2002/2/1━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 幽玄の森羅万象の散歩道 動物行動学からの性♂♀の話・動物・植物・環境・宇宙・時間・哲学 興味のおもむくまま“みかりん”の しゃべりんぐ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━目指せ1万部! ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆        週刊 やまねこ通信 E=MC二乗                                vol.57 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ こんにちは。 みかりんです。 北海道から鈴木宗男なんか選出してごめんなさい。 雪印がたび重なる不祥事をしてごめんなさい。 雪印乳業と雪印食品は系列会社だけど別会社です。 せめて乳製品は、ボイコットしないで下さい。 道民のひとりとして全国の皆様にお詫び申し上げます。 新しく登録して下さった人、はじめまして。  ここに↓バックナンバーがあるよ。『内容一覧』という所をクリックしてみて。 http://www.phoenix-c.or.jp/~daichi-m/yamaneko/yamaneko.htm ━■天体衝突の話━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 今では、恐竜絶滅の原因は、地球に彗星が衝突して環境が激変して、その頃のほとん どの生命が絶滅したという説が、最も有力で最も有名だ。 だから彗星が地球に衝突することは、ほとんど世界の終わりのようなイメージがあ る。 もし、近未来、彗星が接近することにでもなったらどんな事をしても阻止しなければ ならない。何故なら、それは災いしかもたらさないからだ。 そう考えられていた……。 最新の研究では、現在の豊かな地球環境は、天体衝突あってこそ。なのだという。 アメリカのオクラホマ州。この農場地域にアメリカ有数の産出量を誇る大油田地域エ イムズ油田がある。 エイムズ油田は1990年年代に生産が本格化した新しい油田だ。エイムズ油田にはこれ まで100本近くの石油井戸が掘られている。この井戸の位置を地図上に記してみる と、不思議なことに井戸が円を描くように掘られているんだ。 新たに石油が噴き出した井戸もこの環の中にある。 これは天体衝突で出来た岩石の隙間に、膨大な石油が蓄積されたと考えられているん だ! 北アメリカでは、17ヶ所もの油田からクレーターが見つかっているんだ。 メキシコのユカタン半島のクレーターは、恐竜が絶滅した時のものとされている。 そしてこのメキシコ湾の油田は、世界最大級の産油量を誇るんだ。 ユカタン半島への衝突による大地震が、すべてを粉々にして石油をとらえる層を形成 したと考えられているんだ。 だからさらに世界中で調査が進めば、クレーターに由来する巨大油田が発見される可 能性は十分にある。 油田以外にも地球上の様々な鉱山や鉱床でクレーターが見つかっているんだ。 カナダのサドベリー・クレーターは、四国ほどの巨大クレーターだ。このクレーター は、世界最大級のニッケルと銅の鉱床として知られている。 約1億8000万年に起こった天体衝突は、数万立方キロの地殻を溶かし、その中から 銅、ニッケルがクレーターの底に落ち着き、巨大な鉱床となったらしい。 南アフリカのブレフォート・クレーターは北海道ほどもある世界最大のクレーター だ。 ここでは数多くの金とウランの鉱山を生みだしている。この地域の金の産出量は、 他の金鉱のすべてを合計した量よりも多いんだ。 天体衝突が起きると、岩石が割れ、クレーターが生まれる。その時、衝突のエネル ギーは地球に膨大な熱をもたらす。比較的小規模な衝突であっても、地球の内部エネ ルギーよりも多くのエネルギーをもたらすことがあるんだ。 そこに水が入り込むと、加熱された水や水蒸気からなる熱水系といわれるものが形成 される。 熱水系は地下で鉱物を移動させ、再び堆積させ、鉱床を作り出す。 発見されたクレーターの3分の1には、経済的に利用できる何らかの地下資源が見つ かっている。 地球の歴史は、天体衝突を受け続けてきた歴史でもある。 月を見て欲しい。クレーター跡だらけだよね。 地球は月よりも標的として大きいので衝突の数も多いんだ。ただ地球のクレーター は、地表に活発な活動があったり、常に浸食されていたり、土砂が堆積して地下に埋 もれてしまったりで、今まで良く判っていなかったんだ。 今は、地下に埋もれたクレーターを発見する技術が発達して、年間5個は発見されて いる。2000年末の段階で169個確認されている。