2002/5/20━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 幽玄の森羅万象の散歩道 動物行動学からの性♂♀の話・動物・植物・環境・宇宙・時間・哲学 興味のおもむくまま“みかりん”の しゃべりんぐ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━目指せ1万部! ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆         やまねこ通信 E=MC二乗                                vol.68 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ こんにちは。 みかりんです。 上弦のお月さまにお願い事をすると、下弦のお月さまの頃に叶うんだそうです。 あなたの願いは? 私の願いは……内緒。(にこっ) 新しく登録して下さった人、はじめまして。  ここに↓バックナンバーがあるよ。『内容一覧』という所をクリックしてみて。 http://www.phoenix-c.or.jp/~daichi-m/yamaneko/yamaneko.htm ━■キリンの首は何故長いのかの話(1)━━━━━━━━━━━━━━━━━ 「どうしてキリンの首はあんなに長いの?」 「それはね、キリンは高い木の葉を食べようとして、たえず首を長く伸ばしていたか ら、だんだん首が長くなって、それが子どもに遺伝していったんだよ」 この考え方は、ダーウィンより早く『進化』という概念を抱いていたフランスの ラマルクの論法だ。 この論法は、どことなく一般の人々を納得させる所があるので、いまだに人々の心に 取り憑いている。 もちろん現在では、ラマルクの説は否定されている。 「どうしてキリンの首はあんなに長いの?」 「ある日突然、ちょっと首の長いキリンが生まれてね、ちょっと首の長いキリンが 首の短いキリンの食べられないような高さの葉っぱを食べて、首の短いキリンがお腹 をすかせていても、ちょっと首の長いキリンはたくさん食べることができたんだ」 「ふぅん」 「それでね、ちょっと首の長いキリンの子どももちょっと首が長くてね、そして首の 長い形質が遺伝して、“だんだん”キリンの首は長くなったのさ」 この考えが『ダーウィンの進化論』の説明だ。 ダーウィン理論だと進化の引き金は「突然変異」であるという事が定説になってい る。 個体に起きる突然変異の中から自然淘汰によって、生き残るのに有利な個体が選択さ れて、その変異が少しずつ蓄積されて、新しい種が誕生するという考え方だ。 でもこの理論には長らく疑問が投げかけられてどうしても成り立たない謎がある。 ・種の急速な進化(ミッシングリンクの存在) ・新しい種の誕生に伴う古い種の絶滅 ・定向進化 生物が小さな変化の蓄積によって進化してきたのではないことは、多くの化石で明ら かだ。 化石の系列は連続した小さな変化ではなく、飛躍ともいうべき大きな不連続変化だか らだ。 キリンの首の進化も中間化石は一切見つかっていない。 ダーウィンの正しさを証明するには、こうした失われた移行期の化石である「ミッシ ングリンク」を発掘する努力がずっと行われてきた。でも出ない。 資本主義と帝国主義の全盛期であった19世紀半ばに誕生したダーウィン進化論は、 資本家による摂取と、欧米列強による植民地支配を弁護する社会進化論として利用さ れた。 ダーウィンの進化論は生存競争を認め、富を手にした成功者を最適者として肯定する 役割を果たしたんだ。 異民族支配を支えた選民思想は、適者生存という科学的命題にすり替えられてしまっ たんだね。 だけど第二次大戦後の植民地支配主義が衰退し、米ソ大国の支配体制の崩壊や、深刻 な環境問題は、人間社会が競争だけでは、どうにもならないことを明らかにしてい る。 ダーウィンの進化論に、その後わかってきた遺伝学の成果を加え、1930年代頃確立さ れた進化論がネオダーウィニズムだ。 遺伝子に起きる突然変異と、淘汰を進化の大原則としている。 自然界では実際に淘汰が働いている。 ある蛾の種類で、明るい色の標準型と、稀に暗い色をした黒化型のタイプがあり、 どちらの型になるかは遺伝的に決まっている。 この蛾がどんな色の背景に止まるかによって生存率に差が出る事が証明されているん だ。 イギリスの工業地帯で煤煙によって黒っぽい木の割合が増えたとき、黒化型の蛾の数 が増えたんだ。 蛾の「工業暗化」と呼ばれるこの現象は、黒い背景が黒い蛾に有利に働いたことを実 証して私たちが“目撃”した進化としてよく引き合いに出される。 でもそれって単にある地域で黒化型が増えて標準型が減ったという遺伝子頻度の変化 レベルだ。 もっと大きな変化、「種」ができるようなレベルの進化ではない。 