2001/1/19━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 幽玄の森羅万象の散歩道 動物行動学からの性♂♀の話・動物・植物・環境・宇宙・時間・哲学 興味のおもむくまま“みかりん”の しゃべりんぐ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━目指せ1万部! ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆        週刊 やまねこ通信 E=MC二乗                                vol.7 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ こんにちは。 犬が“の”の字型にまるまって、鼻を自身の体に隠すように寝ているのを見て、 「犬臭くないのだろうか?」といつも疑問に思っているみかりんです。 新しく登録して下さった人、はじめまして。 バックナンバーがあるので、ここ↓チェックしてみてね。 http://www.phoenix-c.or.jp/~daichi-m/yamaneko/yamaneko.htm ━■シャチの話━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ シャチはどう猛な動物というイメージがある。成長すると雄で9mにもなる。タラ、 カレイなど魚類がおもな食物だがクジラやアザラシなどの哺乳動物もシャチの好物 だ。 ある調査では、体長7mのシャチの胃から13頭のイルカと14頭のアザラシが確認さ れ、さらにもう1頭のアザラシが喉に引っかかっていたという。 シャチの群れが自分たちより大きなクジラを狩猟することも古くから知られている。 シャチは大変利口で人にも慣れやすく、人間を襲ったという記録は、実はほとんどな いんだ。あっても大抵は人間のほうから攻撃している。それどころかシャチが人間の 仕事を一緒に手伝ったという記録まである。 1930年頃の話。オーストラリアの沿岸で数十年に渡ってエデンという町の漁師たちが 捕鯨をするのをシャチが手伝ったという。シャチたちは湾内にクジラを追い込み、漁 師たちがお礼に好物のクジラの舌や唇を分けてやった。 シャチたちの中でもオールド・トムと呼ばれた雄は40年以上もこの「仕事」を続けた という。 シャチの寿命は約35年と推定されているから、トム爺さんは相当長生きだったことに なる。 私の憧れのひとつに「動物に助けられる」というのがある。 それを友人に話すと「その前に危険な目に逢わなければならないじゃない」と言う。 それはそうなんだけれど。でも動物に助けられたい。 イルカに助けられる。マンボウに助けられる。ウミガメに助けられる。シャチに助け られたら一生自慢できるね。これらは海難だね。でも私、あんまり海に行かないし なぁ。 オオカミに助けられる。犬に助けられる。チーターに助けられる。山や草原で遭難? そんな危険な所には行く予定ないよ。 じゃ、今どこにいるって? んとパソコンの前でキーボード叩いてる……。 これ じゃ動物に助けてもらえない……。 そうか! 動物に助けて貰うために、シャチに助けて貰うために、海へ行こうか。 ━■動物行動学からの性♂♀の話 (7)━━━━━━━━━━━━━━━━━ 「奇妙なものを好む雌」 分かり易く極端な例でクジャク。あの派手なディスプレイはいったい何なんだろう? あのように極端に発達した構造は、もはや飛翔に不都合である。ということは生存に も不利ということだ。 自然淘汰ではあのようなものは発達しない。 ここに派手なディスプレイをする雄とほとんどしない雄がいたとしよう。 派手なディスプレイはその派手さゆえに捕食者を引きつけ危険であるが、雌に大変好 まれる。 これに対し、ディスプレイをしない雄は捕食者を引きつける心配はないが、雌からも 顧みられない。 派手な雄は大いに危険だが、子どもを残すチャンスは残されている。地味な雄は長生 きするかもしれないが、子どもを残すことができない。 つまり、もし雌が好みさえすれば生存にとって不都合な形質でも進化するのだ。 