2001/11/2━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 幽玄の森羅万象の散歩道 動物行動学からの性♂♀の話・動物・植物・環境・宇宙・時間・哲学 興味のおもむくまま“みかりん”の しゃべりんぐ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━目指せ1万部! ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆        週刊 やまねこ通信 E=MC二乗                                vol.45 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ こんにちは。 みかりんです。 あと30億年後には、私たちの天の川銀河にアンドロメダ銀河がぶつかってきて ひとつの銀河として吸収合併されるらしい。 そりゃぁ、大変だぁ……? 大変かなぁ? (笑) で、アンドロメダ銀河がどんどん近づいてくると、夜空に星が多くなり、それはそれ は素敵な星空になるんだって。 見たいけど。無理かなぁ。 新しく登録して下さった人、はじめまして。 自己紹介もあるよー。 バックナンバーがあるので、ここ↓チェックしてみてね。 http://www.phoenix-c.or.jp/~daichi-m/yamaneko/yamaneko.htm ━■テラフォーミングの話(3)━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 人類が生き延びる手段として火星に移り住むこと。 地球の理解が進むこと。 そしてテラフォーミングの3つ目の意味は、「人類の進化」または「哲学的意義」。 生命は、今まで環境を変えコントロールしようとしながら自分自身も変わってきた。 環境と生命の共進化ともいえる。 今から40億年前、生命は海の中で誕生した。 そして生命は“ゆりかご”だった海を離れて生活圏を広げたことで、とてつもない進 化を遂げた。 未知の世界に飛び出した古代の魚の決心と挑戦がなければ、私たちは生まれなかっ た。 ヒトは20世紀に初めて宇宙へ飛び出した。地球という“ゆりかご”を離れた最初の 地球の生命となったんだ。他の星へ住むことになった時、ヒトはどう変わっていくの だろう。 テラフォーミングで火星を改造し、地球と似た環境を作っていけたとしても、まった く同じ環境を再現できない。火星の重力は地球のおよそ3分の1。低重力でヒトはど う変わるのだろう。 月の重力は地球の約6分の1。アポロ計画の宇宙飛行士たちは、重い宇宙服を着てい るのにも関わらずピョンピョンと警戒に動き回っていた。 活動する宇宙飛行士たちのVTRをみると彼らは両足でスキップしている。彼らは月 面に到着して数分以内にこうした歩き方を身に付けた。火星でもこのように動くのか もしれない。 無重力状態では身体はどのように変化するのだろう。 血液は重力で下の方に行き足に溜まる。それを上へ汲み上げるのは心臓の役目。低重 力だと心臓はその働きが少なくていい。ポンプとしての働きは弱くなるだろう。 心臓は小さくなり、足や腕は細くなるだろう。火星で生まれた子ども達には地球の重 力は3倍に感じられ、もう地球に帰ってこられなくなる。 重力が小さくなることで、いろいろな臓器が機能を失うだろうけれど、その反対に得 られるものはないのだろうか。 骨や筋肉が使わなくなったエネルギーは脳に行くかもしれない。と唱える学者もい る。でもこれ以上脳は大きくならないという説もある。産道の大きさが変わらない限 り、物理的に胎児の脳容量に上限があるというのだ。 でも重力が3分の1の世界はどう変わるのか、誰も判らない。 魚類が陸に上がったときに匹敵する変化が始まるのだろう。 身体の変化の他に、心のはどう変わっていくのだろう。 火星に最初に住み始めたヒトたちは、水を含めすべてのものをリサイクルしなければ ならないから環境への意識はとても高くなるなるだろう。 もちろんお互いに助け合わなければ生きていけない厳しい環境だから、協調性や協力 といった感覚が不可欠だ。いずれも今の地球人が失ってしまったもの。 火星に移住するということは、もうすでに地球人ではない。 