ネオダーウィニズムでも、新しく種ができるような大きな進化については、遺伝子頻 度の変化や、小さな進化の積み重ねの結果として捉えている。 やはり、この点がね、ネオダーウィニズムを疑っている人も、信奉している人も、抱 えている疑問なんだよ。 ネオダーウィニズムだと進化というか変化は、タテ方向にしか行われない。このあた りに無理がある。 進化は、「ある日いっせいに、変わるべくして変わる」のでなければミッシングリン クの説明がつかない。 タテ方向ではなく水平方向に変化しなければならない事になる。 で、この考え方を説明できる「ウイルス進化説」という考え方がある。                              次号につづく ━●みかりんの叫び━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 「クマとの共存(2) 気を使うクマ」 やまねこ通信vol.31のこのコーナーで「クマとの共存」について熱く熱く語った。 私は、北の動物たちを思うといつも心が熱くなる。 きゅっとなる。 (vol.30ではキタキツネについて語っているから、未読の人は読んでね。) vol.31で、北海道のヒグマについて語って、取りあえず言いたいことは言ったし。 のという気持だった。 で、先日、「北海道のヒグマは、実はかなりヒトに気を使っている」っていう事を 知ったので、またまたきゅっとなっちゃったんだ。 1頭の雄ヒグマに発信器をつけ、徹底追跡し3年半にわたる調査で驚くべき事実が 次々と判ったんだ。 ヒクマの名前は、あちこち移動するので、クマなのに「寅次郎」。 寅次郎が実験者を驚かせたのは、その行動範囲の広さ。 支笏湖の南側から、日高の森まで。これって直線距離で80km離れている。 途中、農地や鉄道、高速道路があるのに、自在に駆けめぐる寅次郎。 高速道路は、人が行き来できるようにつくったアンダーパスを利用し、交通量の多い 国道36号線は、すぐわきまで樹林が広がる場所に潜んで、深夜にこっそり渡ってい た。 これほどの大移動にも関わらず、寅次郎は研究者以外には誰にも目撃されなかった。 雄鹿を食べていたようだけれど、人間を襲う気配は一度も見せず、かなり気を使って 移動していたらしい。 アラスカのダイナミックな暮らしぶりのクマも魅力的だけれど、ヒトに気を使う神経 を持っている北海道のヒグマもなんともいじらしいくけなげな野生動物だ。 クマがこれだけ気を使っているんだから、ヒトも考えなきゃ。 クマに気を使われていたなんて知らなかったよ。 今年は北海道のヒグマにとって13年ぶりに道南で春グマ駆除が復活する。 出没数と事故数の増加が理由。 背景には森林の荒廃などヒト側の理由があるのはもちろんだ。 重い発信器をつけて寅次郎が教えてくれた貴重なデータの意味を、私たちは考えなけ ればならない。 ━●ネイティブ日本人の思想(8)━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 「仏教渡来以前の土着信仰」 ちょっと前までの日本の民俗学は、アイヌの民俗研究を無視してきたんだ。 日本文化は沖縄文化とは、同一の祖を持った文化だけどアイヌ文化は違うという偏見 があったんだよ。 でもどうもそういう事ではないらしい。 まずここで言う“神道”という言葉に注釈を。 もともと神道という言葉は日本にはなかったんだ。鎌倉時代に仏教という外来の宗教 に対して日本の土着宗教を示す言葉として“神道”という言葉が作られたんだよ。 それにこの神道というのは、明治以来、国家主義と結びついて第二次世界大戦に結集 させて、戦争に駆り立てることに大きく貢献した宗教でもあるんだ。それで神道と言 えば戦争を思い出してしまってアレルギーに感じることが多くなってしまったんだけ れど。 明治以降の神道は、改造された宗教なんだ。 正確に言うと、神道は2度国家主義化されていたんだ。 明治以降の国家主義と、もうひとつは7、8世紀の律令神道の作られたとき。それは ひとことで言えば「祓い・禊ぎ(はらい・みそぎ)の神道」なんだ。 藤原不比等が大宝律令を作った時に律令を合理化しる宗教で、権力に反抗する人を “祓い”(つまり流罪ね)、そして文武百官に“禊ぎ”を行わせるんだ。つまりね、 権力に対する反抗の有無を確かめて刑罰を神道で改造したんだ。 このように大宝律令の頃に改造した新しい神道をからみると、それ以前の土着宗教を 「神道」というのは適当ではないかもしれないけれど。 でもまぁ、ここではそれを神道と呼んで話を進めるね。 で、仏教が日本に入ってきたのは552年。(日本書紀による) この祓い・禊ぎ神道が出来る150年前なんだ。 で、この仏教渡来以前の日本人の宗教はどんなものだったか。 この縄文時代ってのは、1万年以上も続く異様に長い時代なんだ。 近年、縄文の研究が進み、とても高い精神文化をもち、高度な技術を持っていること が証明されてきている。 