2001/10/26━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 幽玄の森羅万象の散歩道 動物行動学からの性♂♀の話・動物・植物・環境・宇宙・時間・哲学 興味のおもむくまま“みかりん”の しゃべりんぐ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━目指せ1万部! ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆        週刊 やまねこ通信 E=MC二乗                                vol.44 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ こんにちは。 みかりんです。 パン屋で、イチゴメロンパンというものを見た。 イチゴかメロンかパンかはっきりしなさいっ! 動物の名前にも、動物の名前をただ連ねただけの名前がある。 ネコザメ、ネズミイルカ、リスカッコウ、ミンククジラ、ホタルイカ、ゾウアザラシ スズメフクロウ、クマネズミなどが2連。2連は他にもたくさんある。 ウナギイヌとか。(ある年齢以上じゃないとウナギイヌはわからないか。(笑)) ネズミキツネザル になると3連だ。 探したけれど3連はこれだけかなぁ。 コブタタヌキキツネネコになると4連だけどちょっと違う。(笑) 新しく登録して下さった人、はじめまして。 自己紹介もあるよー。 バックナンバーがあるので、ここ↓チェックしてみてね。 http://www.phoenix-c.or.jp/~daichi-m/yamaneko/yamaneko.htm ━■テラフォーミングの話(2)━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ テラフォーミングには3つの意味があるという。 ひとつは、人類が生き延びる手段として火星に移り住むこと。 もうひとつは、“テラフォーミングで地球の理解が進む”という実用的な意義だ。 私たちはまだ地球について知らないことが多すぎる。それは温暖化の仕組みにとど まらない。無数の生物が織りなす生態系をどう火星で生みだしていけばいいのか。 研究が進めば進むほど、人類はあらためて「地球のありがたさ」に驚嘆するのだろ う。 テラフォーミング第一段階で大気と水が戻った火星。第二段階は二酸化炭素を酸素に 変える事だ。 火星のテラフォーミングでは、地球で二十数億年かかった時間を大幅短縮することを 目指す。 テラフォーミング研究者のNASAのマッケイ博士は、微生物と植物を同時に移植するこ とで、酸素を一気に増やそうとしている。 酸素をつくるためにはただ木を植えればいいという訳ではないんだ。木々の成長を助 けているのは微生物であり、微生物は腐った木などを養分として生きている。 つまり、生物間の相互依存関係を再現することがテラフォーミングの最大の壁になり そうなことが判ってきたんだ。 地球上の大気では80%を占める窒素をどのようにつくるかも大問題だ。火星の土の中 の成分を微生物の力で窒素に変えることも可能らしい。 窒素を作り出すのも微生物、窒素からアンモニアを作り出すのも微生物。 テラフォーミングのための、こうした微生物の遺伝子の解明と組み替えの研究が始 まっている。 「窒素を固定する細菌の遺伝子を植物に移植すれば、自分たちの力でアンモニアを始 めとする有機物を作ることが出来るし、そうなれば光合成をする森が作れるかもしれ ない。さらにトウモロコシ、米、大豆など作物を作ることも簡単になります」 テラフォーミングを通じて、私たちが学ぶのは地球の生態系だけではない。地球の複 雑な気候システムについても理解が進む。 地球の陸地の7%を占める熱帯雨林は光合成をするだけではなく、地球規模の水循環の かなめにもなっている。世界で降る雨の三分の二はここに集中している。太陽を真上 から受け、水を盛んに蒸発させて雨を降らせているんだ。 最近、この熱帯雨林の伐採が進んだため、降った雨がそのまま流れてしまい、再び蒸 発することが出来なくなってきた。そのため地域的な乾燥化が始まってきている。 地球規模の気候システムの理解という観点から、火星のテラフォーミングに興味を持 つ学者もいる。 「現在の火星はとても単純です。火星に人工的に海を作ったり、雨を降らせたりする ことで、気候変化を考える良いモデルが手に入ります。現在温暖化で地球の気候を冷 やす事が必要ですが、そうした実験をいきなり地球で行うのは、危険が大きすぎま す。火星で実験できれば地球にとって好都合なのです」 この学者はエアロゾルにより地球寒冷化を試してみる価値があると考えている。 