「ひとつの天体にとどまる限り、私たちはただひとつの事例に縛られる。他にどんな 可能性があるかも分からない。重力と言えば地球上で落下する物体の知識しか持ち合 わせていない物理学者のように、私たちのモノの見方は近視眼的で狭く、予測する能 力も限られたものになってしまう。 私たちが別の天体を探索するとしたら、かつて は、それ以外にあり得ないと思われていた惑星の在り方も、実は幅広い可能性の中の ひとつでしかなかった事が分かる」 カール・セーガンの言葉である。 私たちは、まだまだ“変わる”可能性を秘めているらしい。 ━●みかりんの叫び━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 「心は脳に?」 最近脳科学という分野がめざましい発見をしている。 セロトニンという脳内物質は減ると片頭痛を起こしたり、攻撃的になったりすると か。キレやすい人の脳内には、セロトニンを受けとめるたんぱく質が少ない傾向があ るとか。 こういう心と脳を同一と考え方を「一元論」という。 両者は別物であるという「二元論」は最近影が薄い。 心は脳の働きそのものなのか。心と脳は別物なのか。 17世紀の哲学者デカルトが二元論を唱えて以来、科学者や哲学者は「心の正体」を めぐって論争を繰り広げてきたんだ。 で、現在一元論が主流になって、古典的な心脳論争は、決着したような感じだ。 でもね、わかっちゃいるんだけど、心の有りようを脳内物質やニューロンの働きだけ で説明されてもなぁ……。味気ないというか、私っていう人格は、そういう化学物質 のやりとりで説明できちゃう? どんなに科学が発達して色々な事が明らかになっても、私は思うんだよ。 脳内物質の分泌だけが行動を決める訳じゃない。遺伝子だけが人生を操る訳じゃな い。 ひとつの因子であるかもしれないけれど、私たちはそれ以上の何かを持っていると。 ━▲やまねこ投書箱━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ HPのバックナンバーの「内容一覧」で、登録前の文をざざっと読んで、一番興味の あったvol.32の「偶然と必然の話」についての投書です。という事です。 ---------------------- [寓言]  私はこのテーマを読んで、「類は友を呼ぶ」という古語を思い出しました。  この古語は最近の私にとって、深く納得できるものがあります。  他の故事成語にも、短い言葉で真理をピタリと言い当てているものが多くあり、  ホントに昔の人の考えの深さには感服するばかりなのですが、「類は〜」は一段と  深く真理を言い当てているような気がするのです。  この言葉を実感として感じられるようになったのはホンの1〜2年前なのですが、  感じる前と後ではモノの受け取り方が全く違いますね。  ただそこに本があり、それを手に取っただけのことが、‘前’では「それだけのこ  と」、‘後’では「自分の為にそこにある」と感じられてしまいます。  自己中心的の極みと言ってしまえばそれまでなのですが(^_^;)、「類は友を  呼ぶ」を実感すると、嬉しい事、悲しいこと、辛いこと、苦しい事、全てが「自分  が運んできているのだ」と思え、「プラス思考」の大切さみたいなモノも、自然に  分ってきます。  ―とまぁ、上記の様な事を考えていたので、「偶然・必然」のテーマはかなり親し  みが湧いたのでした。  他の色々なテーマにも通ずる事ですが、「地球上の全てのものは繋がっているんだ  なぁ」と、それって、すごく素敵な発想ですよね★☆ ---------------------- あっ。指摘されて気が付いたけれど、あのテーマは「類が友を呼ぶ」の一言で説明が できるんだね。(笑) そうなんです。「全ての物は関わり合って繋がっている」んです。単独で存在してい るものはないと思っています。 で、それは“地球上”のものだけではなく、宇宙、天体、別の銀河、彗星、などとも 繋がっています。 最近、生命は宇宙からやってきたという科学的な証拠が見つかりつつあります。 (この話は長くなるから、ここではやめるね。) で、森羅万象すべてのものが関わり合って世界を形成しているとして、その中でも特 に自分に関わってくる人や物や現象についてはどう考えれば良いのでしょう。 