最終的には5000個以上になると考え られているんだよ。 これまでの太陽系の理論から考えると、衝突は時代が経つに連れてだんだん収まって いくと考えられていたんだ。 これは、太陽系内に太陽系が誕生した当時の残骸があって、それが地球にぶつかると 考えられていたからなんだ。 しかし、様々な分析の結果は、奇妙なことに、4億年前から急激に増えているんだ。 その増加率は急激で、それまでの3〜4倍に上る。 そしてカルフォルニア大学のマーラー教授はこう考えているんだ。 「天体衝突は破壊をもたらしただけではなく、生物の多様な進化を引き起こしたので はないか」 衝突のグラフに、地球上に生存している生物が種を増やしてきたグラフを重ねると、 ふたつのグラフは不思議な一致をみせるんだ。 「天体衝突のような大変動を生き延びるには、新たな感興に適応する柔軟性が必要と なります。そのためには、知性を持つことが有利に働きます。天体衝突は、生物の感 興に対する柔軟性、ひいては知性を高める方向へ進化を進めていったかもしれませ ん」 天体衝突あってこその私たちだし、豊かな資源だし、という事らしい。 宇宙とは、破壊的エネルギーと豊饒は、裏表なのか。 私たちヒトのタイムスケールでは計り知れない宇宙の営み。 ━●みかりんの叫び━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 「海からの贈り物。流れ着いたクジラ」 徳島県の海岸に14匹ものクジラが陸に乗り上げてしまって、もの凄い苦労の末、 一匹だけ助けることが出来たとか。そんなニュースが流れている。 心配そうに地元の野次馬が見守っている。ニュースキャスターも一匹だけでも助かっ て本当に良かったですね。と心から言っているという演技をする。 こんなご時世に町を上げてクジラを一頭助け、それはそれは大層な美談として味付け されて報道されている。 どうして誰も言わないんだろう。 全部喰ってしまえばいいのに。 国際世論的に問題があるんだろうけれど、捕った訳じゃないし。 200年前なら「海からの贈り物だ」と近在の人たちで分けあった事だろう。 その昔、1頭捕れれば七浦潤う、とも言われた捕鯨。 14匹のクジラなら98もの浦がうるおう計算だ。 世界史上最大の泳ぐタンパク質。これを食べないなんてバチ当たりと思うのは、 私だけ? まぁ、世界を敵にまわす事はないかぁ。 北海道の方言に「いたましい」という言葉がある。 標準語でいう「もったいない」という意味で使うんだ。 私は、「いたましい」を「もったいない」という意味で先に覚えたから「いたましい 事故」という言い方が長い間ピンとこなかった。「もったいない事故」なにそれ?? ?って感じ。(笑) つい100年ちょっとくらい前。本州から北海道に渡ってきた様々な人々は、とても とても過酷な日々を過ごしてきた。 内陸部になるとマイナス30度以下にもなる厳しい寒さ。 大人の背丈を越す積雪。それでも足りないとばかりに真横から吹き付ける雪。 グレーと白の世界。 今時の暖かい服も暖房も家もない時代、木を一本一本切って小屋を作り、開墾し、少 しずつ得た収穫で命を繋いできたんだ。 ひねたジャガイモ一個が命を左右するような事もあっただろう。そんな時、腐った野 菜ひとつ捨てるのにも心が痛んだろう。そういう思いが「もったいない」が「いたま しい」という言葉で表現し、それが北海道独特の言葉の使い方になっていったのかも しれない。 北海道だけじゃない、私たちから数えて3代か4代前の日本は、どこも似たようなも のだ。 今でも世界のあちこちは飢えているし。 クジラは解体して市場に出して、売上から救助作業他の費用を差し引き、残りはアフ ガン支援にでも寄付すれば“一挙三方得”では無いか。 この方法なら狂信的なクジラ保護派も黙るだろう。 で、結局助けることが出来なかった13頭のクジラは、全部埋めて1年くらい放置 し、そうする事によって肉は全部バクテリアで分解され、骨格標本になるんだそう だ。 早い段階から、あちこちの博物館から骨格標本が欲しいという連絡があって、もう全 部行き先は決まっているのだそうだ。 どう考えても、クジラは、感謝していただくのが礼儀だと思う。 礼儀を欠いた現代人の、漂着したクジラの対処方法を見て、私は「いたましいなぁ」 と北海道語でつぶやくことしかできない。 ……とここまで書いてから、状況が変わった。 剥製にするために、40トンを越すクジラを1匹運ぶのに、海岸の砂場でトラックは 埋まるし、10時間以上もかかってしまい、残り12頭は海洋廃棄することになった らしい。 決定した頃には死んだクジラは臭いを発し大変な事になっていたという。 「海からの贈り物」を腐らせてしまった。なんてこったい。 ━▲やまねこ投書箱━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 前号vol.56の冒頭で話題にした「渦巻き」の不思議について2通続けて。 ------------------------------- [やすべぇ]  北半球と南半球ではやはり地球の自転の関係上、バスタブ等の栓を抜いたときの  渦は逆回転になるらしいです。  以前テレビで見ました。確か電波少年だったと思いましたがドロンズがアメリカ大  陸を縦断していたときに赤道の右と左では渦が逆回転になるという現地の人の見世  物でお金を取られていました。良く覚えています。暇な時にビデオでも借りて確認  してみましょう。  ただ、その時に強烈に思ったのは赤道の真上ではどうなるんだろうと言うのと、  一つの長い容器で赤道をまたがせて、北半球側と南半球側に一つずつ穴を開けたら  一つの容器の中で逆回転の渦が2個見れるんだろうなと言うことでした。  それに、台風、竜巻が発生場合も逆回転になるのではないかということですかね。  日本人の短頭化が止まった話。足のことが書いてありましたね。  脚が長くなるのはかっこいいですが足が長いのはややかっこ悪めかな?  ただ水泳のイアン・ソープみたいなのは違う変化を遂げた気がしますね。  ちなみに僕は扁平足です。甲高です。幅も5Eです。でも180cmの身長に  対して足は26cmしかありません。上下と横に変化をしたんですかね(^^) ------------------------------- [青嵐透]  「うずまき」の話、私も気になります!  カタツムリなどの巻貝類も南北で違うのか、赤道直下ではどうなのかと、素朴な  疑問は尽きませんね。  世界の代表的文明は(何故か)北半球生まれです。でも南半球の文明にもっと勢い  があれば、時計は逆回りになっていたのでしょうか?  そういえばインカのカレンダーはどちら回りなんでしょうね。  「哲学」について。  本当にそう思います。いろんな場所で生まれて、いろんなジャンルがあるけれど、  あらゆる思想学問は最後には同じところに辿り着くのでしょう。  今の最新の数学・科学の世界では、もう哲学無しには語れない世界まできているら  しいですね。 ------------------------------- やすべぇさんの投書を読んでいて思ったのですが、赤道をまたいで長い容器に水を入 れ、北半球側と南半球側と真ん中と、3つ穴をあけるんです。そうするとひとつの容 器の中で逆回転渦巻き2つと、それとは違った流れかたをする水の3つを見る事が出 来る……のでしょうか。 北海道人の足は、全国平均に比べ幅広だと言われています。 これは雪に埋もれないで歩くことが出来るため? 自前のカンジキ状態になりつつあ るんでしょうか。 ええと。カタツムリなどの巻貝類は、確か南北とは関係ないと記憶しています。 ヤドカリの実験で、貝が小さくなって引っ越したいヤドカリに反対巻きの巻き貝を与 えてみたらという実験をテレビで見たことがあります。 実験では、取りあえず引っ越しはするんですけれど、居心地が悪そうで、別の貝殻を 見つけるとすぐに計ってみているんです。 日本の番組で、簡単に逆向き巻き貝を用意していたからたぶん南北では関係ないと思 います。 それなら別の疑問が湧きます。巻き貝の巻きの向きはいったい何なの?! 誰か、このあたりの事に詳しい人メール下さい。 「世界の代表的文明は(何故か)北半球生まれです」これは簡単です。 大陸は北半球に多いからです。 南半球中心文化になると、地球儀は逆さまになり、世界地図も逆さまになります。 オーストラリアでは逆さまの世界地図もあるということです。(うろ覚え) ------------------------------- [nori]  前号vol.56から。  >『宇』は空間の広がり、『宙』は過去から未来につづく時間の広がりのことだ。  二千年前に既にこんな世界観があったなんて凄いなあ。この世には空間と時間しか  ないって知ってたみたいだ。  英語で宇宙をさす単語はspaceとcosmosとuniverseがあって、辞書的な意味だと  spaceは「何もないところ」、cosmosは「秩序有るもの」、universeは「この世の  全て」といったところか。  宇宙工学では人間が到達した事のある領域をspaceと言ってそれ以外をuniverseと  呼ぶ。  今はボイジャーは昨年末の段階で冥王星の2倍の遠さのところまで到達したから  そこまでがspaceって事になるのかな。いやいやまだ人間は月の裏までしか行った  事ないか・・・。 なんだかspaceって200海里水域みたい。  前号の話で、地球から火星まで光速に近い速さでカメラを動かす事が出来るとする  と、相対論的効果によってカメラ自体の時間の流れがゆっくりになるため、カメラ  のテープが10秒進む間に到達する事は可能となるはずです。  