「これまでのように地球の自己浄化作用に頼っていられなくなってきたので、人間が 環境改善をする努力をしなければならない。現在はスーパーコンピューターによる シュミレーションしか研究できないが、火星のテラフォーミングは、その実験場を人 類に提供してくれるのです」 1991年の「バイオフィア2」プロジェクトの失敗は、まだ記憶に新しい。 この実験は地球上に“もうひとつの地球”を作り出す試みだ。 人工的な閉鎖空間のなかで地球環境を作り、地球の物質循環などを調べ、地球の未来 を探るろうというプロジェクト。 ガラスに覆われた総面積一万平方メートル以上の空間には、農業地域、海、熱帯雨 林、サバンナ、砂漠地帯などが作られ、植物、動物、昆虫など四千種が入れられた。 そして男女4人ずつ計8人が、外部との接触を断って施設内で生活する壮大な実験 だった。 しかしこのプロジェクトは数ヶ月で挫折したんだ。 土の中の微生物が予想外に酸素を吸収したため、施設内の酸素濃度が減り、二酸化炭 素が急激に上昇してしまったんだ。 鍵は微生物が握っているらしい。 私たちは私たちの力で生きているのではなく、微生物、植物、動物、水の循環、 ありとあらゆる目に見えるモノと見えないモノの上に奇跡的に生きている。 テラフォーミング研究は、地球の理解へさらなる豊かな知識を与えてくれることにな る。 ━●みかりんの叫び━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 「国鳥トキから思うこと」 ちょっと前のトキ騒動。なぁんかなぁ……。と、ずっと胡散臭く思っていた。 今も思っている。 1981年1月、野生のトキ5羽は人工増殖のため、捕獲されて飼育下に移された。その2 年後、産卵直前でタマゴが詰まってメスが死亡すると、事実上日本産トキは絶滅の運 命を決定づけられてしまった。 そして中国からトキを取り寄せ、“日本産トキの遺伝子”を絶やさないために交配さ せることが国民の総意であるがごとくの大騒動になっていったんだ。 現代科学を駆使すれば、生まれてきた日本トキと中国トキを親に持つ子どもを交配さ せ、その時、卵核を取り出し(?)それで得た子をどれかと交配させ(?)などとい う事を何工程も経ると、純日本産トキが出来るという。(以前に何かで読んだという 記憶しかない。詳しいことは忘れた) これはトキを保護保存していることになっているのか? こういうことをやってみたいだけではないのか? 中国産トキと日本産トキは、まったく同じ種類の学名Nipponia nipponの鳥である。 “日本産”にこだわるナショナリズムが理解できない。 中国の古都、西安から南西200キロ離れた陜西(シャンシー)省、洋県(ヤンシャ ン)は、現在地球上に残った唯一のトキの生息地だ。 野生15羽ほど、飼育下10羽ほどと推測されていて、繁殖つがいの高齢化、農薬や密猟 などのマイナス要因が多い。 こうした中国トキの現状は、40〜50年前の日本そっくりだ。 日本産にこだわっている場合じゃないだろう。 「トキを守る」のではなく、トキの採餌場所、営巣場所などの「トキの生活圏を守 る」のでなくては意味がないんだ。 トキのようなヒトと生活圏が重なる野生動物を守ろうというのなら、ヒトの方が譲ら ない限り、無理。 「トキの数が減ったのは、生物学的に滅びる運命にあったから」と考える人もいる。 で、ちょっとヒトによるトキの迫害の歴史を調べてみた。 とてもとてもヒトに責任がなかったとはいえない。それは、そのうち「トキの話」と 題して改めて書いてみようと思う。 ━▲やまねこ投書箱━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ バックナンバーは、やまねこHPの「内容一覧」をクリックすればタイトルが一覧で きるので興味ある話題を選んでみなさんも投書してみてね。 で、まず紹介するのは、やまねこ通信のvol.20のみかりんの叫び「あなどれない鳥」 を読んでの投書です。 ----------------------- [ユタ]  確か自分の所にもコカワラヒワがやってきていた。ヒワって変だよね。  庭から直に洋間に飛び込んできたことがあったよ。自分で入ってきておいて大慌て  になって部屋の中を飛び回ってそれから出ていったよ。  思わずこっちも興奮して捕まえようかと思った。  背黒セキレイやジョウビタキも来ていた。こいつらは渡って戻ってくると必ず同じ  家にくるとか。まあ、渡り鳥達はほとんどそういう習性なんでしょうね。  みかんの輪切りを置いておくと大変だった。  時期が重なるとメジロ、ジョウビタキ、ヒヨドリが縄張り争いをしていた。  意外と気が小さいのはヒヨドリで洋間の前のテラスの下にも輪切りを置くと近寄れ  なくて、ちゃっかり来るのはメジロだった。  異種の渡り鳥が協力して一団となって渡りをやるとは驚きだね。  