それはやはり「自分が呼び込んでいる」のだったり、または「縁」だったり。「外側 でおきる現象は偶然ではなく、内的に必然な事だ」と、そういうものだと思うので す。 次の投書はvol.43の、みかりんの叫び「H2A打ち上げ成功のニュースに思うこと」に ついての投書です。 手っ取り早く言ってしまえば、私の意見について異論を唱えている投書なのですけれ ど、それがなかなか理にかなっているというか、説得力があるというか、良い感じに 仕上がった文章なんです。 すっかり言い負かされてしまいました。(笑) 宇宙好きの19歳♂という自己紹介なのですけれど、お若いのにしっかりとした文で、 日本の未来に一筋の光明を見た思いです。 ちょっと長いのですが全文掲載です。 ---------------------- [sho]  85億円のロケットってのは、やはり高いと感じられると思います。  先代のH2ロケットは、開発開始から1号機の打ち上げまでに10年の歳月がかかって  います。  その結果、1号機打ち上げまでの開発費、打ち上げ費は、合計で2700億円です。  何!ものすごく高いじゃないか!税金使いすぎだヨ!と言われそうですが、実はこの  値段、海外のロケットに比べて、べらぼうに安い価格で作られています。破格で  す。  欧州宇宙機関(ESA)のアリアンロケットは開発だけで5000億円です。  でも高いヨ!と思う人もいるかも知れません。  古い資料ですが、年間のパチンコ業界の経済効果は30兆円にのぼります。  それと、航空自衛隊の主力要撃戦闘機、F-15Jは、1機当たり120億円です。  この国の国民は、宇宙開発への関心、理解、協力が極端に低く、国民のための仕事  をしているにも関わらず、パッシングを受けたりしているかわいそうな団体が宇宙  開発事業団等です。  宇宙開発のメリットとはなんでしょうか?  一番先に思い付くのは、気象衛星「ひまわり」です。  「天気予報なんか信じないヨ!」とか言っている人でも、大型の台風が接近すれ  ば、台風情報ぐらいはチェックするでしょう。台風の接近を事前に察知し、対策を  講じることが出来るのも、元を正せば宇宙開発のたまものです。  また、放送衛星(BS)で、いまは「BSデジタル」とかいう、凄く便利そう(利用した  ことがないんで)な物まで開発されました。  また、通信衛星の整備により、世界中の情報がリアルタイムでお茶の間に届くこと  も実現されています。  他にも沢山ありますが、気付かないところで宇宙開発の恩恵を受けているのです。  フライパンで馴染みの深いテフロン加工も、宇宙開発のたまものなんです。  以前、北朝鮮の「テポドン」騒動の後に計画された、「情報収集衛星」も平成14年  度に種子島より打ち上げる予定です。  こんな衛星、他の国が打ち上げてくれるはずもありません。  国家の威信でロケットを打ち上げる時代は、冷戦と共に終わりました。  だからこそ、これからは商業利用の時代なんです。  日本は、戦後の数年間、アメリカに航空宇宙の研究開発を禁止され、大幅な遅れを  取っていました。H2ロケットまでは、アメリカ製のロケットを日本で組み立て打ち  上げる、仕組みも分からないという、技術者にとって屈辱的な日々が続いていまし  た。  ロケットの歴史は、飛行機の歴史に似ています。  1903年、ライト兄弟が初めて発動機付飛行機を成功させてから約100年、今では飛  行機無しでは成り立たない社会になっています。  今、H2Aロケットは世界トップクラスの性能を誇ります。数万人にも及ぶ技術者の  汗の結晶です。  いずれ、「ロケット」というモノはなくなると考えていますが、宇宙は社会に取っ  て欠けがえのないものになる日も近いと思っています。というより、すでになって  ます。  合理化、経費削減、サービス、競争、シェア争い、宣伝力という物の何が悪いのか  は私には分かりません。  宇宙というのは、無限大の可能性を秘めている場所です。だからこそ、その可能性  を地球という矮小な空間にひしめきあっている生き物達にも分け与えなければなり  ません。  地球上ではいつになっても戦争が終わりませんが、宇宙では既に手を組み始めてい  ます。全16か国が参加している国際宇宙ステーションがその代表です。  ロケットは、未だに完成されたものではありません。