2001/10/12━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 幽玄の森羅万象の散歩道 動物行動学からの性♂♀の話・動物・植物・環境・宇宙・時間・哲学 興味のおもむくまま“みかりん”の しゃべりんぐ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━目指せ1万部! ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆        週刊 やまねこ通信 E=MC二乗                                vol.42 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ こんにちは。 みかりんです。 北海道では、雪虫が飛び交う季節になりました。 雪虫が飛ぶと初雪はもうすぐです。 雪虫っていうのはね、青白いふわふわをお尻に付けた小さい小さい昆虫なんだよ。 新しく登録して下さった人、はじめまして。 自己紹介もあるよー。 バックナンバーがあるので、ここ↓チェックしてみてね。 http://www.phoenix-c.or.jp/~daichi-m/yamaneko/yamaneko.htm ━■心と言葉とイルカの話(2)━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 脳の構造からいうとイルカは賢い。 賢いどころか世界最高級クラスの脳なんだ。 脳の表面積ではヒトをはるかに凌いで、シワシワはヒトよりも深く密で1.5倍。 神経細胞はヒトは150億、イルカ200億。 でも体全体に対する脳の割合は、さすがにヒトより落ちてヒトの3分の2。それでも チンパンジーの2倍だ。 脳の質も高い。外側に発達する新皮質で、判断、認識などの高度な情報処理をつかさ どる。新皮質の割合が多いほど、一般に賢い。バンドウイルカでは新皮質が85%を占 める。 つまり、脳の構造を見る限りイルカはヒトに匹敵するんだ。 ではその素晴らしい脳を何に使っているのか。 これがよくわからないんだ。 イルカの持つ超音波ソナーを使って癌組織が発見できる……自閉症患者とイルカが触 れ合うとセラピー効果がある……など、イルカ超能力ブームが取りざたされているけ れど、研究しても謎は深まるばかりだし、イルカの知性を検証するまでには遠く至っ ていないんだ。 期待をもたれているのは「イルカ語」の可能性。 輪、パイプ、右、左、取る、入れる、底、水面という単語を調教して教え込み、「水 面、輪、底、左、パイプ」という文を与えると水面の輪を取って、プールの底から左 のパイプに入れてくる。 賢いっ! すごいじゃんっ!  そうかな? あの程度の芸ならサルにも出来るよ。 イルカはヒトの言葉を受動的に学習する能力は高いけど、あの「きゅきゅきゅ いぃぃぃんん」という音をいくら分析してもまだイルカ語の正体は見えてこないん だ。 「ぼく うみ かえる」とイルカから話しかけられた研究者はまだいない。 イルカの脳はまだほとんど解明されていない。言葉をつかさどる前頭連合野に相当す る領域があるのかないのか、それもまだ判らない。 イルカの脳は豊かな水の世界で、過去6000万年の間に独自の進化を遂げた。 それに対し、ヒトの脳が急速に大きくなったのは300万年くらい前からのことで、少 なくても200万年くらいまでは、地球でもっとも大脳化が進んでいた哺乳類はイルカ だったんだ。 イルカと人間の脳を比較すると、どちらも左右の脳を持ち、構造的には似ている点が あるんだけれど、その機能はいろいろな点で大きく違っている。 環境が違ってくると知性の在り方も違うという良い例なのかもしれない。 知性は私たちの想像以上に多様な姿をとることが、可能なんだろう。 ヒトとDNAを99%共有するチンパンジーと、ヒトの大きな違いはタマネギ状の最も新 しい部分「前頭連合野」の部分だ。この部分がチンパンジーは未発達なんだ。 ともに群社会を営むチンパンジーとヒト。群社会であると群内部に頻繁に緊張状態が 起こる。緩和しなければならない。 その緩和方法が、チンパンジーでは、乱婚社会であることのセックスによって、 ヒトは言葉によって解消したのでないかという説がある。 この差はその後の進化のうえで決定的な違いとなる。 サルがヒト化して300万年、チンパンジーがセックスしている間に、ヒトは脳の容 積を3倍にし、シワシワを深く刻み、神経ネットワークに言葉というビッグバンを引 き起こしたんだ。 そして今も言葉は頭蓋骨を飛び出して、書物、コンピュータ、インターネットと、 人工的な情報環境の中でさらに「ビッグバン」しようともくろんでいるらしい。 そして食生活の駆け引きからいうとイルカはチンパンジー型だ。海は食べ物の宝庫だ し、これといった天敵もいない豊かな海で彼らは優雅な乱婚社会を営んでいる。 イルカが賢いとすると、それはヒトぼ言葉に翻訳できない“超能力”“超感覚”かも しれない。 脳も体も心さえも全身言葉にまみれてしまったヒトにイルカが理解できる日がくるの かどうか。 ━●みかりんの叫び━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 「軍事基地と自然保護」 私の住んでいる所は、180万都市札幌とは思えない環境に恵まれた所です。 