2002/7/20━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 幽玄の森羅万象の散歩道 動物行動学からの性♂♀の話・動物・植物・環境・宇宙・時間・哲学 興味のおもむくまま“みかりん”の しゃべりんぐ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━目指せ1万部! ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆         やまねこ通信 E=MC二乗                                vol.74 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ こんにちは。 みかりんです。 月見草。 なんて日本的なネーミングなんでしょう。 でもこの草も外来種。 江戸時代末期に渡来したメキシコ原産の多年草。 夏には白い四弁花をつけるんだ。 その花の色と、夕方から咲き、翌朝にはしぼんでしまうことから 月見草と呼ばれるようになったんだよ。 草原で見掛ける黄色い花を一般に月見草と呼ぶとずっと思っていた。 あれは、厳密には別種の待宵草と呼ばれるものらしい。 でも月見草・待宵草などを総称してツキミソウと呼んでいるのが一般的。 待宵草も、日本的なネーミング。 ゆるりとした時間の流れを楽しんでいた頃のネーミング。 新しく登録して下さった人、はじめまして。  ここに↓バックナンバーがあるよ。『内容一覧』という所をクリックしてみて。 http://www.phoenix-c.or.jp/~daichi-m/yamaneko/yamaneko.htm ━■惑星の不思議な法則の話━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 18世紀、まだ惑星は水星、金星、地球、火星、木星、土星しか知られていなかった 頃。 ドイツの自然科学者ティティウスは1766年、6つの惑星(水・金・地・火・木・土) の太陽からの距離が簡単な数列であらわすことができることを発見したんだ。 軌道長半径(太陽との距離)=(4+3×2**n)/10という式。 このnに、惑星に応じて「水星−∞、金星0、地球1、火星2、木星4、土星5」という 数字を順番に当てはめて計算した値は、当時知られていたこれらの惑星の太陽からの 距離を、本当に正しく言い当てたんだ。 (AUという単位は、地球から太陽までの平均距離=1億5000万km) 惑星名 ボーデの法則値 nの値  太陽との距離(AU) 水星      0.4 −∞ 0.39 金星      0.7 0 0.72 地球      1.0 1 1.00 火星      1.6 2 1.52 (小惑星) 2.8 3 2.77 木星 5.2 4 5.20 土星 10.0 5 9.54 (天王星) 19.6 6 19.19 (海王星) ? ? 30.07 (冥王星) 38.8 7 39.48 ※海王星は、この法則に合わない。 この法則はティティウスが発見したんだけれど、広めたのはベルリンの天文学者 ボーデなので、一般にはティティウス・ボーデの法則、またはボーデの法則と 呼ばれているんだ。 で、この時点ではまだ惑星は水星から土星までしか発見されていなかった。 1781年、イギリスの天文学者ハーシェルが天王星を発見した時、これがボーデの法則 の19.6AUと一致したから、そりゃぁ大騒ぎ。 火星と木星の間にも未発見の惑星があるはず、2.8AUの新惑星を探せと大騒ぎになっ たんだ。 1801年、偶然に7等級に光る新天体が発見されたんだ。これが小惑星セレス。太陽と の距離は2.8AUで、ボーデの法則にうまく合致していたんだよ。その後、パラス、 ジュノー、ベスタとぞくぞくと小惑星が発見され、アステロイド(小惑星)と呼ぶん だ。 1846年、法則に合わない場所から海王星発見。 1930年、法則の n=7の場所から冥王星発見。 この2つの惑星の位置に疑問が残ってしまったんだ……。 例えばさ、冥王星が海王星の衛星と考える仮説が正しいとしたら、近い将来77.2AU 付近に新惑星発見のニュースが世界を駆け巡るかも知れないし……。 ルイジアナ州立大のディミトリス・クリストドゥールー氏は、惑星位置について、次 のようなことを発見した。 太陽系誕生時の巨大ガス星雲中でガス圧がどのようにガス収縮に影響するかを調べ、 ガス密度が太陽からの距離にしたがって、高くなるところと低くなるところを繰り返 しながら、その振幅が減衰して行くのを突き止めたというんだ。 この振幅の3番目の山に地球を当てはめると、全ての惑星がきれいに山に当てはまっ たと報告している。 