渡ったらその先ではまた縄張り争いをそれなりにやるのだろうけど人間も本当に全  体的な危機をむかえたという自覚がおきるほどのことがないと、協力し合わないの  か。 ----------------------- その土地によるのかなぁ。私が餌を置いていたバードテーブルではヒヨドリが威張っ ていた。 いろいろな鳥が来ていてもヒヨドリは全部追い散らしてしまって、餌を総取り。テー ブルに餌が無ければ居間に向かってギャーギャーと要求する気の強さ。森の中で可愛 く鳴いているヒヨドリとは別種のようだったよ。(笑) 異種の鳥たちが協力して大群を作って渡りをするっていうのは、ちょっと感動もんだ よ。 渡りっていうのは、とても厳しいんだろうな。 世界中の人間の団結には、目に見える分かりやすい形で宇宙人に攻めてきて貰うしか ないかもね。 自分たちだけでは仲良くできない性質らしいです。 次は、前号のみかりんの叫びの「H2A打ち上げ成功のニュースに思うこと」を読んで 「国産ロケット」についての投書です。 ----------------------- [えむいとう]  えっと、オイラ的には「ロケット国産」は国策でやって欲しいです。  それは、いまの航空産業を見て欲しいんですよ。日本製の旅客機… 聞いたことあ  りますか?  造船・自動車は世界のトップなのに… たぶん、YS11っていう中型旅客機くらいで  はないでしょうか。  YS11は名機とうたわれてます。いまだに、中古機として、東南アジアの国内線を飛  んでるようです。  日本の航空産業は戦後、アメリカの政策によって「凍結」されました。  そのため日本は航空宇宙産業はかなり後発の国になってしまいました。  それに追いつかねばならんです。  (しかしあの戦争がなければ日本って航空産業大国になってたかも…)  中国のロケットは格安です。でもその儲けは間違いなく、「中国軍」に流れるわけ  で。  ロケット産業ってのは、他国においては、「軍事産業」に直結してます。  それを考えると、日本の宇宙産業はいくらか健全ではないかと。  H2の技術が「日本製大陸弾道ミサイル」にならんでしょうからね。  それに、他国のロケットを買って使ったとしても「ブラックボックス」があるの  で、「ソフト開発」も無理なのではと。  日本は一応「工業立国」っす。資源が無いから、物を作って付加価値をつけると。  もちろんその延長上に「物」を管理・運営する「ソフト」がありますが。  ただ問題なのは、やっぱ「コスト」でしょう。国際競争力を考えてるようだし。  まぁ〜、「開発事業」だから失敗も「アリ」で考えたいです。  宇宙事業団の規模は、人員1090人で、年間予算は「2500億円」だそうです。  う〜ん、NHKの年間予算が「6000億円」だから、そんなに「高く」もないような  気がしますね。  などと擁護してしまうのも、NHKの「プロジェクトX」って番組で「国産ロケット  エンジン」の開発特集を見たからにほかなりませんがね。(笑) ----------------------- あぁ、そうだったのか。よその国ではロケット産業は軍事産業なんだよね。 日本は開発事業だもんね。テンションと成功率の違いはそれなのか。 でもその違いを根本に抱えたまま国際競争の中に入ると厳しいなぁ。 だってね、一度失敗すると何千億円というお金が……お金がぁあぁぁぁぁ。 その重みが判っているだけに打ち上げ関係者は、胃がきりきり痛む中で、 科学の粋を集めたロケットだけど、最後は神仏に祈るような気持で打ち上げを見守っ ているのだ ろう。 神様仏様てるてる坊主様と。 ----------------------- [つるべ]  いつの世でも環境保全は結局「お金持ちのドーラク」的部分が大きいんでしょう。  日本やヨーロッパでお殿様や貴族が狩りをするための「お止め山」」や、東京でも 「皇居」や「皇族の家だった所」とか・・・  そういった人々がどんどん滅んだ現在、「経済」と「環境」を結びつけないかぎ  り、守れっこないです。感情的なものじゃ「食ってけない」の一言で、ボロボロ  になっちゃうんですよ。  「ここ」じゃ嫌われる考え方かも知れないけど「ヒトのためになるから(それも直  接的に『お金になるから』環境を守りましょう」じゃなきゃ環境保護は進まないの  が現実です(しみじみハァー)(--;)  ----------------------- あー。そうですね。そういう考えってアリですね。 お金になるかならないか。拝金主義全盛の現在の価値観では、圧倒的な「力」(経済 力)で環境保全する方が徹底できるし、手っ取り早いし、他にウムを言わせない方法 です。 お殿様の「お狩り場」。今はお殿様はいないし。もしいてもお狩り場で狩りを趣味に しているなんて事が知れたら、しもじもの者がうるさそうだし。 