2002/7/30━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 幽玄の森羅万象の散歩道 動物行動学からの性♂♀の話・動物・植物・環境・宇宙・時間・哲学 興味のおもむくまま“みかりん”の しゃべりんぐ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━目指せ1万部! ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆         やまねこ通信 E=MC二乗                                vol.75 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ こんにちは。 みかりんです。 夜。 どこも街明かりで明るいよね。 明るいほど良い街のような感じ。暗い所がない夜。 文明ってのは、夜明るいことなのかな。 日本は、宇宙からみると世界一明るい国になっているんだ。 反比例して星は見えなくなる。 文明とは、星空が遠くなること……。 新しく登録して下さった人、はじめまして。  ここに↓バックナンバーがあるよ。『内容一覧』という所をクリックしてみて。 http://www.phoenix-c.or.jp/~daichi-m/yamaneko/yamaneko.htm ━■トビウオの話━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 空を飛ばずに海中を飛ぶように泳ぐ鳥、ペンギンもいれば、 鳥のように空を飛ぶ魚、トビウオもいる。 トビウオは何故宙を飛ぶのだろう。 山男に、何故山に登るのかと問えば、そこに山があるからだと答える。 トビウオも、そこに空があるからだと答えるのだろうか。 <動機> ・身に危険が迫ったら飛ぶ。 トビウオが群で泳いでいるとき、それをみつけた大型魚類マグロ、カジキ、シイラ などが襲いかかってきた時。漁師が船を操って追ってきた時。 水から出て空中を飛んで逃げれば安全だし、追っ手を驚かせるには十分な方法だ。 ・スポーツとして。 カルフォルニア大学のハブス教授によれば、闇夜に漁船の灯火目指して飛ぶことがあ り、一種のスポーツとして空中飛行を試みることもしばしばあるという……? (この教授はトビウオに聞いてみたのか?) <飛びかた> 飛行しようとするトビウオは、飛行のエネルギーを得るために、海面近くを 猛スピードで遊泳する。そして加速度がついた所で、長い胸ビレを左右にさっと広げ 海面におどりだし、尾ビレで海面をたたく。 これが浮揚力になって、魚体は水から空中へと飛行状態に移る。 トビウオは羽ばたかない。 トビウオの胸ビレの基部には、ヒレを羽ばたかせるような筋肉がまったくない。 尾ビレの基部には、尾ビレ屈筋などの筋肉が発達している。 妙な観察記録がある。 水鳥が水面から空中に飛び立つ際、脚の水掻きで水面をたたいたときに、水紋の輪が 水面に残る。その数、約20。 トビウオも水面を尾ビレでたたいたときに出来る水紋の輪も約20。 これはたぶん偶然ではないだろう。水から宙へ向かう者の合理的な力学に基づいてい るのだろう。 <飛行力> ・距離 トビウオは羽ばたかないから、グライダー方式で距離を伸ばす。 追い風と向かい風の場合とではずいぶん違うけれど、 1回の飛行で100m〜500mくらい飛ぶ。 ・高度 トビウオは1000トン級の船の甲板に飛び込んでくるというから、少なくても10mほど の高さを飛行していることになる。 トビウオと言ったって、跳ねるくらいかと思っていた。 どうも本当に飛ぶらしい。 他の魚が海中を泳ぐしか方法がない中、「泳ぐ」と「飛ぶ」のふたつの移動方法があ るトビウオは、たぶん得意満面だろう。 「スポーツとしての空中飛行」説も、あながちデタラメではないのかもしれない。 ━●みかりんの叫び━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 「食は神事である。(2)」 現代人は、アレルギーがとても多い。 果物アレルギーってのも結構あって、オレンジ、トマト、イチゴ、メロンが多いか な。なかでもメロンは、最も多い原因のアレルゲンなんだ。 アレルギー反応は、果物を摂取した後数分以内に現れる即時型で、ジンマシンだった り、のどのイガイガ感だったり。ひどい場合はショック症状もあるらしい。 臨床的にメロンアレルゲンは熱に弱いことが観察されているらしいけれど、 メロンを熱してもねぇ……。 