いわゆるウラシマ効果と呼ばれる現象です。宇宙に行って帰ってきた双子の兄弟は  あまり歳をとっていない!  ちなみに10秒で火星に到達するためには光速の99.84555%の速度でカメラを動かさ  ねばならず、普通の加速度でスピードを上げていったとしても数年かかります。  さらに、光速に近い速さで走っている時周りに見えるものは進行方向に集まってき  て映画のワープのように前方が明るくなるはずです。一度みてみたいなあ。  飛行機より三輪車の方が速いと思っていつも競争していたnoriでした。 ------------------------------- 英語のspace、cosmos、universeと比べると、時間と空間を表す『宇宙』という言葉 のなんとシンプルでそれでいてマトを得ている言葉! 英語の宇宙という言葉には時間の観念は無さそうですね。 私は幼い頃、空に浮かぶ月が、どこまでもついてくるので、走って逃げようとしてい ました。 それでも振り向くとついてきているんです。 三輪車で飛行機と競争しているのといい勝負です。(笑) こういう無謀で無意味な競争は割と好きです。 ━●編集後記━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ★C・W・ニコルさんの著書に「勇魚(いさな)」という本があります。 江戸時代のクジラ捕りの若者が、漁の事故で片腕を無くし、許嫁を捨て脱藩し外国で 過ごし、苦労の末、外国船の捕鯨船船長にまでなるという、とても外国人が書いたと は思われない時代の日本人を描ききった物語です。 詳細は忘れてしまいましたがその中で、外国船ではクジラの尾のなんとかという部分 (?)を捨ててしまうんだけれど、この日本人船長は、「この部分が一番美味しくて 価値がある」と言って絶対それを捨てさせないというエピソードがあります。 埋めてしまって肉を腐らせ、骨格だけを取り標本を作る……それが出来なかったら 海洋廃棄。 たぶん今頃、昔の日本人とクジラの関係を良く知るニコルさんも歯ぎしりしている事 でしょう。 私は、今回のこの顛末に非常な違和感を感じる者であります。 ★「やまねこ通信E=MC二乗」では、あなたからの投書を受け付けています。  動物・植物・環境・宇宙・時間・哲学このメルマガの趣旨に合うような投書を  気軽にメールに書いてね。  過去に取り上げた記事からの話題も歓迎しています。 ★メルマガ相互宣伝です!  バックナンバーを読んでみて、気に入ったら購読すると良いよ。 *****************************************************************   ☆☆ メールマガジン『ふしぎ通信みちまな!』  ☆☆  この世はふしぎなことばかり。  毎週、みちまなこと私がふしぎに思ったことをお知らせします。  答えはあったりなかったり。一緒に考えてね。   ☆登録はこちら http://kigaru.gaiax.com/home/michi_mana/ ***************************************************************** それじゃ、今週はここまで。 あなたのお便り待ってるよ。 daichi-m@phoenix-c.or.jp じゃね。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ゆたんぽ。 あたたかい。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ○週刊 やまねこ通信E=MC二乗 vol.57  2002年2月1日発行 http://www.phoenix-c.or.jp/~daichi-m/yamaneko/yamaneko.htm ○発行編集者 みかりん daichi-m@phoenix-c.or.jp ○発行システム: ◆インターネットの本屋さん「まぐまぐ」ID:0000052530 http://www.mag2.com/ ◆メルマガ発行サービス「メルマガ天国」ID:3743 http://melten.com/ ○登録/解除 http://www.phoenix-c.or.jp/~daichi-m/yamaneko/yamaneko.htm ○週刊やまねこ通信は、素人みかりんが趣味で発行しているもので、情報の正確さに はまったく自信がありません。引用して弊害が起きても責任は持てないよ。 それから誤字脱字変換ミスは大目に見てね。気を付けるけれどさ。えへ。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━