狩りをしないお殿様がいたらお狩り場は必要ないしね。 江戸時代までの日本は、タンチョウヅルは、将軍が鷹狩りの時に獲る以外は猟をして はいけない鳥だったから、冬になると日本中に渡ってきていたんだ。 でも明治以後は、そんな封建的なことは許せないというので、誰がとっても構わない 事にしてしまったんだよ。 将軍が年に5羽や10羽とった所で、何千羽もいれば減ることもなかったんだけれ ど。 ━●編集後記━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ★「地球規模の気候システムの理解という観点から、火星のテラフォーミングに興味 を持つ学者」とは、“アメリカの国益のため”安全保障や地球規模についての科学技 術を研究する機関である米国立ローレンス・リバモア研究所のスタンレー・トンプソ ン博士だ。 そのトンプソン博士は、地球の過去の気候を調べる取り組みもしている。 博士は、今から一億年ほど前の白亜紀の気候をコンピューターシュミレーションして いるんだ。 当時、二酸化炭素濃度は現在の2倍から6倍もあったと考えられ、その温度変化など を調べることが、現在直面している温暖化問題の解決に役立つのではいかと研究して いるらしい。 あぁ、そうなのかぁ。恐竜の時代。月が今より大きく見えた恐竜の夜。濃い二酸化炭 素の中、もわっとまとわりつくような空気だったのだろうか。 さまざまな研究をしている人がいる。少しずつ色々な事が解ったような気になる。 想像力が刺激され、心は、過去にも未来にも宇宙にも飛ぶ。 もちろん研究は「現状を良くするために」なのだろうけれど。直接の動機のほとんど が「国益のため」や「私的利潤のため」と、「知的好奇心」のため。でもその副産物 で、心を過去に未来に宇宙に想いを巡らす事ができる私たちヒトの存在ってのは、な んともまぁ不可思議なものだなぁと思う秋の夜長です。 次回はテラフォーミングの3つ目の意味です。 ★「やまねこ通信E=MC二乗」では、あなたからの投書を受け付けています。  動物・植物・環境・宇宙・時間・哲学このメルマガの趣旨に合うような投書を  気軽にメールに書いてね。  過去に取り上げた記事からの話題も歓迎しています。 ★メルマガ相互宣伝です!  バックナンバーを読んでみて、気に入ったら購読すると良いよ。 ==== メルマガ ======================================================== □    『宇宙飛行士への挑戦、宇宙関連ニュースで学ぶ英語』 □ ■ たった1つのルールをくり返し使うだけで英語が読めるようになる。 ■ □ 大学受験、TOEIC,TOEFLなどの枠を超えた英語のエッセンスをお届け。 □ ■ 宇宙の不思議、未来を英語を通して読んでいきます。        ■ □ 将来の宇宙飛行士を目指すトビーと一緒に宇宙を読んでいきませんか?□ ■ URL: http://www.chem.ufl.edu/~mtobita/magazine.html ■ ======================================================== [ ▲PR ] ==== それじゃ、今週はここまで。 あなたのお便り待ってるよ。 daichi-m@phoenix-c.or.jp じゃね。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 急いで落ちる夕日を犬と眺めていた。 空がゆっくり染まって一番星。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ○週刊 やまねこ通信E=MC二乗 vol.44  2001年10月26日発行 http://www.phoenix-c.or.jp/~daichi-m/yamaneko/yamaneko.htm ○発行編集者 みかりん daichi-m@phoenix-c.or.jp ○発行システム: ◆インターネットの本屋さん「まぐまぐ」ID:0000052530 http://www.mag2.com/ ◆メルマガ発行サービス「メルマガ天国」ID:3743 http://melten.com/ ○登録/解除 http://www.phoenix-c.or.jp/~daichi-m/yamaneko/yamaneko.htm ○週刊やまねこ通信は、素人みかりんが趣味で発行しているもので、情報の正確さに はまったく自信がありません。引用して弊害が起きても責任は持てないよ。 それから誤字脱字変換ミスは大目に見てね。気を付けるけれどさ。えへ。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━