小惑星のハンガリア族は6番目、小惑星帯が7番目から10番目、最遠の外惑星も山に 合うと言い、更に惑星が発見されていない外側にも振幅グラフにかなり山が残ってい るっていうんだ。 そして説明出来ない所は、4番目が空白で、5番目の火星が山から少しずれていると いうんだ。 もし、4番目にあった惑星が数十億年前、火星と衝突し、火星の軌道を動かし、その 惑星の破片が小惑星の一部となり、一部が地球の衛星「月」になったのだとしたら。 月は地球にとっては大きすぎるっていうしね。※ 水金地火木土天海冥の謎解きはまだまだ続く。 ※ 月の半径は1738kmで、これは地球の1/4の大きさもあるんだ。 水星の70%、火星の50%もある。大きいよね。 月は、太陽系の中では母惑星に対して特異的な巨大衛星なんだよ。 太陽系最大の衛星は木星のガニメデで、半径2634kmなんだけれど、 木星との比率は1/27しかないんだ。 次いで土星のタイタンは半径2575kmで、土星の1/23。 地球の衛星である月。こうしてみると不釣り合いに大きいでしょ。 ━●みかりんの叫び━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 「食は神事である(1)」 今では祖霊を祭る意識は薄れてしまったけれど、元旦には、お正月様を迎えていろい ろな祭事をしていたんだ。 お正月様っていうのは、家の祖先の神様。ご先祖様がそれぞれの家に戻ってくるん だ。 で、お正月のハイライトは家族とお正月様が一緒に食事をするのを『神人共食』と いって昔の人はたいへん重んじたんだよ。 お正月に大事なのは、親子兄弟一族郎党が全員集まって神様と一緒に食事をすること だったんだ。 宗教の食物規定っいうのがあるよね。ブタを食べてはいけないとか、ウロコのない魚 は食べちゃダメとか。 日本の神道でもスサノオ系列のお祭りではキュウリを食べない。 宗教では、そういう特定の食べ物に対する特殊指定は結構あるんだよ。 食べてはいけない物というのは、その宗教や食べ物によって、色々理由付けがあるの だろうけれど、もともと神様の召し上がるものだから、それを遠慮するというのが習 慣で出来て、それが共同体の一員になることの、ひとつの基準になっていったと考え られるんだ。 「あんな物を食べるヤツは共同体に入れられない」などという、そういう意識。 食物規定の占めるウエートが大きいという事は、逆にいうとその土地にできる物「同 じ釜の飯を食う」という作用が大きいってことなんだね。 だから外国人がナマコや納豆を食べたとき、「あいつは仲間だ」と言って笑いあえる 図っていうのは容易に理解しやすい。 神様と共食することがお祭りの重要な要素だから、同じ神様をお祭りする共同体の 一員になるのも神様と一緒の物を食べる、つまり「同じ釜の飯を食う」って事になる のだろう。 だから他国の文化を理解しようと思ったら、その国のものを食べなければならない。 例えば日本の食べ物をゲテモノ扱いされたら、がっかりだよね。無理強いしても しょうがないし。 でもね、「なぁんだ。つまんないヤツだなぁ」って私は思う。 美味しい美味しくないなんて二の次、三の次だ。ここはやせ我慢してでも食べるとこ ろでしょ。って私なら思うし、私はそういう機会があったら食べるだろう。 もしも、そういう機会を断ったり、ゲテモノ扱いしたら、「やっぱりな〜、ここまで かぁ」と、バリアが出来てしまってそのバリアを解くのに時間がかかる。 その土地のものを食べるのは、そのバリアを解く手間のひとつを簡単になくせる効果 がある。 「これ食べて見ろよ。食べる事ができたら今日から仲間だ」 この理屈は、 「あんな物を食べるヤツは共同体に入れられない」 この理屈と同じ線上にある。 食事の時間を共に取り、同じ釜のメシを食うという行為は、交流する事。 コミュニュケーションとしての食事。 すべからく食事とはそういうものなのではないのだろうか。 現在、コンビニの弁当食産業は全盛を迎えている。 コンビニの弁当食を食べる習慣がない私には、これはかなりの危機と感じているん だ。 受け継がれて行くべき味覚の崩壊。食材に対する無関心。全国均一な献立。 そして大袈裟にいえば、共同体意識の希薄さに繋がる危機。そして「個食」「孤食」 になりがちな事。 すごく大袈裟にいえば、人類史上今まで経験したことのない現象かも。 と、ここまで思うんだ。 便利さ、手軽さ、効率性を追求していった結果、失ったもののなんと多いことか。 外食やコンビニ食では、「多く作り過ぎちゃったからおすそ分け」というご近所共同 体などないしね。 食は、ただの栄養摂取である。ということではなく、突き詰めると「神事である」と いう所までいくのだな。 ━▲やまねこ投書箱━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 前号vol.73の「矢ガモの話」で野鳥の餌付けは、野鳥のドバト化を招いている話をし た。 