野鳥の数も種類も多く、昆虫にしてもトンボの種類の多いところとして、トンボマニ アには有名な所らしいです。 カラスアゲハもよく飛んでいるし、夏になればホタルも飛びます。 西岡水源池(私がフィールドにしている森は西岡水源池というのです。)のギンヤン マは、他の土地のギンヤンマと違って人懐こいという特異な性質があるのです。 (笑) 何故札幌郊外でこんなに自然が残されているのかというと、すぐ近くに自衛隊 の演習場があるからなんです。 マシンガンの音や大砲の音が良く聞こえるのです。 夜中、戦車も移動しています。山道に入ると「シカ注意」の看板と「戦車注意」の看 板があります。 一度、装甲車のキャタピラが外れて山道で立ち往生しているのを見かけました。 30分後、見に行ったら自衛隊の威信にかけたのでしょう。わらわらと隊員たちが駆 けつけていました。 その30分後には、そんな形跡などなかったように静かな山道にセミが鳴いておりま した。 沖縄本島には、まだまだ自然がたくさん残っています。 バブルの頃、リゾート計画の嵐が吹き荒れた頃、当然狙われたに違いない沖縄。 その自然が結構守られているのは何故でしょう。 それは様々な問題を抱えつつも駐留している米軍基地があるからなんです。 あそこは治外法権なんだもの。開発したくても手が出せないんだもの。 テレビでこんな会話が放映されていました。沖縄の地元の人の会話です。 「米軍が撤退して土地が帰ってきたらどうする?」 「そりゃぁ、ここを開発してだな、ホテルを建ててだな、一儲けするんだよ」 この答えを言った人は、それじゃダメだよと非難されていました。 私たちには、残された自然をそのままにしておく理性はないのでしょうか? はからずも軍事力の基地として残っている自然……。 ━▲やまねこ投書箱━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ [kamome]  vol.40で、飛んでいる蝶を鳥は襲わないって書いてありましたが、くわえて飛んで  行っちゃった所見た事あります。  私、揚羽蝶の幼虫君が大好きで3年前から羽化させています。  最初の夏は25匹。今年は9匹でしたが卵を見つけて来て育てます。かわいいんだ  よ。これが。見て下さいな。添付します。 ---------------------------- あらま! カオスの中をカオス的にひらひら飛ぶチョウを襲う鳥。さすがハンターだ なぁ。すごいや。 鳥って、なかなかあなどれないんだ。私、クルミを車道に落として車に割らせている カラスを実際に見たことがあるよ。 そういう実用的な知恵だけじゃなく、「欽ちゃん走り」の練習をして遊んでいるカラ スを目撃したこともあるんだ。しかも私に見られていると気付いたら、普通のカラス 歩きになったんだ。ホントだってば。 kamomeさんが添付してくれた羽化したアゲハチョウをUP。 ここです。↓ http://www.phoenix-c.or.jp/~daichi-m/yamaneko/ageha.htm こうやってあらためて見ると、とても綺麗だ。特にブルーのメタリックな色が綺麗。 いったい誰がデザインしたのっていうくらい絶妙の配色のセンスだ。 生物の配色デザインについては、とても驚くよ。 色鮮やかな南国の鳥や魚って、本当に放っといて出来上がったものなのか。 もちろん理屈では、ヒトの目を楽しませるためにああいった配色になった訳ではない こともわかっているんだけれど。 でね、まったくの妄想夢想のたぐいなんだけど……。 ずっとずっと以前に、私たちの文明以前に栄えた文明があって、その時、遺伝子操作 か何かで、人々に受けるような突飛な配色のデザインを生物に施した人々がいたん じゃないのか。 その文明は滅びてしまって、跡形もないんだけれど、生物たちは連綿とその姿を今の 伝えているんじゃないか。 なぁんてね。へへっ。 だってね、あのパンダの配色にどういう意味があるんだろう。 どう考えても妙だよ。耳、目の周り(しかもタレ目デザイン)前脚、下半身のみ黒の ツートンカラー。 もっと妙なのが、バク。後ろ半分だけが黒の白黒ツートン。 これは人為的と考えた方が合点がいく。誰かが「こんフウにしたら面白いんじゃない ?」って。(笑)  --------------------------- [かえる]  横浜のズーラシアも動物に配慮した動物園です。  特にベンガルトラはかなり広い運動場?を持ち、走り回っている姿が見られます。  一部はガラス張りになっていて、ガラス1枚を隔ててトラに接することができ、  なぜかトラはそこにやってくるとガラスに向かって立ち上がって反転するのです。  立ち上がったトラは人間よりも大きくなかなかの迫力です。  イルカの水槽もあって人気者になっていました。 --------------------------- そうですね。日本の動物園もだんだん環境展示という方向に行きつつあるようです。 旭山動物園のトラは、身を隠す事が出来る雑草や樹木のあるスペースと、水辺で遊ぶ こともできる池も持っていて、バシャバシャと水をはねさせて遊んでいるのを間近で 見られるような展示の工夫もしていて、「いかに動物を退屈させないか」という工夫 が随所に見受けられたのです。 