2001/1/5━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 幽玄の森羅万象の散歩道 動物行動学からの性♂♀の話・動物・植物・環境・宇宙・時間・哲学 興味のおもむくまま“みかりん”の しゃべりんぐ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━目指せ1万部! ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆        週刊 やまねこ通信 E=MC二乗                                vol.5 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ あけましておめでとうございます。 みかりんです。 今年もどうかよろしくお願いします。 今年の干支は蛇です。年男、年女の方、おめでとうございます。 いえ、私は蛇年ではありません。 でも飼い犬が蛇年という事に気付きました。 蛇年の犬っていうのも変なかんじですね。 新しく登録して下さった人、はじめまして。 バックナンバーがあるので、ここ↓チェックしてみてね。 http://www.phoenix-c.or.jp/~daichi-m/yamaneko/yamaneko.htm ━■宇宙人と出逢う可能性の話━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 地球以外に生命をもつ天体はないのだろうか? 生物には水が必須だ。まず地球の他に水をたたえる事の出来る惑星の可能性を考えて みよう。 水を摂氏100度以上に熱すると蒸気になってしまう。0度以下になると氷になってしま う。水という分子が液体のままでいることの出来る状態は1気圧という圧力のもとで は0度から100度のあいだだ。圧力が下がれば水の沸点は下がり、100度以下の水でも 蒸気になってしまう。十分に圧力が下がった状態では水は液体にならずに氷から直接 蒸気になる。 だから私たちになじみ深い「液体の水」というものは宇宙空間では珍しいものと考え た方が良さそうだ。 木星や土星の衛星には水の分子を持っていても氷として存在している。火星の南極北 極にも氷がある。地球より遠くにある太陽系の天体では水は氷になってしまっている ようだ。 地球のすぐ内側の金星では氷も水もみられない。金星の気圧は90気圧。地表の温度は 500度。だからたとえ水の分子があったとしてもみんな水蒸気になってしまってい る。水星に至っては太陽に照らされた表面温度は430度にもなる。 地球はさまざまな条件が重なり合い、大気で覆われていて地球が冷えるのを防いでい る。地球環境は微妙なバランスのうえに保たれていて液体の水が存在するのである。 地球の位置が15%太陽に近くても5%遠くても液体の水は存在しないんだ。 距離だけじゃない。星の大きさも関係がある。太陽が5倍の質量をもつなら明るさは 500倍。すると暑すぎるので冥王星くらいの距離がちょうど良くなる。しかし、それ は難しい。太陽が5倍の大きさなら寿命は1億くらいと言われている。1億年では文明 発達にはどう急いでも間に合わない。 太陽が半分の大きさでもまずい。4%程の明るさしか望めなく、すると太陽に近くなく てはならない。近すぎる惑星は太陽の潮汐力によって自転と公転周期が一致してしま う。昼と夜が長すぎて昼が暑すぎ、夜が寒すぎ、生命に非常に厳しい環境になる。 どうも地球の大きさも申し分ないらしい。地球の10倍の大きさの惑星では原始太陽系 のヘリウムガスや水素を重力が取り込み、そういったもので覆われた木星のような巨 大惑星になってしまう。 地球より小さな惑星では大気のガス分子が宇宙空間に逃げていきやがて大気がなくな り、海もなくなってしまう。 太陽系の9つの惑星の中で地球だけが液体の水が存在する条件を備えている。 それでは太陽系外に地球と同じ様な条件を満たす星があるのだろうか。 私たちの銀河の中には約1000億もの太陽と似た星があるからこれらの中には地球のよ うな条件を備えた星もあるかもしれない。 