生存に不都合な形質を好む雌と、生存に有利な形質を好む雌がいたら、後者の方が多 くの子孫を残すことになる。 どうしてクジャクの尾羽根のような事になってしまったのだろう。 どういう状況の時に生存に不利な形質を好む雌が出現してしまったのだろう。 クジャクの尾羽根のような非常に誇張された形質も、初期にはあまり誇張されておら ず、生存に有利だったのではないか。 平均よりも長い尾を持った個体はよく生き残った。このような形質を好む雌は、生存 率の高い子どもをもうけることができた。 こうして平均よりも大きい形質を好む性質は、雌の中に広まっていく。このような好 みを持つ雌は、生存力も高くかつ雌からも好まれる息子を産むことができるので二重 に恩恵をうけるのだ。 そして長い尾を好む性質と有利な長い尾は益々長くなっていき、ついには生存にとっ て不利な長さまでなってしまうのである。 短い尾を好む雌が出現して短い尾の息子を作ってもその息子は周囲の雌から相手にさ れない。もう短い尾をもつ形質は定着しないのだ。 実験結果がある。コウホウジャクという長い尾を持つ鳥に、自然界で見られない程の 長さの尾を張り付けたらもっとも雌から好まれたという。 かくして雌はときとして奇妙なものを好むことが証明され、雄はそれに応えるため、 わざわざエネルギーを費やして奇妙なものを作り上げることが証明されたのである。 ━●みかりんの叫び━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 「マンモス復活せず」 去年の暮れ、年も押し迫ったある日の新聞に、マンモスの皮膚とみられていた皮膚片 はDNA鑑定の結果「毛(け)サイ」のものであることが判って、マンモスをクローン 技術で蘇らせようともくろんでいた「マンモス再生計画」関係者ががっかりしている という記事が載った。 私はこれを読んで、うふふうふふと笑ったものである。 実は私はマンモス再生計画には反対意見を持っている者なのだ。 2年程前に私が書いた文をここに参照してみようっと。 --------- 私は、動物好きである。 現在の動物だけではない。滅びてしまった古代の動物も大好きである。 古くに滅びた恐竜や、1600年代に滅びたドードー鳥等、語らせたら長くなるから語ら ない。 その私がマンモスに思うことがある。 永久凍土に眠るマンモスの卵子を、現存するアフリカ象の精子と掛け合わせて、 50%マンモスを作る。 その雌とアフリカ象と掛け合わせて75%マンモスを作る。 それをまた象と掛け合わせて88%マンモスを作って、94%マンモス、97%マンモス、 そして98%マンモス、99%マンモス。 そうやって限りなく100%に近いマンモスが作れると言い、実際、研究チームが着手し ているという。 なんて素晴らしい事と、人は言う。 私は、違うと思う。絶対に違うと思う。 マンモスには、マンモスの文化があったと思う。本能だけじゃなく、世襲された知 恵、習慣、コミニケーション。 マンモスは単体で存在してたんじゃなくて、群で行動していたんだよ。だから復活な ら群を作るぐらい復活させなきゃ本来のマンモスではない。 だったら群で復活させてみようという動きがあるだろう。それでもだめなんだよ。一 度時間の中で淘汰されてマンモス文化が途絶えてしまってるんだよ。古代から連綿と 続いてきた命の繋がり。 一度滅びたモノは復活しないの。どうしてこういう馬鹿げたことをロマンという人種 がいるんだろう。ドラゴンボールで、神龍にお願いして死んだ人を生き返らせちゃダ メなんだ。 なくなってしまったものを復活させるより、今あるたくさんの滅びそうな野生種を残 す努力に力を注ぐ事が健康でまっとうな考えに何故気が付かないんだろう。 江戸時代、八代将軍徳川吉宗の時代に日本に象がやってきたんだ。それこそもの凄い コストをかけてね。 でもね、象の食べる量は幕府の想像を超えたんだよ。 マンモスを健康な状態で群で飼育するのは、豊かなフィールドが必要なんだ。環境汚 染も、オゾンホールもないあの時代の気温、植物動物相がね。滅びてしまったものを 起こすのは、ロマンじゃないよ。 科学は何でも出来る訳じゃない。出来ることが幸せじゃない。不幸の始まりでもある んだ。 先日、クローン人間に着手した科学者がいたね。 面白いか? 面白いのだろう。私は面白くないぞ。 --------- 以上が2年程前に書いた文である。 私がずっと疑問に思っていることのひとつに「何故、ヒトはその場にとどまっていな いのだろう」というのがある。 その場っていうのは場所のことじゃなく、例えば産業革命だったり航海術や航空術や 果ては宇宙開発。通信技術、DNA解析、その他すべて“進歩”といわれるもの。 ヒトは何故“進歩”する動物なのだろう? “進歩”は、環境を征服することから始まる。ヒトは“環境と共に”では、やってい けないのだろうか? そこがどうしても判らないんだ。 でもまぁ、マンモスが復活するような悲しい事は、取りあえず回避されたらしい。 どうして毛サイ復活計画は出てこないんだろうね。(笑) 1月12日ワシントン発の記事。 アメリカのバイオ企業が絶滅に瀕している野生の牛ガウルのクローンを誕生させるこ とに成功したと発表した。 凍結保存されていたガウルの皮膚細胞を使ってクローンを誕生させた技術は、すでに 絶滅した種の再生にも期待を持たせるものとして注目されているという。 私が胡散臭く思う言葉に「進歩と調和」というのがある。 んな訳ないじゃん。進歩とはそれまでの調和を壊すもの。  この言葉何に使われた言葉か知ってる? 1970年の大阪万博のテーマだったんだよ。岡本太郎の太陽の塔が有名だね。あれだ よ。 ━▲やまねこ投書箱━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 5号で話題にした「地球外生命」についての投書から。 --------------------------- [つるべ]  「地球外生命」についてですが、私は、「生命(いのち)の強さ」を信じていま  す。地球上でも、ちょっと考えられないような環境でも生きている生物がいっぱ  いいます。  また『珪素系生物』の可能性まで含めると、けっこう周り(あくまで宇宙的にです  が)いるのでは?  ただし、他の星に人間型文明があるかどうか?  『進化』というのがダーウインの考えるような「環境への適応」だとすれば、  人間のように、自ら暮らす環境を破壊していく生物は、失敗作のようなもので、  鮫のように、全くモデルチェンジする必要もなく何億年も過ごせるような生物  ばっかりのほうが宇宙的には普遍的生命といえるのでは?   大体「高度な文明」なんていうのは、まさに人間の「傲り」です。  そんなものない生物の方が『幸せ』なのでは?   --------------------------- 南極大陸の厚い氷の下の海に、未知の生物がいる可能性があるとし、調査が始まった という。(その新聞記事をスクラップしていたつもりだけれど探したけれど見つから なかったからおぼろげな記憶で書きます。去年の後半のニュースです。) で、いままでの私たちの進化とはまったく影響を与えあわない進化をした生物を私た ちの環境に持ってくることで、未知の細菌やビールスが蔓延して取り返しのつかない 事にならないために、研究所を設け慎重に事を運ぶという。そういう意味では地球外 生物のような扱いになるらしい。 つるべさんのいう「生命の強さ」だよね。 私たちは炭素系生物だよね。珪素系生物って岩石人間ってこと? ガス状生物ギズモっていう古いSF小説なんて知ってる人はいないか……。(笑) うん。たしかに私たちの想像外の生物の可能性っていうのはあるよね。 意志の疎通は難しいかもしれないけれど。 それと、自らの生存環境を変えていくという件だけれど。 そうでもないんだよ。万物は流転するんだ。 すべては変わって変化し続けるものなんだよ。 変化に対応できるっていうのも「生命の強さ」でもあるんだ。 緩やかな変化には生物は対応していくことが出来るけれどヒトの作り出した環境変化 はあまりにも急激でそれは変化などではなく破壊という言葉の方が似合っているん だ。 自らの生存環境を変えていった「ストラマトライト」のお話をその内する予定。 たぶん16号(!)ぐらいで。 つるべさんからは他にもクローンについての意見がありました。 クローンの問題については、私はとても興味があるんです。 今回の「マンモス復活せず」でもクローンについて語っているけど、似たようなテー マで今後も語ります。 8号と10号で語ります。 で、クローンについての意見大募集です。 