で、私は水辺ではしゃいでいるトラと目が合ってしまったんです。 するとトラはまっすぐに私に向かって突進してきたんです。すっごい迫力でした。 絶対の安全圏から見てるから「わぁ」と感動できる贅沢。うんうん。すごいすごい。 --------------------------- [えん]  動物にも心はあると思うな。  難しいことは分からないけど、飼ってるネコはなついてくれてるよ。  撫でたり抱いたりすると気持ち良さそうな顔してる。  顔が「もっと撫でて」って言ってる。それで十分じゃないのかな。  そのネコと、ある事情で別れることになりました。  引き取られていくネコは、キョトンとした表情で全く状況がわかっていない。  言葉が通じない方が良いこともあるんだなって思った。  「新しい飼い主の方が良いね」なんて言われてたら悲しいよ。  別れはつらいね。それが人との別れでもペットとの別れでも・・・  ホントにつらかったから、つい書いてしまいました。 --------------------------- 私たちは生きている間に、色々な縁で様々な人や動物たちと関わります。 関わったからには、必ず「別れ」が来ます。 何かで読んでとてもしっくりと来た考え方なんだけれど 「愛するということは、悲しみを貯金すること」 愛が深ければ、そしてその期間が長ければ、一層、別れの悲しみが強く大きくなりま す。 だから悲しい時は、身も世もなく身を折って別れを悲しんで良いんだと思います。 ━●編集後記━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ★ヒトは、動物を「ヒトの言葉に置き換え可能なもの」に価値観をおいてみようとし ている。 どうもそういう傾向があるよなぁ。 ヒトの言葉に置き換えられない能力を“超能力”なんて言葉で片づけてしまう。 ライオンやオオカミの狩りは、チームプレイである事が多い。 その場合、それぞれの役割や待ち伏せ場所のポイントや段取りなど、細かく相談した としか思えないような洗練された団体行動を見ることが出来る。 これはどういう事だろう。 ヒトの持つコミュニケーション方法とは違う方法があるんだろうと私は思っているん だ。 ヒトの持つ言葉で置き換えられない能力を動物は持っているんだろうなと。 ★米同時多発テロ関連に関する情報を収集している内に(この件は、個人的にとても 興味があって私の言いたい意見ってのがゴマンとあるのですが、このメルマガの趣旨 と違うのでここでは我慢しているんだ。)今まで私が知らなかった情報を入手した。 以下の文がそれ。  湾岸戦争の時に、油まみれの水鳥の映像が放映され、これはイラクの爆撃で流され  た油のせいとされたが、実際にはカナダで撮影された映像であることが後に判明し  た。  これからは、世界的な報道管制が行なわれ、アメリカ、イスラエルに都合のいい情  報しか流されなくなる可能性は大きい。今後、益々強まるこうした報道における犯  罪行為には警戒を怠らないことと、市民レベルの情報交換がますます重要となるだ  ろう。 そうだったの? あの可哀想な油まみれの水鳥たちは、カナダの映像だったの? 戦争の犠牲ではなく、タンカー事故か何かの時の水鳥だったの? 戦争の犠牲でもタンカー事故の犠牲でも、人災には違いないんだけれど。 ★「やまねこ通信E=MC二乗」では、あなたからの投書を受け付けています。  動物・植物・環境・宇宙・時間・哲学このメルマガの趣旨に合うような投書を  気軽にメールに書いてね。  過去に取り上げた記事からの話題も歓迎しています。 ★メルマガ相互宣伝しませんか?  希望する方はメールで連絡を。 それじゃ、今週はここまで。 あなたのお便り待ってるよ。 daichi-m@phoenix-c.or.jp じゃね。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 落ち葉が足元でぐるぐる回っている中を歩く。 なかなかいい感じだ。落ち葉の中にゴミが混じることもあるけれど。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ○週刊 やまねこ通信E=MC二乗 vol.42  2001年10月12日発行 http://www.phoenix-c.or.jp/~daichi-m/yamaneko/yamaneko.htm ○発行編集者 みかりん daichi-m@phoenix-c.or.jp ○発行システム: ◆インターネットの本屋さん「まぐまぐ」ID:0000052530 http://www.mag2.com/ ◆メルマガ発行サービス「メルマガ天国」ID:3743 http://melten.com/ ○登録/解除 http://www.phoenix-c.or.jp/~daichi-m/yamaneko/yamaneko.htm ○週刊やまねこ通信は、素人みかりんが趣味で発行しているもので、情報の正確さに はまったく自信がありません。引用して弊害が起きても責任は持てないよ。 それから誤字脱字変換ミスは大目に見てね。気を付けるけれどさ。えへ。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━