そういう恵まれた条件の惑星が“ある”と仮定しよう。 しかし! あったとしても、高度の文明が継続している期間が短いと思われるから、 まだ高度文明を発達させていないか、高度文明が滅びてしまっているかのどちらかと 考えるのが自然だと思う。私たち人類にしても文明と呼べるような段階はここ数百年 あるかないか。この先どのくらいの未来があるのかはたして自信はない。 今この時を同じくして行き来できるような文明に出逢うっていうのは、私たちの存在 自体が奇跡的なのにこれにもうひとつ奇跡を掛け合わせなければならないくらいの確 率だということ。 そして奇跡が起こりお互いに存在を認識したとしてもあまりに遠いので、電波を使っ た交信をしたとしても 「こんにちは」 「あら、まぁ、はじめまして」 このくらいのやりとりをしているあいだに時が経ち、我々か宇宙人か、またはふた 方、文明が滅びてしまっていることだろう。 ━■動物行動学からの性♂♀の話 (5)━━━━━━━━━━━━━━━━━ 「あぶれ雄にならないために」 動物の派手な求愛行動は、雄がすることが多い。鳥をはじめとして求愛ソングという のがその典型でテナガザルなども一生懸命歌う。何故それにエネルギーを費やすのだ ろう。ちょっとした動きで伝えることができれば経済的なのに。 雌は何をみているかというと、健康でなければたくさんの歌がうたえないというこ と。一生懸命歌うのを聞けば、あいつは健康なのか。だったら交尾してもいいか。と 思うのだ。 鳥でも哺乳類でも一般的に雌の買い手市場だ。だからあまり雄は選べない。基本的に は雌100頭でも雄1頭いたらいいようなもの。あとの99頭はいらない。だから雄は一生 懸命だ。 あとの99匹は遺伝子の多様性のためにあるなんていうと困るかな。 野生動物にはあぶれ雌はあまり存在しない。雄は雌ほど選り好みをしないから。 発情している雌ならどんどんOK。怒らないで。野生動物の話しをしてるんだから。 だからヒトの一夫一婦制はあぶれ雄を救うための救済策とも言えるよね。 で、ヒトの不便なところは、例えばウインクして求愛行動をしても事務所で仕事をし ている最中では目が痙攣しているのかとしか思われない。発情期が決まっている動物 は分かりやすいよね。 その点昔の伝統社会のお祭りのときに、非日常を演出して男女が一気に相手を見つけ て 茂みに入っちゃうっていうのは、とても合理的だったかもしれない。 恋愛っていうのは、とても呪術的で霊的なもので目に見える世界じゃなくてもうひと つ向こう側にあるものに語りかけて、フィットした時にうまくいく。だからお祭りの 時を利用するのはとても効果的だったと思うんだ。 目に見える世界というのは、相手との距離が要求される。離れなかったら見えないん だよね。相手の胸に顔を埋めちゃったら見えないんだ。言葉は振動して入っていくか ら言霊という魂の部分で通じるんだ。 ある未開社会での話。男が「私は美しい。私は輝いている」と自己暗示をかけ、初め から相手と一番繋がっている状態をイメージして、未来の理想状況に自分を飛ばして から出掛ける、という話しがある。 男がおっかなびっくりではなく、確信を持ってその状態で話し始めると意外にうまく いくものらしい。 だからたぶんに呪術的なものなんだよ。そうやって相手のドーパミンやエンドロフィ ン等の快楽物質を出してしまえば相手は分析が止まってしまい、一度出ると30分くら いもつからその間はヘマしても大丈夫。30分したらまた出すようにし向ければよい。 ということらしいよ。 ━▲やまねこ投書箱━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 今回は3通紹介。 まずはikekunさん。 --------------------------- [ikekun]  消費者が今の『環境破壊の代表&使い捨て文化』をつくってしまったのかもしれま  せん。 たとえば、友達がお店を始めたときに、よそのお店よりすこし高くても買ってあげ  ることってありますよね。そのうち、お店が繁盛してきて、安くできたり、店員  サービスがよくなったりと・・・。産業や商業を支えたり発展させているのは、  私達ひとりひとりだから、少し高くても買おうとおもっています。 --------------------------- ikekunの主張はもっともなのだけれど、経済というものは、それそのものだけで生き 物のようだと私は思うのです。 安い物に人が群がるし、便利なものが売れる。20世紀後半をリードした軽薄短小技 術は、経済がその駆動力となった時代です。 でも私たちが経済を活性化させるために生きているような、主客転倒した現象はどう したものだろう。 私たちのための経済ではなく、経済のための私たち……。 次にRoidさんから「タイムマシンで光速を越える事について」の投書を。 --------------------------- [Roid]  理論物理によれば質量が虚数であるもしくは負である物体ならば光速を  越えられるのです。この質量が虚数の粒子はタキオンと呼ばれています。  つまりタキオン、もしくはタキオンで出来た物は光速を越えられるのです。  しかしここで勘違いしてはいけないのはタキオンで出来たロケットに  乗っても我々は光速は越えられないという事。なぜなら私たちの体は  正の実数質量なので高速度絶対の原理に引っかかるのです。  またタキオンはあくまで理論物理の世界での話で実験によって発見されては  いません。理由はタキオンは虚数質量であるため、虚数空間、虚数時間の中  でしか存在できないためです。しかし最新の宇宙物理学による宇宙誕生の  シナリオによればビックバン以前の超初期宇宙は虚数時間により始まって、  実数時間に転移するとともにビックバンが起きたらしい。だからビックバン  以前にはタキオンがこの世界にあったかもしれません。 --------------------------- えっと。ややこしい話しだから、苦手な人はここは飛ばして読んでね。 タキオンっていうのは、光より速く走る粒子のことなんだ。 光より速く走るものはないとアインシュタインは言っていって、それを根底において 相対性理論を組み立てていったんだけれど、厳密にいうとちょっとニュアンスは違っ ていて「光速度より遅い粒子を加速しても、光速になることができない」ということ なんだ。 「質量を持つ粒子を、加速する為のエネルギーが、粒子の速度が光速に近づくと、際 限もなく増大するから」なのです。 で、光速より速く走っている粒子(タキオン)があるとすれば、それは特殊相対論に は矛盾しないという事で、「ある」と仮定して話しを進めているんだよ。 タキオンを発見した! という報告はあるけれどどれもこれも眉唾ものらしい。 んでは、次の投書。ゆにさんは暦について語ってくれました。 --------------------------- [ゆに]  暦って、いろんな要素を抱えていると思います。たとえば:  ●「宗教的」要素  (西暦、皇紀、イスラム暦、二十八宿、黄道十二宮、など)  ●「天文学的」要素  (春分、秋分、夏至、冬至、「学問的な」太陰暦/太陽暦…)  ●「生活密着型」要素  (如月=「着更着」で、重ね着しなきゃやってられん、の意だとか。  四季も、生活のなかで認知された「暦的要素」のひとつだと思います)  で、我々の生きている毎日ってのは、  こうしたいくつもの暦(とその要素)が成す多重奏なんです。  「プリントするのは西暦だよなあ」と年賀状図案を考えつつ、ふと  冷たく冴えた十五夜の月を見遣ることだってできます。  午後4時なのにもう暗いやと思った瞬間、「冬至」という言葉が  脳裏を掠めたりもします。  いくつもの独立なサイクルをもった暦とその要素が重なり合い、  きょうという、24時間から成る単位に意味を与えてゆく。  これって結構いいな、って思うんですよ。  人工的な区切りも棄てたもんじゃないです。 --------------------------- まっ、そうなんだけれどね、マスコミがあんまりミレニアムって騒ぐからさ、おいお いちょっと待てよ、世紀末って言ったってキリスト歴じゃん、日本は今回初めて世紀 末を迎えるんだよって、あんまり騒ぐなよっていう意味で前回書いてみたんだ。 私は個人的に「天文学的要素」ってのがとてもしっくりいきます。 