仏教は神道とともに日本全土に広まっているようだけれど、そうでもないんだ。 例えば沖縄。沖縄仏教移入がとても遅く、しかもあまり浸透していないんだね。それ ばかりか律令神道や国家神道とも関係のない宗教の中で生きているんだよ。 そして北にも仏教の届いていない所があるんだ。それがアイヌ文化なんだ。 沖縄の言葉とアイヌ言語は、それはそれは共通点が多くあるんだよ。 それと東北の人々の中にも仏教はそんなに深く入っていないんだ。儀式でもどっちか というと坊さんより巫女さんだったりすることがよくあるんだよ。 で、このように仏教の届かない南や北の文化を知ることで、仏教以前のネイティブな 精神に触れることができるかもしれないんだ。 ━▲やまねこ投書箱━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ vol.66の「自然保護って何だろう?」の自然観の話から。 --------------------------- [HAL]  >4) 原始地球から微生物が生まれ、植物が繁茂し、酸素が増えて、動物が繁殖し  > 二酸化炭素が減って空気が澄んで、高等生物が生まれ、化石を燃やして、  > 再び二酸化炭素が増える、何億年ものダイナミックなものが自然である。  やっぱり結論は4となってしまいます。(私的に)  人間は手と火(文明、文化?)を手に入れた時点で食物連鎖からはみ出してしまっ  たように思っています。  食物連鎖のくびきを外れた人類は、自然に不干渉にならなくてはいけないと常々  思ってるんです。  極論言えば自然(地球)にとって人類は滅びるべきだと思ってますから。  (賛成する人なんて皆無だと思ってますけどね。)  人間って(ガイア理論とはちょっと違うけど)地球という生命体から見たら  ガン細胞そのものって感じじゃないですか?  母体に負担をかけて、際限なく増殖していくってのが・・・。  プランクトン→植物→草食動物→肉食動物→バクテリア→  といった連鎖から外れた時点で(人類は雑食だから草食に入るのか?)  神(超越者)として振舞うべきと思ってます。  早いこと技術が進歩して自然に頼らなくてもいいような状況になるとか、  自然に負担かけない(影響を及ぼさない)状態になって欲しいんですが。  かく言う私も自動車転がしたり、電気使ったりしてますけど・・・。 --------------------------- 私も、人間は滅びた方が地球のためにいいのに、と思っていた時期があります。 でも最近は、あまりそう思わなくなってきました。 人間も野生動物の一種なんです。 今のところ生態系の輪から離れた存在でひとり浮いているような感じがするでしょ う? 思い上がっちゃぁいけませんて。 やったことのしっぺ返しは、ちゃんと来るだろうし、それも含めてまるごと地球に 依存して生きているのが人間です。 自然(地球環境)を操れるほど人間は、たいした生き物ではありません。 vol.22の「タガの話」を読んでみて下さいな。 「自然に頼らなくてもいい状況になるのを願う」と言っていますが、それは無理な んです。 自然あっての生き物です。 生きていくというのは「関わりあうこと」なんです。 それはすべての事象との関わりです。関わり合って響き合うんです。 森羅万象と関わらずに生きていくことに意味はないし、無理なんです。 ようはバランスの問題なんです。 次の投書は、北海道の野生動物について独自の活動をしているAティガさんが 取材最中にふと思ってしまった事です。 --------------------------- [Aティガ]  岩見沢で原田勝男さん(62歳)を取材しました。原田さんは40年以上も銃で  熊を撃ってきたベテランのハンターです。  これまでに100頭以上の熊を仕留めてきたそうです。  その原田さんは昨年、シカ猟で白糠の山中を歩いていたところ後ろからヒグマに  襲われ格闘、片目がぶら下がり、頭部や顔面をかじられる重傷を負ったものの死闘  の末に生還した貴重な経験を持っています。  2年前からオジロワシの鉛害防止のために、シカには銅弾を使うことが法律で定め  られました。銅弾は貫通率が高すぎてヒグマには効きません。  このときは原田さんはシカ撃ちだったので銅弾を装填していました。背後で物音が  したので熊だと思い、鉛弾(ヒグマには鉛弾が許されているのです)に詰め替えよ  うとしたところをヒグマに襲われたのです。  「ですから私は国が定めた銅弾法の最初の犠牲者だと思っています。それに学者さ  んは私のように現場を歩かないで活字を転がすことばかりしていて、ヒグマとの  共存をする、なんていいますけどね。私に言わせればヒグマは百害あって一理無し  ですし、共存なんて無理にきまってます。ただ、奴らは基本的に臆病な生き物です  から人を見たら逃げる。