それに関連している投書を。 この投書は今年GWの頃きた投書だったんだけど、長いので投稿の少ない時期を狙っ て今回の掲載になりました。 --------------------------- [Aティガ] ナキウサギの調査のために然別湖に行ってきました。 展望台でキタキツネならぬ『観光キツネ』を見つけました。 栃木ナンバーやら宮城ナンバーの車に乗った観光客がそのキツネを見て『キャー、か わいい』とスナック菓子やらウインナーを与えていました。 そのキツネは逃げるどころか観光客にすり寄っていき、平然とエサを受け取っていま した。 まるで野良犬のようになっていたのです。また、キツネの毛並みがひどく悪くてボサ ボサ毛でした。まるでブラシで髪を逆立てたようになっていました。 私見では『疥癬』ではないかと思います。 以前、農家の牛で同じような症状をみたことがあり、そのときの状況とそっくりでし た。 以前、やまねこ通信vol.30で掲載されていたことが現実に起こっていたのを見て大変 おどろきました。 確認のために鹿追町と士幌町の農家に取材してみたところ、『最近、変なタヌキが子 連れで排水溝付近をあるいているもんなー』、『ちかごろはキツネの姿をみなくなっ たなあー』、とか『このごろのキツネって毛並みが悪いなー、なしたんだ』との声が たくさん聞かれました。 どうやら皮膚病(疥癬?)の蔓延化がキタキツネに起こっているようです。 ここから先は完全に私の推論ですが、 1)アライグマがキタキツネの野生のエサ場を奪った。 2)生き残るためにキタキツネ(の一部)は人間のエサをねだることを覚えた。 3)そのうちの数頭が皮膚病(疥癬?)になった。 4)仲間のキツネに伝染した。 という構造ができつつあるような気がします。 野生動物とペットをごっちゃにした接し方をした人間の責任は大きいと思います。 そう言えばナキウサギの生息地(駒止湖のガレ場)でもナキウサギを餌付けするため にヒマワリの種やらリンゴをばらまくカメラマンがいたりで悲しい限りでした。 純粋に動物の調査をするつもりでしたが、残念ながら悲しい人間の業を観察してGW が終わ りそうです。 今回は愚痴です。           --------------------------- やまねこ通信vol.30の「キツネの話(3)」で、キタキツネの現状について書いてい ます。 未読の人は是非是非読んで欲しい。 野生動物に出逢って安易にスナック菓子をやるとどういう事になるか。是非知って欲 しい。 動物園の動物にスナック菓子をやることも止めて欲しい。 vol.30の「キツネの話(3)」から一部を抜粋するね。   キツネは肉食動物だ。   肉食動物にとってスナック菓子の甘さは適度な下剤となる。   毎日下剤を与えられた動物は免疫力が低下し、疥癬病となる。原因となる寄生虫   が皮膚の中を食い進み、トンネルを全身に造るという凄まじい重い症状の疾患   なんだ。   キツネの疥癬病の死体が牛舎や豚舎でみつかる事が多いのは、脱毛したために   暖を求めた結果なんだ。 バックナンバーは、ここから読めます。 http://www.phoenix-c.or.jp/~daichi-m/yamaneko/yamaneko.htm 私は、これと同じテーマを切り口を変えて、何度も語っています。 前号の「矢ガモの話」もそうでした。 この事をひとりでも多くの人に伝えなければ。とそういう思いです。 もし、お子さんを連れて、またはデートで動物園に行くことがあったら思い出して欲 しい。 キャンプや山登りなど自然にふれる機会があったとき、野生動物をみかけることが あったら思い出して欲しい。 そして同行している人にも教えて欲しい。 ━●編集後記━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ★「やまねこ通信E=MC二乗」では、あなたからの投書を受け付けています。  動物・植物・環境・宇宙・時間・哲学このメルマガの趣旨に合うような投書を  気軽にメールに書いてね。  過去に取り上げた記事からの話題も歓迎しています。 ★vol.74の参考文献       「神道の聖典」すずき出版 ひろさちや+上田賢治        ★次回配信予定は7月30日です。 ★メルマガ相互宣伝です!  バックナンバーを読んでみて、気に入ったら購読すると良いよ。 ★☆♪★☆♪★☆♪★☆♪★☆♪★☆♪★☆♪★☆♪★☆♪★☆♪★☆♪★☆♪ 司法修習生の散歩道  司法試験に合格したあと、どのように裁判官・検事・弁護士に  なっていくのか、ご存じですか? 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