振られた小さなシールが張られていました。  水槽からはパイプが外に延びていて、働きバチはそのパイプを通って外に蜜を集め  に行きます。パイプには重量計が付いていて、そこを通ったハチの番号と重さが  記録され、蜜を集めに行くときと帰ってきたときの重さの差でどれくらいの蜜を  集めてきたかが分かるようになっていました。  ハチに貼るシールは白が産まれたばかりのハチ、赤が内勤のハチ、青が外勤のハチ  というふうに色分けがされていました。  なんだか企業の営業さんみたいでしょう?(笑)  つい最近までマルハナバチはほとんど研究されておらず、社会性もあまり発達して  いないだろうと推測されていましたが、この研究でかなり高度な社会性を持ってい  た ことが明らかになりつつあるみたいです。  いままで研究結果はそこのHPにでています。もし興味があればのぞいてみては  いかがでしょうか?  http://hoshinoresort.com/tote2001-8/index.html --------------------- Cageさんが紹介してくれたHPはとてもよくマルハナバチの事が説明されています。 マルハナバチは、サクラソウやツリフネソウなど、特定の植物と“契約”を結んでい る昆虫です。 花の方も、信頼できない他の昆虫に蜜をただ食いされないように工夫をしているもの があるとう不思議を分かり易い形で紹介しています。 そういう“契約”っていうのは、いつ交わしたのでしょうね。 こういう不思議を知るにつけ、みんな繋がっているんだよなぁっていう思いを強くし ます。 今年は札幌市内でもクマの目撃証言が多く、人間もクマと共存の“契約”が出来たら なぁと思うのです。でもどう考えても契約内容は、人間本位のものになりそうで困っ たものです。 こう書くと「札幌市の街中にクマが出るのか」と誤解されそうだな。 訂正。札幌って言っても広くてね、山も結構あるのです。山のすそ野の方に住んでい る札幌市内の人の目撃証言と言えばうまく通じるかな。 エゾシカは時々、街中に現れてニュースになっています。 だいたいは、追いかけても捕まえきれないで、何処へかと行ってしまいます。 という訳で、このメルマガの趣旨に合うような投書をお待ちしています。 過去に取り上げた記事からの話題も歓迎しています。 ━●編集後記━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ★あっ、しまった! タイトルにあるイルカが出てこない〜。 イルカはいるかいないか?(駄洒落でごまかすんじゃないっ!) って、ことで、次回に続きます。 ★旭山動物園には、ある大きな頭骨が展示されていたんだ。 「なんだ?! これは!!!」と思ったよ。 また「これは何の骨でしょう?」なんて書いてあって、すぐに答えがわからないよう になっているんだ。 動物好きの私でもちょっと解らなかったよ。 その大きさ、形、キバ……。恐竜? まさか……。ってな感じ。 答えはゾウ。 でね、疑問なのだけれどゾウの頭骨からあの長い鼻や大きな耳って解るのだろうか? ゾウがいなくなってずっと未来の生物が、頭骨から形が再現できるのだろうか? 無理だよなぁ。 だから恐竜ももっとバリエーションに富んだ形だったのに違いないって思っているん だ。 様々な形の耳。驚くような長い鼻の持ち主。長い舌。 種類によっては、ふわふわの毛に覆われていたんじゃないか。 綺麗な声で歌う恐竜もいたかも。そんな事を夢想するんだよ。 「思う」って凄いな。時間も空間も一瞬のうちに飛び越えることが出来るんだから。 ★どんな臓器や組織にも成長しうる胚性幹細胞(ES細胞)と、同じ機能を持つ細胞 を作ることに京都大学がマウスの実験で成功し、2日に発表した。                          (10月3日付け北海道新聞) こういう記事を読むと、どんどん歴史は動いているね。と思うよ。 充分な論議をされないまま技術革新は進んでいく。 世界紛争にしても生命倫理にしても、21世紀は哲学の世紀になっていかなくては と思うのです。精神的にもう一歩進化しなければと。 人類はもうそういう段階に来ているのではないか。と思うのです。 ★「やまねこ通信E=MC二乗」では、あなたからの投書を受け付けています。  動物・植物・環境・宇宙・時間・哲学このメルマガの趣旨に合うような投書を  気軽にメールに書いてね。  過去に取り上げた記事からの話題も歓迎しています。 ★メルマガ相互宣伝です!  バックナンバーを読んでみて、気に入ったら購読すると良いよ。 〓★★〓tamanegi〓★★〓★★〓★★〓★★〓★★〓★★〓★★〓★★〓   ・・・・・洛中いぬ道楽〜京都のお笑いわんこ物語・・・・・ 京の下町に暮らす、2頭の雑種犬ぱる&ぷんての成長期とおもろい毎日 犬好きならきっとうれしくなる、たぶん笑える、トホホな味わいのなごみ 系エッセイ。はんなり京都弁で、京の四季の風情や情景もいっぱいどす〜 ★バックナンバーと登録は★ http://melten.com/osusume/?m=3611&u=1919 〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓inudouraku〓〓〓 それじゃ、今週はここまで。 あなたのお便り待ってるよ。 daichi-m@phoenix-c.or.jp じゃね。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ お風呂に入ってる時に電話が鳴る。仕方なく電話に出る。 相手は私がどんな格好で話しているか知らない。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ○週刊 やまねこ通信E=MC二乗 vol.41  2001年10月5日発行 http://www.phoenix-c.or.jp/~daichi-m/yamaneko/yamaneko.htm ○発行編集者 みかりん daichi-m@phoenix-c.or.jp ○発行システム: ◆インターネットの本屋さん「まぐまぐ」ID:0000052530 http://www.mag2.com/ ◆メルマガ発行サービス「メルマガ天国」ID:3743 http://melten.com/ ○登録/解除 http://www.phoenix-c.or.jp/~daichi-m/yamaneko/yamaneko.htm ○週刊やまねこ通信は、素人みかりんが趣味で発行しているもので、情報の正確さに はまったく自信がありません。引用して弊害が起きても責任は持てないよ。 それから誤字脱字変換ミスは大目に見てね。気を付けるけれどさ。えへ。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━