現在、国際宇宙ステーションに長期滞在中の米ロ3人の宇宙飛行士たちは、12月31日 にグリニッジ標準時正午に太平洋のフィジー上空で最初の新年を迎えるのを皮切り に、新世紀を告げる“日付変更線”を合計15回越える計算になるという。 つまり彼らは20世紀に14回逆戻りをして、20世紀と21世紀を行ったり来たりす るんだ。 ステーションでの新世紀入りをいつと認定するかは「科学的な命題」として活発な論 議をしているという。 時間を人工的に区切るとこういう妙ちくりんなことになってしまうんだ。 地球時間をそのまま宇宙に持っていくことは、無理なんだと思うよ。 これから宇宙に出ることが多くなると、今までとは違う時間観が必要となるだろう。   ━●編集後記━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 「宇宙人と出逢う可能性の話」「動物行動学からの性♂♀の話」が思いのほか話しが 長くなってしまった。で、紙面の長さの都合上「みかりんの叫び」はお休みします。 「動物行動学からの性♂♀の話」は、方向が雄のための恋愛論になってしまった。 (笑) 次回は「奇妙なものを好む雌」です。 「宇宙人と出逢う可能性の話」を書き終えた頃、ちょうど立て続けにNASA発表の 宇宙系ニュースがふたつ話題になったんだよ。(去年の12月) 17日に木星最大の衛星「ガニメデ」の表面を覆う分厚い氷の下に(150km〜200km) 塩水の海が(数千m)存在する可能性が高いと発表したんだ。無人木星探査機ガリレ オで分かった。 もうひとつは18日発表で「火星から地球に飛来した隕石の中から、微生物によって作 られたとみられる磁鉄鉱の結晶を発見した」というもの。 火星の原始的な生物が存在していた痕跡をうかがわせる「説得力ある証拠」だとNA SAは言っている。 「宇宙には、私たち地球以外の生物がいない。私たちだけなのだ。」と思うことは、 とてもとても寂しくてたまらないことなのだろうか。 だからこんなにも、たとえ微生物でも他の星に生命の可能性があったかもしれない 「痕跡」が話題になり動揺するのだろうか。 それもわかるけれど、目の前の「私たちの」微生物や動植物やすべてのものにもっと もっと目を向けてみようよ。 真っ黒な宇宙にポカッと浮かぶ私たちの青い星。 紛れもなくこの宇宙から生まれた私たち。 他にもいるかも知れないけれど、出逢う可能性はないに等しい計算だ。 私たちしかいないのだ。と思った方が、今、目の前にある様々な命がもっといとおし くなる。なんて奇跡的な成り立ちで今ここにあるのだろう。このことに感動出来るみ ずみずしい心を大事にしたいんだよ。 ★「やまねこ通信E=MC二乗」では、あなたからの投書も受け付けています。  動物・植物・環境・宇宙・時間・哲学このメルマガの趣旨に合うような投書を  気軽にメールに書いてね。 ★みなさんの中にメールマガジンを発行している方はいませんか?  もしよかったら相互で宣伝しあいませんか?  連絡ください。 それじゃ、今週はここまで。 あなたのお便り待ってるよ。 daichi-m@phoenix-c.or.jp じゃね。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ パソコンの中に馬具がある……。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ○週刊 やまねこ通信E=MC二乗 vol.5  2001年1月5日発行 http://www.phoenix-c.or.jp/~daichi-m/yamaneko/yamaneko.htm ○発行編集者 みかりん daichi-m@phoenix-c.or.jp ○発行システム:インターネットの本屋さん「まぐまぐ」 http://www.mag2.com/ ○登録/解除 http://www.phoenix-c.or.jp/~daichi-m/yamaneko/yamaneko.htm ○週刊やまねこ通信は、素人みかりんが趣味で発行しているもので、情報の正確さに はまったく自信がありません。引用して弊害が起きても責任は持てないよ。 それから誤字脱字変換ミスは大目に見てね。気を付けるけれどさ。えへ。