だから絶滅はしないでしょう」  と原田さんは取材に応えてくれました。  私としてはヒグマとの共存を理想と考えていたのですがなぜか原田さんの話に抵抗  を感じませんでした。  多分、ハンターとしての真剣な意見だったからだと思います。原田さんの父親は  秋田でマタギだったことも興味深いことでした。このような話を聞くと共存と言う  言葉が簡単に使えなくなりそうです。 --------------------------- 私も原田さんの話には、抵抗はありません。 クマとヒトの一騎打ちです。命をかけて戦っています。 原田さんは、そういうクマとヒトの命が拮抗していた時代のなごりの人です。 種類は違いますけれど、私の周囲にもこのケースに似た事を言うタイプの人がいま す。例えば、この土地に長く住む町内会長クラスの頑迷な爺さん。 開拓の頃のなごりの価値観で物事を判断しようとします。 そういう人たちにとっては「開発は善」なんです。 氾濫する恐れの全くない小さな小川でさえコンクリートで護岸しなければなりませ ん。 そういう事を言い出す歴史が、その人たちにはあるんです。 幼い頃からクマの被害にあった話を聞いて成長した人たちなんです。河川の氾濫で 辛酸を舐めた人生を聞かされて成長したんです。 私の世代になると、「ここって森が近くにあって小川もあって嬉しい。だからここ が好き。ここで暮らしたい」という理由でこの土地に住もうとする。そういう世代 とはもう価値観が違うんですね。 私たちのこの土地に対する褒め言葉は、彼らにとっては恥ずべき事なんですね。 道路を拡張しなければ。河川はコンクリートで固めなければ。木は切ってしまわなけ れば。森林は伐採してしまわなければ。クマは殺してしまわなければ。大型スーパー を誘致しなければ。とにかく開発しなければ世代なんです。 それだけの事を思うほどの目に遭ってきているんです。 開拓の苦労の話を聞きつつも、今は時代がすっかり様変わりした事を認識しなければ なりません。 共存は住み分けという方法で可能だと思います。 もちろん工夫をしなければなりません。 クマの餌になるコクワなどの木々の植樹や、鮭の登る川をクマに提供する度量が必要 です。 幸い、北海道にはまだ開発されていない大雪山系などの場所が豊富にあります。 豊かな森とは、クマのいる森だと思います。 豊かな森がある国で暮らしたいです。 Aティガさんからは、その後続報が届きました。 原田さんの意見に押されっぱなしではいけないと思い、独自の調査をした続報です。 --------------------------- [Aティガ]  全世界では毎年平均34名が熊に襲われ殺されているそうです。  昨年、北海道では3名が殺されていますから全世界の被害者の約10%が北海道に  集中していたことになりますね。  上記の原田さんの意見に押されっぱなしではいけないと思い、千歳の『さけのふる  さと館』学芸員の菊池基弘さんから“魚付林”の話を聞いて少し熊の味方ができる  ように思いました。  魚付林(うおつきりん)とは、魚の棲息や繁殖を目的に、海岸などに仕立てる森林  のことです。  森の落ち葉や落下昆虫は川に栄養分を与えやがては海に流れ込み魚たちやプランク  トンの栄養となります。  一見、栄養の流れが山から海への一方通行のように見えます。しかし、海の魚、  特に鮭などは海から川へと産卵のために戻ってきます。その鮭をヒグマが捕獲しま  す。熊は川そばでは全部食べるということはせず、森中に運んでいってから食べる  そうです。そこでもイクラや内蔵を中心には食べるもののかなりの部分は食べない  で放置するのです。  その鮭にはN15(窒素15)がふんだんに含まれていて森林の成長には欠かせな  い貴重な養分だとのこと。森林にとっては通常の窒素(N14)だけでは駄目なん  です。鮭などの魚が持つ窒素15を森の中に運んでいけるのはヒグマのような  大型動物だけなんだそうで(オジロワシも可能かも?)、つまりヒグマは森を育て  ている。少なくともその手助けをしているんだと言うことを聞き、生き物のつなが  りって不思議だけど素晴らしいなー、と思えてきました。  北海道ではこういった魚付林を育てる動きが活発なんだそうで、有名なのはえりも  町ですね(NHK プロジェクトXでも放映)。あと、根室の野付牛、常呂町なども。  ヒグマの体内を通ったドングリの実は発芽率が20〜30%以上も高くなるという  話があります。  これを併せて考えるとヒグマは木の種を植え、肥料を与えながら森を育てている  といったら言い過ぎでしょうか?  なお、魚付林の話を原田勝男さん(ハンター)にしたところ『そりゃ本当かい?  したらちょっと考えなけりゃならかもなー』とおっしゃっていました。  環境省は今年、残滓法(※ざんしほう=山中で捕獲した獲物を山中に残してはいけ  ないという法律)を制定しようとしているそうです。  