2002/1/25━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 幽玄の森羅万象の散歩道 動物行動学からの性♂♀の話・動物・植物・環境・宇宙・時間・哲学 興味のおもむくまま“みかりん”の しゃべりんぐ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━目指せ1万部! ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆        週刊 やまねこ通信 E=MC二乗                                vol.56 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ こんにちは。 みかりんです。 南半球で観る月は、欠け方が北とは逆なんだそうです。 南半球では、お風呂の残り湯を穴から流す時に、穴に吸い込まれる水の渦の向きも 逆向きなんだそうです。 朝顔などのツル植物も逆巻き? 南半球に行ったことある方、または滞在している方、レポートして下さい。 新しく登録して下さった人、はじめまして。  ここに↓バックナンバーがあるよ。『内容一覧』という所をクリックしてみて。 http://www.phoenix-c.or.jp/~daichi-m/yamaneko/yamaneko.htm ━■リスの橋の話━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ エゾリスが交通事故に遭わずに、道路をまたいで林を行き来できないか。 こんな発想で生まれた「リスの橋」を主要テーマにした研究会が札幌で開かれた。 おそらく世界で初めての集まりで、北海道内外の野生動物の研究者や土木技術者ら 約30人が意見を交わした。 リスの橋世界第一号は7年前、札幌市北区の防風林を分断する片側二車線の道路に架 けられた吊り橋。 網走管内斜里町では2年前から、ロープの橋を試みている。 未知の分野だけに、報告はどれも“世界初”なんだ。 研究者は観察から、リスは木の幅に応じて足の向きを変化させ、尾でバランスを取っ ている様子を紹介し、その上でエゾリスの場合、最少の棒は2cmの角材で十分と報 告。 姿がさらされる「リスの橋」ではカラスに襲われる危険があるけど、釣り糸を橋に平 行に張ると有効だった。 北海道では、雪や氷を道路に落とさない「リスの橋」の工夫や、その原因となる風対 策も欠かせないと、土木技術者から指摘された。 共通する課題は、リスを橋までどう誘導するか。 生態と技術を組み合わせる奥深い世界だ。 ━●みかりんの叫び━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 「光速移動と幼児用三輪車」 もともと「宇宙」っていう言葉は、現代の私たちが使っている「地球の外側の世界」 ということではないんだ。 二千年も前の中国の書物「淮南子(えなんじ)」によれば、『宇』は空間の広がり、 『宙』は過去から未来につづく時間の広がりのことだ。 で、この身近な『宇』(空間)である、太陽と地球の関係を、科学的事実に即した スケールでビデオで映像化するととても難しい事になるんだ。 仮に地球を1mmまで縮めると、太陽は10cm。 マッチ棒の先ほどもない小さな青い点(地球)が、夏みかん(太陽)を中心にめぐる ことになる。 しかもこの2つの距離は10mも離れているんだ。 真っ暗な空間にポツンと浮いている夏みかんと1mmの青い玉。これをビデオカメラに ひとつの画面上におさまるように撮っても映るのはかすかな点ばかり。 これで宇宙を感じることは出来ない。 『宙』(時間)はどうだろう。 カメラを地球から火星に移動させる場合を考えてみよう。 地球と火星の距離はもっとも近づいた時で5600万km。これは光で3分を要する距離 だ。 「どんなものも光より早く移動できない」という法則に従って、光速でカメラ移動す る事を想像してみよう。 最初にチラッと見える地球は一瞬の内に視界から消え失せ、何もない宇宙空間が3分 続き火星が現れる。 移動中、背景の星はあまりに遠くにあるから微動だにしないんだ。 これではカメラが移動しているかどうかもわからない。変化のない画面を3分も見続 ける事が出来るほど現代人は忍耐強くはない。 だから3分を10秒くらいで移動させる……。 と、NHKのCGを使った映像担当の人が書いていた。 私は、実際のスピードが増せば増すほど、体感としてのスピード感は反比例するので はないかと思っている。 宇宙ロケットは、とてつもなく速い速度で移動する乗り物だ。地上のどの乗り物より も早いだろう。でもそのスピード感のなさと言ったら…。星から星へ移動中、まわり の風景である星々は、微動だにしないし、同じ風景が何分も何時間もことによったら 何年も続くんだ。それでも光速に近い速さで移動しているという。 光速移動とは、なんて退屈なんだろう。 それは、景色の視点ともなる星々があまりに遠くにあるせいだ。 