メロンアレルギーは、草の花粉、とくにブタクサアレルギーをもつアトピー患者に 発症するようなんだ。 スイカアレルギーってのもあるんだ。あんな水っぽいものにもアレルギー反応を起こ すなんて。 メロンとスイカのアレルギーをふたつ持っている人も珍しくないし。 これは現代病だね。原因はひとつではない。複合的なものだろう。 私は、日光アレルギーとか米アレルギーってのが存在するって知った時 すごく驚いたよ。太陽の光や、お米のおいしさを甘受できないなんて!ってね。 人は、動植物の命を奪って食べなければ命を維持できない。ここの所を自覚して大切 な命をいただく感覚が大事。 牛も豚も、細やかな感情がある。経済動物にも繊細な感情があるんだ。 「だから食べない」のではなく、「そこの所を見ない」のでもなく、そこの所を受け 止めて、快適な環境を用意し、感謝して命を戴きみずからの命を繋いでいく。 食は感謝だ。突き詰めると神事になる。 子牛の肉は柔らかくおいしいと言われる。 けれどこれは子牛を虐待してそういう肉を作っているんだ。 子牛は生まれてすぐに母牛から離されて、身動きできないような仕切りの中に閉じ込 められ、少しも動けない監禁状態におかれるんだ。 これは、子牛が運動してしまうと、筋肉が発達し、柔らかい肉ができないから。 子牛には大好きな干し草も与えない。干し草には鉄分が含まれているから。 鉄分を与えず子牛を貧血状態にすることによって、白身がかった極上の肉ができるん だ。 代用ミルクには、脂肪、糖分、抗生物質などが含まれていて、そのために子牛は急速 に成長するんだよ。 子牛は鉄分が欲しくて、仕切り材やくぎなど、まわりにある金属をなめようと必死に なり、これによって病気になることさえある。 晴れた日であろうと真っ暗な部屋に置かれ、出荷される頃には貧血の状態はとても ひどくなっているんだ。 ミルクしか与えないことから貧血状態が起き、筋肉組織には色素形成力が なくなるために、屠体にしても幸い黒ずむことがない。 ほかの餌を避けなければならないのは、それらに鉄分が含まれているからなんだ。 特に微量無機物の食塩や乾草や敷きワラなどは鉄分の給源になるので避けねばならな い。 穀類もまた、給餌プログラムにあってはならない。 こうして子牛に強いストレス反応を起こさせるんだ。 10週齢に近づくと、それは特にひどくなる。 子ウシは生まれたときに体内に鉄分の蓄えを持っているから、8〜10週齢までの間 は、平気な顔で過ごすことができるんだけど。 産まれてすぐに母親から引き離され、母親の乳を吸うことも、ぬくもりを感じること も許されず、1日中、くる日もくる日も真っ暗なしきりの中で、身動きすらままなら ず、太陽の光すら浴びることもできず、孤独とストレスと、極度の貧血。 そして屠殺されるその日を待つ。 人にとって必要な肉は、健全な環境で育てられた健康な動物の肉である筈だ。 いったい私たちは、どこで道を間違えたのだろう。 このような肉をありがたがるグルメという名の、底の浅い食文化。 本当のおいしさについて考えなければならない。 こういう命の虐待の末の食べ物を作り出す感性が、アレルギー禍が増えている 遠因といってもいいのかもしれない。 乳牛飼育で大規模経営ってのがあるよね。機械を導入して人手を排除しての大量生 産。 小規模経営ってのは、大規模経営にはとうてい勝てないように思えるけれど、手間を かける事ができる。乳房を清潔な布で拭いてあげる事ができる。愛情をかけてあげる 事ができる。 それがおいしいに繋がるし、健康に繋がる。 それを戴く私たちも健康な牛からの恵を戴き、体を作ることができる。 そういう循環でなければならないんだ。 経済動物も幸せでなければならないんだ。 そういうものをおいしいと感じるものでなくては。 不幸な子牛をおいしいと思う限り、アレルギー禍はもっと増えていく。 食は、突き詰めると神事である。 幸せなブタは、おいしい。※ 私たちは、食べ物の方向を間違ってはならない。 ※「幸せなブタは、おいしい」   やまねこ通信vol.28で、このテーマで語っているよ。   未読の人がいたらバックナンバーでどうぞ。 ━▲やまねこ投書箱━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 前号vol.74のみかりんの叫び「食事は神事である(1)」の中の 「 現在、コンビニの弁当食産業は全盛を迎えている」という言葉から ----------------------------- [口先天風]  以前に友人が「最近、お前(友人の奥さん)料理が上手くなったなぁ。」  と感心していたら、原因は惣菜を買うスーパーを替えただけだった  ので、随分と落ち込んでいた。  