完成されたロケットというも  のはあり得ないんです。だからこそ、多くの人々が日夜努力しているのです。  毛利宇宙飛行士の言葉は、ナショナリズム(国粋主義)でも何でもありません。  オリンピックで日本の選手を応援することや、甲子園でふるさとの高校を応援する  ことと同じ心理でしかありません。それはナショナリズムですか?  平成13年8月29日16時に打ち上げられたH2Aロケット試験機1号機は、これからの宇  宙開発において、大きな一歩になったことは間違いありません。 ---------------------- 後日、別便で「本当はまだ言い足りない」と言ってきて「日本の人工衛星を他国のロ ケットで打ち上げると、結局ロケット一本分の費用がかかります。ならば自分で作っ たほうが、何かと融通が効く」などと言いたいことはまだまだあるようで、全部言い 切ると丸一日かかるようなので抜粋なのだそうです。 ━●編集後記━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ★私は、割と保守的な考えをする方で、最初にテラフォーミングの事を知った時、か なり否定的にとらえていた。 地球を離れてまで生きる? そうまでして生きなくちゃならないのか? 地球で生ま れた私たちは地球で完結すべきなんじゃないか。そう考えていた。 今でも感覚的にはそういう思いだ。私は火星移住の機会があっても行かない。地球居 残り組として地球の土にかえりたい。 でも、テラフォーミングの話を3週に渡って書き進むうちに、テラフォーミングって いうのは、出来る出来ないは別として、これって“あり”だなぁって思うようになっ た。 1903年にライト兄弟が初めて有人飛行で数十メートル飛んで百年。いまや火星有 人飛行を目指すまでになった。 ヒトが宇宙空間に頻繁に行くようになって、今では小学生からお年寄りまで、宇宙に ぽっかり浮かぶ地球を、ニュートンよりもガリレオよりもリアルに思い浮かべる事が できる時代だ。 この変化は人類の“進化”だと思う。 ところで……火星のような地球と比べて低重力の星に滞在したらもう地球では生活で きない体になるのは判るけど……地球より高い重力の星に滞在したらどうなるんだろ う。 首や足が太くなる? 地球に戻ってきてみたら体が軽くてピョンピョン跳ねて歩く? 高飛び記録が更新される? ★「やまねこ通信E=MC二乗」では、あなたからの投書を受け付けています。  動物・植物・環境・宇宙・時間・哲学このメルマガの趣旨に合うような投書を  気軽にメールに書いてね。  過去に取り上げた記事からの話題も歓迎しています。 ★みなさんの中にメールマガジンを発行している方はいませんか?  相互で宣伝しあいませんか?  連絡ください。 それじゃ、今週はここまで。 あなたのお便り待ってるよ。 daichi-m@phoenix-c.or.jp じゃね。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 夕食時、食欲がない。 原因は昼食時の食べ過ぎだった。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ○週刊 やまねこ通信E=MC二乗 vol.45  2001年11月2日発行 http://www.phoenix-c.or.jp/~daichi-m/yamaneko/yamaneko.htm ○発行編集者 みかりん daichi-m@phoenix-c.or.jp ○発行システム: ◆インターネットの本屋さん「まぐまぐ」ID:0000052530 http://www.mag2.com/ ◆メルマガ発行サービス「メルマガ天国」ID:3743 http://melten.com/ ○登録/解除 http://www.phoenix-c.or.jp/~daichi-m/yamaneko/yamaneko.htm ○週刊やまねこ通信は、素人みかりんが趣味で発行しているもので、情報の正確さに はまったく自信がありません。引用して弊害が起きても責任は持てないよ。 それから誤字脱字変換ミスは大目に見てね。気を付けるけれどさ。えへ。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━