もっと近くに景色があればスピード感は増すよ。という意見にも反対だ。 近くに景色があったらあまりの高速移動のため景色のすべての色は混ざり合い、灰色 となって何も見えず、退屈でスピード感のカケラもないだろう。 時速20kmで走る幼児用三輪車に乗ったらどうだろう。 目線が地面に近いし、守ってくれるガラスも防風もない、道路の小さなデコボコは拾 うし、それはそれは体感としてのスピード感はあるだろう。 迫力だろうなぁ。爆走する幼児用三輪車。(笑) 宇宙の話から、光速で移動する乗り物よりも低速幼児用三輪車の方が、迫力があるか も……という妙な結論になってしまった。(笑) ━▲やまねこ投書箱━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ [かとれあ]  やまねこ通信のvol.55を読みました。クマムシってすごいですね。  これを読んでいたら乾燥ひじきや乾燥わかめを水に戻して食べるのを思い出しまし  た。クマムシは水につけると生きてしまうのですものね。  丸干しイワシやヤツメウナギは水につけても生き返りません。丸干しイワシは  いくらか塩漬けになっていますが、クマムシの耐塩はどのくらいなのでしょうか? ------------------------------ クマムシはもの凄い生命力です。私も初めて知った時、とてもとても驚きました。 クマムシの生命力は常識を越えているけれど、でもヒトの常識なんて狭い規範の中の ことなんでしょうとも思うんだ。 調べても耐塩実験はなかったけれど塩漬けにしたらもっと長持ちしそう。(笑) 「大学では主に仏教・道教、中国哲学、世界宗教史などを学んでいました」という方 の投書と、哲学は文学・医学・科学、どうかすると数学も含むという投書を2通続け て紹介。 ------------------------------ [青嵐透]  アラブの紛争がここまで泥沼化しているのは、間違いなく石油の利権が絡んでいる  と思います。  ユダヤ教・キリスト教・イスラム教は、とても厳しい宗教です。それは確かに風土  が影響しているでしょう。  でも、仏教の発祥地・インドだって決して豊かではありません。雨が降れば簡単に  河が氾濫し、湿潤な気候は疫病を引き起こします。  それでも、あの仏教を生み出したのです。仏教はどちらかというと、世界中にある  ネイティブの思想に近いものを持っていると思います。  宗教史の観点から見ると、中東発祥の一神教は物凄く妙なものです。これほど不寛  容で、容易にジェノサイドを引き起こしてしまう思想はありません。 ------------------------------ [なかお]  Vol.55編集後記で「哲学」云々の話は,全くその通りとひとり首肯しました.  古代ギリシアでは学問一般を指すPhilosophiaが諸科学の文化に伴って主に世界・  人生・思考の 根本原理を追及する学問として独立したのは,人類の歴史から  鑑みてごく最近の話でしょう.  20世紀初頭までは,大学の組織も哲学科の下に文学・医学・科学などがあったとい  うことです.   因みにQueen's Univ.(Canada)では現在も数学科は芸術学部に所属しているそう  です. ------------------------------ 私は、数学、語学、社会学、科学、宗教学、等、他にもあるゆる分野の学問、または 芸術は最終的には哲学に行き着くと思っているんだ。 物事を極めていくと真理に行き着く。または真理の壁にぶつかる。 入り口は違っても、行き着くところは同じなんだ。 入り口がたくさんあるのは、人それぞれ得意分野が違うため。だから誰にも真理に近 づくチャンスがあるんだ。 前号で私は、アボリジニやインディアンのようなネイティブな人たちの精神世界が好 きと書いた。 ちょっと話は飛ぶけれど、アイヌの人の言葉とアマゾンの奥地の人の話を紹介する ね。 アイヌの人の言葉。 「人間の義務はね、万物の霊長としてすべての生き物のために祈る事なんだよ」 「それが、天と地の間に垂直に立つことのできる人間の役目だ。祈り、すべての生命 の魂を天に送ることが人間の義務なんだ。神はそのために人間を守ってくれるんだ よ」 アマゾンの奥地の集落に居着いて、何ヶ月か一緒に暮らしてうち解けた日本人の話。 その日本人が帰るって事になって、みんな名残惜しがってくれて 「また来て」って言うから、 「必ず来るよ。で、今度来る時おみやげを持ってくるよ。何がいい?」 って聞いたんだ。 そしたら人々は口々に「子犬。かわいい子犬が良い。」って。 その人はびっくりしたんだ。 当然、ライターとか鍋などという答えを予想していたから。 そこの集落にも何頭か犬がいるけれど、そのアマゾンの人と犬との関係を見ていたか ら2重の意味で驚いたらしい。 そこの人たちは採集狩猟生活だ。 狩猟に犬も連れて行くんだ。でも別に犬に何を期待するでもない。鳥を矢で討つ。 犬が茂みの中に入って行く。しばらくすると犬が口の周りを真っ赤に血に染めて、 ケロッとして茂みから出てくる。食べちゃったんだ。 