彼は仕事が遅くて家族で一緒に夕御飯を食べる事がなく、そんな事情  すら分からなかった。  既に、漬物・味噌等々が作れない主婦が多いですね。  先日、大学教授が「企業が消費拡大・経済安定との題目でテレビゲーム・  刺激的雑誌・携帯電話を大量に作り、子供達に消費をさせた。」  「これにより、子供達は自分の時間を自分で過ごす事が出来なくなり  既存の消費社会の一部に盛り込まれてしまった。」と寂しそうに話して  いました。この現象は、母親が母親として暮らす時間が奪われ、子供も  そんな社会の中で活きていて、少し悲しい社会ですね。  経済発展が最大の優先課題である資本主義では、そんな本心良心も  殺してしまわねばならないのが現状かも知れませんね。  ----------------------------- 現代は、子どもの遊びですらも、消費社会の枠組みの中に入っていってしまってい る。ゲーム業界は今や一大産業だ。景気の一翼を担う。なんてこったい。です。 昔は、「子供用」というものがとても少なかった。 だから子ども達は、工夫して自分で作ったり、想像でまかなったり。 例えば、自転車の三角乗り。子どもが大人用の自転車を乗るために独自の工夫で 生まれた乗り方。 座布団をまるめて、人形さんにみたてて、おんぶしていた女の子なんてそんな子、 今日日いないよね。(笑)          「経済発展が最大の優先課題である資本主義」そうなんだよなぁ。ここの点なんだろ うな。 この経済性第一主義が、ゆがみの原点なんだ。その矛盾をどうするか。 前述の不幸な子牛をありがたがる風潮も、このゆがみがもたらしたもの。 ----------------------------- [藤山]  昨日、朝の散歩で近所の“おばちゃん”から家で採りたてのトウモロコシを貰っ  た。  消毒も少ないでしょうし、虫に少し食べられていましたが甘くて美味しかった。  家で、枝豆も作っていますが今年も美味しく出来ている。  消毒は全然しないので、虫もつきますがどこで買ってくるよりも美味しい。  冷凍物に慣れていると、これは衝撃の味です。  無人販売所で、宮脇(みやのわき)に小さな無人販売所があるのですが、ここの  トウモロコシは毎年甘くて美味しいので楽しみにしています。  今年も2回買って、今日も楽しんだ。これも、冷凍物とは違う。  この無人販売所で先日ジャガイモを買って、おでんにしたら「ジャガイモの味は  こんなだったかっ!」と驚くほど美味しかった。  今日も、出ていたので買い足してきました。わざわざ、買いに出かける値打ちあ  り。  美山のおばあちゃんが「一里四方の物を食べていたら病気をしない」と言われて  いました。 ----------------------------- 本当はとても人として当たり前なことなのに、現代人にとっては、なんて贅沢なこと なんだろう! 「一里四方」という言葉は私も聞いたことがある。 最近、ファーストフードに対してスローフードと呼ばれる運動が広がりをみせている よね。 忙しい現代の画一化された食生活を見直す運動。 例えば、朝食に時間をかける。作るのにも食べるのにも。 「そんな。朝は忙しいのに。1分1秒でも寝ていたいのに」 そんなこと言わないで。一日のポイントを夜から朝に移す。 これだけでたぶん夜型にポイントを持った生活とは、違った豊かさが手に入ると思 う。 食は健康。食は生活。食は生きる事。そして食は神事なのだし。 ----------------------------- [Aティガ]  以前、嘘発見器でサボテンと話す実験をテレビで放送していたのですがそれは  科学的にあり得ることなのでしょうか?   サボテン(植物)との会話はどんなものなのでしょうか?  何だかドラえもんの世界の話みたいですが。  ----------------------------- サボテンが人間の言葉に反応するという話ですね。 「捨てようか」「飽きたね」とか、他にも様々な言葉に反応するというんですよね。 そういう実験結果から「サボテンは言葉をある程度理解しているのではないか」と言 われるんです。 でもね、植物は動物のよう動作や言葉で返すことができないからね。 だからいつまで経っても結論は仮説でしかないんだよ。 エポック社の「プラントーン」という製品で植物に電極を付けると音と光が変化し て、植物の“感情”がわかるというものがあるんだ。 買って試したことはないけど。 ━●編集後記━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ★北杜夫のエッセイで、航海中に甲板にでて料理しようとフライパンに油をひいて暖 めていたら、フライパンの中にトビウオが飛び込んできて、世界で一番新鮮な料理が 出来たという話を思い出した。 トビウオって海面を跳ねるくらいだと思っていた。 数百メートルも飛行するとは! 飛べない者が飛べるのは気持がいいだろう。 たとえ甲板に乗り上げる危険があったとしても、飛ぶことに意義があるのだろう。 その内、大胸筋を発達させて、羽ばたきをマスターする個体がでてくるかもしれな い。 想像すると楽しい。 空中での方向転換を覚えるとか。 泳ぐより飛ぶことの方が得意になるとか。 飛べない鳥に飛び方を教え、泳ぐ鳥に泳ぎ方を教わるとか。(笑) ★「やまねこ通信E=MC二乗」では、あなたからの投書を受け付けています。  動物・植物・環境・宇宙・時間・哲学このメルマガの趣旨に合うような投書を  気軽にメールに書いてね。  過去に取り上げた記事からの話題も歓迎しています。 ★vol.75の参考文献     「目から鱗の落ちる話」  柏書房  末広 恭雄    「アニマル・ファクトリー」現代書館 ジム・メイソン/ピーター・シンガー    ★次回配信予定は8月10日です。 ★メルマガ相互宣伝です!  バックナンバーを読んでみて、気に入ったら購読すると良いよ。 〓★★〓tamanegi〓★★〓★★〓★★〓★★〓★★〓★★〓★★〓★★〓   ・・・・・洛中いぬ道楽〜京都のお笑いわんこ物語・・・・・ 京の下町に暮らす、2頭の雑種犬ぱる&ぷんての成長期とおもろい毎日 犬好きならきっとうれしくなる、たぶん笑える、トホホな味わいのなごみ 系エッセイ。はんなり京都弁で、京の四季の風情や情景もいっぱいどす〜 ★バックナンバーと登録は★ http://melten.com/osusume/?m=3611&u=1919 〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓inudouraku〓〓〓 ↑最近、100号をむかえた「わんこメルマガ」の決定版。  古都、京都情緒たっぷりだよ。 蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹     ★彡★彡★彡★彡★彡『蟹屋 山猫屋』★彡★彡★彡★彡★彡 北海道の生まれの北海道育ちの“みかりん”が、全国のみなさんに北海道の味覚を お手ごろ価格で味わって貰おう!と、北海道の海産物、農産品をネット販売!! 読み物としても楽しいメールマガジンを配信します。 懸賞もするよ。登録してね♪ 登録はここ→ http://www.phoenix-c.or.jp/~daichi-m/kani/   蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹蟹 ↑私みかりんのもうひとつのメールマガジン。未登録の人は今すぐ登録を。 ★みなさんの中にメールマガジンを発行している方はいませんか?  相互で宣伝しあいませんか?  連絡ください。 それじゃ、今週はここまで。 あなたのお便り待ってるよ。 daichi-m@phoenix-c.or.jp じゃね。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 夜道を車で走っていると、前方に月。 この道の先をずっと走ると月に到着。そんな感じ。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ○ やまねこ通信E=MC二乗 vol.75  2002年7月30日発行 http://www.phoenix-c.or.jp/~daichi-m/yamaneko/yamaneko.htm ○発行編集者 みかりん daichi-m@phoenix-c.or.jp ○発行システム: ◆インターネットの本屋さん「まぐまぐ」ID:0000052530 http://www.mag2.com/ ◆メルマガ発行サービス「メルマガ天国」ID:3743 http://melten.com/ ○登録/解除 http://www.phoenix-c.or.jp/~daichi-m/yamaneko/yamaneko.htm ○週刊やまねこ通信は、素人みかりんが趣味で発行しているもので、情報の正確さに はまったく自信がありません。引用して弊害が起きても責任は持てないよ。 それから誤字脱字変換ミスは大目に見てね。気を付けるけれどさ。えへ。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━