8号と10号を読んだ後でも良いし、今でも良いし。 ある程度集まったら、クローン投稿特集号なんて組めたらいいなと思っています。 最近一日としてニュースにならない日はないっていうくらいホットな分野です。 考えを暖めているうちに、あれよあれよと言う間に時代がどんどん走って行くのが感 じられ、慌ててしまいました。 ━●編集後記━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ つい岡本太郎という名前が出てしまった。何者かというと一言でいうと芸術家だ。 「芸術は爆発だぁ!」の人である。 私は割と岡本太郎は好きである。ああいう訳の判らないエネルギーが好きである。 太郎よりも好きとういうか気になる存在が、母、かの子。歌人、小説家、仏教研究家 である。 かの子は凄いよ。一平という夫がある身で、自分の痔の治療のために通っていた医者 を好きになった。聖子ちゃんじゃないけれど、この時、ビビビビビっときた訳だ。で もその想いを伝えることが出来ない。かの子のとった窮余の策は、その恋の橋渡しを 夫に頼んだんだ。一平はその役を引き受けその関係を認め、自分は自宅一階に住み、 男が二階に住むことを認め、そしてなおかつ、かの子を愛し崇め奉り支援する。かの 子はそうやって他にも好きなった男を自宅に連れてきて、そして男供はみんなしてか の子を観音様として崇め奉ってしまうのである。 一平は「宰相の名は知らなくとも、岡本一平の名を知らぬ者はいない」と言われた当 時のジャーナリズムの寵児の人気漫画家である。 かの子は、50歳の若さで死ぬが、一平の支援もあり、死ぬ前の3年間は当時の文壇の 話題を独り占めするような作品をどんどん発表し、川端康成に絶賛され、武者小路実 篤に「その文体も人柄も醜悪である」と言わしめるような2分するような評価をされ ながらも、とうとう大輪の花を咲かせるような活躍をしていったのである。 昭和の初期の頃の話だから、かなりすっ飛んでいたなんてもんじゃない。狂気の沙汰 一歩手前か、そのものだったか。 かの子の写真をみるとそれがお世辞にも美人という範疇にいないから不思議なもん だ。 太郎が子どもの頃、まとわりつく太郎が邪魔で柱に縛り付けて作品を作るかの子に、 幼い太郎は畏敬の念を抱いたというから、芸術とは押さえ切れないエネルギーがほと ばしるものなのだろう。 なんだかよくわからないけれど、私にはない訳の判らないエネルギーを持つかの子が ちょっと好きである。 すみません。科学マガジンとは、まったく関係ない話しをつい熱を込めて語ってし まった。 で、紙面の長さの関係上、予告した恐竜の記事は次回に。 ★「やまねこ通信E=MC二乗」では、あなたからの投書を受け付けています。  動物・植物・環境・宇宙・時間・哲学このメルマガの趣旨に合うような投書を  気軽にメールに書いてね。 ★みなさんの中にメールマガジンを発行している方はいませんか?  もしよかったら相互で宣伝しあいませんか?  連絡ください。 それじゃ、今週はここまで。 あなたのお便り待ってるよ。 daichi-m@phoenix-c.or.jp じゃね。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 「焼き うどん」って「野球丼」と聞こえるんだけど。私だけ? ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ○週刊 やまねこ通信E=MC二乗 vol.7  2001年1月19日発行 http://www.phoenix-c.or.jp/~daichi-m/yamaneko/yamaneko.htm ○発行編集者 みかりん daichi-m@phoenix-c.or.jp ○発行システム:インターネットの本屋さん「まぐまぐ」 http://www.mag2.com/ ○登録/解除 http://www.phoenix-c.or.jp/~daichi-m/yamaneko/yamaneko.htm ○週刊やまねこ通信は、素人みかりんが趣味で発行しているもので、情報の正確さに はまったく自信がありません。引用して弊害が起きても責任は持てないよ。 それから誤字脱字変換ミスは大目に見てね。気を付けるけれどさ。えへ。