唖然とする人間達。生活がかかってるから犬を叱るし罵倒するんだけれど、でもまた 気を取り直して猟をするんだ。 で、まぁ犬を可愛がっているんだね。ペットなんだ。 その日本人は、アマゾンの人たちがライターや鍋が欲しいのかと思っていた。 それはおごりだね。 誇りを持って文明の便利さを拒否しているんだ。 数ヶ月一緒に生活して判かり合えたと思っていたのも勘違いだった訳だ。 やっぱり文明の恩恵は、便利で凄くて羨ましくないわけがない。と思っていたんだ な。 同じ目線で生活していたつもりだったけれど、どこか一段を高いところに自分を置い ていた事に「子犬」と言われた時に気付いたわけだ。 火はライターなんて使わなくても木で起こす技術さえ身につければ良いし。 鍋なんかなくたって石や葉っぱで充分だし。 何が欲しいって言われて、ライターよりも、犬。しかもペットとしての。 余裕というか、媚びないというか。凄い。 見せかけの便利に惑わされない価値観を持った人間がまだ地球上に存在している。 私たちは、この資本主義の競争社会に生まれ育って、便利という不便の中で生活する 事に過剰適応してしまっている。もうこのような人達のようには出来ない。 でも、こういう人達がまだ存在しているという事は、人間としてなんて心強いんだろ うって。 羨ましくも頼もしくも思うんだよ。 ━●編集後記━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ★「リスの橋の話」は、エゾリスの交通事故対策だけど、エゾシカは、よく列車事故 の被害にあう。 列車とエゾシカの衝突事故は、ここ数年で年間600件を越えて多発していてJR北海 道を悩ませているんだ。 冬はシカが餌を求めてレール近くに出没するため、さらに衝突が増える時期。 JR北海道では、レールのまわりにネットを張る、レール沿いに列車のヘッドランプ を反射する反射板を設置する、頻繁に警笛を鳴らす、など対策を進めているけど あまり効果は出ていないんだ。 ★ちょっと前に、日本人の短頭化が700年ぶりに止まったというニュースが新聞紙上 に載っていたね。 頭の形の話。真上からみて、前後に長いのが「長頭」で横幅が広いのが「短頭」。 今後は、欧米人のように長頭化する可能性があるらしい。 日本人の頭は、縄文時代から長頭化傾向にあって鎌倉時代に真正の長頭型になる。 でもそれ以降一貫として短頭化が進んだんだ。 日本人の骨格は時代と共にかなり変動しているらしい。 身長は、弥生、古墳時代と伸びたけれど、江戸後期には史上最低に。明治以降再び高 くなって1950年代に急速に伸びた。 鼻は縄文時代が高かった。最も低かったのは鎌倉、室町時代。 近年ではどんどん高くなっているらしい。手足も長くなっている。 足のサイズが大きくなったのは、歩く量が減ったためらしい。よく歩いた足はカルシ ウムが足の骨を厚くする方向に使われるらしい。 それが長くする方向に使われているという。 私たちは「進化」しているんじゃなくて「変化」しているんだな。というのが実感。 興味深い記事だったんで紹介。 ★「やまねこ通信E=MC二乗」では、あなたからの投書を受け付けています。  動物・植物・環境・宇宙・時間・哲学このメルマガの趣旨に合うような投書を  気軽にメールに書いてね。  過去に取り上げた記事からの話題も歓迎しています。 ★みなさんの中にメールマガジンを発行している方はいませんか?  相互で宣伝しあいませんか?  連絡ください。 それじゃ、今週はここまで。 あなたのお便り待ってるよ。 daichi-m@phoenix-c.or.jp じゃね。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ すっごく空気が澄んでいた日。遠くの山まではっきり見えた。 だからと言って遠くの山から私は見えないんだ。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ○週刊 やまねこ通信E=MC二乗 vol.56  2002年1月25日発行 http://www.phoenix-c.or.jp/~daichi-m/yamaneko/yamaneko.htm ○発行編集者 みかりん daichi-m@phoenix-c.or.jp ○発行システム: ◆インターネットの本屋さん「まぐまぐ」ID:0000052530 http://www.mag2.com/ ◆メルマガ発行サービス「メルマガ天国」ID:3743 http://melten.com/ ○登録/解除 http://www.phoenix-c.or.jp/~daichi-m/yamaneko/yamaneko.htm ○週刊やまねこ通信は、素人みかりんが趣味で発行しているもので、情報の正確さに はまったく自信がありません。引用して弊害が起きても責任は持てないよ。 それから誤字脱字変換ミスは大目に見てね。気を付けるけれどさ。えへ。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━