ひょっとしたらこの残滓にもN15と同じ意味がでてくるかもしれませんね。  原田さんは熊の存在を否定していましたが『残滓って言ったって3日もすれば  キツネやらネズミ、虫やらが残されたシカの体をきれいにして骨だけにしてる。  生き物の役割はあるんだわ。私は残滓法なんて反対です。』  原田さんはハンターとしてN15(この言葉は知らなかったにしても)の話を  体験として知っていたようです。 --------------------------- 北海道の森は、エゾオオカミを失ったことで、多くのモノを失いました。 オオカミ不在の森林ではシカが増えすぎ、森林食害が増加し、そのため森林生態系は 混乱。 その影響は、河川を通して沿岸の海洋生態系にも及んでしまいました。 森が枯れると魚もいなくなってしまうんだ。 そしてヒグマも森林育成の輪の一員。 森羅万象すべてのものの関わりの中の、生かされている私たち。 天に星、地に花、人に愛。 かつては、エゾオオカミも見上げたであろう満天の星空。 気を使う北海道のヒグマも、私と同じ星空を見上げることがあるだろう。 ライラックのむせ返るような香りが漂う中、星を見ながらオオカミをクマを思う夜。 ━●編集後記━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ★「ネイティブ日本人の思想」。あぁ、なかなか書きたいことに近づかないっ! どうしてこれを書き始めたか、このコーナーの最終回を読むと判るはず。 そしてあと2回でこのコーナーは終わる予定。 ちゃんと自然科学に繋がるんだから。 このマガジンは、自然科学マガジンなんだってば。 今回の言いたいこと判った? 日本の中で、仏教の影響のない所や少ない所を探せば、そこは改造前の神道の精神 (土着の宗教、言いかえれば縄文の心)に触れることが出来るという事を説明してい たんだよ。 ★「みかりんの叫び」でクマについて語って、投稿でもクマについて多くの紙面を割 いた。 思いもかけずクマ特集号になってしまった。 どうしてかなぁ。私は小さい頃から動物が好きで、長じてからは特に北の動物たちが 好きで、北海道の野生動物たちに思いを馳せると、時々いてもたってもいられなくな るんです。 やまねこ通信を配信する原動力のひとつに、私の心の底辺に横たわる北の動物たちへ の想いがあるのかもしれません。 ★「やまねこ通信E=MC二乗」では、あなたからの投書を受け付けています。  動物・植物・環境・宇宙・時間・哲学このメルマガの趣旨に合うような投書を  気軽にメールに書いてね。  過去に取り上げた記事からの話題も歓迎しています。 ★vol.68の参考文献      「小さな悪魔の背中の窪み」    新潮文庫  竹内久美子      「動物の言い分 人間の言い分」 角川書店  日高敏隆      「キリンの首はウイルスで伸びた」毎日新聞社 佐川 峻・中原 英臣      「日本人の魂」         光文社   梅原 猛        「森の思想が人類を救う」    小学館   梅原 猛      「神道の聖典」         すずき出版 ひろさちや+上田賢治       北海道新聞の日付不明のスクラップ ★次回配信予定は5月30日です。 ★みなさんの中にメールマガジンを発行している方はいませんか?  相互で宣伝しあいませんか?  連絡ください。 それじゃ、今週はここまで。 あなたのお便り待ってるよ。 daichi-m@phoenix-c.or.jp じゃね。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ たんぽぽの黄色。 これこそが黄色の中の黄色だ! ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ○ やまねこ通信E=MC二乗 vol.68  2002年5月20日発行 http://www.phoenix-c.or.jp/~daichi-m/yamaneko/yamaneko.htm ○発行編集者 みかりん daichi-m@phoenix-c.or.jp ○発行システム: ◆インターネットの本屋さん「まぐまぐ」ID:0000052530 http://www.mag2.com/ ◆メルマガ発行サービス「メルマガ天国」ID:3743 http://melten.com/ ○登録/解除 http://www.phoenix-c.or.jp/~daichi-m/yamaneko/yamaneko.htm ○週刊やまねこ通信は、素人みかりんが趣味で発行しているもので、情報の正確さに はまったく自信がありません。引用して弊害が起きても責任は持てないよ。 それから誤字脱字変換ミスは大目に見てね。気を付けるけれどさ。えへ。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━